2008年5月25日 (日)

ラベンダーラッシーの花束

Img_3785_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : Apo Macro Elmarit 100mm F2.8

今日は午後から雨になると言う事だったので、ラベンダーラッシーの下のほうに咲いた花を切って切花にすることにしました。この花は房咲きになるし、一つ一つの花の花びらが多く、また大きさもそれなりに大きいので、雨を吸い込むと枝が垂れ下がって、土に埋もれてしまうのです。

それではせっかく咲いた花がかわいそうだし、またこれから咲く蕾のこともあるので、ある程度咲いた房はバッサリ切って花瓶に突っ込みます。ラベンダーラッシーはもともと多花性なので、咲いた房を全部切花にするのは無理にしても、このまま雨にあたれば悲惨な事になるのは解りきっているので、花瓶の許す限り入れてしまいます。

これが、バラでなく、開花直前の別の花の蕾であれば、人様に差し上げることも出来ますが、トゲがあり、また、花が開いたバラはかえって失礼になるので、それも出来ません。下手すると翌日には花瓶が散った花びらで埋まっている可能性もあるし、蟻さんが10匹ほど花びらの間を見え隠れしているものね。

でも、それを気にしなければ、この花瓶の周りは幸せに美しい世界です。このバラは、このように同じ種類のバラを花束にするほどに美しさが増します。一つ一つの花は「ゆるい」のですが、そのゆるさがたくさん集まることによって、幸福感がでてきます。

それに、この花の香りは、何にも変えがたい魅力があります。ダマスクローズのような典型的なバラを思わせる香りに、「ゆるさ」を感じさせる甘さが加わります。それを「ダマスクをもっと上品にしたような香り」とあらわした方もおられます。

上品にするという事は、よりきつくすることではなく、少しマイルドに優しくすることです。このバラの香りの場合、ムスクの柔らかい甘さ「ゆるさ」が加わったことで、上品な感じになったのではないでしょうか。

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2008年5月17日 (土)

通勤路に野いばらの香りが降ってきた

R0011145_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

昔、小学校への通学路に名前の知らないバラが咲いているところがあって、その香りが私の原風景の一部として残ったために、そのバラを探すことを続けていたという記事を書いたことがあります。

何のことは無く、そのバラはどこにでもある野いばらであったのです。ところが最近通勤路でデジャブーのように香りの記憶がよみがえる瞬間があって、周りを見渡すと、上から野いばらが垂れ下がって咲いておりました。朝の野いばらの香りは、バラの香りであっても、何か全く特別な、安らかさと懐かしさを感じさせるものです。私がこの香りで、瞬間的に香りの記憶がよみがえったのは、子供の頃の体験だけでなく、子供ながら感じた思いが、継がれていたからだと思います。日本が原産の野ばらの香りは、たぶん、共に生きてきた人たちに潜在的に刷り込まれているのかも知れません。

R0011137_w ところで、上から香りが来るというのも変ですが、通勤路に片方を崖にした坂道があるので、その崖の上から野いばらとスイカズラが垂れ下がっている所があるのです。

この場所に野いばらとスイカズラが垂れ下がっていることは前から知っておりましたが、以前は崖の上部に確認できる程度だったので、成長してどんどん垂れ下がって、道を歩くひとに香りを伝えるほどになったのでしょう。

写真は、野いばらが終わりかけスイカズラが咲きだした頃に撮ったものなので、この頃は少し感じが変っておりました。でも、野いばらとスイカズラが混じった香りというのも、形容しがたいくらい良いものです。

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2007年11月22日 (木)

目覚ましバラ

Img_0648_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : Apo Macro Elmarit 100mm F2.8

思えば前の日曜日、庭を掃除しながら「今週は寒くなるらしいからお家に入ろうね」なんていいながらアンナパブロアの蕾が付いた枝をチョッキンと切って、自分の寝室に連れ込んで以来、悪い風邪を患い、今週は体調最悪でした。

その中で元気づけてくれたのが、その時に切ったバラで、開花し、枕元で朝日を浴びながら毎日良い香りを振りまいて私を起こしてくれました。

私は北東の出窓に面した所にベットを置き、カーテンも閉めずに寝ているので、真冬の一時期以外、朝日の直撃を受けて目覚めることになっております。この出窓は通常は汚く物が置かれておりますが、冬の間は蘭系の植物がここで越冬することがあります。

その場合、植物達に申し訳ないので植物のところにはレースのカーテンを一枚挟んであげます。そうしないと太陽の直撃で「葉やけ」がおこることがあるので気を使います。私の顔は葉やけを起こさないのでどうでもよいのです。

この一週間は私の顔面も太陽の直撃からアンナパブロアが守ってくれ、優しい香りまで恵んでくれたのでした。

このおかげで、連休を前に体力は完全に回復。いやぁー休養になったぁーと今週のウィークディーを振り返っております。

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2007年7月 1日 (日)

イブピアジュの切花

Img_8594_w Camera : canon EOS 5D, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEG

昨日よく行く花屋さんを覗いてみたらイブピアジュの切花がバーゲンでした。思わず、あるもの全部と言って買い求めました。

これは、私の言って見たい台詞の一つです。花屋さんで、「xxの花をここにあるもの全部くれ」。大人のオトコとして理想的な花の買い方ですね。

今回はそれに近いことが出来た訳ですが、出費は600円でした。花が売れ残って痛んで来たことが原因ですが、イブピアジュはこれくらいの頃が一番綺麗だと思います。せいぜいもって三日ですが、その間存分に楽しみましょう。

私はイブピアジュは鉢花で育てているのですが、その株を見る限りコンパクトで切花に向くとは考えられません。おそらくツルバラの枝変わりがあって、それを使って切花栽培をしているのでしょう。

このバラはアンティークなテーストがあるので、切花でも本来は人気がありそうですが、今回はたまたま花が痛んでしまったのかも知れません。

いずれにしても、ドン曇の日曜日の慰めになってくれています。

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2007年6月 7日 (木)

幸せそうなフェリシア

Img_8281_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : EF24-105mm F4L

ファリシアはハイブリッドムスクとハイブリッドティの混血で、両方の性格をバランスよく持っているバラです。もっとも、「ハイブリッド」同士の交配だからもはや「混血」というのもおかしな話かもしれません。とにかく、フェリシアは一般的なハイブリッドムスクより多少大きな花を咲かせます。

木の姿はシュラブに分類されるのでしょうが、健康な枝ぶりを奔放に伸ばしてゆく様子は小さなつるバラとして扱ったほうが良いかも知れません。ハイブリッドムスクの血が入っているため日光不足にも耐性があります。その為北側のフェンス、ベランダのコンテナでも立派に育ちます。

ただ、どちらかと言うと一輪の花を観賞すると言うより、花を咲かせた株の様子を鑑賞するためのバラと思います。通常のハイブリッドムスクより大きな花を咲かせるといっても、一輪の花は花弁の数も少なくボリュームも通常のハイブリッドティほどではありません。

花の姿もルーズな感じです、ただこの花は房になって咲き、花弁も裏表が濃淡の異なるピンクですから花の周りは優雅な雰囲気が漂います。香りもムスクの甘く爽やかな感じの香りに片親となったオフェリアの上品な香り、いわゆるオフェリア香がブレンドされたものです。
香りの強さで言えば中ぐらいで、決して強い香りを持つバラには分類されませんが、香りの質から言っても強いことが似合うような香りではありません。

私は初めの頃、このバラが中途半端に思えていたのですが、今では北側のフェンスでマイペースで咲いているこのバラがほほえましく思います。花も枝も香りも「ゆるい」のですが、そのゆるさが幸せそうに見えるのですね。

フェリシアという名前も「幸福」を意味する言葉なので、作成者は最初から、この事に気がついていたのでしょう。

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2007年1月25日 (木)

New Zealand、国の名前をつけられた銘花

Newzealand_w Camera : Contax S2b, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEJ, Film : TREBI

バラに香りを求めるならばオールドローズかイングリッシュローズと言うのが一般的に間違いの無い選択だと思います。しかし、モダンなハイブリッドティにも香りが強いものがあります。その中で、私が好きな香りを強く持っているバラがニュージーランドです。

名前のニュージーランドはもちろん国の名前です。国の名前はおいそれと付けるものではありませんから、このバラはよほどの自信作だったものと思います。

ニュージーランドのMcGredy氏が1989年に作出し、1991年からニュージーランドを最初に商品化されました。別名はAotearoaと言いますが、これはマオリ族の言葉でニュージーランドを表す言葉のようです。このバラはニュージーランドの建国150年を記念して、国名を与えられたバラなのです。

ちょっと見た感じでは、大して花も大きくないし、とりたてて多花性でもない花なのですが、ハニーサックルを加えたような強いオールドルーズ香があります。この香りは心地よく、南国のリゾートでくつろいでいるような安らぎを与えてくれます。

そのせいか、このバラは何処と無く南国的で、比較的寒さに弱く、長雨にあたると黒点病も多発します。そのかわりうどん粉病には強いので、まさしく暖かく乾いた土地向きのバラなのだと思います。

私のバラもここ数年で樹勢が衰えてきました。お気に入りのバラなので何とか良い場所を見つけてあげたいのですが、なかなか良い場所はありません。

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2007年1月18日 (木)

マダム・ピエール・オジュ (Mme. Pierre Oger)は枯れない

Mmpireoje_w Camera :RolleiflexSL66 Lens :Planar80mmF2.8 Film :RDP2

最近オールドローズが流行っていたせいか、人気のある品種は専門の園芸店だけでなく、ホームセンターでも安く手に入るようになりました。

このようなポピュラーな品種のうちの一つがマダム・ピエール・オジュ (Mme. Pierre Oger)です。文句のつけようがないほど、美しく、優雅で可憐なバラです。このバラの花に関しては説明されるより数枚の写真をみれば、十分だと思います。表題の写真はあまり良く写っていないのですが、美しい花を念じてみてください。

おまけにティローズの香りが少し混じったダマスクを基調とした素晴らしい香りがあり、返り咲き性さえもっております。バラの分類ではブルボンローズというカテゴリーに入りますが、このカテゴリーはティーローズとダマスクローズの自然交配種か、初期の人工交配種と考えられております。百年以上、生き残り、大切にされてきた選抜種です。

私は以前、オールドローズというのは、世間に忘れ去られたかわいそうなバラなのだろうかと思って興味を持ちました。ところが実際は、昨今のようなブームを何度も引き起こしてきたスーパーエリートのバラ達という認識に変わりました。これから先も決して枯れ果てることの無い、将来を約束されたバラ達なのです。

これに比べれば、近年のハイブリッド ティーは、あっという間に消えて行く危険性を、生まれた時から持ち合わせる、絶滅危惧種です。

このように、スーパーエリートのバラですが、こんな完璧なバラにも、美徳と思えないところもあります。それは散らないこと。梅雨時だと終わった花がそのまま腐ってゆく状況になることさえあります。

私は個人的に、散り様もバラの美しさの一つと思っているので、全盛を過ぎたら潔くハラハラと花びらを散らせて行くバラの方が好きなのです。

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2007年1月11日 (木)

ダブル デライトは二重の喜び

Doubledelight_w Camera : Rolleiflex SL66, Lens : Primotar 180mm F3.5, Film : RDP2

ダブル デライト(Double Delight)は二重の喜びという意味で、このバラの場合、紅白の美しい花の容姿とフルーツシャーベットのような素晴らしく強い香りに恵まれた才色兼備の様子を祝福されてつけられた名前だと思います。

ああ、それは良かったね、で話は終わってしまうのですが、ほんの少し付け足すと。このバラが真価を発揮しているのは、このバラが生まれたアメリカの、それもカリフォルニアのあたりではないでしょうか。

実際日本で育ててみると、このバラは日照不足と湿気に弱く、低音に対する耐性もあまり強くない気がします。とくに日当たりに関しては、このバラの容姿に重大な影響があります。このバラの特徴である白の花弁を縁取る赤は花が日光にあたることによって作られる色なのです。このバラの咲き始めはクリーム色で日光に当たらなければそのままクリーム色の花のまま散ります。

日光にあたることによって赤い縁取りが生まれるのです。ですから日光が一方向からしか当たらなければ、赤い縁取りはそちらの方向に偏ります。私の家も日当たりが良くなく、せっかく咲いた花が偏芯して赤く縁取られると、なにか気の毒になってきます。才色兼備に生まれながら、育つ環境には恵まれなかったのです。

日本の家の庭は多かれ少なかれ日当たりに恵まれているとは言えず、このバラに関しては、公園で見れるような美しい容姿の花は一般家庭では見ることが難しいということになるでしょう。

ただ、バラの株自体はコンパクトにまとまり、鉢植えにも適しておりますから、このバラは鉢植えにして育て、花が咲いたら鉢を回して、日光を均等に当ててあげれば美しい縁取りになるものと思います。

湿度に対する弱さも、鉢植えにすれば雨の日には雨よけをしてあげることができるので、克服できるでしょう。手間をかけてあげればそれに応えてくれるので、ある意味、ダブル デライトは盆栽の文化を持つ日本に適したバラなのかも知れませんね。

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2006年12月28日 (木)

ミセス・ハーバート・スティーブンソン、最後の一輪の美しさ

Mhs_w Camera : Hasselblad SWC/M, Lens: Biogon 38mmF4.5, Film : RVPF(雨上がりで花がうつむいてしまっています)

白いバラで一番好きなものは何と聞かれても、答えは見つかりません。しかし、それが晩秋か初冬ならば迷わずミセス・ハーバート・スティーブンソンと答えるでしょう。

どんなところが好きなのかというと、まず透明感です。このバラは白い花をつけるバラのなかでも花びらが純白に近い種類だと思います。その花びらが初冬の花だと薄くなり、透明感がでてくるのです。その姿は清楚で落ち着きがあり、斜めから射す冬の日差しが花びらを透かせると何とも言えない美しさが漂います。

また、花の香りも素晴らしいものがあります。このバラはティーローズ系の香りがあるのですが、その香りはペパーミントティーのような、きりりと爽快な感じがする香りです。この香りは、夏の朝にあってもさわやかな朝を演出してくれますが、初冬には気高ささえ感じるくらいに凛とした趣があります。

私はブッシュタイプを手に入れて、それがとても気に入ったのでつるバラの枝変わりを長い間さがしておりました。数年前に通信販売で手に入れることが出来たものの、何かのトラブルでその苗が届くのが送れ、春先に裸苗を植えざるを得なかったのですが、心配したとおり、根を十分に伸ばすことが出来ないまま枯れてしまいました。

1年くらい大きな鉢で育てればよかったと後悔しているのですが、後の祭りです。またいつか、クライミングのミセス・ハーバート・スティーブンソンを探して、再挑戦するつもりです。

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2006年12月23日 (土)

ホワイトクリスマスにはあまり良い思い出が無いのです

Img_7045_w Camera : Canon 5D, Lens : EF24-105mm F4 L

表題の写真のバラは神代植物園のホワイトクリスマスです。春の花なのですが、ご覧のとおり雨に打たれた後があります。遠くの蕾には開花する前にボールになっている蕾も見えます。ボールになるとは、開花せずに腐ってしまう病気のことです。

私の場合植物園に行く時、フイルムカメラとデジタルカメラを持って行って、フイルムカメラで花の表情をデジタルカメラで花のデータを同じ順番に記録することが多いのですが、このバラにはフイルムカメラで撮った写真が見つかりませんでした。

自分で育てたことがあるバラなので、その時の写真を探せばよいのですが、それすら見つかりません。ひょっとして撮っていないのかも。私にとってホワイトクリスマスは中途半端なバラだったのかもしれません。

もちろん、ホワイトクリスマス自体は遅くまで繰り返し咲く白バラの銘花です。棘も少なく、総じて育てやすい品種だと思います。ただ私は、個人的に冬に咲く白バラであれば、ミセス・ハーバート・スティーブンソンを選び、花の香りではダブル・デライトを選んだのです。

これらの花の香りはフルーティな香りで、特にホワイトクリスマスの場合、クリスマスの頃に咲けばフルーツのクリスマスケーキのように美味しそうに香るでしょう。

とても良いバラなのですが、写真もろくに残らないほど私とは縁が薄かったようです。思えばホワイトクリスマスが当たり前の地域で育ちながら、ホワイトクリスマス自体に良い思い出なんて無いものね。

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2006年12月14日 (木)

サッターズ ゴールドの香りはマンゴ ピーチ ティ?

Sutters_w Camera : Rolleiflex SL 35E, Lens : Makro Planar 60mm F2.8 HFT, Film : TREBI

昔パラソルチョコレートというお菓子がありました。今でもあるかも知れませんが、最近ご無沙汰しております。サッターズ ゴールドの蕾を見るたび、私はあのパラソルチョコレートを思い出してしまいます。
花の蕾がとんがった三角錐だし、赤と濃黄の縞模様がピエロの持つ傘のようにメルヘンチックです。

Img_6487_w この花はいったん開いてしまうと花の命は短いので、蕾のうちが一番の楽しみです。花が開くと、蕾のうちは赤い縞だった部分が広がって、黄色の花に入る赤いぼかし、または血管のような赤い筋になります。

その赤い筋が血流と関係していてSutterというのはそんな意味で、黄色の花にはしる赤い筋が花の名前の由来になっている、と、何かの本で見たような記憶があって思い込んでおりました。
ところが今回Sutter's Goldでググッてみると、最初にでてくるのはSutter Gold Mining Companyでアメリカの金鉱会社です。

Sutterというのはスイスからアメリカに来た移民の名前であったのですが、この方の水車小屋で金が見つかったことによって、アメリカに有名なゴールドラッシュが起こり、現在は地名にもなっております。単純に考えるとアメリカの金の発見をお祝いして、それにちなんだ名前とも思いますが、金の発見は1848年このバラの紹介は1950年、百年の差があるし、金の発見を祝うならもっとふさわしい純黄のバラがあるでしょう。このバラの特徴は、黄色の花びらに走る赤い筋。この赤は無視することが出来ません。

今度は、Sutter's Gold Bloodで検索すると、また、山ほどヒットします。金鉱開発の歴史は犠牲者の発生なくしては語れないものなので、おそらく、このバラの名前は黄色が黄金。花びらに走る赤い筋が犠牲者の血に染まった川なのかも知れません。最も金鉱というものの本質を表現するバラなのでしょう。

名前の詮索はそれくらいにして、単純に花の話に戻りますと、この花は綺麗な蕾と、開花の進行が少し早すぎる花、黄色の花びらに赤のぼかしか筋が入りますが、これは季節によって変化します。これだけでも興味がありますが、さらにもうひとつ。この花はティーローズ系の香りを持つハイブリッド ティローズの中でもっとも素晴らしい香りを持つものの一つなのです。

そんな香りかと言うと、ネクタリンと紅茶を混ぜた感じの香りです。フルーツフレバーティのなかで、ネクタリンティというものがあったなら、こんな感じの香りだと思います。もし確実にあるものでブレンドするならば、ピーチティーとマンゴティをブレンドして缶に詰め蓋を開けてみてください。そこにはきっとサッターズ ゴールドの花の香りが....あるかも知れません。

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2006年12月 7日 (木)

アンナ パブロワは孤高のプリマドンナのようなバラ

Img_6064_w_1 Camera : Canon5D, Lens : Planar 55mm F1.2 MMG

伝説の名優六代目尾上菊五郎さんが、バレエ公演の瀕死の白鳥を見て感動し、バレリーナに「息を詰めて幕切れを迎えているように思えるが、もし幕が閉まらなかったら?」と聞いたところ「私は死ぬことになります」とそのバレリーナは答えたとか。六代目も、そうなったら本当にこの人は死ぬだろうなと思ったとか。この伝説のバレリーナがアンナ パブロワ(Anna Pavlova)さんです。

この高名なバレリーナと同じ名前を持つバラが表題の写真のアンナ パブロワです。著名な育成家のPeter Bealesさんが作出したものの花つきが悪いので試験床に植えっぱなしだったところを、友人で当時アンナ パブロワの伝記を執筆中だったKeith Moneyさんに見初められ、アンナ パブロワと名づけて世に出すよう説得され、この名前が付いたとのことです。

画家であり写真家でもあるKeithさんにとって、このバラのどんなところが、アンナ パブロワのイメージだったのか興味があります。が、自らカタログに書いたコピーを原文のまま引用すると次の通りです。

There is a real period charm about the full, slightly frilled petals with their shades of face-powder-pink, all set off with the darkest possible leaves, strongly circular.
it is quite haunting: the nearest I can get to describing it would be to imaging a picnic of fresh fruit salad with Turkish delight and served under a flowering May tree.

Anna_w 左の写真のように、初夏の可憐で美しい開花の様子が、イメージとして重なったものと想像されます。(Pentax645,Distagon50mmF2.8,RAPF)

ところが私は個人的に、勝手ながらも、このバラが初冬に寒さに耐えながら、最後の花を咲かせる様子に孤高のバレリーナの名前を重ねてしまいます。初冬の斜光をスポットライトにして、凛として咲く花の姿には感銘を受けます。この姿を見たいがために、手入れを怠って放置しているというのは言い訳に過ぎないとしても、このバラはこの姿を見せてくれるだけでもう十分すぎるくらい価値があります。それに、この一輪だけで庭中にバラの香りが漂います。

アンナ パブロワは素晴らしい香りの銘花でもあるのですが、特に初冬の冷たい空気に漂う香りは、凛々しく、肝がすわった、孤高な感じがするものです。夏の花ならば、爽やかに発散するタイプのモダンなダマスク香で、フリルがついたような可愛い花とよくお似合いな香りと表現するのが正しいでしょう。

英国のBeales社のホームページでは香りを紹介するのではなく、アンケートになっており、あなたはこの香りをどう感じましたかという問い合わせに選択肢から答える形です。残念ながら「凛々しく、肝が据わった、孤高な感じ」なんて言う選択肢は無く、中で一番近いと思われるDeep and Heavyを選択してみたら、これが一番メジャーな答えでした。

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2006年11月30日 (木)

Tom Brenemanの厚い花弁は良い香りで満たされ

Tombreneman_w Camera : Pentax 645, Lens : SMC Pentax-A Macro 120mm F4, Film : E100G

このバラはTom Brenemanです。1950年にアメリカで紹介されたばらで、1948年に亡くなった俳優で、ラジオ番組のパーソナリティのトム ブレネマンさんにちなんだ名前かも知れません。

あまりポピュラーなバラではありませんが、ライラック ローズ ピンクの、弁質が厚く、重ねが中くらいの花を咲かせます。日本には割と適していて、特に深刻な問題はありません。私のうちのバラも根頭癌腫病にかかったものの治療した結果完治し、元気を回復しました。割と良く伸び、暗い葉と形の良い刺が綺麗に映えます。ただ、なんとなく寒冷地より暖地のほうが向いているバラであるような気がします。

そして、これもあまり知られていませんが、とても素晴らしい香りを持っております。香りの質はダマスクに、少しブルーローズのような発散する爽やかな感じが混じり、しっとりとした潤いも感じられるものです。切花にしても長い間香りを保つのもこのバラの香りの特徴です。

思うに、このバラの香りの性質はこの花の花弁の弁質によるものでは無いでしょうか。しっかりした質感の厚い花弁は、同く厚い花弁を持つ黒バラのビロード感とは違った、すべすべで、透明感があり、思わずほお擦りしたくなるような瑞々しさがあります。この花弁に大量の良い香りの成分が保持されていて、その為香りを失わないものだと思います。

私はこの花が咲くと、まず戸外で楽しみ、早々と切花にして部屋に飾ります。切花になったバラは部屋に潤いと素晴らしい香りをもたらしてくれます。そしてその香りは劣化せずに長い間私を楽しませてくれるのです。

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2006年11月23日 (木)

午後のティタイムにはソンブレユの香りを

Sombreuil_w Camera : Rolleiflex SL66SE, Lens : Kinoptik Paris 100mm F2, Film :EPR

バラの香りの分類にティーローズの香りというものがあります。その典型的な香りは紅茶の缶を開けた時に感じる芳香とされます。

おそらくその通りなのでしょう、しかし実際ティーローズの香りとして有名な銘花は何らかのフルーツフレーバーが混じっていて、香りに変化と奥深さがあります。

その為、紅茶の缶を開けた時とはフルーツフレーバーティの缶を開けた時の香りで、どんなフルーツフレーバーが入っているかは缶を開けた時のお楽しみです。

このようなフルーツフレーバーが入ったたティーローズの香りで最も好きな香りの一つがソンブレイユ(Sombreuil)の花の香りです。この花の香りは甘く、マスカットのような新鮮な印象も感じられます。

このバラは細くしなやかな枝の割りに、重ねの多い重そうな花が咲きます。その為支柱かなにかに誘引してつるバラとして育てた方が良いと思います。うまく肥培すると、連続的に開花してゆき、おいしそうな香りをたっぷりと振りまいてくれます。

私はこのバラに関しても秋の花が好きで、夏の間は開花させずに、秋のためにエネルギーを蓄えてもらいます。こうして花のシーズンを秋に引き伸ばしても、このバラは結構寒さに強く晩秋まで開花を繰り返します。

ただ、秋の花は小ぶりで、特にこの花の場合薄平たく咲くので、花に賑わいとボリュームを求めるならば、やはり春の花です。

この花の名前はフランス革命のヒロインの姓からとられたものですが、暗さを表す意味もあるそうです。そのことから夏の夜の暗闇に浮かびあがる様子が一番美しいという人もおります。私は、秋の夕暮れに残照を浴びてたたずむ姿が一番ではないかと思うのですが。

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2006年11月16日 (木)

スターリング シルバーは銀無垢のバラ

Img_6660_w Camera : Canon 5D, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEG

青いバラはバラの育成家にとって夢だそうで、より青に近いバラが出来たといっては大騒ぎになります。青い花はいろいろありますが、例えばデルフィニウムの青色を持つバラが誕生したとして、私は魅力を感じません。

そんなに真っ青なバラの花束をもらっても寒いだろ、と思う訳です。青バラの作出は育成家の永遠の夢として、実現しなくとも良いと思うのです。

悪いことに、元々青い花色を出す色素が無く「見果てぬ夢」であったはずの青バラを、遺伝子組み換えで、パンジーの色素を移植して作ってしまった輩が最近現れ、後はどうやって濃縮するからしいのですが、何かが根本から違うような気がします。

ただ、その夢があったので、スターリングシルバーが生まれてきたのは事実です。このバラこそが、数ある「普通の青バラ」のルーツで、今ある全ての「普通の青バラ」はこのバラの血を引いているものといっても過言ではないでしょうし、またこのタイプのバラだけが持つ、特有の爽やかなダマスク風の香りは、このバラの香りがそうだったからで、このバラの香りが子孫に見え隠れ、アレンジされているのです。

このバラは1957年生まれですが、登場した時はさぞやセンセーショナルを引き起こしたことだったでしょう、スタシルマニアが生まれ切花は買い占められたと聞きます。

スターリングシルバー(sterling silver)とは、本来Silver925の事で、Silver925は銀92.5%、銅7.5%の合金で、硬度の問題で実質この合金で作られたものが銀製品となるそうです。

だからこのバラの名前は「銀無垢のバラ」といった感じです。今後、パンジーの青い色素を濃縮した青バラが幅をきかせるようになったら、正々堂々と銀バラとして売り出せば良いのです。

このバラは長い間欲しかったバラですが、青みに負けて来た為かショップで見かけることはありませんでした。だから京阪園芸のリストにこのバラのクライミングを見つけた時は本当に嬉しく思いました。写真のバラは春の花ですが、ウチでは今も咲いております。

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2006年11月 7日 (火)

ドフトボルケは私の一番

Duftwolke_w Camera : Pentax645, Lens : S-Planar 120mm F5.6 CT, Film : EPR

香りに対する印象は個人個人に、敏感さ、好き嫌い、思い入れ、偏見があるので、一番好きな香りのバラは?と聞くと千差万別の答えが返ってくるでしょう。

ただ、好きな香りのバラを5つ挙げて下さいと聞かれると、ドフトボルケを知っている人ならば必ず、その5つの中にドフトボルケを入れてくるものと思います。

ちなみに、私の一番はこのドフトボルケ(Duftwolke)、英語名で言うFregrant Cloud。どちらも香りの雲という意味の名前で、まさしくこのバラを表す相応しい名前です。

休日の朝、太陽に誘われて庭に出てみると、良い香りが漂ってきて「ああ、ドフトボルケが咲いたのか」と気が付き、バラの方を振り向いて花を確認します。早速、鋏を探して枝を切りコップに挿して家に持ち帰り、そのコップを何処に行くにも持ち回り、その日一日を幸せな気分で過ごすことが出来るのです。

ドフトボルケの香りは基本的にはダマスクとフルーツ香をミックスした香りです。しかし、そのブレンドの配合、選択は絶品で、これは神様がくれた贈り物と思えます。ドフトボルケの香りをダマスクという人やフルーツという人がおりますが、それは、香りを受け入れる人の個人的な嗜好の差で、それぞれの香りを互いに生かし合い、高め合うブレンドである証拠だと思うのです。

私が愛して止まないドフトボルケの香りですが、この香りはやはり秋の方が良いです。秋の乾いた空気にドフトボルケのフルーティダマスクの香りは良く合います。この写真は秋の花ですが、この時は、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!といった感じでした。

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2006年10月24日 (火)

オーガスティンギュノッソに関するちょっとした出来事

Augustineguinoisseau_w Camera : Pentax 645, Lens : Avenon Macro 100mm F2.8, Fillm: EPR

私はオーガスティンギュノッソ(Augustine Guinoisseau)を京阪園芸から通販で買ったのですが、最初に届いた花は全く別物。タッグを間違ってつけてしまったようです。

花を確認して全く違う花であることを確認し苦情を申し上げたところ、「バラに詳しいモンに変わる」ということで、バラに詳しいモンと電話でお話をしました。

「花びらが白くないのですか」「はい、深いローズピンクの花です」「あれは、ラ フランスというバラの枝変わりなのでたまに先祖がえりをすることがあるのですよ」「ラ フランスなら私も育てているので解ります、そんな程度でなく、花弁が厚い、深いローズピンクの花でした」。

お詫びと代品を送ってくれることは早々と申し出てくれ、話の大半は謎の間違いバラの名前あてっこにあてられました。とても興味深い話を聞くことが出来、楽しい時間をすごすことが出来たので、また間違いが来ないかなぁ、と待ってみてもそのようなタッグのミスはそのお店ではもうありませんでした。

後で、解ったことですが、その店には有名なバラのTVチャンピオンが勤務していて、店の人も自信と誇りを持って、詳しいモンに変わっていたようです。

このバラは会話の中にも出てきたように、ラ フランスの枝変わりなのですが、ラ フランスは現代バラの主流をなす、ハイブリッド ティローズの第一号のバラで、当時の人がバラの改良にみた夢がまさしく凝縮しているものです。

そんなバラが新たな贈り物をもらった結果が、白の花への枝変わりで、花弁の2種類のピンクが薄く退色し、白に近くなった花を咲かせる枝が現れ、ホワイト ラ フランスまたはオーガスティン ギュノッソと呼ばれるバラになりました。

この枝変わりはより魅力的な変化だと私は思います。白に近い薄ピンクの濃淡で色分けされた花弁は、このバラをこの上なく上品に演出します。とても素晴らしい香りを持つバラですが、もし香りが無くとも、このバラの魅力に影響するものではなかったと思うくらいです。

PS)相変わらず、変な撮影データですが、Pentax645のカメラにライカMマウントのレンズを取り付けるアダプターとCanonFDマウントのレンズを取り付けるアダプターを持っておりまして、ほとんど全てのレンズをPentax645で使うことが出来るのです。もちろん無限遠は来ませんけど。

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2006年10月 3日 (火)

パパメイアンは黒バラ三兄弟の長男、香りも重く実直。

Papameilland_w Camera : Rolleiflex SL66SE, Lens *kinoptik Paris 100mm F2, Film : RVP

パパメイアン(Papa Meilland)は、バラの香りを愛する人にとって欠かす事ができない品種です。

表題の写真はフイルムがRVPなので、赤が強く出すぎて本来の黒赤がよく表現されていないのですが、ビロードの花びらの質感はまずまずです。黒赤のバラの花色を表現するにはRAPFやEPNのような色を強調しないフイルムを使う必要がありますね。

もっとも、この花も夏の終わりの花なので、パパメイアンの花の中では赤みが強く、平咲きのような様相で咲いています。

パパメイアンは同じ木の花でも、咲く時期によって変化が激しく、花色では、気温が高いと赤く、低いと黒っぽい花になります。また気温が高ければ蕾から開花までの時間が短く平咲きのような花になり、じっくり蕾が養分を溜め込めれば立派な整形花となります。

花の香りは、黒バラに相応しく濃いダマスクの香りです。パパメイアンのダマスク香は同じ黒バラのダマスク香に比べて重く、少しウエットな潤いがあるように感じられます。

このバラはクライスラーインペリアルhttp://hanano-kaori.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_1de5.htmlを母に、シャルルマルランを父に持つ黒バラ三兄弟の長男で、ミスターリンカーン、オクラホマの兄にあたります。この一家は誰もが、素晴らしいダマスク香を持っているのですが、みんな微妙に香りの印象が異なるので、比べてみるのも楽しいかも知れません。

この中で、ミスターリンカーンが横に広がる感じ、オクラホマが自由奔放な感じなのに対し、パパメイアンが重く実直な感じなのは、やはり三兄弟の長男だからでしょうか。

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2006年9月23日 (土)

Moon Spriteは月に住む妖精のようなバラ

Moonsprite_w Camare : Crown Graphic 45 Lens : Planar 135mm F3.5 T*, Film : RDP3

Moon Sprite(月の妖精)と言う名前の薔薇を知ったのは結構前のことです。図鑑をパラパラとめくっていて一目惚れして、また説明を見てあこがれました。

それは、一般的なフロリバンダの性格の通り小型で多花性、フロリバンダの一般的な性格に反して、素晴らしい香りを持つということでした。

その香りはミルラという、イングリッシュローズが広めた香りのカテゴリーに分類されるべきものですが、イングリッシュローズのそれより、実際のこの花の香りはシンプルでスッキリしているように思います。

ムーン スプライトの花は、濃い黄色の整った形の花弁で咲き始め、だんだん周辺の黄色が薄れて白くなり、花の形も優雅に崩れてきて、黄色の芯と白の花びらのツートンのオールドローズの様相になるものです。そして、最後は完全に退色して白になり、はらはらと花びらを落として散って行きます。

イングリッシュローズが流行って、香りがありクラシカルな花形のバラがもてはやされているのに、ムーンスプライトが出てこないのは不思議でした。

しかし、同じ様に思った人は多かったらしく、最近ではポピュラーなバラになって、入手もし易くなりました。

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2006年9月16日 (土)

オーバーナイトセンセーションはミニバラの香る星

Overnight_w Camera: Pentax645, Lens: Distagon 50mmF2.8,  Film:RVPF

オーバーナイトセンセーション Overnight Scentsation(夜が明けたら香りでびっくり?)

本当に最近のことは解りませんが、香りのあるミニチュアローズと言っても、ほのかに香るか、どちらかというと香りがあるといった程度でした。ミニチュアローズに強い香りをもたらすことは、それだけ難しかったのです。

ところがオーバーナイトセンセーションには、実感できる明らかな香りを持っています。ティーとダマスク、フルーツが混ざったような現代的な香りです。この強い香りのおかげで、このバラはバラとしてはじめて宇宙を旅することが出来ました。

1998年10月、スペースシャトル・Discoveryに搭載されたのです。宇宙を旅する宇宙飛行士の慰安にもなったことと思いますが、どちらかというと微重力状態のにおいの実験に関する実験材料としてでした。

もっと良い香りのバラは他にあったでしょうが、ミニであることが大役を引き当てる決定要因になったと思います。NASA関連のホームページでその時運んだ、このバラの写真を見ることができますが、まるで盆栽のようです。
http://mix.msfc.nasa.gov/ABSTRACTS/MSFC-9901497.html

ところが、育てていると、結構大きくなるのもこのバラです。お前本当にミニバラか?と問いただしたくなります。このバラはミニバラのくせに接木で売られていたことも原因ではないかと思います。

このバラのポイントはここなのだと思います、香りの良さを求めるなら、花の大きなHTの方にどうしたって分があります。小さなミニチュアでありながら香りがあることで価値があるならば、小さくないと意味が無いのです。

私は昔このバラをバラ園から買って帰る途中、蕾がついたやわらかい枝が折れてしまい。くやしかったので、蕾を取ってそのまま土にさしていたら根付いてしまったことがあります。

パテントの問題があって、挿し木で増殖してはいけないなー、と思いながら育てた苗は、小さく育った覚えがあります。これなら盆栽仕立てにして宇宙に運べそうです。

ただ、残念なことに病気、特に黒点病に弱いようで。小さく育てたバラは弱って行き、ついにはお星様になってしまいました。


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2006年9月 7日 (木)

誰もが愛するクリムソン グローリー クライミング

Crimson1_w Camera : Hasselblad 500C/M , Lens : Distagon 60mm F3.5 CT, Film : RAPF

赤のつるバラでクリムソン グローリー(Crimson Glory )以上のバラは今後も難しいと思います。花首が弱く花がうつむいてしまうのも高い所から私を振り向いてくれる事だし、花が進むと花に青みがかかってくるのも変化があってよろしい、と一般には欠点と思える事も美徳に変えてしまいます。

このバラは、容姿がどうの香りがどうのといった事を超えて人を魅了する力があり、その為いろいろな伝説も生まれたものと思います。例えば、先の世界大戦中、他のドイツ生まれのバラは切られてもこのバラだけは例外だったとか、赤いバラは香りが強いという言い伝えとか。

私にしても、今の株に万一のことがあれば、やはり同じバラを植え直すでしょう。このバラに魅了されているのです。

クライミングが名前の後についているのは、もともとこのバラはブッシュタイプのバラとして作出され、その中からつるに伸びる性質のものが枝変わりとして出てきた為です。ブッシュからクライミングの枝変わりはよくある事なのですが、このバラの場合は神様がくれた奇跡に思えます。このバラの一番の欠点だった花首の弱さが美徳に変わった瞬間です。

つるバラとしては良く返り咲くほうでしょう、その為秋の花の香りも、少しだけど楽しめるのは嬉しいですね。その花の香りはダマスクのタイプといって、バラの香りの中で最も重く後を引くようなものです。例えば、それは、エレベーターか廊下で、「ここにバラの香水を付けた人が居たはずだ」と感じる時のバラの香りで、同じバラの香りでも、出会った瞬間に脳内にバラが咲くティーローズの発散する香りとは違います。

特に、ビロード赤の花びらを持ついくつかのバラには特有の深いダマスクの香りを持つものがあり、バラによって多少香りの違いはあるものの、花の容姿と香りの相性は最高で、真紅のバラには良い香りがあるという伝説が生まれるのも無理からぬことと思います。

ダマスクというバラの香りのタイプはダマスクローズという、ピンクか白の花が咲く種類のバラが本来持つ香りなのですが、真紅の芳香種が似た香りを持つと、より深い香りに感じられます。

そんな真紅のバラの中でも、クリムソン グローリーは一段と香りがよく、バラの香りに関する最も権威のある賞である、The James Alexander Gamble Fragrance Awardを最初に受賞したバラであります。

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2006年8月17日 (木)

サマーワインはトロピカルなワインのような香りがするバラ

Summerwine_w Camera : Hasselblad 500 C/M Lens : Planar 100mm F3.5 CT*  Film : RAPF

Summer Wineは1985年の作出ですから、このネーミングには歌のSummer Wine (1967年)が影響しているかもしれません。「イチゴとサクランボと春の天使のキスから作られたSummer Wine」のイメージです。

そのつもりで、ちょっと検証してみましょう。まず花の色形から。花の色はコーラルピンクのセミダブルで、どちらかというとイチゴとかさくらんぼよりはピーチの色でしょう。香りは、独特の滋味深い香りで、いちごやさくらんぼのようなフルーティーなものとは違います。ちょっと歌とは違うみたいですね。

バラの世界で作出から20年そこそこだと、「新しいバラ」なのでしょうから、探せばネーミングの意図が公表されているかも知れません。それを無視して、私は勝手に想像するのですが、このネーミングは、この花の香りからきているのでないでしょうか。

このバラの香りは、滋味深い赤ワインのような印象でかなり強く漂います。もちろんバラの香りの範疇は抜け出さないものの、バラとしてはかなり変わった香りです。でもとても良い印象です。

「夏」の演出は照り葉の緑の輝きです。このバラは実に美しい緑の照り葉を持っていて初夏の日差しを受けて健康的な輝きを放ちます。またセミダブルの花もコーラルピンクの花色でトロピカルな感じがします。結局サマーワインという名前は見事にこのバラの姿、香りを表しております。

つるバラなので、壁際に植えているのですが、狭いスペースなので、その成長の早さと健全性に手を焼いています。おそらく広いスペースだと大木になり、花を連続開花させるのではないでしょうか。しかし、私の家では無理で、ある程度伸びてきたら枝を剪定してしまうので、毎年新しいトゲトゲのシュートを出して上に、上に伸びて行こうとします。

エネルギーがそちらに集中するせいか、また花が結実しやすいせいか、私のうちでは今のところ春だけの開花となっています。

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2006年7月11日 (火)

北国の浜辺に咲くハマナスへの想い

Img_7737_w Camera : Canon5D,  Lens: EF24-105 F4L

実は、ハマナスにはろくな思い出がありません。オホーツク海で流氷を見に雪で覆われた浜に出たとたん、足元が崩れてハマナスの針山地獄に落ちたりとか、浜辺を歩いてズボンを引っ掛けたりとか、あの細かな棘にまつわる事だけを思い出します。

それでも、私はこの日本が原産の野生バラを誇りに思っていて、外国の公園などに咲いている姿を見かけると、「偉いねハマナスクン」と声をかけずには居られません。

ハマナスは学名を Rosa rugosa と言いますが、明緑色の葉のしわの多さが名前の由来です。四季咲き性というより、ポツポツと連続開花して、花と実が同時に見れます。

花は、原種にしては美しく大きな花で、バラの香りの本質を維持しながら、胡椒のようなスパイシーな香りをアクセントに持つ素晴らしい香りを振りまきます。

花後に大きなオレンジ色の実が成り、この実にはビタミンCがたんまり入っていて、ジャムにしたら良いとの事。実は子供の頃、ハマナスの実をもいで食べたことがあるのですが、あの頃はジャムにするという知恵がなく、結果はビィェー、ペッペだったと記憶しています。

これも、あまりよろしくない思い出の一コマだったのですが、このような思い出は、セピア色に美化されて来るようです。あの頃の景色をもう一度見たい、そんな思いに強くとらわれ、ハマナスが野生状態で咲く、荒涼とした海岸を探していたのですが、嬉しいことに、そんな場所は探せばまだ残っていたみたいです。

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2006年4月 6日 (木)

ダマスクを超えるラベンダーラッシー

Lavenderlassie_w 鈴木省三さんが、バラの図鑑で、ラベンダーラッシー(Lavender Lassie)を、「ダマスクをもっと上品にした素晴らしい香りを持つバラ」といった感じで紹介した文章をみて以来、私は、どんな香りのバラなのだろうと、憧れておりました。

その後、苗を見つけて栽培するチャンスにめぐまれました。それで、実際どんな香りだったかと言うと、「ダマスクをもっと上品にした素晴らしい香り」だったのですね。

全然進歩が無いと言われそうですが、ばらの育成に生涯をかけたミスターローズの言葉以上にバラの香りを説明することは、誰でも難しいでしょう。

強いて私が感じた事を列挙すると、甘すぎず、発散するものの軽い感じではない、マスカットの香りから酸味を除いたような印象もある、総じて爽やかな感じがする香りといったところでしょうか。

この木はハイブリッドムスクのシュラブということですが、日本だとつるバラぐらいに考えても良いくらい伸びます。ハイブリッドムスクらしく、咲き始めは遅く、晩春から初夏にかけてです、その為か花持ちは決してよくないのですが、房咲きになって数が来るで、それなりに長く開花が楽しめます。

ただ四季咲き性については、どうでしょう、思い出したようにポツンポツンと咲くといった程度です。夏になると、エネルギーを枝葉を伸ばす方に使いたがるバラなのですね。

カメラ:Hasselblad 201F レンズ:Planar 100mmF3.5 T* フィルム:RAPF

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2006年3月10日 (金)

エベレスト ダブル フラグランスのダブルって何でしょう

Everestdoublefragrance_w Everest Double Fragrance (エベレストからの強い芳香..みたいな意味でしょうか)

この名前のバラを知ったとき、どんなバラなのか興味がわきました。エベレストから、背が高くなるか、万年雪のように白いバラ。ダブルは八重咲き、フレグランスはもちろん香りが良いこと。そう思って育てはじめましたが、思っていた印象とは少し違いました。

まず、所詮フロリバンダなので、びっくりするほどには背が高くなりません。もちろんフロリバンダのなかでは背が高いですが。花の色はソフトピンクか、コーラルピンクです。気温が低い時はピンクの濃度があがり、高い時は薄いオレンジのようにも見えます。そして白く退色して行きます。

香りは良いです。ティーローズの分量が多くまじったティーダマスクの香りを基本にしながら、カーネーション、オレンジを連想する香りが混じります。これも気温によってその時の印象は変わります。

こうして実際に育ててみた後で、名前の由来をもう一度想像すると、最初のエベレスト、これはフロリバンダのなかでは背が高いということで間違いないでしょう。

次のダブル、これはフレグランスと対になっていて、ダブル フレグランス、二つの香りが時期によって変わる。これはどうでしょう。もちろん正確なことはわかりません、作者が知ったら全然ハズレと答えるかも知れません、ただ、そう思っても不思議ではない性質をこのバラは持っています。

花の色が季節によって変わり、同じ季節でも咲き始めと終わりで花色が違い、香りも季節によって変わります。そして、こんな二面性がこのバラの良いところなのかも知れません。

カメラ:Rolleiflex SL66 レンズ:Pan Tachar 125mmF2.3 フィルム:RDP2

作例から、ちょっと色収差があるレンズですね。

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2006年3月 5日 (日)

クライスラー インペリアルはフラッグシップ。

Imperial1_w Chrysler Imperial (旧クライスラーの最高級乗用車の名前です)

クライスラー インペリアルという名前を聞いて、なんか自動車会社にクライスラーとかあったなー、調子が悪くなって、ベンツの資本を受け入れ、ダイムラー クライスラーという名前の会社になったのだっけ。
などと連想した人は、このバラにまつわる少し面白い話に近づいたかも知れません。

最新のモーターショーで、消えていたインペリアルというクライスラーのフラッグシップの車名が復活していたなーと連想した人は、もう充分ご存知でしょうから、参考程度にどうぞ。

クライスラー インペリアルという花の名前はまさしく車の名前で、車のイメージフラワーとして名前がつけられました。最近はいろいろありますが、最初に広告用の目的で名付けられたバラであります。
このバラはドイツで生まれたのに、何故アメリカの車の広告をしなければならなかったかと言うと、生まれた年が、アメリカによる戦後統治期間の最後の年である1952年だったからです。つまり、MADE IN US-ZONE GERMANYだったのです。

複雑な生い立ちをした子供が紆余曲折を経ながら、最後に故郷に錦を飾ったというと、飛躍しすぎかも知れませんが、この花はダイムラークライスラーの高級乗用車の名前として、思い出されるようになるかも知れません。

いろいろな賞をもらっております。そのうちで、香りに関する最高の栄誉と私が信じるJames Alexander Gamble Fragrance 賞は、少し遅れて1965年に取っています。

その素晴らしい香りはどのようなものかと言うと、黒っぽいビロード赤の花から想像できる、重厚なダマスクの香りではなく、フルーティ ダマスクの香りです。フルーツの印象は
イチゴという人も柑橘系という人もおります、いずれ軽い爽やかな感じのフルーツ香がダマスクにまじることで、陽気なダマスクといった感じの香りになっております。

残念なことは、株の寿命が短く手入れが悪いと樹勢が衰えてくるような気がします。

カメラ:Rolleiflex SL66 SE レンズ:Kinoptik Paris100mm (改造マウント)フイルム:EPR

ビロードのような質感の真紅の花びらが綺麗です。

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2006年3月 3日 (金)

ネージュパルファム最後の秋

Parufumu_w ネージュパルファム Neige Parfum (香りの雪)

今年は、花をあきらめてもいい、何とか新しいシュートが出てくれないものか。と思うものの、蕾がつけば花を見てしまいました。鉢だからダメならば地植えではどうかと、猫の額の地面を掻き分けて、大地を与えてみました。でもその場所が合わなかったようで、かえって衰弱してしまいました。

若い時に無理させすぎたからなあー、今年で最後かも、とすっかり年老いてしまった主幹をみて後悔の念にとらわれます。

株の主はネージュパルファム、香りの白花の大銘花です。ただこのバラの欠点は成長が遅く、新しい主幹となるシュートが出にくいことにあります。開花のサイクルが短く、絶えず花をさかせるため、エネルギーを消耗しているように思います。
この花はクリーム色の形良い蕾からルーズな感じに開花して、なんともいえないすばらしい香りを振り撒きます。香りのバランスも絶妙で、大半をしめるダマスクの香りに、ピーチを思わせるフルーツの香りが混じります。花はしだいに純白にかわり、みごとに散ってゆきます。

私は、どちらかと言うと春のバラより秋のバラのほうが好きなのですが、このバラに関しては春の蕾は全部とってしまって、シュートと秋の花にかけても良いのではないかとさえ思います。
ただそこまでしても、バラに病害虫はつきものですから、夏には丸坊主になることだってあります。だから蕾ができればいつでも開花を待ってしまいうのです。

そして、思ったとおり、秋に最後の開花をした後、帰らぬバラとなってしまいました。

カメラ:Rolleiflex SL66SE,レンズ:Kinoptik Paris100mm (改造マウント)、フィルム:RVP

今年、新苗が出回らないかなあ。写真は春の花です。

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2006年2月15日 (水)

セリーヌ・フォルスティエの葉は美しい森のよう

Cf_w セリーヌ・フォルスティエ Celine Forestier(セリーヌの森.....ならすごいけど)

バラの葉で魅力的なものと言えば、青りんごの香りを若葉から漂わせるスイートブライアーが一番でしょう、ただ香りという武器をもたない一般のバラの中では、セリーヌ フォレスティエの、その光沢のないライトグリーン葉は最も魅力的なものの一つです。

この健康的な美しい葉を持つバラはどんな花を咲かせるのだろうと、期待する通りの、なんとも美しい花を咲かせます。花は季節によって、また咲き始めと終わりで、印象が異なります。おおむね、淡いピンクの縁取りをもった黄色の花弁が、高芯の形から咲き始め、中心にボタンのような芯を残しながら、くしゃくしゃに咲き広がりやがて、退色して淡い黄色の花色となりパラパラと散って行くといったところでしょうか。

私は、暖かい地方であれば、半つるのバラとして、育てることが出来る。と、なにかの本でそんな話を読んだので、最初の2年間鉢植えしたものを、地植えにしてつるバラとして育ててみました。

で、セリーヌは期待に答えてくれたかというと、思ったほどではありませんでした。これは、私が放任しすぎたせいなのですが、枝がつぎつぎと分岐して細くなり、綺麗な葉は茂るものの、花はなかなか咲かなくなりました。

そんなことから、大きな鉢で栽培して、剪定しながら育てたほうが良い結果になるかもしれません。そうすれば、好みの場所におけるので、このバラの素晴らしい香りが楽しみやすいというものです。

香りはティーローズの香りを中心としたものですが、軽く、乾いて、酸味の少ない黄桃に胡椒をかけたような香りがすこし加わるかな、といった香りです。

この花を育てる人は、好みの花の形の時期と、香りの時期の組み合わせをもっているのではないでしょうか、ちなみに私は、淡い黄色の花が咲く初夏のバラが好きです。

カメラ:Hasselblad201F レンズ:Distagon 50mmF2.8 フィルム:RAPF

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2006年2月14日 (火)

イブピアジュは穏やかに幸せに

Yvespiaget_w_2 イブ ピアジュ(Yves Piaget)(スイスの高級時計Piagetの会長さんの名前で良いのでしょうか..)

このバラが好きな人は、バラのくせに芍薬のような花を咲かせる姿か、背が低くコンパクトに育つところか、いかにもバラといった強い香りに惹かれて、このバラにたどりついたものと思われます。

いろいろなバラを育てて変化の欲しい人も、スペースがなくて一本だけバラを選ぶひとも、このバラには満足でしょう。私も大好きなバラのうちの一つです。

この愛らしい現代バラも、ちょっと変わった見方をすれば、とても戦略兵器的なバラと見えます。というのは英国のイングリッシュローズがバラの流行を支配して、20年以上になるのですが、フランスの種苗業者も手をこまねいていた訳ではありません。1984年に発表されたこのバラがフランスで大ヒットしたことを受けて、メイアン社はこのバラを第一号としてRomanticaシリーズを発表し、イングリッシュローズのライバルとしてマーケティングをし、成功しています。

カメラ:Pentax645 レンズ:Ektar 105mmF3.7 フイルム:RDP3

ところで、いろいろなバラに、それぞれがもっとも似合う光景というものがあったとして、このバラの場合は何でしょう。私は夕日を花びらにたたえた姿が、このバラの光景の中で一番好きです。くしゃくしゃに重ねられた花びらを、穏やかな夕日が透かせて通る光景は、何とも言えず美しいです。

そして、その花びらの間には、新鮮なレモンの皮の香りの印象が混じるようなダマスク系の、いかにも現代バラらしい、素晴らしい香り絶え間なく漂わせています。

その姿からは、現役のスイスブランドの大立者の名前を持ってしまったことも、イングリッシュローズのライバルにされたことも関係ない。ただ一本のバラの幸せな姿を感じるのです。

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