2011年9月24日 (土)

グラナダとダブルデライトの切花

Dsc04635_w いつも行く花屋さんで、グラナダとダブルデライトの切花を見つけ、大喜びで買って帰りました。写真で見ると、農黄色に赤が混じる花がグラナダで白に赤の縁取りがダブルデライトです。

両方のバラとも、私は一度育てたことがありましたが、数年で枯れてしまい、それ以降更新しておりません。

特にグラナダは苗が希少で高価だったので、気合を入れて育てましたが、ウチの環境はあまり気に入らなかったみたいで、シュートという新枝が伸びなく、株が衰退していく様は可哀想でした。ダブルデライトの方は、「公園で見るバラ」と思うようになっていたので、放置した結果でしたが....。

しかし、これらのバラが切花で手に入れば、事情は全く別。狂喜して入手に励みます。これらのバラが赤い縞なり縁取りを持っているのは太陽光線の影響で花びらが赤く変わるからで、切花の生産農家は、出荷の前に赤の入り方を計算した光線の加減も気にしていることでしょう。赤の入り方で美しさが全然違いますからね。

特にグラナダは、露地の花だと、赤の入り方が急で花の開きも早く、ほとんどピンクの花弁のルーズな花に見えます。ですからこの切花の花色、形は別種の花のようでさえあります。

ところで、私が、これらのバラにこだわるのは両方ともARSジェームス・アレキサンダー・ローズ芳香賞の受賞花だからです。この賞は特に香りが優れたバラに贈られる賞で、受賞するバラも数年で1種現われるかどうかという希少なものです。この二つのバラは香りに関して、歴史的な名花なのです。

肝心の香りは、グラナダは母親のティファニーの持つダマスク系の香りにもう少しフルーツ系の香りを加えたような香り、ダブルデライトはフルーツ ティ系の香りです。切花は露地のバラより、一輪あたりの香りの強さは落ちますが、数を集約することが出来るので、バラの香りを楽しむのに適していると思います。

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2011年7月23日 (土)

カフェ ラテ

Dscf2319_w 最近、全くバラの記事は書いておりませんが、もう新しい品種を植えるスペースも無いし、バラは園芸趣味としてトラブルも起こしやすいので控えているのが実情です。

そのかわり、切花を買っては楽しんでおります。ただ、切花で残念な事は、香りの高い品種が少ないことで、私にとってバラの魅力は半減してしまいます。

そんな中、今日見つけた切りバラは変わっておりました。切り花用のバラとしては珍しくミルラ香をもっております。

ミルラ香とはイングリッシュローズによくある、乾いた感じのフルーツ香とスパイス香が混じったような香りです。

一輪一輪の香りは決して強くありませんが、切花だと群飾できるので、花瓶に生けると素晴らしい香りが漂ってきます。

花屋で見ると、くすんだ感じで貧弱に見えましたが、これでも立派なハイブリッド ティ。大輪の一輪咲きの性質です。

花色もくすんだ茶色に見えますが、よく見ると、裏側が黄色がかった薄ピンク、表が紫がかった薄ピンクという感じです。

一輪で飾るより郡飾むけの切りバラと思えます。

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2008年5月25日 (日)

ラベンダーラッシーの花束

Img_3785_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : Apo Macro Elmarit 100mm F2.8

今日は午後から雨になると言う事だったので、ラベンダーラッシーの下のほうに咲いた花を切って切花にすることにしました。この花は房咲きになるし、一つ一つの花の花びらが多く、また大きさもそれなりに大きいので、雨を吸い込むと枝が垂れ下がって、土に埋もれてしまうのです。

それではせっかく咲いた花がかわいそうだし、またこれから咲く蕾のこともあるので、ある程度咲いた房はバッサリ切って花瓶に突っ込みます。ラベンダーラッシーはもともと多花性なので、咲いた房を全部切花にするのは無理にしても、このまま雨にあたれば悲惨な事になるのは解りきっているので、花瓶の許す限り入れてしまいます。

これが、バラでなく、開花直前の別の花の蕾であれば、人様に差し上げることも出来ますが、トゲがあり、また、花が開いたバラはかえって失礼になるので、それも出来ません。下手すると翌日には花瓶が散った花びらで埋まっている可能性もあるし、蟻さんが10匹ほど花びらの間を見え隠れしているものね。

でも、それを気にしなければ、この花瓶の周りは幸せに美しい世界です。このバラは、このように同じ種類のバラを花束にするほどに美しさが増します。一つ一つの花は「ゆるい」のですが、そのゆるさがたくさん集まることによって、幸福感がでてきます。

それに、この花の香りは、何にも変えがたい魅力があります。ダマスクローズのような典型的なバラを思わせる香りに、「ゆるさ」を感じさせる甘さが加わります。それを「ダマスクをもっと上品にしたような香り」とあらわした方もおられます。

上品にするという事は、よりきつくすることではなく、少しマイルドに優しくすることです。このバラの香りの場合、ムスクの柔らかい甘さ「ゆるさ」が加わったことで、上品な感じになったのではないでしょうか。

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2008年5月17日 (土)

通勤路に野いばらの香りが降ってきた

R0011145_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

昔、小学校への通学路に名前の知らないバラが咲いているところがあって、その香りが私の原風景の一部として残ったために、そのバラを探すことを続けていたという記事を書いたことがあります。

何のことは無く、そのバラはどこにでもある野いばらであったのです。ところが最近通勤路でデジャブーのように香りの記憶がよみがえる瞬間があって、周りを見渡すと、上から野いばらが垂れ下がって咲いておりました。朝の野いばらの香りは、バラの香りであっても、何か全く特別な、安らかさと懐かしさを感じさせるものです。私がこの香りで、瞬間的に香りの記憶がよみがえったのは、子供の頃の体験だけでなく、子供ながら感じた思いが、継がれていたからだと思います。日本が原産の野ばらの香りは、たぶん、共に生きてきた人たちに潜在的に刷り込まれているのかも知れません。

R0011137_w ところで、上から香りが来るというのも変ですが、通勤路に片方を崖にした坂道があるので、その崖の上から野いばらとスイカズラが垂れ下がっている所があるのです。

この場所に野いばらとスイカズラが垂れ下がっていることは前から知っておりましたが、以前は崖の上部に確認できる程度だったので、成長してどんどん垂れ下がって、道を歩くひとに香りを伝えるほどになったのでしょう。

写真は、野いばらが終わりかけスイカズラが咲きだした頃に撮ったものなので、この頃は少し感じが変っておりました。でも、野いばらとスイカズラが混じった香りというのも、形容しがたいくらい良いものです。

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2007年11月22日 (木)

目覚ましバラ

Img_0648_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : Apo Macro Elmarit 100mm F2.8

思えば前の日曜日、庭を掃除しながら「今週は寒くなるらしいからお家に入ろうね」なんていいながらアンナパブロアの蕾が付いた枝をチョッキンと切って、自分の寝室に連れ込んで以来、悪い風邪を患い、今週は体調最悪でした。

その中で元気づけてくれたのが、その時に切ったバラで、開花し、枕元で朝日を浴びながら毎日良い香りを振りまいて私を起こしてくれました。

私は北東の出窓に面した所にベットを置き、カーテンも閉めずに寝ているので、真冬の一時期以外、朝日の直撃を受けて目覚めることになっております。この出窓は通常は汚く物が置かれておりますが、冬の間は蘭系の植物がここで越冬することがあります。

その場合、植物達に申し訳ないので植物のところにはレースのカーテンを一枚挟んであげます。そうしないと太陽の直撃で「葉やけ」がおこることがあるので気を使います。私の顔は葉やけを起こさないのでどうでもよいのです。

この一週間は私の顔面も太陽の直撃からアンナパブロアが守ってくれ、優しい香りまで恵んでくれたのでした。

このおかげで、連休を前に体力は完全に回復。いやぁー休養になったぁーと今週のウィークディーを振り返っております。

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2007年7月 1日 (日)

イブピアジュの切花

Img_8594_w Camera : canon EOS 5D, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEG

昨日よく行く花屋さんを覗いてみたらイブピアジュの切花がバーゲンでした。思わず、あるもの全部と言って買い求めました。

これは、私の言って見たい台詞の一つです。花屋さんで、「xxの花をここにあるもの全部くれ」。大人のオトコとして理想的な花の買い方ですね。

今回はそれに近いことが出来た訳ですが、出費は600円でした。花が売れ残って痛んで来たことが原因ですが、イブピアジュはこれくらいの頃が一番綺麗だと思います。せいぜいもって三日ですが、その間存分に楽しみましょう。

私はイブピアジュは鉢花で育てているのですが、その株を見る限りコンパクトで切花に向くとは考えられません。おそらくツルバラの枝変わりがあって、それを使って切花栽培をしているのでしょう。

このバラはアンティークなテーストがあるので、切花でも本来は人気がありそうですが、今回はたまたま花が痛んでしまったのかも知れません。

いずれにしても、ドン曇の日曜日の慰めになってくれています。

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2007年6月 7日 (木)

幸せそうなフェリシア

Img_8281_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : EF24-105mm F4L

ファリシアはハイブリッドムスクとハイブリッドティの混血で、両方の性格をバランスよく持っているバラです。もっとも、「ハイブリッド」同士の交配だからもはや「混血」というのもおかしな話かもしれません。とにかく、フェリシアは一般的なハイブリッドムスクより多少大きな花を咲かせます。

木の姿はシュラブに分類されるのでしょうが、健康な枝ぶりを奔放に伸ばしてゆく様子は小さなつるバラとして扱ったほうが良いかも知れません。ハイブリッドムスクの血が入っているため日光不足にも耐性があります。その為北側のフェンス、ベランダのコンテナでも立派に育ちます。

ただ、どちらかと言うと一輪の花を観賞すると言うより、花を咲かせた株の様子を鑑賞するためのバラと思います。通常のハイブリッドムスクより大きな花を咲かせるといっても、一輪の花は花弁の数も少なくボリュームも通常のハイブリッドティほどではありません。

花の姿もルーズな感じです、ただこの花は房になって咲き、花弁も裏表が濃淡の異なるピンクですから花の周りは優雅な雰囲気が漂います。香りもムスクの甘く爽やかな感じの香りに片親となったオフェリアの上品な香り、いわゆるオフェリア香がブレンドされたものです。
香りの強さで言えば中ぐらいで、決して強い香りを持つバラには分類されませんが、香りの質から言っても強いことが似合うような香りではありません。

私は初めの頃、このバラが中途半端に思えていたのですが、今では北側のフェンスでマイペースで咲いているこのバラがほほえましく思います。花も枝も香りも「ゆるい」のですが、そのゆるさが幸せそうに見えるのですね。

フェリシアという名前も「幸福」を意味する言葉なので、作成者は最初から、この事に気がついていたのでしょう。

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2007年1月25日 (木)

New Zealand、国の名前をつけられた銘花

Newzealand_w Camera : Contax S2b, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEJ, Film : TREBI

バラに香りを求めるならばオールドローズかイングリッシュローズと言うのが一般的に間違いの無い選択だと思います。しかし、モダンなハイブリッドティにも香りが強いものがあります。その中で、私が好きな香りを強く持っているバラがニュージーランドです。

名前のニュージーランドはもちろん国の名前です。国の名前はおいそれと付けるものではありませんから、このバラはよほどの自信作だったものと思います。

ニュージーランドのMcGredy氏が1989年に作出し、1991年からニュージーランドを最初に商品化されました。別名はAotearoaと言いますが、これはマオリ族の言葉でニュージーランドを表す言葉のようです。このバラはニュージーランドの建国150年を記念して、国名を与えられたバラなのです。

ちょっと見た感じでは、大して花も大きくないし、とりたてて多花性でもない花なのですが、ハニーサックルを加えたような強いオールドルーズ香があります。この香りは心地よく、南国のリゾートでくつろいでいるような安らぎを与えてくれます。

そのせいか、このバラは何処と無く南国的で、比較的寒さに弱く、長雨にあたると黒点病も多発します。そのかわりうどん粉病には強いので、まさしく暖かく乾いた土地向きのバラなのだと思います。

私のバラもここ数年で樹勢が衰えてきました。お気に入りのバラなので何とか良い場所を見つけてあげたいのですが、なかなか良い場所はありません。

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2007年1月18日 (木)

マダム・ピエール・オジュ (Mme. Pierre Oger)は枯れない

Mmpireoje_w Camera :RolleiflexSL66 Lens :Planar80mmF2.8 Film :RDP2

最近オールドローズが流行っていたせいか、人気のある品種は専門の園芸店だけでなく、ホームセンターでも安く手に入るようになりました。

このようなポピュラーな品種のうちの一つがマダム・ピエール・オジュ (Mme. Pierre Oger)です。文句のつけようがないほど、美しく、優雅で可憐なバラです。このバラの花に関しては説明されるより数枚の写真をみれば、十分だと思います。表題の写真はあまり良く写っていないのですが、美しい花を念じてみてください。

おまけにティローズの香りが少し混じったダマスクを基調とした素晴らしい香りがあり、返り咲き性さえもっております。バラの分類ではブルボンローズというカテゴリーに入りますが、このカテゴリーはティーローズとダマスクローズの自然交配種か、初期の人工交配種と考えられております。百年以上、生き残り、大切にされてきた選抜種です。

私は以前、オールドローズというのは、世間に忘れ去られたかわいそうなバラなのだろうかと思って興味を持ちました。ところが実際は、昨今のようなブームを何度も引き起こしてきたスーパーエリートのバラ達という認識に変わりました。これから先も決して枯れ果てることの無い、将来を約束されたバラ達なのです。

これに比べれば、近年のハイブリッド ティーは、あっという間に消えて行く危険性を、生まれた時から持ち合わせる、絶滅危惧種です。

このように、スーパーエリートのバラですが、こんな完璧なバラにも、美徳と思えないところもあります。それは散らないこと。梅雨時だと終わった花がそのまま腐ってゆく状況になることさえあります。

私は個人的に、散り様もバラの美しさの一つと思っているので、全盛を過ぎたら潔くハラハラと花びらを散らせて行くバラの方が好きなのです。

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2007年1月11日 (木)

ダブル デライトは二重の喜び

Doubledelight_w Camera : Rolleiflex SL66, Lens : Primotar 180mm F3.5, Film : RDP2

ダブル デライト(Double Delight)は二重の喜びという意味で、このバラの場合、紅白の美しい花の容姿とフルーツシャーベットのような素晴らしく強い香りに恵まれた才色兼備の様子を祝福されてつけられた名前だと思います。

ああ、それは良かったね、で話は終わってしまうのですが、ほんの少し付け足すと。このバラが真価を発揮しているのは、このバラが生まれたアメリカの、それもカリフォルニアのあたりではないでしょうか。

実際日本で育ててみると、このバラは日照不足と湿気に弱く、低音に対する耐性もあまり強くない気がします。とくに日当たりに関しては、このバラの容姿に重大な影響があります。このバラの特徴である白の花弁を縁取る赤は花が日光にあたることによって作られる色なのです。このバラの咲き始めはクリーム色で日光に当たらなければそのままクリーム色の花のまま散ります。

日光にあたることによって赤い縁取りが生まれるのです。ですから日光が一方向からしか当たらなければ、赤い縁取りはそちらの方向に偏ります。私の家も日当たりが良くなく、せっかく咲いた花が偏芯して赤く縁取られると、なにか気の毒になってきます。才色兼備に生まれながら、育つ環境には恵まれなかったのです。

日本の家の庭は多かれ少なかれ日当たりに恵まれているとは言えず、このバラに関しては、公園で見れるような美しい容姿の花は一般家庭では見ることが難しいということになるでしょう。

ただ、バラの株自体はコンパクトにまとまり、鉢植えにも適しておりますから、このバラは鉢植えにして育て、花が咲いたら鉢を回して、日光を均等に当ててあげれば美しい縁取りになるものと思います。

湿度に対する弱さも、鉢植えにすれば雨の日には雨よけをしてあげることができるので、克服できるでしょう。手間をかけてあげればそれに応えてくれるので、ある意味、ダブル デライトは盆栽の文化を持つ日本に適したバラなのかも知れませんね。

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