2009年11月 5日 (木)

間に合った夜香木の花

Img_7282_w camera : canon EOS 5D, Lens : AME 100mm F2.8

ホームセンターの隅っこに夜香木にお鉢植えが100円で置いてありましたので、一鉢救出して来ました。もう一度花が咲きそうだったので...。

この木は耐寒性が無く、ちょっと寒くなると見るも無残になるので、こんな扱いになります。しかし、園芸農家によって育てられた鉢植えは栄養がまわっているので、もう一度開花することもあります。

花芽は大きくなってきたのですが、私もこの週末は帰省するので、開花が見れるか微妙でしたが、間に合いました。

この花は、昔の白粉のような香りを夜に発散するのですが、なんとなく庶民的なイメージの香りだと思っておりました。しかし、気温が低い時にはどんな印象になるのか、興味が湧きます。

果たして、庶民的なイメージは薄れ、凛としたものが感じられます。この香りは、グラジオラスのトリステスに似ておりますが、もっと強く、主張があります。

香りの質としては今の時期の方が良いのでしょうが、私は、この花の香りには、庶民的な安物白粉の匂が一番似合っているように感じます。子供の頃、悪戯していた母の鏡台の匂です。

ちょうど、帰省するので確かめることも出来ますが、やはり遠い記憶はイメージのままにしておいた方が良いかも知れませんね。

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2009年10月21日 (水)

柊木犀の花の香りに幸福感

R0012796_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

勤務先の近所でヒイラギモクセイの花が咲いておりました。この花はヒイラギとギンモクセイの混血種とされているので、花の時期もその中間で今くらいになるのです。

一口に混血と言っても可能性は微妙で、中国原産のギンモクセイは雄木しか日本に存在せず、必然的にお父さんとなり、日本原産で雌木も日本に自生するヒイラギの雌木がお母さんになったと思われるのですが、先ほど、花の時期もその中間と言ったように、通常ではヒイラギが開花する頃にはギンモクセイの開花は終わっております。もし、自然交配ならば、何処かに自生地があると思いますが、はっきりとした自生地はなさそうです。とすれば、古の人があえて交配した園芸種と見たほうが自然ではないでしょうか。

英語では明確にハイブリッドと書かれておりますが、日本では、中国の奥地が原産地かも、とか、今ひとつあいまいにしているのは、古くからこの木が親しまれてきたからでしょう。あまり大きくなる木ではありませんが、日光には樹齢400年の古木があるそうです。

経緯はともかく、この木がヒイラギとギンモクセイの雑種なのはある意味、とても解り易いです。ヒイラギにそっくりな葉を持ち、ギンモクセイにそっくりな花が咲きます。そして花の香りは、この二つの花の香りがミックスされているようでもあります。

しかし、そのバランスは素晴らしく、フルーティーさとバニラアイスのような甘さがあります。またスイカズラの花の香りのように、郷愁を感じさせる要素の香りも混じっているので、この木の生垣の周りには、トゲトゲの葉がかもし出す厳しい見た目とは裏腹に、のんびりとした幸福感に溢れる空気が流れております。

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2009年9月15日 (火)

チューべローズ、今年は不作?

R0012733_w 先日、花屋さんでジンジャーを求めた時に、今年はまだチューべローズに会っていない、と告げたら、早速探して、取り寄せてくれました。

わざわざ取り寄せてくれたくらいだから、頑丈な茎に大きな蕾がついております。これだけ茎が太ければ、少しはながく咲いてくれるかも。それでも全部の蕾が花をつけるのは無理でしょうけど。

これで、今年もチューべローズの生花の香りを楽しむことが出来ました。花屋さんに感謝です。もちろん、早春から大きめの球根を求めて、芽かきしながら育てれば花は見れますが、とにかく手間がかかる作業なので、切花が手に入ることが解れば、やりたい作業ではありません。

それに、今年は花屋さんですらこの切花をあまり見かけなかったそうです。この花は花芽分化の為に高温と日照時間が必要なので、今年は不作なのでしょう。

この花は、秋が深まりとともに、蝋質の花弁と妖艶な香りが蒼い月夜に冴えてくるのですが、花屋さんの花は、だいたい季節に先取りをするので、その頃には出荷が無くなる事は本当に残念な事です。

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2009年9月13日 (日)

ジンジャーの切花と、それにまつわる思い出など

R0012727_w 私のベットの枕元から出窓を見ると、現在はこんな感じでジンジャーの切花が見えます。

私は東側の出窓にベットをくっつける感じで置いて、窓を開け、網戸を閉め、カーテンは開けたまま寝ておりますので、とりあえず日の出とともに、朝日の直撃を受けて目が覚めます。それから二度寝を楽しむのですが、寒いとか言ってここで窓を閉めてしまうと、今の状況ではジンジャーの香りが充満しすぎて大変なことになります。

ジンジャーの香りは、冷えた空気にうっすらあるうちは、とても清清しいので、二度寝しても良い夢が見られそうですが、締め切った部屋だと、強すぎて眠れないか、悪夢を見ることになりそうです。

この香りにはちょっとした思い出があります。某国に仕事で行ったときの事、ホテルの外でこの花が安く売られていたので、それを買い求め、ゴミ箱に活けて、出張の気分転換にしておりました。部屋に帰ってきた時、生花の香りがあるのは嬉しいことですから。

ところが、仕事の緊張やら何やらで、背中が張って睡眠が不足しているのに眠れなくなってしまいました。マッサージをお願いすると、女性のマッサージ師が来て、マッサージをしてくれました。そのうち妙なところに手をのばすので、そこは張って無いから要らない、と応えたものの、なかなかやめてくれません。そして何ドルで良いから、とかマッサージそっちのけで交渉を始めました。だから要らないから止めてくれと言っている、と強く言うと、私はチップが要る、マッサージ料はほとんどホテルに取られて、私にはあまり残らない、チップで稼がなくちゃいけない、との事。じゃあチップはあげるから、とにかく、余計なことはするな。と言うと彼女は安心したらしく、マッサージを続けながら他のことをいろいろしゃべり出しました。

眠れないのは、この花のせいね。この花の臭いは強すぎる。私達も部屋にはこの花を飾らない。ホテルの部屋では止めた方が良いね。との事。それもそうだなぁ、と思いバスルームに入れて、換気扇をつけて寝たところ、その日は良く眠れたように記憶しております。

マッサージのおかげだったかも知れませんけど。

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2009年6月26日 (金)

カシワバアジサイ

2009060093_w Camera : Contax G1, Lens : biogon 28mm f2.8, Film : Reala 500D, home made ECN-2

以前、あじさいには香りがあると書きましたが、この東慶寺のカシワバアジサイを目の前にして二人の女の人が、交互の花の香りを確かめながらおしゃべりしてました。

「シャンプーみたいな匂がする」「えー、何も感じないよ」「うそー、かなり強くにおうけど」「私は、何も感じないけど」

彼女らが去った後、私も花の香りを確かめて見ました。シャンプーという表現も解らなくはないなぁ、でも自分が使っているシャンプーはこんな匂はしないなぁ。それでも香りを感じないという事は無いなぁ。と思いました。

香りの感性は人それぞれです。敏感な香り、鈍感な香りがあるでしょう。そして女性の場合、つけている化粧品によって、敏感、鈍感な香りは影響を受けるかも知れません。

カシワバアジサイの香りはガクではなく細かな花の部分にあります。日に当たっているほうが強く感じますが、どちらかと言うと樹液が発酵したような香りです。悪い印象はありませんが、エッセンシャルオイルにしたいような香りではありません。

ただ、このようなお寺の趣の中では、よく風景にあった香りであると言えるのではないでしょうか。

2009060081_w ところで、ここ、東慶寺はイワタバコの花が沢山みることが出来ます。あじさいの名所の人ごみが嫌なら、こちらへどうぞ。

写真は2枚とも現像に失敗した感じで申し訳ありません。最近ECN-2の現像で、現像不足の失敗が続いております。あれだけ頑張ってバッキングを除去しても、これではねぇ...。

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2009年6月13日 (土)

オオバネムノキ

20096131 Camera : contax G1, Lens : Biogon 28mm F2.8, Film : Reala 500D, Home Made ECN2

オオバネムノキは各所でレッドデータブックに記載される木ですが、浜離宮には数本の植栽があって今の時期....今年はもう終わりに近いけれど...クリーム色の花を咲かせています。
この木はレッドデータブックに記載されるくらいだから日本にも昔からあった木で、自生地がありますが、もともとは熱帯、亜熱帯が原産の木です。

この木の開花時は、遠目にも目立つくらいに、クリーム色のふわふわの花を大量に咲かせ、樹木を覆います。見た感じ、あまり綺麗でないのは、盛りを過ぎた花が茶色になって残っているせいです。さらに咲く時期が梅雨の頃なので、ふわふわの花は雨でしぼみ、茶色に湿気て可愛そうな感じさえします。

樹形が良い木で、晴天の夕暮れに、この花が一面に咲いていたら、それはきっと素晴らしい景色だと思います。その木の下には、ほのかに甘い香りが漂っていることでしょう。この花にはちょっと気だるく、茫洋とした甘い香りがあるのです。

この花の香りをこの木の下で楽しんでいると、ちょっとしたリゾート気分が味わえます。

この日もはっきりしない曇天でしたが、この先、梅雨になりそうだったので浜離宮まで散歩しました。せっかく、良い位置に花が咲いているのにカメラがなー、と思っていたら28mmをつけたG1を持っておりました。フィルムはリアラの500Dだったので、思いっきり絞って被写界深度を深くして撮影しております。

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2009年6月 3日 (水)

ネズミモチの花の香り

R0012349_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

私が子供の頃過ごした北国にネズミモチの生垣など無かったと思います。ネズミモチは基本的に暖地の木であり、温暖化した現在ならまだしも、寒さが厳しかった昔、枯れるかもしれないネズミモチをわざわざ生垣に植える人などいなかったはずですから。

それにもかかわらず、ネズミモチの生垣の側を、花が開花している時に通りかかると、なんとも言えない懐かしさがこみ上げてきます。早く夏休みにならないかなぁ、なんて漠然と思いながら登校していた小学生の頃の、朝の匂いがしてくるようなのです。

それは、何か別の花でこの花に近い香りを持つものが、通学路の生垣にされていたからかも知れません。いろいろな候補の花は思い浮かぶのですが、どれも何となく違うような気もします。

ひょっとしたら、その香りは、初夏の朝の草いきれの香りと湿ったコンクリートブロック塀の匂い、そして野山に咲くいろいろな花の香りがまざった匂いで、それが、私の夏の訪れの匂のイメージなのかも知れません。

R0012347_w そして、そのイメージは、旧神明小学校のグランドの生垣に使われていたネズミモチの花の香りに触発されました。子供の頃の記憶が鮮やかに蘇りました。廃校の生垣ということがどこか、頭の中にあったことは否めませんが。

これは、私的なイメージですが、他の人はそれぞれ別の感じ方をするでしょう。この学校の卒業生は小学生の頃、この季節に、ネズミモチの花の香りを、何らかの形で刷り込まれているはずなので、それぞれに、それぞれの思い出が、この花の香りに対してあるのでしょうね。

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2009年5月 9日 (土)

香りの良い花の競演

R0012269_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

花の香りに興味を持ち、近所の冷たい目線に耐えながら、香りのある花を受けているKKん家は、5月の今頃、一年の中で一番混沌とした季節を迎えます。

花の香りが交じり合って、何が何なのか訳が解らなくなるのです。

天気が良ければ一番感じる香りはカラテネオガタマの花の香り。バナナの香りに似たちょっとおいしそうな香りです。

R0012268_w それに負けないで覆いかぶさってくるのが柑橘系の花の香り。個別に香ると上品でちょっと妖艶な香りですが、KK家と周辺の家ではみんな好き勝手に柑橘系の木を植えているので、風向きと天気によって下品なくらい強く漂います。

R0012274_w 本来なら強い香りをもっているくせに、この環境では妙に控えめなのがニオイバンマツリ。香りは強いものの、上品さを崩さない為か、この季節の甘い香りのベースになっている気がします。

R0012265_w これからが本番のすいかずら。この花の香りは特徴があり、カラタネオガタマと混じると極楽浄土はこんな感じか、という香りになります。出来るだけ長く咲いていてほしい花です。

R0012271_w 切花にすると部屋の中でそれなりに香るものの、外の世界ではどうしても上記の花に巻けるバラ。現在KK家では10種類くらい咲いておりますが。バラの香りは近づかないとしません。

私的には、今の季節はクスノキの花の香りだけを感じる場所が一番好きです。

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2009年4月18日 (土)

浜離宮の駿河台匂桜2009

R0012137_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

金曜日はカメラ関係のWEBで親しくなった方々とお会いできて、楽しいひと時をすごすことが出来ました。ラッキーでした。

と、言いつつブログの更新は全く別の話題。浜離宮の駿河台匂桜の件であります。現在浜離宮は18日まで八重桜用のライトアップを行なっておりますが、駿河台匂桜も満開です。

R0012149_w しかし、残念なことに2本あった木のうち一本が切られておりました。先日見たとき、開花が遅いとは言え、蕾も無いのかなぁと心配していた通り、やはり枯れていたようです。

思えば、ここ数年元気が無かったし、樹形にも大病の痕跡がありました。それでも開花時には枝垂れた枝先で顔面近くに花を咲かせ、香りを振りまいていたのですが.....仕方がないですね。

そのせいか、残った一本の駿河台匂桜には、これでもかというくらい大きな看板が付けられておりました。隣にはぽんぽん咲きで、可愛いピンクの八重桜があるので、人の目はどうしてもそちらに流れてしまうのですが、一枚看板を背負った以上、これからも元気で咲き続けてもらいたいものです。

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2009年4月17日 (金)

フリージア ムイリー

Img_5829_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : Apo Macro Elmaret 100mm f2.8

表題の写真は、フリージア ムイリーと言って、進化し続けるフリージアの交配種において、ごく初期のものであります。ごらんの通り、かなり小さく素朴なので原種と言って紹介されているものも見かけますが、黄色の花のライヒトリニーと白色の花のアルバの交配種と考えられております。

フリージアの交配はより大きな花、花色、八重を求めて行なわれるので、小さな原種を使うことは少なく、ムイリーのような世代をベースに交配が進んだと考えられ、その世代の交配種で素晴らしい香りを持っていたムイリーはその後のフリージアの香りの元を作ったと思われます。

前に、フリージアの香りは一般に黄色い花は甘く、白い花はスパイシーであると書いたことがありますが、ムイリーはそれらがミックスされた香りです。しかし白と黄色の花色の割合に比例して、スパイシーな感じの香りのほうが強く感じられるようです。

実は、写真のムイリーは2年目のものです。以前育てていた時は、毎年球根を上げて消毒しておりました。写真でも解るとおり葉っぱが薄く、病気によわそうだったので、そうしていたのですが、やがて、ただでさえ小さい球根が再分化して花が咲かなくなりました。

ところが、球根をとって庭に捨てた土に小さな球根が残っていたらしく、庭のあちこちにこの花が開花し、普通にそだつ姿をみてから、次に買った球根は鉢に植えっぱなしにすることにしました。小さな分球がその年に花をさかせなくても、どれかは花を咲かせます。もともと小さい植物なので、養分をとりあって共倒れになる心配は少なく、それぞれの世代なりの成長が鉢の中で出来そうなのです。

この花は背丈が低いので、鉢植えだと鉢ごと部屋に入れることが出来ます。朝、ベットの横の出窓でこの花に微笑まれて目が覚めるなんて、とても幸せな事ですね。

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2009年3月 8日 (日)

パールアカシア、早春の甘く乾いた香り

Img_5388_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : Distagon 21mm f2.8

私の自宅に植栽してあるミモザに似た花は、これまでマルバアカシアとか言って断片的に紹介してきましたが、正式にはAcacia podalyriifolia、英語名でQueensland silver wattleとか、Pearl Acaciaとか呼ばれるものです。アカシアの木の葉には、長葉系、丸葉系、三角葉系、ミモザ葉(手の形)系があり、その丸葉系の木の一種なのです。

最近、日本ではパールアカシアという名前で出回るようになったので、これからパールアカシアで紹介します。

英語でもアカシアとかワットルとか紛らわしいのですが、アカシアがこの木の学名、ワットルが英語の俗称です。

そしてパールとかシルバーとかいう呼び名は木の葉から来ております。この木の葉の若葉には起毛があり、若葉のシーズンには木全体が銀白色に見えます。起毛は秋から冬には取れてきて灰緑のようになりますが、いずれにしても花の無い季節でも楽しませてくれる木です。

2009263_w これは咲き始め、2月7日の様子。(camera : Hasselblad 201F, Lens : Distagon 50mmF2.8, Film: Rollei Digibase CN200, home made c41)。

私がミモザと呼ばれる房アカシアでは無く、パールアカシアを植えたのは、この花の香りがミモザに比べてより強く、良いからです。この花が咲いている間、家の周りには、少し乾いた粉っぽいような、けれども甘い、早春の日差しをイメージしたような香りが漂います。

それは、地面から湧き上がる春の息吹の香りとは全く異なった、天から降り注ぐ春の香りとも思われる香りなのです。

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2009年2月 7日 (土)

キルタンサス マッケィニー

Img_5170_w Camera : canon EOS 5D, Lens : AME 100mm F2.8

新橋駅の花屋は金曜日とあってにぎやかでした。何人もの人が列をつくり、それぞれの花束をラッピングしてもらい、街に向けて繰り出していきます。その列の中にはうらぶれたオヤジが居て「そのキルタンサスは一束いくらですか」「300円です」「では3束下さい」「自宅用ですか」......何故オレにはプレゼントですか?と聞かない、と思いつつ、「自宅用です」と答え、随分質素な包みにくるんでもらいました。帰りの電車では、自分はともかく、花だけは守る、と必死の形相で家にたどりつきました。

この花は、キルタンサス、マッケィニーと言います。もともとアフリカ原産で日本でもポピュラーになってきました。私も球根を育てておりますが、この花は同じ色の花を、たくさん集めて観賞するのが最高と思っておりますので、切花さえ手に入れば、それに越した事がありません。

また、この花には、日本水仙の香りをちょっとおとなしく、優しくしたような香りがあるので、部屋のどこにでも置ける切花は好都合なのです。

それに、この花は半常緑で、かつ早春に花が咲くので、鉢植えが適しているのですが、一度植えると、植え替えのタイミングが難しく、何年か経つと、鉢植え自体がバッチイ感じになり、だんだん室内観賞には適さなくなってきます。それに、球根の値段も高いほうだし、毎年花は咲くものの、球根はあまり増えて行きません。これには、観賞用に小さな鉢で栽培している、という要素もありますが、少なくとも小鉢に気に入った花色の球根を1球植えると、数年で、花が満載という事にはなりません。

だから、このくらいの値段でキルタンサスの花束が出来るなら、とてもお得で、良い週末を過ごせそうな気にさせるのです。

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2009年2月 1日 (日)

梅が咲きました

20091312_w Camera : Hasselblad SWC/M, Lens : Biogon 38mm CF, Film : Reara Ace, Home made C41

梅の花が咲きました。実は一週間前から咲いてます。この写真も先週撮ったものですが、現像をサボっていて..。

窓から見える感動をそのままに、と思って写真を撮りました。が、ウチの窓は三分割された窓で、真中の部分はハメ殺しです。そして5年間掃除をしていない、その真中の部分にカメラレンズを押し付けて撮るため、像も色も悪く、下部は硝子の反射があります。

家の設計した時、一番の失敗で、ここにベランダを付ければ良かった。そうすれば、梅の花の香りも楽しめたし、鳥の写真も撮れた。

20091311_w 外から梅の木を撮ると、こんな感じ。こちらは窓ガラスを挟んでないので、本当の色が出てます。現像液も調合したてですが、Reara Aceは良いですね。このフィルム、もう少し緑が落ち着いてくれれば、最高なのですが。

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2009年1月17日 (土)

光則寺のソシンロウバイ

Img_5123_w Camera : vanon EOS 5D, Lens : EF24-105 F4L

江ノ電の長谷駅から大仏通りを歩き、光則寺のほうに曲がると、何故かほっとします。喧騒から離れた静かな鎌倉があるからです。ほんのちょっと離れただけで随分違うものだといつも感じます。長谷寺と大仏に挟まれている小さなお寺のせいか、ここは土日でも割合静かなのです。

それに、この時期、このお寺はソシンロウバイが綺麗に咲いて、境内をその香りで覆います。

ソシンロウバイは鎌倉ではメジャーな花で、この花が咲くお寺は、光則寺のほかにも多くあります。ただ、私はソシンロウバイが他の花木に対する比率では光則寺が一番高く、このお寺はソシンロウバイに特別な思いいれがあるのかなぁ、と思っております。

ソシンロウバイの比率が高いということは、境内にソシンロウバイの香りが満ちるということでもあります。この香りは東洋蘭にも通じる、上品さと落ち着きがあり、お寺の境内にはぴったりです。

あまり歩き回るところも無い小さなお寺ですが、この花の香りを楽しみながら、しばし、休日の鎌倉の喧騒を忘れるのも、良いものです。

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2008年11月 9日 (日)

すずらんの木の紅葉

Img_4733_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : EF24-105 F4L(上下をトリミング)

すずらんの木という変った名前の木が庭にあります。この木はすずらんの花のような花を穂状に咲かせるのですずらんの木と呼ばれるのでありますが、また同時に紅葉の美しい木でもあります。

写真の状況は本日、曇天の肌寒い天候のもとで撮ったものですが、綺麗な紅葉も終わりに近づいている感があります。寒くなってきたというものの、横浜では、他の木の紅葉など全く先のこの時期にです。この木は20日ほど前から紅葉しておりました。

普通、紅葉は、葉の水分が少なくなって落葉するまでの間、数日間がピークです。厳しい人ならその盛りは2.3日と言うでしょう。ところがこの木は美しい紅葉を、どの木より早く、また長く保っております。

その理由は良く解りませんが、この木の葉は水分が好きなのかも知れません。そのくせに、盛夏を除いて、薄く透明感のある薄緑の葉です。この葉の透明感と水分の好みが秋になって水分が無くなって来た時、鮮やかな赤に紅葉する原因ではないかと思っております。

ただ、この木の成長は遅く、1年で数センチしか伸びません。それに、どちらかと言えば、涼しい場所が好きなようで、横浜の気候はこの木にとってちょっと暑いと思っているかもしれません。

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2008年10月23日 (木)

ジャスミンは横浜では優勢種?

Img_4686_w Camera : canon EOS 5D, Lens : EF24-105mm F4L

写真は現在の私の自宅の状況です。ジャスミンのホワイトプリンセスによって、全てのつるバラが覆われてしまいました。どうしようもなく旺盛な繁殖力です。これでも、今年の春に半分に切り詰めてありました。そしてこれは小さなポット苗一個を地植えしたことが全ての始まりなのです。

ここに、日頃は車を止めておりますので、車に出入りする時はジャスミンの蔓を払いのけてする必要があります。家人には邪魔だから切れと怒られるのですが、どうしても花が咲いている間は切る気になれずに困っております。

このまま冬まで咲き続けるので、今年はあきらめてもらおうと思うのですが、それも恐ろしい冒険です。

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2008年10月13日 (月)

秋の日のマダガスカル ブッドレア

Img_4652_w Camera : canon EOS 5D, Lens : Apo Macro Elmaret 100mm F2.8

マダガスカル ブッドレアについては前に紹介したことがあるので、詳しくは書きませんがが、この花は少なくとも私の家では、不定期に咲きます。

基本的のは枝が伸び、その先に花を付けて行くのですが、この花がずいぶんと長持ちします。花芽が次々に分化してくるのと、一つの花穂が根元から先端に、成長しながら徐々に開花して行くからです。

そして、良い香りを発散し続けるのですが、この花とこの香りは、秋に咲いたものが一番良く感じられます。

面白いことは、この花は冬季の保護が必要な為日本では自生しないものの、外においておくと当たり前のように色々な昆虫が蜜と花粉を求めてやってきます。

昆虫にとっても、花期が長くて頼りがいにある花なのかもしりません。

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2008年10月 7日 (火)

ウスギモクセイに関する暴論

R0011667_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

街には金木犀の香りが満ちてきましたが、これに先立って浜離宮では薄黄木犀が咲き、一足早く香りを振りまいておりました。

花の香りは金木犀の方が強いものの、金木犀の花が蕾か咲きだしの頃発する一種の野生味が、薄黄木犀の香りにあり、私は、真っ先にこの花の香りで秋の訪れを感じます。

ところで、金木犀を含めた木犀の仲間は、広く植栽されている割に謎の多い木です。例えば、金木犀は中国原産で日本には雄花しか無いので結実しません。と、よく紹介されておりますが、それでは中国にある自生地で結実している金木犀の雌花って本当にあるのかどうか......私は残念ながら見たことがないのです。

金木犀、薄黄木犀は原種である銀木犀から派生した種だとされております。原種の白花がちょこっと黄変したものが薄黄木犀で、そこからオレンジ色まで変化したものが金木犀である、と。

しかし、不思議なことに薄黄木犀は日本でも自生地があり、雌雄の花があり、結実するのです。銀木犀と金木犀は雄花の木のクローンが出回っているだけです。

普通に考えれば、中国から日本の南部にかけて自生する薄黄木犀が原種でその純白変化が銀木犀、濃黄変化が金木犀になり、それは園芸種のバラのようにクローン増殖されて普及した......。明白な自生地と自然状態での結実が、薄黄木犀に原種の姿を感じる。

もちろん暴論です。銀木犀が原種で、他のものが派生種であることは植物学者の定説です。でも秋の夜長に、こんな推理も面白いでしょう。

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2008年9月11日 (木)

アメリカ朝鮮朝顔が家にやってきた

R0011647_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

アメリカ朝鮮朝顔って名前はちょっと変な気がしますね。何となくミサイルのような花を想像してみたりします。実は、この変な名前の花が我が家に侵入して来て、先日から花を付けております。

私は、この植物が家の片隅で芽吹いた時からさりげなく水をやって、ちょっと期待しておりました。花が咲けば何なのかはっきりしますが、小さいうちは確証が持てません。まして、タネを撒いた訳でもなく、勝手に我が家に侵入したものなので、それが何か、何となくわかっても確証は持てないのです。

それでも花が咲く前、蕾を付けた時点でアメリカ朝鮮朝顔であることが解りました。さらにおそらく、この植物の親は、近所で最近、マンションのモデルルームを建てられた所に咲いていたものだと思われます。マンションのモデルルームの為に消された花が、最後に行き場を探してタネを飛ばしたのかもしれません。

もっとも、来年のことは知りません。こぼれタネで増えるとのことですが、人為的には増やしません。そもそも私は、この植物は多年草ではないかと思っております。

こういう存在は面白いですね、向こうから勝手にやってきて、ひと時を一緒にすごし、冬になれば消えて行く。でもまた、来年、ご縁があればまた復活する。

嫌いでは無いけど、特に追い求めることもせずに、自然が一緒にいることを決め、ただそれに従うような関係。自分も年をとってきたのかな。

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2008年8月12日 (火)

チューベローズの切花と延命剤

Img_4116_w 近所の花屋でチューベローズの切花が安く手に入ることを知ってからは、ちゃんと球根を育てることを怠っております。大きな鉢に植えっぱなしになって、ニラのようになっております。

切花さえ手に入れば、この花は切花のほうが良いのです。この花は、贅沢に花穂を並べて飾るほうが見栄えがするし、夜になると艶かしい香りが強く漂います。そして、この香りはエアコンで温度と湿度を抑えられた部屋によく栄えるのです。

ところが、問題は切花がちゃんと開花するかどうかです。なにせ、この花は山ほどの蕾がついて出荷されるので、切花だと開花しにくいのです。

特に、今回はすべて硬い蕾の状況で出ていたし、茎も細かったので(安いから文句は言えないのだけど)切花延命剤を入れた水で育てます。

ウチはネコが居て、ちょっと油断すると花瓶の水を飲みたがるので、防腐剤が入った切花延命剤はなるべく使わないのです。今回は仕方が無く使ってみましたが、それでも成績は悪く、蕾の半分はしおれるか枯れてきました。

やはりチューベローズの切花は難しいです。それともステンレスの現像タンクに生けたのが、失敗だったのでしょうか。まあ、それでも少しは咲いてくれるので良いことにします。

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2008年8月10日 (日)

源氏池の蓮

2008893_w Camera : Pentax 67, Lens : SMC Pentax 45mm F4, Film :CTpro400 C41モドキ

私は蓮の花の香りが好きで、蓮の花の香りを移した蓮茶もわざわざ買って飲んでます。この花は東洋的、哲学的なイメージの香りをもっていると思います。食後に蓮茶を飲むと、時間がゆっくり過ぎてゆくような気分になります。

今まで、この花の香りを紹介した記憶がありませんが、おそらくそれは、私がこの花の写真を撮っていない為だと思います。探せば、蓮の花の写真くらい出てきそうですが、少なくとも、気合を入れて蓮の花の写真を撮りにいったことはありません。

どうも、蓮の花は写真が好きな人の格好の被写体になるらしく、岸辺に咲く格好の良い花の周りなど殺気だっていることもあります。この花の香りにイメージとは裏腹に、実際の花の周りはせわしなく、落ち着きが無いのです。それが苦手で蓮の花に近づかないようにしていたのです。

この写真は、もう昼過ぎですから蓮の花が最も美しい時期は過ぎています。季節的にも終盤なのでどこを見渡しても気合を入れて蓮の花を撮っている人はおらず、代わりに携帯で写真を撮っている人が多くなります。その点でこの花のもつゆったりとしたイメージに近い状態でした。それに、盛りは過ぎたとは言え、これだけの花が咲いているので、やはり蓮の花の香りが漂ってきて、気分は極楽でした。

(漂白液を全更新したので、すっきりした発色に現像できました、でも現像液はヘタってきたので次は新調しなくては)

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2008年6月21日 (土)

スタージャスミンと金銀花

R0011215_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

先日、近くの園芸店で「金銀花」300円とあるのを見つけて、思わず4鉢もお持ち帰りをしてしまいました。「生垣にどうぞ」とあったのを見て、ちょっと置いてみたい所が思い当たったのです。

金銀花という名前は本来、スイカズラの花を摘んだ生薬をさすのが正しいと思いますが、スイカズラの花が白から黄色に変色し、白い花と黄色い花が群をなして咲いている様子から、スイカズラそのものの別名として使われることもあります。

今回買った鉢植えは、太い木を挿し木にして木立風に仕立てられたものであり、また、近所のスイカズラの花が終わってもまだ咲いております。商品の案内にも花期が長く10月まで咲くとあって、ひょっとしたら四季咲きに挑戦できるかも知れないと期待しております。

もちろん、真夏には咲かなくても良いのですが、できれば秋にもう一度返り咲きして欲しいと思っております。その為に、どこかで一度深く剪定してみるつもりです。その為にも木立風の仕立てはありがたいですね。細い蔓が行灯仕立てになっているものでは、剪定のし様が無いですから。

返り咲きを狙わなければ、これを鉢から外して地植えにするとあっという間に、蔓延ることになると思います。ちょうど反対側で蔓延っているスタージャスミンのように。

スタージャスミンは花が咲いていればとても綺麗で香りも良いのですが、徒長しだすと手がつけられないくらいに蔓延ります。写真の蔓も当初の予定は正面の柵の下、つるバラのシルバースターの邪魔にならないように注意していたのですが、ついにそれを飲み込んでしまいました。花が終わったら、大粛清が待ってます。

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2008年6月 8日 (日)

小坂町のキングサリ

Img_3801_w camera : Canon EOS 5D, Lens : EF24-105 F4L

先週から、何度か登場している秋田県の小坂町ですが、本日はアカシア祭りがあったようです。先週もピンクのニセアカシアは咲いておりましたが、本来の白花のニセアカシアの咲き具合は今ひとつだったので、今日は良かったのでは、ないでしょうか。

天気も良かったみたいです。私は、何故かここに来るといつも雨で...。

ところで、今まで気が付かなかったのですが、ここにはキングサリも植えられております。花の咲き方はニセアカシアと似ているので、一見黄色のニセアカシアかと思ってしまうのですが、特徴のある葉でキングサリ( Laburnum)であることが解ります。

まあ、景観的には白花のピンク花、黄色のマメ科の花が競演して咲くわけで、楽しめますが、アカシアの町としては、もっとニセアカシアにこだわりがあっても良かったかと。

このキングサリは、ヨーロッパ原産とのことで、どちらかというと冷涼な気候の方が好みのようです。ここ小坂には合うはず、やがて、本来の高木に育つかもしてません。

ただ、花期がニセアカシアと被るので、それこそ黄色のニセアカシアに思われるようになるかも知れません。また、花の香りも、くどいくらい甘いニセアカシアの香りから甘さを少し控えさせたような、品の良い香りです。

本当は、洋風の庭の入口等で植栽するのが一番似合っている木かも知れません。

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2008年5月30日 (金)

ジュネが満開

20085273_w Camera : Contax 137MD, Lens : Tessar 45mm F2.8, Film : Kodak GC400, 30c, 6m30s

この春、南フランスのグラースを訪ねた期待の一つは、ジュネの畑をみることでした。もちろん、その時期にジュネは咲いているはずは無いのですが、木を見て、脳内で満開に咲かせるつもりだったのです。

ところが残念なことにジュネの木を見つけることが出来ませんでした。グラースの初夏を黄色に染める様子は想像できません。まあ、レンタカーでも借りてくまなく探せばあるでしょうが、電車の車窓から確認できることは、無いようです。このあたりは高級住宅地っぽくなってきたので、ジュネの畑も無くなってきたのでしょうか。

その代わり、KK宅では今、満開です。隣の家に迷惑がかかるので、かなり切っているのですが、そんなことは全く気にせず元気に花を咲かせております。雨の日には重さで、地べたに着くほどしなうのですが、木が柔らかい為、折れる事もなく花を咲かせ続けます。

花期は一ヶ月弱、飽きるほど咲き続けます。天気の良い日はこの花を見て、香りをかいで、目を閉じれば、もうそこはグラースです。あっワインもいるかな。

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2008年5月 8日 (木)

グラジオラス、トリステス

Img_3649_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : Apo Macro Elmaret 100mm F2.8

実は、このBlogで紹介すべき香りの良い花にかなりの取りこぼしがあります。その理由は、それらの花の写真が撮れていないか、撮った写真を発掘できていないか、そのどちらかです。
さらに、世の中には、私の知らない香りの良い花がいっぱいあります。香りの良い花を全部紹介するのは無理にしても、年に数種類ずつでも追加して行くと、まとまった資料になるかも知れません。地道に更新して行きます。

今回追加する花はグラジオラスのトリステス(Gladiolus tristis)という花です。この花は前に育てておりましたが、写真は撮らずじまい、去年あらたに球根を買い求めて、最近開花し、とりあえず一枚写真が撮れました。

一般的なグラジオラスは夏咲きであるのに比べて、この種類は春に咲きます。最近は春咲きグラジオラスとして品種改良されたものが出回るようになり、にわかに脚光を浴びてきました。グラジオラストリステスはその原種のうちの一つで、南アフリカが原産地と言われております。私の個人的な意見では、品種改良されたどの春咲きグラジオラスより、この原種のトリステスは魅力的です。

その理由の一つが清楚な薄緑の花のすがたであり、もう一つが夕方から漂う香りです。特別に強い香りではありませんが、どことなく懐かしさを感じる青っぽく甘い香りです。この香りを強くして、刺激を加えると夜香木の香りと似てくると思われますが、咲く時期の夜温が低く、湿気も少ないためか、もっと穏やかで軽い香りに仕上がっております。私は、この花を育てていた頃は鉢植えに植えて、夜には寝室に入れておりましたが、安眠を妨害するようなことはありませんでした。

この花の球根は、フリージアに準じるとありますが、実際にはフリージアより困難です。フリージアは私の庭でも、放置され何の加護もなく、下手をすれば他の植物の物陰になりながらも毎年花を咲かせます。
しかし、グラジオラストリステスは庭に地植えをすると二、三年で消えて行きます。かなりデリケートな球根です。おそらく、糸のような細い葉が暑さに弱いことと、厭地を起こすのかもしれません。鉢に植えて、初夏になって葉がかれたら球根を掘りあげて消毒し、また秋に新しい土に植えてゆけば良いと思います。

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2008年4月23日 (水)

汐留のライラック

R0011034_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

今が盛りと咲く汐留のライラックです。ライラックは暑いところが苦手ですが、ここ汐留は風通しが良いせいか元気に咲いております。写真はユリカモメのカーブを強引に入れているので、ちょっとベタですが、咲いている場所は解りやすいでしょう。

もう少し大きく育てば、街の人気者になるかも知れません。汐留にはライラックが不思議とよく似合います。それは、この花が持つ明るく華やかな雰囲気が、この街の光の乱反射と妙にマッチしているからではないでしょうか。

ここで、この花をみていると、札幌の初夏を何となく思い出します。もちろん、まだまだ、札幌のライラックには遠くおよびませんが、ここで、この植栽は、良いセンスです。

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2008年4月19日 (土)

ずいぶん早い姫月下美人の開花

Img_3538_w Camera : canon EOS5D, Lens : Apo Macro Elmarit 100mm F2.8

今年は、本日から姫月下美人が開花しました。この花は通常初夏から秋の間に咲くのでずいぶん気の早い開花をしたものです。

蕾が次々に出てきているので、一輪の狂い咲きではなく、この株が開花モードに入っているのです。

何故でしょう。考えられる理由は。

1.昨年の開花が少なく、エネルギーがあまっていた

2.徒長する新芽を摘まれているので、エネルギーの振り向け先に困って花を付けた

3.飼い主に苛められているので、最後の一花を咲かせようとした

4.暖かいところに置かれていたので、今が初夏だと思っている

こんなところだと思います。もともと姫月下美人は花が小型であることもあって、開花性に優れていて、他の月下美人の仲間より気軽に咲きます。

それでも、パラパラと咲き続ける訳ではなく、一夜花を数夜に分けて集中的に咲かせるのが基本です。この花の自生環境ではとにかく目立つ必要があるので、夜に、強い香りと、目立つ姿をさらす必要があるので、パラパラと咲くのは資源の無駄使いになるからです。

その為、エネルギーを供給しやすい初夏から秋にかけて咲く事になるのだと思います。春のような温度と水分が安定していない状況では、これだけの花を咲かせる蕾の生長を、多数の蕾で同時に行なうことなど不可能だからです。

何かのバランスを崩して、この植物としては不本意な開花をしてしまったのでしょう。鉢植えを見守っている方の人間としては、この傾向を続けてもらいたいものです。

春の夜の姫月下美人の花の香りは、秋のものより爽快感があります。フレッシュなのです。孔雀サボテンの交配種のなかには、春咲きで香りを持つものもありますが、姫月下美人の香りにかなうものなどないでしょうね。

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2008年4月15日 (火)

浜離宮の駿河台匂桜、看板はこの木

R0010939_w 昨日、私の好きな浜離宮の駿河台匂桜を紹介しました。でも、普通に浜離宮の駿河台匂桜の木といえば、もう一本のこの木を指すでしょう。

なぜなら、この木はちゃんと名札をぶら下げているからです。植栽されている位置も一段高く、根元を踏まれることが無いように配慮されております。同じ木で随分待遇が違うものですが、看板を背負っている辛さもあるでしょうから、一概にどちらが幸せか判断は難しいものと思われます。

この木は、遊歩道の間に一段高く盛られている地面に植栽されているのですが、それでも枝を垂れ下げているので、遊歩道から至近距離で花を観賞できます。浜離宮の桜は海辺に咲いているせいか、そのように育てているせいか、多かれ少なかれどの桜も人間と近しい関係を保っております。

今日の様子では、満開まであと4.5日はかかりそうです。この週末が見ごろかも知れません。

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2008年4月14日 (月)

浜離宮の駿河台匂桜

R0010919_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

人は誰も皆、心の中に、大切に思う桜の木が、最低一本はあるものです。それは今は無き田舎の小学校の校庭の桜であったり、故郷の公園の桜であったり、畑のそばの山桜であったりします。

私にも思い浮かぶ桜の木はいろいろあるのですが、現在のところ最も気になっている木が浜離宮の駿河台匂桜の木です。

この木は上の方が枯れて、下の枝だけでようやく生きているような木ですが、そのおかげで桜の枝が目の前に垂れ下がり、匂桜の花の香りを楽しむことができます。

駿河台匂桜は、私の信じるところでは最も素晴らしい匂桜であります。特徴があるせいか、探してみるといろいろな場所に植栽されているのがわかります。しかし、花を近くで観賞でき、ましてや香りまで楽しめる位置に花が咲いていることなど滅多にありません。

それを、この老木がかなえてくれているのです。

私は、毎年、この木に会うのが楽しみで、この木が花を咲かせているのを見ると幸せな気分になるのです。

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2008年4月12日 (土)

多摩森林科学園で保存される荒川堤の里桜

Img_3487_w Camera : Canon ES 5D, Lens EF24-105 F4L

(兼六熊谷、花には香りがあるそうです、その花びらの香りは確認できませんが、木の周りには桜の香りが漂います)

里桜とは、原種の山桜等から品種改良された、いわば園芸品種です。しかし原種の山桜に対して里桜と呼ぶところに趣があり、歴史を感じさせます。
昔、その里桜を集めて堤防に植えるという美しい作業を行なった事がありました。その堤防は今の隅田川にあたる昔の荒川で、そこに集められた里桜が今も栽培される里桜のルーツになり、新たに名前も付けられたものもありました。下の写真の荒川匂桜という名前の桜もここに植えられていたことが名前の由来になっております。

Img_3442_w 荒川堤に、同じ桜でも里桜が植えられた背景には、樹齢が長く巨木になる江戸彼岸や山桜より、巨木にならない里桜の性質が堤防向きとされたのかも知れません。
あるいは単純に、いろいろな桜を長く楽しめる為だったかも知れません。その当時荒川堤のお花見は四月の中旬から下旬だったとされております。

この荒川堤の桜はその後どうなったかというと、水害と公害の影響で徐々に減り、戦争の影響で壊滅しました。最近、また植栽をする動きがあるようですが。

この、全滅した荒川堤の里桜のうちどれくらいの種類が、クローンを避難させ、保存できたかは解りませんが、その片鱗は多摩森林科学園のサクラ保存林でみることが出来ます。
ここは日本の桜の遺伝子を保存することを目的に設置されているので、各種の桜を見ることができるのです。

ここの特徴は山に自然に桜が植えられ、桜にとっては環境が良いことでしょう。桜の遺伝子の保存としては、最適な措置だと思います。

ただ、桜を近くでじっくり見たい人にとっては、管理が厳しく少々物足りないかも知れません。各種の匂桜はあっても桜の花の匂を楽しむことは難しいからです。

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2008年4月 3日 (木)

今年の浜離宮ライトアップ

R0010884_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

今年の浜離宮のライトアップはソメイヨシノのシーズンにあわせて4月3日から4月6日、八重桜にあわせて、4月12日から4月20日だそうです。ちなみに去年は4月6日でこんな感じでした。

後半のライトアップの頃は駿河台匂桜の開花シーズンでもあるので、この桜の夜の香りが楽しめるかも知れません。参考までに、リンクの写真は4月17日に撮影しております。昼の香りと夜の香りは、ちょっと印象が違うかも知れません。

今回の表題の菜の花畑も、夕方なのでお昼のムッとくるような感じではなく、少し潤いのある、また少し悩ましい感じの香りでした。

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2008年3月13日 (木)

ミモザのカーニバル

Img_1092_w ニースのある南フランスのコート・ダジュールでは、ミモザは日本の桜のようなもので、特別な思いいれがあるようです。ミモザの開花は2月の中旬から3月。横浜で同種の房アカシアの花が開花する時期にくらべて一ヶ月くらい早く、それはそのまま冬の気温の差と湿度の差と思われます。横浜の冬は穏やかなほうだと思いますが、南フランスの冬はそれ以上に穏やかなのです。

ミモザが咲く頃に、ニースではカーニバルが行われます。そのカーニバルのハイライトが期間中2回行われる花合戦。雪合戦の雪球のかわりにミモザの花束を投げるようなものです。雪合戦の戦いと違うのは投げ合うのではなく、投げられた花束を取り合う戦いだという点です。

実際は、この花合戦の会場は入場料を取って締め切られるし、入場料を払って見物している人は殆ど観光客だし、パレードの山車からふんだんにミモザの花束が投げ込まれるし、そもそも街はミモザであふれているし、ミモザの花束をゲットするというより、縁起物をもらうといった感じです。

たしかに、ミモザの花束は山車に乗った美女が仮装した花の精から投げ込まれるので、上手くキャッチできると良いことがありそうですね。。表題の写真の妖精さんはミモザの花束をなるべく遠くの人にキャッチしてもらいたいようで、遠投にはげんでおります。

私がニースに着いた日はたまたまこの花合戦が行われる日だったので、本来の目的だった香水の街グラースの観光を短縮して、ニースに戻り花合戦を見に来ました。残念ながら入場券を売っているところを知らなかったので仕切りの中に入れず、地元の人に混じって場外からおこぼれで我慢です。もちろん縁起物は無しで。

Img_1117_w この子供たちはこれから良い事がいっぱいあることでしょう。

花合戦が終わって街をうろつくともう一つの縁起物に注意が必要です。それは子供たちが持っているプラスティック フォームのスプレー缶攻撃。このカラフルないたずら道具は普通の通行人には向けられなくとも、カメラを持って笑顔で子供に近づくオヤジには容赦なく噴射されそうです。

Img_1125_w この写真の背景に写っているのは完成したてのトラムです。トラムを保存しているのではなく、作ったのです。景観地では架線を張らずにバッテリーで動けるようになってます。素晴らしい。

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2008年1月 4日 (金)

初春から報歳蘭

Img_0778_w camera : Canon EOS 5D, Lens : Apo Macro Elmarit 100mm F2.8

あけまして、おめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

今年は元旦から報歳蘭が咲きました。縁起が良いような、ちょっと残念なような複雑な気分です。もう少し我慢してくれれば、花穂がもっと長く伸びて、格好が良かったのですが、年間を通じて暑苦しいKKの家では、いろいろな花が狂い咲きしてしまうのです。

去年は真夏に寒蘭が盛大に咲いてしまって、とても残念な思いをしていたのです。寒蘭はまれに夏の間に狂い咲きすることがあるのですが、そんな花は香りを持たないのです。東洋蘭の花はとてもデリケートで、気温、日照などで、花の容姿も香りも変わってしまうのです。

さすがに、今回ちょっと早めに咲いた報歳蘭は、ちょっと狂っただけなのでしっかり香りを持っていて、新年早々馥郁とした香りを振舞ってくれております。

新年早々、この香りを振舞ってくれるのであれば、毎年この時期に咲いても良いか、なんて思ってしまうのですが、この蘭が本当に報告する新たな歳は旧暦の新年でなのです。

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2007年10月20日 (土)

チューベローズの切花

Img_0197_w Camera : canon EOS 5D, Lens : Zuiko Macro 50mm F2

先週末、おそらくこれが今年最後の開花となるチューベローズが咲いたので切花にしました。チューベローズは、球根を3月にポットに植えて室内で芽掻きをしながら育てると夏に一斉に開花しますが、今年は怠けて放置したので、かなりの分球がおこり、開花に適さないサイズの株が多かったのですが、夏からの高温が幸いして小さな株も生育がすすみ、今頃開花する株が出てきたのです。

これが確実に再現できれば、チューベローズは今くらいに咲かせたい花です。なにより花の香りが冴え渡ります。
この花の香りは、蒼い月夜と最高の相性をもっておりますが、同じ月夜でも湿度と気温が高いと強い香りは今ひとつ冴えが足りません。

以前、この花を切花で買ってみたところあまり花持ちが良くなかったので、今回は慎重に最後の一輪を切花にしてみました。

実際に切花にしてみると、何てことは無く普通に水を吸います。そして毎日一輪か二輪ずつ下の方から開花して行きます。ただし、蕾の生長の悪かった最上部は早々としぼんでしまいました。

たぶん、これが正解です。この花はある程度育った蕾でなければ切花では咲かすことが出来ないのでしょう、そしてその蕾が咲くためにかなりのエネルギーが必要としている
感じです。蕾の生育が間に合わない最上部は萎んだら切ってしまえば美しさは保たれます。咲かせる蕾と咲かせない蕾を選別する必要があるのです。

特別な肥料も開花促進剤も与えられないで育った株は、蕾の生長にちゃんとした序列があり、時間をかけて下から順番に成長し、エネルギーをつぎ込まれ、一輪一輪と毎日開花します。

しかし、薬を使われた切花用の株は、全ての蕾が短期間で同じような大きさになったところで出荷されるので、切花になった時にエネルギーの配分のバランスを崩し、結果的に共倒れでかなりの蕾が落ちてしまうのではないかと思います。

あとは、花枝の割に多くの蕾をつけてしまったのかも知れません。いづれにしても、切花用の花は注意して選ばないと蕾がポロポロおちて花持ちが悪くなります。あるいは蕾が多すぎるようなら、間引きしてみるのも良いかもしれません。

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2007年10月13日 (土)

今年の金木犀

R0010622_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

街には金木犀の香りが漂う季節になりました。私の住む横浜は先週くらいから香りが漂っておりました。あともう少しで終わりでしょう。

この花は年によって二度咲きするのですが、今年はどうでしょう。今までの例では二度咲きする年は9月の下旬が最初、10月中旬が二度目でしたので、そのならいからすると、今年はこれっきりかも知れません。

金木犀の香りは、私が最も好きな花の香りの一つです。この香りをお酒に移したり、お茶に移したりして年中香りを楽しむことは出来ますが、やはり秋の空気に漂うライブの香りが最高だと思います。

特に香りが引き立つのは雨の日です。何故でしょう、雨が金木犀の小さな花を刺激して香りを発散させるのか、金木犀の香りが湿った空気に似合うのか、理由は解りませんが、静かな秋雨の日に香る金木犀の香りはしっとりと落ち着いてそれは素晴らしいものがあります。

また雨があがった後、落下した花で、木の下にオレンジ色の輪が出来上がる姿も素晴らしい光景です。

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2007年10月 7日 (日)

今年の姫月下美人

Img_0162_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : G.Zuiko 55mm F1.2

姫月下美人は月下美人より小さな花である為か、つけた蕾のほとんどが開花まで行くような気がします。ただ、どうしてこんなに一斉に咲いてしまうのか不思議です。

私の家の姫月下美人は今夜から咲きだしましたが、今夜がピークでしょう。後は2,3の蕾が数日後に咲く程度でしょう。

月下美人の仲間は夜間に小さな吸蜜コウモリを魅惑するのに、白く大きな花をつけ、香りを発し、山ほどの花粉を準備します。その為、花を一夜で使い切ることには納得できるのですが、一つの株で、開花させることが出来る花を、同じ夜で使い切ってしまうことは納得が行きません。

毎夜、一輪づつ開花させれば、そのほうが効率がよさそうだし、それに.....この植物の鉢植えを育てる人にとっても楽しみは長く続く...。

ところが、この植物は一夜にして、その株が用意できる大部分の花を使いきってしまう。ものすごくリスクの大きい賭けだと思います。ただ、おそらく、それが自然界の厳しさなのでしょう、毎夜一輪ずつ花を咲かせても、誰も来てはくれない、一か八か盛大な打ち上げ花火をあげて、結果を待つ...そんな事なのかも知れません。

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2007年9月 1日 (土)

ホワイトプリンセス、始めは処女の如く後は..

Img_9976_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : EF24-105 F4L

家の玄関を飲み込みそうな勢いで繁殖しているツルは、コモンジャスミンの園芸種と思われるホワイトプリンセスです。

コモンジャスミンはその名の如く最も一般的なジャスミンなのですが、少々寒さに弱く、日本では寒さに強いハゴロモジャスミンが普及しておりました。

コモンジャスミンは春咲きのハゴロモジャスミンと違い初夏から初冬まで咲きつづけます。香りもハゴロモジャスミンより上品で、この選抜種が南仏のプロバンスでエッセンシャルオイル用に商業栽培されいるほどです、ただ夏の蒸し暑い夜は少々うっとうしく感じるかも知れません。

この花は昼の間も開花しているものの、花の盛りは夜です。夕方からどんどん開花がすすみ、あたり一面にジャスミンの香りを容赦なく振り撒くのです。気温と湿度の下がった秋の夜などは、何かの物語が生まれそうないい感じの雰囲気になります。

私はこのホワイトプリンスが出回る前は、プロバンスで使われている選抜種のグランディフローラを大切に育てて冬場は室内で保護しておりました。ところがホームセンターでホワイトプリンセスを見つけて、そのポット苗を一株玄関前に地植えしてみました。

始めは、弱弱しく、越冬できないかも知れないと思っていたものの、結果的に楽勝で越冬し、近所に植えていたバラを全て飲み込んでは枯らし、さらに郵便受けを包囲し、玄関から室内へ進入を伺っております。写真の状態でも大幅な剪定を受けた後です。

この植物は、バラと違って手間がかからないし、初夏から初冬まで咲き続けるし、夜に帰宅するたびに地上の星のように開花して良い香りで迎えてくれるし憎めないなぁ、といった家主の心の隙に付け込んで、本日もまた着々とツルを延ばしているのです。

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2007年7月25日 (水)

スズランの木の花は上品な香り

R0010461_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

この花はスズランの木という木に咲いている花です。こんな花だからスズランの木という名前になった事は一目瞭然です。もちろん英語の名前も‘Lily of the valley tree‘です。

ただ、この木には世界三大紅葉樹という怪しげなタイトルがつきます。ひょっとして由緒あるタイトルなのかも知れませんが。私は個人的に世界三大何とかというものを基本的に信じておりません。私に言わせれば、明確な根拠があるものはベスト1.2.3が根拠の順番に並びます。それに引き換え世界三大何とかと言った場合、その中の序列があるものなどまず無いです。思いつくものを三つあげているだけという気がするのです。

つまらぬ事にとらわれましたが、この木の紅葉が美しくないかと言うと、そんな事はなく美しい赤に色付きます。ただ横浜の小さな庭で育てている限り、この木本来の美しさの1/10も出ていないでしょう。

この木はもっと涼しいところで、充分な日光を浴びて育てば本当に美しい紅葉になるでしょう。木の姿がシンメトリックな枝ぶりだし、葉が透けるような美しい照り葉です。

本来はもっと大きくなる木なのですが、この木は成長が遅く日本に通販で一般的に出回った時から育ててもたいした大きさにはなっていません。その代わり、花は木が小さくても咲きます。

7月に花が咲くと、季節外れのクリスマスツリーが雪をかぶったような格好で白い花を沢山付けます。この花は無条件に色々な虫に好かれるようで、蜜を求めて虫は降り立ち、蟻は登ります。花の香りもこの時期の花の割にはクセがなく、上品なジャスミンのような甘い穏やかな香りを持っております。

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2007年7月11日 (水)

シマトリネコだと思っていたシマトネリコ

R0010478_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

職場のそばにシマトネリコの街路樹があって、今の時期白い花をつけております。なんとなく香りが漂ってくるのですが、花は高い位置にさくので手にとって確かめることが出来なく残念です。
それでも私が毎日、昼休みに木の下にたたずんで確かめたところによると、少し青臭く、鈍い酸味が少々の香りであると思います。この時期の花によくあるタイプの香りなのですが、青みが少し強い気がします。

直接、花の香りを確かめられないのは残念ですが、ある意味この香りは、こんな風に風に乗ってくる状況がベストかも知れません。この時期に咲く花で香りを持つものは、湿度に負けないで虫にアピールするクセの強い香りを多かれ少なかれ持っているので、空気が淀んでいる時などは不快にさえ感じるかも知れません。そよ風に乗って香りを感じる分には、割と爽やかに初夏の風情も感じられる香りと思います。

この木は雄花と雌花があるらしいのですが、これから先、雌花には実がなります。その実は羽のような形で花穂にびっしりと付き、風の強い秋の日に飛び立つように準備を始めるので、この姿の印象が強い人も多いかもしれません。

名前のうちシマの部分は沖縄方面の南国の島を指し、トネリコは日本原産のトネリコの仲間であることを意味します。トネリコとは変った名前ですが、その木に寄生するカイガラムシが発する蝋を戸に塗っていたことから戸塗り粉が変化してトネリコになったという由来を考えると、妙に納得できる名前であります。恥ずかしながら最近まで、シマトリネコだと思っておりました。

R0010474_w_1 (表題の写真ではほとんど花が確認出来ないので、風でぶれていてもこちらの方が解りやすいかも)街路樹になる割には、花屋さんで観葉植物として小さな鉢植えで売られることも、ちょっとびっくりなこの木の一面です。

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2007年7月 4日 (水)

梅雨空の下で咲くモッコク

R0010426_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

浜離宮には立派なモッコクの木が沢山あって、訪れるたびに開花を待っておりました。モッコクの木は結構いろいろな公園や庭に植栽されているので、木の場所は知っていてもなかなか良い開花状況には恵まれません。

この花は梅雨空に咲くので、小さな花は人目に付きにくいことと、開花している花をみつけても大抵は傷んでいて美しいと思われないことが原因かも知れません。

本当にこの花は、春先から長ーい間蕾をつけて居りながら、咲いたと思った花はすぐ雨に打たれて傷み、そして落下してしまいます。さらに花は小さく地味です。梅雨の合間の青空に白い花弁を透かせて黄色いおしべを輝かせたらきっと綺麗に見えるのでしょうけど、そのようなチャンスにはなかなかめぐり合いません。

どちらかと言うとこの花の開花は、花を見つけるより先に花の香りで気が付くことの方が多いのではないかと思います。

もともとモッコクという名前は蘭のセッコク(石斛)と香りが似ていることから来ております。セッコクのような高貴な香りがする花を木に咲かせるからモッコク(木斛) になるのです。日本の暖地に古来から自生する木で、樹齢の長い木は1000年のものもあるそうです。

セッコクの香りと似ているというものの、実際はセッコクのような清らかさはありません。セッコクの香りに鈍く生ぬるいグミのような酸味が混じります。このグミのような鈍い酸味はこの時期に咲く花の香りに多かれ少なかれ共通の香りで、何か昆虫の嗜好と関係があるかも知れません。

とにかく、セッコクの香りに比べると俗っぽく人間臭く、妙に郷愁を感じさせる香りです。もちろん悪い香りではありません、かえって梅雨空には良く似合う、趣のある香りだと言えると思います。

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2007年6月20日 (水)

ガクアジサイの香り

R0010357_w1 Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

アジサイの花には香りがあります。ただ、一般的にみるアジサイには香りがありません。実はアジサイにはもともと二種類の花があって、香りがあるのは小さな花のほうなのですが、一般的なアジサイは、実は古くに品種改良された園芸種でこの小さな方の花が失われているのです。

一般的なアジサイの原種であるガクアジサイやヤマアジサイの花は、花としての役割を果たすおしべとめしべを持った「両性花」と、これを囲むガクが変化したお飾りの「装飾花」で構成されております。
これを改良して装飾花だけにしてしまったのが一般的なアジサイなのです。いろいろややこしくなるので、ちょっとしたお約束で、一般的なアジサイを園芸種と書き、アジサイは全体の仲間を意味することとします。

そもそもアジサイは何故、本当の花である両性花とお飾りである装飾花を持つのでしょうか。自然に考え付くのは目立つ為に装飾花をつけているということです、人間も目立つためにアクセサリーを付けたりします。
それと同じで視覚の発達した虫の花を発見してもらうようにアクセサリーを付けているのです。アジサイは周辺に大きなアクセサリーを付けて虫の目を引き、中心に小さな花をぎっしり詰めて受粉の物量作戦を展開していると考えられます。園芸種は人間が勝手にアクセサリーだらけに改良してしまった花なのです。

R0010360_w ただ、ミツバチのように嗅覚の発達した昆虫は、両性花のほのかな香りで、花の位置を学習してリピーターになると考えられていて、アジサイの中には装飾花が退化した仲間も居ます、こんな花は両性花の香りは強くなるのです。

アジサイの花の香りは甘ったるいものから、ぐみのようなものまで変化があります。質的には、何か生暖かく、少し青っぽく、郷愁をそそるような香りです。この中で伊豆などで自生していたガクアジサイは、水色の爽やかな色の花に相応しく、嫌味のないスッキリとした香りを持っています。

ガクアジサイは色々な園芸種を生んでいるので、浜離宮のこのアジサイも正確にはガクアジサイ系のアジサイとしか解りません。もともといろいろなバリエーションがあり、また園芸交配がすすみ、さらに土壌の影響を受けるこの花は、「移り気」ではなくともつかみ難い花でありますね。

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2007年6月13日 (水)

リラの花が咲く頃

Img_8042_w Camera : Canon 5D, lens : EF24-105mm F4L

12日は北海道で真夏日を記録したとニュースでありました、こんな日の話題として相応しく無いかもしれませんが、今回はリラの花の咲く頃について。

「リラ冷え」という言葉は、北海道の俳人が最初に使った表現だそうです、また、この言葉は渡辺淳一さんの小説によって一躍広まったとされます。しかし、北海道に住んだことがある人ならそんないきさつを知らなくても「リラ冷え」という言葉でピンと来るものがあります。また、北海道に住むことになった人は最初の年にそれを実感します。

本州では暖かく初夏の陽気の5月下旬から6月上旬、何故か北海道では底冷えする日が来ます。初めて北海道で住むことになった者は辺りの人に言います「さすがに北海道だけあって寒いね」「リラ冷えって言うんだワ」。ここで、新参者は「花冷え」を思い出し、北海道だから桜の代わりにリラなんだな、と妙に納得するのです。

リラ冷えの正体はオホーツク高気圧の影響により寒気が流入しておこる、この時期の一時的な気候条件ですが、不思議とリラの花にイメージが重なります。私は、「リラ冷え」は全世界的に一般的な現象だと思っていたので、「花冷え」の時節にフランス人に「フランスにもリラ冷えってものがあるでしょ?」と聞いて????と反応されたことがあります。

ところで、今までリラと書いてきた花はライラックのことです。フランス語でリラ、英語でライラックなのですが、日本ではライラックのほうが通り名かも知れません。関東地方で育てると5月のゴールデンウィークのあたりに花を付けます。
しかし、この花はどちらかと言うと北国の花で、札幌で咲く花の方が綺麗で木も丈夫に育ちます。

明るい太陽の下、乾いた空気の下でみるこの花は綺麗でいい感じです。そして香りもほんのり甘いながらも清潔感が感じられ、この花によくマッチしております。そしてこの花と香りは、おしゃれな感じの街によく合いそうな気がします
そんな街の植栽になっている場合やはりライラックではなくリラと呼んであげたくなります。

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2007年6月 1日 (金)

ニオイツツジはミルキーな香り

R0010253_w Camera : Ricoh Caplio GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

ツツジには香りの遺伝子があり、何らかの香りを持つものがあります。例えばもっとも良く見かけるオオムラサキなどは結構爽やかな香りを持っております。ただ、一般的には香りを重視して園芸改良されて来た訳ではなく花の色と形に視点をおいた園芸改良がされてきました。

ニオイツツジという園芸種の一群をみかけますが、これは海外で園芸改良されたものです。もともとアメリカに自生するSweet Azalea(Rhododendron arborescens)を基に改良されたものだと思います。
私は園芸店で見た事と浜離宮で見かけただけなので、あまり詳しくは解りませんが、見た感じレンゲツツジに似ています。

レンゲツツジの仲間は日本を含むアジアに一種、ヨーロッパに一種あるだけで残りの原種は全て北米に集中しております、Sweet Azaleaもその一種で白からピンクの花をつけるそうです。このレンゲツツジの仲間を中心にイギリスのエクスバリー農園で改良されたツツジの一群がエクスバリーアザレアですから、ニオイツツジもそうしたエクスバリーアザレアのうちの一つだったと思います。

日本はツツジ類の主要な原産国のうちの一つですから、日本人の好みにあった園芸改良が進み、盆栽というツツジ類の鑑賞方法を確立させて来ました。たとえ盆栽にしなくとも公園の植栽の整った枝ぶりにこの木に対する好みの姿がうかがわれます。

それと比較してみるとニオイツツジの枝ぶりは少し粗野な感じがします。ひょっとして今後も日本の公園をこの木の仲間で埋め尽くすことは無いかも知れません。

ただ香りは素晴らしいものがあります。もちろん毒をもっているでしょうから、あまり集中して香りにつかることはお勧めできませんが、何やらミルキーな甘い香りです。

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2007年5月27日 (日)

セッコク交配デンドロビウム

Img_8177_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEG

デンドロビウムはギリシア語に由来して「木に生える」植物、と言った感じの意味ですから、考えようによっては着生蘭の全てがデンドロビウムと言っても良いくらいの包容力のある名前です。そのためか原種も多様で、まさかと思うようなものさえ、デンドロビウムという名のもとに同じです。これは、ある意味、セントバーナードからチワワまで同じ犬であることと似ているかもしれません。

その中で、日本に自生するデンドロビウムがセッコクで、古くから長生蘭という名前で古典園芸の世界が確立していて、固体の変化によってさまざまに命名され、高価で取引を行われる場合もあります。その価値観の世界ではあまり重要視されませんが、セッコクの花は良い香りを持っていて、この香りを丈夫なノビル系のデンドロビウムに取り入れようとした園芸種もあります。

デンドロビウムは比較的容易に増殖できるので、このように交配したものの中で選抜されたセレブが何らかの命名をされて、増殖されて市場に出て行きます。また、選抜に漏れた物は、無名の「セッコク交配デンドロビウム」として売りに出されることがあります。嬉しいことに、こういう鉢植えはとても安い値段で売りに出されるのです。

いくらプロが選抜したところで、個人の好みは千差万別。私にはバーゲン会場に並んだ無名のセッコク交配デンドロビウムの一群のほうが価値があります。写真のデンドロビウムも、園芸店に並んだそんな無名のデンドロビウムの一つでした。

バーゲン会場で洋服を買い漁るご婦人のように、左手にお気に入りをキープ。右手には別の鉢。より気に入った物を見つけると左手の鉢をすりかえて右手はさらに新たな鉢を探す。こうして選んだもっとも気に入った香りを持つ個体です。

この固体は丈夫さも兼ね備えていたようで、野外で普通に育ち、繁殖しつつ、毎年5月には見事な花を咲かせます。初夏の室内に置いてもすっきりした心地よい香りで室内を満たします。マスカットのようなムスクっぽい香りと新鮮な黒胡椒の香りがまじったような印象の香りです。

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2007年5月24日 (木)

ファレノプシスに良い香りを探す

Img_8196_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEG

歌舞伎の役者が楽屋で贔屓から送られた胡蝶蘭に囲まれている写真を良く見るのですが、どうして必ず胡蝶蘭なのだろうと考えておりました。やがて、花を贈る場合は値段が解ることが必要だから胡蝶蘭なのだ、と聞きました。

贈り物は値段によって気持ちの強さが現れるのだそうです。物品だと好みに左右され、金銭だと、あとあとマルサに狙われます。花ならば、嫌味にならずに受け取る人も受け入れやすいと言うものです。
そして、胡蝶蘭はその大きさ、本数で大体その高価さが計り知れます。贔屓の気持ちが金銭を媒介にして、胡蝶蘭の立派さによってあらわされているのです。
それに、胡蝶蘭は開花期も長く、手間も要らず、公演のあいだほとんど何もしなくても開花し続けます。また開花の調整が楽なので年中出回ることも大きいです。つまり、超高級な造花のように取り扱われているのですね。

ショービジネスの役者もセレブな花も似たような宿命を持っているのかも知れません。

そんな意味で、私には全く縁の無い花でしたが、最近は個人がプライベートに楽しめるような、小型、中型の胡蝶蘭も出回ってきました。そんな小型、中型の胡蝶蘭を見るたび、なかなか可愛いヤツじゃないかと思いながら、これだけ交配が進んでくれば、必ず原種の香りの血がきらめく固体が現れる、それを探す楽しみが出来ました。

小型の園芸種では香りを持つものが比較的簡単に見つかります、その中の幾つかは「香り胡蝶蘭」として売られていたりします。また、この写真の花のように比較的大きい花のものにも香りを持つものが現れてきました。
残念ながら、この花はただ「ファレノプシス」とだけ書かれてあるのを、ホームセンターの片隅で見つけたものなので、園芸名すら知りません。ただ、甘く穏やかで、フローラルな香りをはっきりと持っております。特に昼間は、あたりに漂うくらいに香ります。

贔屓目にみて、ファレノプシス・アマビリスの血とファレノプシス・ビオラセラの血が混じっていて、大きな見栄えのする花になった園芸種ではないかと思います。

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2007年5月15日 (火)

ジョンキル水仙の色、艶、香り

Img_8097_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : Apo macro Elmarit 100mm F2.8

最近ジョンキル水仙を交配親に持った小型水仙を見かけます、しかし、この原種の小型水仙はいかに、交配園芸種が出てきたところで、その地位は安泰でしょう。

ジョンキル水仙は、原種のままで花の色、艶、香りとも魅力に溢れているからです。さりとて園芸改良で、花の大きさを大きくしたところで無意味です。このタイプの水仙は、小さく可愛らしい花であることにも、価値があるのですから。

早春には、小さな鉢に3球くらいの球根で開花している鉢花が市場に出回ります。これを室内に飾れば、潤いのある甘い香りが部屋中に漂います。室内にあっても邪魔にならない香りです。また、小さく愛らしい花は鮮やかな黄色で、部屋の西側にでも飾れば金運が上昇するかも知れません。

私の家では、今年は今ごろ開花しております。球根を遅植えにして開花期を遅らせてみたのですが、似た香りを持つハニーベルの開花とぶつかってしまい、ありがたさがちょっと薄れてしまいました。この次は早めの開花を狙います。

このように開花時期を調整を考えてしまう前提には、そもそも、私はこの球根はチューリップのように毎年買う物だ、と決めていることがあります。

水仙は、開花が終わるとエネルギーを蓄え、翌年の花芽を作って球根の中に格納して、夏の眠りにつきます。私の住む関東地方だと、細い葉が養分を蓄え花芽を作るには少し暑すぎるのです。

毎年咲かせるには、秋に葉を出させ、冬の間寒さから守ってやり、開花した後涼しい所においてやれば良いかも知れません。しかし、秋に葉が出ても冬の寒さで葉がダメになれば、かえって悪い結果になります。その為、確実に開花を見るには、毎年新しい球根を買うことが手っ取り早いのです。

もちろん、手をかけることで、毎年花を見られると思います。この球根は小さいので鉢植えでも充分なのです、その意味でチューリップより扱い安い球根かも知れません。

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2007年4月22日 (日)

ミヤマシキミのつつましい香り

Img_7476_w camera : Canon5D, Lens : EF24-105mm F4L

以前、ここのお家の方に自慢の「ヤブコウジ」を見せてもらいましたが、自分は「ミヤマシキミ」に思えたので花の時期にもう一度みたいと思っておりました。

やはりミヤマシキミで、この木は雌木だったので白っぽい花と、去年の名残りの実をつけておりました。ミヤマシキミは個体差が大きいのか、それとも亜種なのか、とにかく色々な姿のものがあります。

そもそも、この木がミヤマシキミと呼ばれる理由も、仏事で古来から使う為に栽培してきたシキミに葉が似ており、それが山に自生していることからミヤマシキミと呼ばれた訳で、日本での普遍性から、様々なバリエーションがあっても全く不思議なことではありません。この木は背丈が低く匍匐性が強いことから正式にはハイミヤマシキミと呼ばれるものかも知れません。

この仲間はシキミと似た葉を持っていたので、ミヤマシキミと呼ばれたものの、シキミとは花の形、実の形は全く違ったものです。シキミはシキミ科の植物ですが、ミヤマシキミはミカン科です。

しかし、葉の形が似ているだけで赤の他人のクセに、不思議なことにこれらは同じ成分の毒性をもっているのです。これは偶然の一致なのか、やはり何か共通するところがあるのか興味があります。

ところで、元に戻ってこの家のこの木ですが、たとえ木の名前がどうであれ、調和のとれた場所に、具合よく収まっており、素敵でした。丁度開花を迎えており、全く毒を感じさせない、まろやかで穏やかな香りを漂わせておりました。この香りはちょっと意外な気もするのですが、日本古来からの自生種だと思えば、さもあるかな、と思えるつつましい香りです。

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2007年4月17日 (火)

香さへなつかし山吹の花

Eishoji_w Camera : Bessa II, lens : Color Heliar 105mm F3.5, Film :RVPF

山吹の花は思い描いた通りの香りがします。どんな香りかと言うと、柔らかく、穏やかで、控えめな甘さの香りです。それでも山吹が群生する小道はとてもよい香りに包まれます。

山吹の花は日本由来の花なので、昔から和歌にもいろいろ歌われておりますが、香りについて歌われているものを検索すると古今集の「春雨ににほへる色もあかなくに香さへなつかし山吹の花」が出てきます。

この歌には、「にほへる色」、「香さへなつかし」と香りに関する言葉が二つ出てきますが、「にほへる」の方は色にかかることからも解るように視覚的な鮮やかさを意味しています。「香りさえなつかし」は、香りも好感がもて、いとおしいという意味です。でも、この歌の主題は鮮やかな山吹の花の姿にあり、それをあらわす事に「にほい」が使われたので、「香り」が添え物になった感があります。良い香りを持ちながらそれを主張しない、山吹に花の姿そのままの歌ですね。

また、山吹の歌で有名なのは、何といっても「七重八重花は咲けども山吹のみのひとつだになきぞあやしき」という歌ですが、太田道灌の逸話がこれを有名にしています。何でも、鷹狩に出かけた太田道灌が雨具を借りようと、山吹の里のあばら家を訪ねたものの、出てきた娘さんに山吹の枝を差し出され、怒って帰ったところ、これは有名な歌にかけて、貸し出す雨具(蓑)がなくてすみませんという意味であることを諭され、自分の無学を恥、発奮して勉強し、歌人としても秀でた者となった、とのこと。

話としては、つっこみどころが満載の話で、当時の日本の教育水準って、村の娘っ子が後拾遺集の兼明親王の歌を知っていて、ここぞ!とばかりに使いこなせるレベルだったのか。村の娘っ子が、勇猛な武将を相手に、本気で機知たっぷりに応対したのか。等々。

ここからは、私の妄想。娘さんは、落ち目ではあるものの名のある家のご令嬢。血気盛んな道灌さんは、鷹狩にかこつけて、娘さんをナンパしに出かけました。居りよく雨になったので、それを口実にしけこもうと思ったものの、娘さんからは山吹の枝を差し出され、ハタと困った。機知にとんだ返答の仕様が無い。泣く泣く帰って、女心をつかむには、あんな時こそ気の利いた歌の一つもひねって、答えなくちゃいけない。よーし頑張るぞー。こっちのほうが真実味があると思いません?

Img_7423_w 風で飛ばされたのか睡蓮鉢の水面に山吹の花が落ちていました(eos 5D,EF24-105)

この山吹の里を自認する場所は幾つかありますが、今回紹介する山吹の写真は鎌倉の英勝寺のものです。ここは太田道灌の屋敷跡であり。太田道灌の孫娘で、徳川家康の側に使えたお勝の局が出家して英勝院となり開いたお寺です。いくつかある山吹の里よりも、より太田道灌に近いと思われます。ただ、山吹の香りを楽しむのであれば、関東近郊なら、浜離宮をお勧めします。あそこの山吹は何故か香りが強いのです。

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2007年4月 5日 (木)

ホウサイラン(報歳蘭)の香りで早春に幸せを感じる

Img_6719_w Camera : canon 5D, Lens : Angenieux 100-105mm F2 for projector

ホウサイランは恵蘭と呼ばれる東洋蘭のうち、早春に花を咲かせる蘭の総称です。中国ホウサイラン、台湾ホウサイラン、タイミンラン等がこれにあたります。東洋蘭の常としてこれらの品種のなかにもヒエラルキー(上下関係)がありますが、早春に素晴らしい香りの花を咲かせてくれることに変わりはありません。

ホウサイランは漢字で報歳蘭と書くことからも、新年を祝福する花です、ただ、この新年は旧暦の新年ですから、今の暦だと2月から3月に咲く花と考えると間違いありません。

写真のホウサイランには呉字翠というラベルが張ってありました。というか、呉字翠と書かれた短冊だけが手がかりで花が咲いてやっと、ホウサイランだったと解った次第です。とにかく、この手の園芸趣味には疎くて、詳しい事はわかりません。

このほか、ピンクの縞の花が美しい櫻姫という名前の花もあり、園芸店でただ「ホウサイラン」という名前で売られる茶色の花の品種とともに、入手しやすく育てやすいものではないでしょうか。ちなみに、私の呉字翠は大宰府の近くのお土産屋さんで衝動買いしたものです。

花の香りは、いわゆる高貴な東洋蘭の香りなのですが、そのなかでも馥郁とし、穏やかな香りに感じます。咲く季節のせいもあるのでしょうが、ホウサイランの香りは穏やかに長く続きます。3月の週末の朝は、陽光とホウサイランの香りに包まれて目覚める度に、自分はなんて幸せなんだろう、と密かに感じておりました。

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2007年1月30日 (火)

山茶花は冬の香り

Img_4704_w camera : Canon 5D, Lens * Distagon 21mm F2.8

山茶花の学名はCamellia sasanqua、日本での呼び名がそのままであることからも解るように日本が原産地の一つです。もともと、日本の西南部に自生していたものを江戸時代に改良がすすみ園芸品種として出回ったもののようです。

椿の仲間なのですが、椿より南に分布し、秋から冬に花を咲かせます。大きな特徴は椿が花びらが根元でつながっていて、花の終わりにはボトッと花ごと落ちるのに比べ、山茶花は花びらが分離しているのでパラパラと花びらが散ります。表題の写真を見ると雪の上に花びらが散っているのが解ると思います。

江戸時代に園芸化が進んだ背景には、ひょっとして椿の花ごと落下する様子が不吉ととして嫌われ、代わりにハラハラと散る山茶花がもてはやされたのかも知れません。

私も山茶花の光景で、最も印象に残っているのが、何年か前の大河ドラマ「秀吉」でのシーン。千利休が山茶花の垣根を忍者のように身を屈めて走り去った後を、山茶花の花びらが追うように散って行くといったものです。実際にその当時、それだけ山茶花の垣根が一般的だったか、また千利休が忍者のように活躍したかは別にして、印象深いシーンでした。

今でこそ、山茶花の生垣は一般的で、「山茶花、山茶花、咲いた道」なんて歌を歌いながら、山茶花の垣根を通ることが出来ます。残念なのは落ち葉焚きにあたるのは難しくなったことです。

山茶花の生垣に咲いた山茶花の花の香りをかいで見ると、良い香りがします。ただあまり集中すると薬品っぽい、きつい香りに感じられることもあります。山茶花は良い香りをもっているのですが、冬に咲く花らしく、厳しいところもあるのです。花の香りは弱いものの、穏やかでのんびりとした感じがする椿の香りとは対照的です。

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2007年1月27日 (土)

プリムラ マラコイデスにまつわる話

Marakoidesu1_w Camera : Pentax645, Lens : SMC Pentax Macro 100mm F4 for 67, Film : RDP3

中国から来た人と一緒に働いて居た時の事、雲南桜草の別名「愛香水」の、本場の発音を聞こうと思って話しをしていると、「報春花」という花があることを教わることになりました。ちょっとした雑談で、発音を聞いてみたいと思っただけなので、その時はそこまででした。

その後いろいろ考えてみると、「愛香水」はあやしい、私たちが想定した花の認識は同じで、私はラベルの愛香水をそのまま信じただけ、その人は自分が慣れ親しんだ名前を言っただけ、なのではないかと思うようになりました。

報春花は何かということになりますが、プリムラマラコイデスはもともと中国原産のプリムラをヨーロッパで改良したもので、中国名は報春花。ここで考えられることは、報春花という言葉は、中国が原産のいくつかの原種プリムラをさす一般的な言葉ではないかと思ったのです。そして、それらの原種は明確な分類がされない状況でプリムラマラコイデスの交配親となっていたのではないかということです。おもしろいことに、プリムラマラコイデスPrimula malacoidesは、明らかに交配されて出来上がった品種なのに、学名にハイブリット等がつきません。不確実の親から出来た、特定された子孫ということなのでしょうか。

一方、日本で一般的に報春花という名前で検索される花は雲南桜草、Primula filchnerae です。しかし、この花が流通する過程で「雲南桜草」自体が日本名であるのに加え、愛称名の「愛香水」がつけられたのが真相のようです。Primula filchnerae自体は中国の西南部に自生する原種の一つです。

プリムラ、マラコイデスや、雲南桜草の容姿や香りを紹介する前にどうでもよいことを長々と書いてしまいました。

Scsonnar300 Mcsonnar300_w 「愛香水」Camera : Pentax645, Lens : SC sonnar 300mm F4, Film : RDP3上

Camera : Pentax645, Lens : MC sonnar 300mm F4, Film : RDP3下

あらためて、プリムラマラコイデスの容姿は、化粧桜の別名があるように、おしろいを付けてお化粧をしているようで、やさしく上品なものがあります。
また、香りも、上品です。「遠い日、初めて化粧の真似事をしてみた少女」を印象にした香りというものがあったとしたら、こんな感じでしょう。

また、雲南桜草は、はっきり認識できる程度の強さで、清楚で、いやみの無い香りをもっています。もちろん部屋に広がるというような感じの強さでは無いのですが、鉢の周りに暖かい空気が流れるといった雰囲気を持っています。

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2007年1月23日 (火)

ジゴペタルム マッケィの爽やかな香り

Zygo_w Camera : Pentax645, Lens : SMC Pentax-A 645Macro 120mm F4 , Film : RDP3

少し前は、ジゴペタルムと言えば、マッケィ(Zygopetalum mackayi)という原種を、冬場のちょっとめずらしい蘭という感じで、よく見かけました。茶色の線紋の入った花弁と、紫色の筋が入ったリップが特徴的な、地味なのか派手なのかよくわからない花です。

低温にも比較的強いためか、ホームセンター等で無造作置かれて売られていたりしました。あるいは、シンビジウムや胡蝶蘭のように満開の花を束ねて引き立たせることはできないので、逆に山野草風なアプローチをしているのかも知れません。

しかし、もっと地味な東洋蘭から、おびただしい名花を選抜してきた風土は、ジゴペタルムを改良して行くモチベーションに、十分であったかも知れません。最近はいろいろな種類のジゴペタルムの交配種をみることが出来ます。

それは、もったいぶった鉢とかディスプレーに飾られていることが多いようで、そんな交配種を見ると、あの紫色のリップはアクセントとして、良い効果があることがよくわかります。

ただ、交配が進むと、花の色、形に主眼がおかれますので、香りは軽視されがちになります。園芸店で美しく飾られて売り場に並ぶジゴペタルムに、香りが薄くなったとガッカリすることもあります。

ポピュラーな原種のジゴペタルム、マッケィには文句無く素晴らしい香りがあるのです。それは、蘭の花の香りにありがちな妙な色気とか、甘ったるさが無く、すっきりとして清らかな感じです。

ジゴペタルムの花言葉は「官能」ということらしいのですが、少なくとも私はこの香りに「官能」は感じたことは無いです。どちらかというと落ち着いた空間を辺りに作ってくれる、そんな香りなのです。

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2007年1月20日 (土)

ストックの香りと風景

Stock_w Camera : ContaxS2b Lens :Macro Planar100mmF2.8 AEJ、 Film : Trebi

今頃から、暖かい房総半島のあたりの観光農園で、ポピーやストックの花を摘むことが出来ます。イチゴ狩りとは違って、その場で食べる訳ではないので、花屋で買った切花と大差無い気はするのですが。。

イチゴの場合はイチゴ狩りで食べるイチゴとスーパーで買うイチゴでは大きな違いがあります。ギリギリまで根から大地の養分を吸収しているイチゴはコクがあります。

お花摘みの場合は、イチゴ狩りとは違って開花しそうな蕾を選んで切りますので、切花と同じと言えば同じなのですが、それでも摘んで来た花を生けて開花を見た時はいい気分です。

ポピーもストックも香りがある花ですが、ストックは香りが強く目立ちます。お花摘みで摘んで来たストックは翌日には開花し、室内をマスカットの香りを乾かしてエグくしたような香りで満たしていることでしょう。リビングにさす午前の陽光に似合いそうな香りです。この花をリビングに飾るだけで、そこが西洋風の春めかしい風景に変わるような気がします。

ただ、夜や湿度の高い日には、鼻孔の奥をむずむず刺激するような香りの成分が鼻につくかも知れません。私は特別悪い印象を持っていないのですが、ストックの香りが嫌いな人は、この香りが苦手なのでしょう、私は赤ちゃんの汗の匂いと同じようなものと感じるので、悪い印象は無いのです。

外に地植えをしているストックは、夜に、特に雨上がりの時は強く、この甘く少し酸味とエグ味がまじる香りを発散します。外灯に照らされたストックの花の姿とその香りは良く調和しており、これはこれで、良い風景です。

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2007年1月16日 (火)

オンシジウム ケイロホルムの不思議な香り

Onc_w Camera : Pentax645, Lens : Makro Kilar 90mmF2.8, Flim : RVP

昔、花の持ついろいろな香りに興味を持ち始めた頃、オンシジウム ケイロホルム(Oncidium cheirophorum )には、強い芳香があると知って、蘭の専門店を探して恐る恐る電話をしたことがありました。蘭という植物はたいそうなもので、私のような一般人が近寄ってはならないものと思っていたのです。

その翌年、ホームセンターで小鉢で安く売られているケイロホルムを見つけ、堂々と買って持ち帰ることができました。今は、もっと当たり前に売られていて、時期がすぎると処分品の棚にも大量にならんでいたりします。

それは、その前のシーズンにそこそこ売れたからで、その理由として想像されるのは、黄色の蝋質の小花がかわいい、良い香りがする、小さく場所をとらない、土ではなくバークかミズゴケに植えられているので室内に置きやすい、低温に強くて育てや安い、花がクリアーで濃い黄色なので、金運UPが期待できるかも知れない。といったところでしょうか。

この花の香りは、強い芳香といっても気に入らない人もいるかもしれません。こっちを向けと主張します。この花の蜜の味はしりませんが、この香りはそれと関係しているかもしてません。妙に甘く、艶かしく、命の息吹を感じさせる香りです。

私個人は、この花の香りが結構好きです。この花の香りにつられて、花に振り向き寄って行きます。この花の香りが誘う、何かの昆虫と同じ嗜好を持っているのかもしれません。

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2007年1月13日 (土)

デンドロキラム・グルマケウムの香りでリラクゼーション

Den_w Camera : Pentax645 lens : S-Planar135mmF5.6 Film : RDP3

蘭の香りの中で何が一番好きかと聞かれると、東洋蘭と、デンドロキラム・グルマケウムを迷うものの、デンドロキラム・グルマケウムと答えることになると思います。その理由は親しみやすく、庶民的で幸せそうだからです。

東洋蘭の香りは素晴らしく高貴で哲学的ですが、その香りの前では姿勢を正さなければならないような感じがします。その点、デンドロキラム・グルマケウムの香りは、怠惰な格好で昼寝をしていても全く問題なさそう、というか、そんな姿にこそ似合いそうな香りです。原産地が南国であるせいか、香りにリラクゼーションがあります。

英語の名前はHay-scented Orchid (干草の香りの蘭)、まさしくお昼寝にぴったりの香りです。

花は、写真のように白い小さな花が花穂につながり稲穂のように垂れ下がって咲きます。開花は花穂の根本から順番に先端にむかいますので、それなりに開花の期間が長く、また落花した小さな花をあつめても、ほんわか良い香りが残っています。

南国の蘭ですが、故郷が高地なので、低温にも強いほうです、育てていると古いバルブに新しいバルブが毎年ついて、そこに花を咲かせるので、育てるのは楽です。ただ花が下垂性なので、鉢の大きさは小さくして、5,6本の花穂が垂れ下がっている状態になるように株分けして言った方が育てやすいと思います。

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2007年1月 9日 (火)

幸福の黄色いジュリアン

Jyurian_w Camera :Pentax645, Lens : Pentax67 MacroPentax 100mmF4, Film :RVP

プリムラのジュリアンという小型の品種で黄色の花には香りを持つものがあります。ジュリアンは冬から春にかけてホームセンターなどで、大量に売られていますが黄色の花のものを一つ一つ香りをチェックして行くとフリージアと菜の花を混ぜたような香りをもつものを探すことができます。

この花は実生で繁殖されているのでしょうが、黄色の花の原種の一つに香りがあったのか、不思議に黄色の花に香りが現れるようです。

ところで、同じような花にプリムラ ポリアンサというものがあって、紛らわしいのですが、おそらくこちらにも香りを持つものがあるでしょう。

何故なら、プリムラ ジュリアンはポリアンサに原種のジュリアナを交配させて日本で生まれた品種。その交配親であるポリアンサも数々の原種を掛け合せて小型化を目指して欧州を中心に選抜されてきた品種です。それが、実生で繁殖されるわけですから、香りの血はどこにどう出ても不思議は無い。と思うのですが、どうでしょう。

ジュリアンは花の少ない季節に可愛らしい花を長く咲かせるので、小鉢で窓辺に置くと長く香りも楽しめます。もっとも、爽やかなフリージアのような香りに混じる菜の花のような香りをどう評価するか、によりますが。菜の花の香りには「生き物の生活臭」を感じてしまう場合があり、室内では邪魔になることもあるからです。

外に地植えしてあげると、暖かい日にはほんわりと香りが辺りに漂います。この時に感じる香りは、待ちわびた春の到来を喜ぶ香りに思われます。この香りが生命力溢れる幸せな春を運んできてくれるのです。

本来は宿根草ですが、この花は夏の暑さに弱く、夏になると融けるように枯れ、根ごと抜かれて夏の草花に場所を空けることとなります。暖地では1年草と思って、毎年新しい苗を求めた方が、楽しみも増えるのではないでしょうか。

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2007年1月 6日 (土)

寒咲日本水仙の姿に青い海を思い浮かべる

Suisen Camera :Pentax67, Lens : P-planar 150mmF3.5,  Film : RAPF

私的には、お正月の切花と言えば、日本水仙です。この花は洋風の家にも、和風の家にもよく似合い、どこに飾られても、一輪挿しでも、その場に絵を作ってくれます。

日本人に、日本水仙が生けられている光景の記憶とかイメージを聞いてみたら、聞いた人の数だけ違った答えが返ってきそうです。私の場合、ストーブにかけられたやかんからチンチンと湯気が立ち上がり、結露した窓ガラスの外は雪、モノトーンの風景なかで、窓辺の細い花瓶に生けられた2、3本の日本水仙。そんな光景です。

日本水仙は昔から日本の生活に密着しているのですが、その有名な自生地は、ほとんどが海のそばです。一般的に水仙の原産地は地中海沿岸であることから、日本水仙も、昔々水仙の球根が流れつき、日本に適応した進化をとげていった、と考えたほうが良いかも知れません。

そのせいか、私的なじめーとした水仙にまつわる心象風景とは正反対に、本来の彼らの原風景は、潮風に爽やかな香りを漂わせ、青い空、青い海を背景に咲き誇る姿で、どことなく地中海的です。

水仙の種類として、日本水仙は房咲水仙というカテゴリーに分類されるのですが、この仲間には香りを持つものが多く存在します。ただ注意が必要なのは、香りが強すぎたり、不快な印象を与える質のものであったりすることがあります。特に晩春に咲く品種には、生暖かな空気との相乗効果で鶏糞のような匂いを感じることさえあります。

その中で、日本水仙の香りは、咲く時期も良く、とても清清しく感じられます。香りの印象から、たまに、子供の頃遊んだビニール風船を思い出したりすることもあります。あの、ビニール風船の匂いはおそらく、溶媒として少量含まれている酢酸エチルのものだったと思われますが。高校の頃昆虫採集に使った時の酢酸エチルの臭い匂いの印象とはずいぶん異なり、どことなく懐かしさがする香りです。

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2007年1月 3日 (水)

ソシンロウバイは縁起の良いお正月の香り

Img_4658_w Camera : Canon 5D, Lens : Apo Macro Elarit 100mm F2.8

あけましておめでとうございます。今年はいろいろな花の当たり年になりそうなので、お花見が楽しみですね。去年もそんなに天候が悪かったとは思えないのですが、裏作だった花や果実も多かったようです。

ソシンロウバイにしても、近所を散歩して見る限り、去年より花つきがよさそうです。鎌倉の東慶寺や光則寺のようなソシンロウバイの名所では、綺麗に開花しているかも知れません。

お正月には、梅の盆栽仕立ても新春らしいふくよかな花と香りを振りまいてくれるものの、私のような無精者には管理が難しく、地植えでお正月に花が咲く満月ロウバイはうってつけの花です。

Robai_w Camera : Pentax645, Lens : SMC Pentax 645 A35mm F3.5, Film : RVP

満月ロウバイとは、ソシンロウバイの選抜種で、通常のソシンロウバイよりも早く開花し、また花の姿も丸っこい形をしています。実際に庭木用に販売されているソシンロウバイは、満月ロウバイであることが多く、この品種がこれから主流になってゆくものと思います。

お正月でなくとも、この木が枝いっぱいに純黄のロウ細工のように透ける花を咲かせている姿はリッチです。何でも黄色は金運を上昇させる色だと言われますが、この木の開花を見ていると美しく、豊かな気分になりますので、本当に金運が上がりそうであります。

また、花の姿だけでなく、花の香りも静謐で落ちつきがあり、穏やかです。この香りは東洋蘭に似ており、東洋蘭のありがたく貴重な香りを、惜しげもなく振舞ってくれているようにも思われます。そんな意味で、春から縁起の良い気分にしてくれる木です。

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2006年12月30日 (土)

好きなシクラメンを探す楽しみ

Cycramen_wCamera : Hasselblad 201F, Lens : Tele Tessar 350mm F4, Film : RHP3

もう、懐メロの範疇に入ってしまうのですが、シクラメンのかほりという歌が流行って、シクラメンには香りがあるのかということが話題になりました。結論はかすかに有るということだったかと思います。

シクラメンの原種には香りがあるものが幾つかあるのですが、現在出回っているシクラメンは交配が進んだ園芸種で、より大きな花を咲かせるように工夫されてきたので、香りが消えてしまっていたのです。

この歌の影響でシクラメンに香りを戻す交配もすすみ、香りシクラメンという名前でホームセンターでも見られるようになりました。シクラメンは花期が長く、花の少ない冬の間、窓辺を飾ってくれるので良い香りがあればより価値が増すものと思います。

シクラメンに香りを復活させた交配は、原種を掛け戻したものでしょう。原種には良い香りを持っているものがいくつかあるからです。

中でもシクラメン・プルプラスケンス(Cyclamenpurpurascens)強い香りを持っていて、香りの質もスミレとすずらんを混ぜたような感じです。ただこの花はシクラメンのくせに夏に開花するので、横浜で5月の末頃開花されると「お前大丈夫か?」と心配になるし、あたりには香りの良い花がふんだんに咲いているし、ありがたさも半減です。キクラメン・プルプラスケンスは割と丈夫で涼しいところにおいておけば、横浜でも葉をつけたまま夏越し出来ます。ただ、水遣り等に注意が必要で、彼らには辛い季節であることにかわりありません。

また、シクラメン シリシウムCyclamen ciliciumには蜂蜜のような香りシクラメン シプリウムCyclamen cypriumは粉っぽい香りがあって、園芸種のシクラメンに粉っぽい香りが感じられる時はこの花の血かなぁと考えてしまいます。

原種のシクラメンについては、横山園芸という専門店がありここを検索すれば、かなりの情報が得られます。原種のシクラメンの魅力が満載のお勧めサイトです。

ところで、現在の私は育てていた原種も枯らし、園芸種の夏越しにもあまり神経質にしておりません。ホームセンターで毎年、普通のシクラメンから好みのシクラメンを探すことを楽しみにしております。シクラメンの原種も良いのですが、花が小さく花数も少ないのは否めません。シクラメンは基本的に種から育てられるので、ホームセンターで普通に売られている品種には、全ての花に別々の個性があります。同じものはありません。花の色、形、香り、それに葉の色、形、模様すべてに個性があります。花の香りについても、良い香りを強く漂わすものもあります。

初冬になるとホームセンターの店頭にならぶシクラメンの海に分け入って、両手に鉢花を抱えて、こっちよりこっちと、バーゲン品を買い漁るように選んで行くのは、下品な気もするのですが、楽しいですよ。

写真の品種は良い香りを持った八重咲きのシクラメンです。変わっていて面白い花ですが、やはりシクラメンはシンプルなものが一番好きです。良いお年を。

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2006年12月25日 (月)

お花の香りでメリー クリスマス

Sonnarandmuttar_w_1 Camera : Hasselblad 201F, Lens : Sonnar 150mm F2.8 , Film : RVP

今年は暖冬のせいか、ウチの鉢花も狂い咲きを連発して、現在ウチの中は夜香木、芳香性ギボウシ(ソースウィート)、チュベローズ(!)の香りが漂っております。この調子で行くとお正月まで大丈夫\(@^0^@)/

写真は、背景に一応クリスマスツリーがあるのですが、何か変なボケ方ですね。HasselのF系Sonnar150mmで開放で撮るとこんな感じになります。

解像力が高い大口径レンズは、想像がつかないボケ方をする場合があって楽しみです。

ちゃんとした花の紹介記事を書きたいのですが、年末は忙しくて........。

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2006年12月21日 (木)

シンビジウム本来の香りは酸味がツンツン?

Synbijiumu_w Camera : Speed Graphic 4x5, Lens : P-planar 150mm F3.5, Film : EPN

何かの本で、花を贈る場合は値段がはっきり解るものを贈るのが基本である、と言う記事を読んだことがあります。歌舞伎役者が胡蝶蘭に囲まれてインタビューを受けている写真なんかを見ると、いかにも高そうで、ああこれがその基本かぁ、と思ってしまいます。

胡蝶蘭が高価な花の贈り物だとしたら、シンビジウムはお値段的にも気さくな時節の挨拶といったところでしょうか、シクラメンとシンビジウムはお歳暮で花を贈る場合には定番商品だと思います。

特にシンビジウムは花期が長く、また植え込みに土を使っていないせいか、輸送にも適していて贈り物には最適です。

そんなことから、シンビジウムはあまり自分では買うことが無いのですが、歳末のホームセンターで気に入ったシンビジウムがあると真剣に悩んでしまいます。欲しい、でも置く場所が無いと。これを買ったら、頑張って育てても次の開花は再来年の春、だから来年の暮れにはまた、咲いているシンビジウムを見つけて欲しくなるに違いない。困ったと。

さらに、ポンとどこからともなく、あまり好みでは無いシンビジウムをお歳暮でいただいたりすると、嬉しい気持ちが複雑に交錯してしまいます。

結局、シンビジウムはなるべく買わずにホームセンターで風物詩として楽しんでおります。そこでは色々なシンビジウムが楽しめ、香りの良い品種もたまにあります。

香りの強いシンビジウムは黄色系のものに多く、また一番多い香りはツンツンするような酸味の強い系統である気がします。東洋蘭を思わせる爽やかさを感じさせる場合もありますが、それでも少しは酸味を感じますので、そんな香りの原種があったのだと思います。

最近はおもむろに東洋蘭交配種として香りを売り物にしている品種もあります。しかし、これらの品種は開花が遅く、ホームセンターを飾るのは春口です。

個人的には、シンビジウムは暮れにホームセンターを飾る鉢花が一番綺麗で魅力的だと思います。

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2006年12月19日 (火)

パンジーの香りを哲学的に感じてみる

Panji_w Camera : Pentax 67, Lens : SMC Takumar 55mm F3.5, Film : RDP3

雪が降らない所では、パンジーやビオラは秋から春にかけ花壇の縁取りに最適な花なので、ホームセンターの売り場を覆うほど大量に出回ります。この時ホームセンターの園芸コーナーの辺りに漂う何気に良い香りはパンジーの花の香りです。

この香りは冬の訪れを予告するように、枯れ葉のような香りと、日向くさい香りと、花であることを主張するフローラルな香りが混じったような香りです。良い香りなのですが、誰でもうっとりといった単純な良い香りではありません。

パンジーの花がそこに在り、その香りに気が付こうとする人に滲みて来る哲学的な香りのように思います。欧州に、パンジーに香りが無いのは、香りを探って自分を摘みに来る人から身を守るために、神様に祈った結果であるという話があるとのことです。

パンジーは一般的には香りの無い花だと思われているのです。しかし、パンジーが溢れているホームセンターでは、警戒を解いて本来の香りをほんのりと発散するのかも知れません。

写真のパンジーは、フレンジがあることから、「シャロン」またはシャロンの交配種だと思います。パンジーの中では最も香りが強い品種のうちの一つです。

シャロンは花の模様も派手なので群植するには濃すぎる嫌いがありますが、その代わり少ない株で見ごたえがあります。また咲き始めから終わりまで花の変化を楽しむことも出来ます。もちろんパンジーの香りも、澄み切った冬の香りから生物の息吹を感じる春の香りまで変化をたのしむこともできます。パンジーの香りを感じてみたい人にはお勧めの品種です。

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2006年12月16日 (土)

玉椿の花は、窓辺に置いた小さな香水ビン

Tamatubaki_w Camera: Pentax645 Lens: Macro Pentax-A 120mm  F4, Film:RVP

もう、ムーミンというアニメの名前を出しても知っている人は少ないかも知れません。あのムーミンにニョロニョロという不思議な生き物が出ておりました。玉椿を見るたび、私はあのニョロニョロを思い出します。もともと玉椿という優雅な名前は、椿の蕾を重ねたような多肉植物の形から来ています。そんな形のものが地面から何本も生える様子は、私にとってまさしくニョロニョロなのです。

しかし、この優雅な名前はこの植物にとって、厄介なことになったかもしれません。「玉椿」で検索してヒットするモノは色々あるものの、この花の優先順位は低い状況です。また、多肉植物の愛好家に玉椿が欲しいと言ってもなかなか通じません、特徴を説明してやっと、「ああ、クラッスラの事か」と理解してもらえた事があったくらいです。

この植物の学名は、弁慶草や金のなる木の仲間でクラッスラのCrassula teres(たぶんその変種のbarkyiが玉椿では)。英語での名前は、Rattlesnake Tail(ガラガラヘビの尻尾)。玉椿はもとより、ニュロニョロだって優雅な名前に思えます。

冬場、本体が十分成長すると頭部にきらきらして肉質の厚い、そして細やかな、白い花を咲かせます。その花の香りは、何とかジャスミンと言われる植物にありがちな、青みが少なく、潤いがあるジャスミン香で、花が小さい割には強い香りです。

多肉植物なので、それなりに花期も長く、本体も小さいので、窓辺に小さな香水瓶をおいた感じで部屋に香りをふりまきます。

夏越しさえ上手くすれば、丈夫に育つ植物だし、小型の鉢で育ち、水やりの管理もそれほど神経質にしなくとも良いし、部屋に入れても虫が湧いてくるみたいな心配も要りません。良いペット植物になってくれる植物だと思います。

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2006年12月12日 (火)

ポリクセナは健気で律儀な小球根植物

Mp100aej1_w Camera : Canon5D, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEJ
晩秋になるたび、物置の片隅にごみのように置いてある小鉢から、紫色のつぼみがでているのを発見して、あわてて窓辺に移し、水をあげるということを繰り返しております。
小鉢の中でひそかに活動をはじめたのは、ポリクセナ・エンシフォリア(Polyxena ensifolia )。紫色の小花を、葉が伸びるのと競争するように葉の上にまたは葉の間から咲かせます。

私としては、「すっかり忘れていてすまんかった」という気分なのですが、そのおかげで、先に葉が伸びること無く、葉と花がちょうど良いバランスで咲くのかもしれません。

この小球根は、このように晩秋に花を咲かせ、葉を伸ばし春先に枯れ休眠に入ります。ぞんざいな扱いをされながら毎年花をみせてくれる、律儀で健気な植物であります。

ポリクセナにはオドラタという品種があり、同じような性質で白い花を咲かせます。最初はそのオドラタを育てておりました。香りが良いという意味の学名をもつ白い花は、少しのジャスミンの香りに、酸味の無いフルーツを加えたような香りで、ビワの花の香りとも似ているのですが、それより弱く、香りを感じる時間と感じない時間がありました。

エンシフォリアの香りは、花色から連想できるように、オドラタで混ぜてみた、酸味の無いフルーツをラズベリーに置き換えたら近くなるかも知れません。この花にふさわしい、けなげで、つつましい良い香りであります。それでもオドラタよりも印象に残る香りです。

とにかく、これらの花は小さく群植しても目立たないので、やはり小さな鉢に1球植えして、花が咲いたら小さな鉢を寄せ集めてディスプレーして楽しむのが良いかと思います。本当に、場所をとらないし、水遣りが大変な夏場は休眠してくれ、花の少ない晩秋に目覚めて花を見せてくれる健気で律儀な小球根植物であります。

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2006年12月 9日 (土)

柊の白い花と、ホーリーの赤い実でクリスマス

Img_1598_w Camera : Canon5D, Lens : Distagon 21mm

日本の暖地が原産地の柊は英語でFalse Holly(ホーリーモドキ?)と言い、西洋が原産のHollyは日本語で西洋ヒイラギと言います。共通点は葉に鋸歯があって痛そうな点だけで、全く別な木ですが、お互いを自分に似た木だと思っております。

痛そう度で言うと柊の方が上なのですが、その柊の鋸歯も年とともに無くなって、丸くなります。人間のように分別がついて丸くなった訳ではなく、大きくなって食べられるリスクが少なくなったので棘をつくる必要が無くなっただけです。本来は刺々しく振舞うほうがエネルギーを消耗し、疲れることなのでしょう。

この木は他の花が少ない11月から白い小さな花を咲かせますが、葉の刺々しさからは想像がつかないような、甘く、しっとりと重い、ジャスミンの花の香りにも少し似ている香りを持っています。

この木は雄木と雌木があり、昆虫が少ない季節に雄花の花粉を雌花まで運んでもらう必要があるので、花のありかをしっかりと蜂に知らせる必要がある為か、木から降り注がれるように香りが広がってゆきます。

さすがに柊は日本が自生地なので、近縁種のキンモクセイのように何処を見ても雄木ばかりということは無いものの、植栽にみる柊の大多数は雄花です。ですから、香りで花のありかを知らせても、大多数の雄花の花粉は雌花に届かないのが現状です。

写真の柊は去年の12月、クリスマス前に東京の汐留は日本テレビの前で撮ったものです。この柊はクリスマスどころか新年になっても咲き続けました。残念ながらこの柊は夏には撤去され、現在はありません。クリスマスには柊の白い花とホーリーの赤い実がそろっていたら、電飾など不要なくらい美しい装飾になると思うのですが。

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2006年12月 5日 (火)

姫月下美人は月下美人の仲間、でも誇り高い原種です

Img_7831_w Camera : Canon5D, Lens : Apo Macro Elmarit 100mm F2.8,

最近ちまたでは美人がいっぱいです。私の知るところでも月下美人、姫月下美人、満月美人、食用月下美人、歌麿美人、十三夜美人、恵比寿美人などなど。つまり月下美人の仲間はXX美人になるのです。
このうち原種は月下美人と姫月下美人なのですが、これを交配したのが満月美人。また近縁種と交配して歌麿美人や十三夜美人などが生まれました。

おもしろいのは食用月下美人で、これはいわゆる月下美人です。しかし、日本で出回っていた在来月下美人と別の遺伝子をもった種で、この種類が在来種から受粉することによって結実します。それで、この系統を食用月下美人と呼びます。

ちょっと複雑ですが、通常このようなサボテンは栄養増殖されたクローンなので、この食用月下美人以外のすべての月下美人は昭和天皇がご覧になった花も、今日ホームセンターで売られる月下美人も、遺伝子的に全く同一のものだったのです。

食用月下美人が持ち込まれて初めて、自分以外の月下美人が現れたことになります。その自分以外の月下美人を食用と言われては、月下美人の心境も複雑なものがあると推察します。

私の知る限りの美人を集めて、その素性をまとめてみました。

月下美人 Epiphyllum Oxypetalum
食用月下美人 Epiphyllum Oxypetalum
姫月下美人 Epiphyllum Pumilum
満月美人 Epiphyllum Oxypetalum X Epiohyllum Pumilum
歌麿美人 Epiphyllum Oxypetalum X Epiohyllum Pittieri
十三夜美人 Epiphyllum hybrid?

もちろん、これからもどんどん美人は生まれて行くと思います。近縁種や交配種の名前にことごとく自分の名前を影響させてしまう、月下美人という名前はそれほどインパクトの強いネーミングだったのです。

個人的にいうと、このうち姫月下美人だけは、この影響から逃してあげたかったのです。こちらも原種だし、月下美人と少し違った性質もあります。なによりも多花性で花期が長く条件さえ合えば周年開花するのではないでしょうか。花は月下美人より小さいのですが、香りは月下美人よりも強く漂います。

表題の写真は朝に撮ったものですが、姫月下美人の花は月下美人の花と違い朝日を見ることが出来るのです。

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2006年12月 2日 (土)

ビワの花の香りには思いやりがいっぱい

Biwa_w Camera : Pentax 67, Lens : SMC Takumar 55mm F3.5, Film : RDP3

ビワは東洋風の果物で、いかにも昔から日本にあった果物に思えますが、この果物が日本に定着したのは明治の中頃からです。つまり平家物語を語る琵琶法師は琵琶を弾いてもビワを食べることは無かったはずです。

この果物がビワと呼ばれるのは、楽器の琵琶に形が似ているからでしょうし、楽器の琵琶はもともとビーワとかいう発音で呼ばれる外来のものです。しかし、琵琶もビワも日本の風土になじみ、あたかも、最初からそこにあったかのような風情です。そしてビワの花も、花の香りも日本の風情にあっています。

ビワの花は11月からぽつぽつと冬の間長期にわたって咲き、白い地味な花を咲かせます。しかし、この白い地味な花は、冬の空気に良く馴染み、良い香りをあたりに漂わせます。その香りは、梅餡で作った桜餅があったなら、こんな香りだろうと思われるものです。桜の葉の塩漬けが持つような乾いた感じの甘さと梅の実が持つような酸味が混じったような香りです。

この香りは冬の空気に乗って、越冬する蜂に届きます。食料の少ない冬をすごさなければならない蜂にとって、この香りは天から流れる香りに思えるかも知れません。ビワの花が冬の間ぽつぽつと咲くのは、気温が低くつぼみの生長が遅いせいだけでなく、こうした越冬中の蜂を受粉の媒介に頼み、蜂へ蜜や花粉を切らさないで供給するためかも知れません。美しい共存の姿です。

最近、犬なみの優れた嗅覚を持つミツバチを訓練して、火薬の匂いを覚えさせ、テロ対策に使える見通しがたったと言うニュースを見ました。ミツバチにとっては迷惑な話ですが、ミツバチを狙って火薬は爆発しないので、テロから人命を守るためには非常に有効な手段だと思います。

ただ、訓練によって火薬の匂いを美味しい匂いと感じるようになってしまったミツバチにも、引退して余生を送る時が来たならば、せめてビワの花の香りでも嗅がせてあげたいものです。

Img_6017_w1 中判の広角レンズでは蜂が小さすぎるので、デジカメで撮ったものを追加します。なかなかダイナミックに蜜を吸ってます。(5D,AME100mm、トリミング)

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2006年11月28日 (火)

寒蘭は日本の貴重な香り

Kanran_w Camera : Pentax645, Lens : Kinoptik Paris 100mm F2, Film : RDP2

表題の写真は決してよく写っていないのですが、面白いのでこれを使うことにしました。何が面白いかというと、ピントのある花の後ろで萎んでいる花は、枯れてきたのではなく、受粉した為に萎んできたのです。最初は解らなかったのですが、この後この株を育てているうちに懐妊していたことを確認しました。

改めて見てみると、通常花が終わって萎んで行く姿と違ってなんとなく色気があるように思います。今思うと、萎んだ花に1枚くらいピントを持ってきてもよかったのに、当時はレンズの絞りを開けて花を撮ってみることを楽しんでいたので、この写真が確認できる精一杯なのは残念です。

その後、受粉しているのかも知れないと思い実ができるまでそのまま育てたのですが、純粋に花を楽しむのであれば、すぐ花枝を切った方が良いです。

寒蘭はこの後、春までかかって細長い実をつくり、極小の種子を作ります。ところが、この極小の種子を得たところで、通常は発芽しません。寒蘭の発芽は、風に飛ばされた種子が発芽を助ける土壌菌と出会って初めて可能とされています。

その為、寒蘭は出現する場所が決まっており、生育地が限られるのです。また、この性質が悪循環をも引き起こしております。寒蘭が実生によって増えるということは、わずかな変化が固体ごとにあることを意味していて、その変化によって名品が生まれ、高値で取引されますから、限りある自生地からさらに人によって掘り起こされることになります。

最近、土壌菌のある場所に寒蘭の種をばら撒いて自生地を取り戻そうとする人もおります、それを、自生種の汚染と考える人もおります。そもそも、自生地から誰も掘らなければ問題は無いのですが、この辺りの事情は難しくデリケートです。

私は、寒蘭の個体差による銘のことは何も知りません、わずかに気にする事といえば、日本産の寒蘭は中国産の寒蘭に比べて香りが高いので、日本産の香りの強く安い個体を探します。香りに関する事では、春蘭は中国のものが香りが強く、寒蘭は日本のものが香りが強いことは面白い現象で、何が原因なのか興味が尽きません。

いずれにせよ、日本の寒蘭が晩秋に馥郁と気高い感じの香りを放ちながら咲くということは、素晴らしいことで、願わくばこの事実だけは永遠に消えないでいて欲しいものです。

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2006年11月25日 (土)

月下美人は本当に「月下の美人であります」

Img_4141_w camera : Canon 20D, Lens : Distagon 21mm F2.8

月下美人という名前は、昭和天皇が皇太子の時分に台湾を訪問した時、当時の台湾総督の田健次郎さんが「月下の美人であります」と答えたところから定着したとのことです。残念ながら昭和天皇がそれを聞いて、「あ、そう」と言ったかどうかは確認できていません。

しかし、これを花の名前の由来とするには、少々乱暴です。なぜなら当時月下美人と言う意味の呼び名が台湾の一部にあって、田さんがそれを知っていたのかも知りません。
花がある以上何らかの呼び名があるはずですから。

ただ、その時からこの花を月下美人と言うように広まったのは事実でしょう。見事なくらいぴったりの美しい名前です。そして、その時の光景を映画のシーンのように想像してみると、学者肌の昭和天皇と、陛下を前に美しい花を挟んで緊張する高級官僚の姿がユーモラスでさえあります。

もしその名前をその場で思いついたにしても、この花に対する理解と好意がなければ生まれない名前です。少なくとも、夜に咲き出し数時間しか持たないことは知っていたでしょう。実際この花を育てると、どうしてこの花は、こんな手の込んだ花を咲かせ、そのくせ短く終えるのか不思議になります。まるで、時間が経って美しさを維持することがもう難しいと悟った瞬間、花の命を終えているようでもあります。

花は受粉の手助けをしてくれる動物や昆虫を引き寄せるためにあり、その手段として、甘い蜜を持ち、香りを持ち、目立つ色や形を持つもので、であればなにもそこまで美にこだわる必要は何のです。なのにこの花はそこに徹底的なこだわりがあるように思えます。

それは、花の開花が春から秋にかけて不定期にあるにも関わらず、真夏の蒸し暑い夜は避けていことからも言えます。そんな夜はどうしても花の痛みが早いですからね。また、この花は葉の先に小さな突起のような花芽を見つけた時から、開花まで結構時間がかかります。特に開花を待つと長く感じます。そのくせ、蕾が生長して上をむき出し開花の兆候が現れて、今夜が開花かな、と楽しみにして仕事に出かけると、そんな時に限って帰宅が深夜になり、しぼみかけた花を確認して悲しい気分になったりするのです。

しかし、運良く開花に立ち会うと、月夜に映える蒼白いベールを重ねたような花のイメージどおりの、新鮮で青っぽく、少し胡椒が利いているような静かで気品のある香りを楽しむことも出来ます。秋の月夜に開花に立ち会えた時など、時間を止めたいくらいに幸せです。

この月下美人を蒼白く、気高く、香りが漂ってくるようなイメージで写真を撮るにはどうしたら良いのか、いろいろ考えるのですが、なかなか納得の行くものは撮れません。写真で撮る場合には月の光で輝く雲を背景にして月夜の演出にしたいのですが、そんな美しい雲がある月夜に月下美人が咲く確立は低いし、そもそも光が溢れる都会では無理なのかもしれません。

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2006年11月21日 (火)

エンゼルトランペットは新しく歳時記になる?

Img_0100_w Camera : Canon 5D, Lens : Zuiko 21mm F2

エンゼルトランペット(Brugmansia )が通販の園芸業者によって日本に新しい植木として紹介されてから10年は経ってないと思います。それまでは一部の愛好家が育てていたくらいでしたが、ここ数年で本当に普及しました。

当初、通販業者がエンゼルトランペットを売り出した頃、育てるポイントとして、春から地植えにしても冬は木を切り詰めて、大きな鉢に移植し軒下で水分を控えて越冬させる。こんな注意が育て方のポイントとして書かれておりました。今でも基本は同じです。

ところが、横浜のような暖地では植えっぱなしにしても十分に越冬します。ホームセンターでも販売されるようになると、そこで鉢植えを買った愛好家でも無い普通の人が、普通に地植えをしたら、普通に越冬し、普通に成長しているのです。温度さえ注意すれば本来丈夫で成長の早い植物なのです。

あまり手間がかからず、洋風のデザインの家の庭木として似合い、花の形が人目を引き、年に数回開花し、花の香りが良いことでこの植物は日本の暖地では完全に庭木としての市民権を得たようです。

花の色は各種があります。また耐寒性は劣る気がしますが八重というか二重のカンタブという品種もあります。

そのどのタイプの花にも共通してある性質は、夕方から強い香りを発散させる事。その香りは爽やかな感じもするのですが、刺激が強すぎてざらざらした感じの香りに思われることもあります。鉢植えを部屋に置いたりすると、はじめは良い香りに感じてもだんだん気持ちが悪くなってきます。

それでも秋の夕暮れにこの花の香りが漂ってくる時は、何となく郷愁を感じてしまうようなそんな一面もある香りです。やがて、この香りは沈丁花、クスノキ、金木犀とならんで季節の風物詩になる日が来るかも知れません。

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2006年11月18日 (土)

マダガスカルブッドレアの本当の名はBuddleia paniculataだと思う

Img_5966_w Camera : Canon5D, lens : Apo Macro Elmarit 100mm F2.8

この花は、マダガスカル ブッドレアという名前で手に入れ、またこの名前で少しですが検索できます。ただ、英語っぽくBuddleia Madagascariensisで検索すると、マダガスカル原産の違った種類のブッドレアがヒットしてきます。本当はマダガスカルブッドレアと呼んでは誤解を招く木だったかも知れません。

一番近いものはBuddleia paniculataだと解り、ブッドレアはBuddleja とも書くので両方を検索して調べた結果、やはりこの花はBuddleia paniculataで間違い無いと思います。ブータン、インド、南中国あたりが原産地でしょうか。

いずれにしても情報は少ないので、横浜で実際に育てて見た状況で、経験的な幾つかの情報を伝えてみます。

まず、この木は熱帯か亜熱帯地方で育つ木であることは確かです。しかし、ある程度の耐寒性はあり、横浜では冬に室内で保護することで充分越冬します。

いかにも温室コナジラミの被害に会いそうな姿なのですが、実際に格好の餌食になるので注意が必要です。

典型的な陽樹なので日当たりは花付きを左右します。枝ぶりは自由奔放な格好で伸びますが、成長自体は遅い方です。したがって剪定も伸びすぎたらつめる程度です。鉢植え全体の容姿については、あまり期待できません。

花は枝の先に3本の花穂が成長して、子猫の尻尾のような形に白い小さな花が密集して咲きます。私のうちでは主に秋から冬にかけて花が咲きますが、春にも開花するので、本来周年開花か不定期開花する性質ではないかと思われます。ただ真夏は休みます。

この花の魅力はなんといっても素晴らしい香りです。ブッドレアの仲間といっても通常見られるブッドレアとは全く別の香りです。

上品で、柔らかな香りですが何か懐かしさを感じさせる香りです。小春日和の陽だまりで着物姿の美しい女性とすれ違う、その情景に漂う香りままさにこの花の香りです。もっともそれは、私がこの花の香りから妄想した情景なのですが。

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2006年11月14日 (火)

Massonia pygmaea、多肉植物の良い香り

Img_5837_w Camera : Canon5D , Lens : Macro Planar 100mm F2.8

多肉植物という園芸趣味のカテゴリーがあります。この世界も蘭に負けず劣らずマニアックな世界なので、なるべく深入りしないで、香りの良い2,3の植物を愛好することにとどまっております。

今回紹介する花はその一つで、マッソニアといいます。マッソニアにもいろいろあるので、正式にはMassonia Pygmaeaです。この花は11月に葉の間から白い花を咲かせ、この花が良い香りをもちます。一般的にはジャスミンに似た良い香りとして紹介されています。

この香りの印象は人にもよると思いますが、私は駄菓子にこんな感じの匂いのものがあったなーなんて思い出します。懐かしいお菓子のフレーバーを感じさせる系統の香りです。私自身はこの香りをジャスミンに似ていると言うのには抵抗がありますが、マダガスカルジャスミンに溶かしバターの香りと、スグリの香りを混ぜたらこんな感じの香りになるかも知れません。

この花はかなり長く咲き続けますが、香りが強いのは咲き始めで、その後だんだん香りは弱くなって行くような気がします。

多肉植物の愛好者によると、この植物はシンメトリーに葉が開いて、その間からこんもり花が咲く様子が良いのだそうです。写真の状態では葉が立ちすぎて失格かも知れません。

多肉植物は夏越しが難しく、前に求めた株は枯らせてしまいました。夏に断水をするとのことでしたが、その時は完全に干乾びてしまったのでした。今度が二度目の挑戦です。

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2006年11月11日 (土)

イランイランの香りが漂う夜に、妖しい夢を見る

Img_9991_w Camera : canon 5D, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEG

イランイランは花の中の花という意味なのだそうです。通常、「何とかの中の何とか」は特定の何とかを代表するようなものを指すわけで、さしずめイランイランは全ての花を代表するような花ということになります。

ところが、植木を育て蕾が開花しても、黄緑色の地味な花で、花の中の花をうたうほどの容姿ではありません。この花が花の中の花と呼ばれるのは、原産地ではほぼ周年開花することと、その花が素晴らしい香りを持っていること、とりわけ、女性がこの花を使ったレイで楽しむように、女性になじみが深いことが最大の理由だと思います。

花の香りに性別があるわけではないのですが、この花の香りは女性が身につける香りに相応しいものです。1920年代には女性らしい香りとして、いろいろテストされた結果、後にシャネルの5番として世に出る香水がこの花を主原料に作られ、その香水は、1950年代にマリリンモンローがこの香水だけを身につけてベットに入り、その香りを伝説にしました。 

これは商業広告としてのイメージの世界だけではなく、この香りには実際に媚薬的な要素があるようです。インドネシアではこの花を新郎新婦のベットに敷き詰める習慣があるとのことです。

私も、この花の香りが漂ってくるとオンナっぽさを感じます。一時期、自分の部屋で耐寒性の無い植物を保護していたことがあるのですが、この花の香りが漂ってきた時は閉口しました。なかなか寝付けないし、寝入っても妖しい夢にうなされて何度も夜中に目を覚ましました。結局、部屋から追い出すことに。

この木は常緑で、本来大きな木になるのですが、柔軟性があり、鉢で小型に育てても、暖房のある部屋で越冬させると、冬でも花をつけてしまうのです。

実際、寝室で越冬させて悪い夢を見るのは嫌ですから、室内の廊下とか縁側で越冬させるのが良いと思います。この場合葉は落ちてしまうのですが、春になるとちゃんと新しい葉が芽吹いてきます。その場合、開花は秋です。

Img_9994_w 表題の写真は花が大きく、昼でも香る品種、左の写真はウチで何年も育てている品種です。こちらのほうが地味ですが香りは強く感じます。特に夜。元気が無くなってきたので、今年は大胆に切り戻してみました。今年、ちゃんと越冬すれば良いのですが。

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2006年11月 9日 (木)

ハイブリッドのブバルディアにBouvardia longifloraの面影を探す毎日

Bubaldia_w Camera : Pentax645, Lens: SMC Pentax Macro 100mmF4 for 6x7, Film : RVPF

もし許されるなら、もう一度やり直したい。毎年秋が深まるにつれ、何年も前の、ブバルディと一緒だった短い秋を思い出します。ブバルディアといってもスイートブバルディア(Bouvardia longiflora)のことですが....。

行きつけのホームセンターの店頭に、ブバルディアとして鉢花が並んでいるのを見た時、それがスイートブバルディア(Bouvardia longiflora)であることに私はすぐ気がつきました。図鑑でしか見たことがなかったものの、花の形がよく見るブバルディアと明らかに違います。即座に2鉢購入し抑えをいれて、夕方に香りを確認してからまた現れ、3鉢追加しました。

それからというもの、毎夜毎夜家に帰るとスイートブバルディアの鉢をテーブルに並べて、花と香りを楽しみながらこの植物を観察して個体を維持する方法を考えました。

まず、この植物はみるからに耐寒性が強くなさそうです。また根が細く密集していることから、根腐れを簡単に起こすでしょう。しかし、これらの鉢花は挿し木で増やされたものに見えるので、いざとなったら挿し木が出来そうです。

それらのことを確認しながら育てたのですが、この植物は花後に切り戻してやると面白いようにまた花芽を付けて開花します。いつのまにか個体を維持する努力より、どうやって長く開花させるかに目標は切り替わってしまいました。5株もあればそのうち2株は開花をあきらめて、薬品を散布すればよかったのです。結果的に5株ともハダニの被害が出て、ハダニの被害を防ぐため葉に霧吹きで水をかけてあげたのですが、今度は葉に病気が出て、すべてが枯れてしまいました。

私が見たスイートブバルディアは、園芸専門店でも、通信販売でも、植物園でもこれが最後です。あれからは見ておりません。理由はいくつか考えられるのですが、まず何よりも育てにくいことだと思います。また、ブバルディアは交配が進んでいて、各種の花色、切花用、八重の花等の品種がどんどん出てきており、園芸農家もそのような観賞価値が高いハイブリッドの新品種を育てたほうが市場価値が高いこともあるでしょう。

それは、あの時から解っていたことでした。だからこそ何とかして種を維持したかったのです。それが一時の欲に負けて失敗したのでした。

ところで、毎夜毎夜、テーブルに並べては頬杖をついて眺めて楽しんだスイートブバルディアの香りはどんな香りかというと、マダガスカルジャスミンに代表される何とかジャスミンの香りに似たものです。ただこのタイプの香りのなかで一番上品なバランスをもっていて、また花の大きさの割りに強い香りです。

写真はハイブリッドのブバルディアです。実はこのようなハイブリッドにもBouvardia longifloraの血は混じっていて、香りを少しだけど持つものもあります。私はこのようなハイブリッドのブバルディを見つけては、Bouvardia longifloraの面影を探す今日この頃なのです。

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2006年11月 4日 (土)

ルクリアという名が好き、アッサムニオイザクラも悪くないけど

Lukuria2_w Camera : Rolleiflex SL66SE, Lens : Kinoptik Paris 100mm F2, Film : RAPF

毎年、秋になると「アッサムニオイザクラ」という名前の花が鉢花で出回ります。これは、インドのアッサム地方にも自生するルクリアという植物の和名です。とても上品で爽やかな感じのする香りの花を咲かせるので、園芸店でこの鉢花が出回ると、漂う香りで解ります。私もこの花の香りを園芸店で感じると秋の深まりを感じるようになりました。

ところで、この花は3月頃また出回ります。秋に咲いた花を切り戻して暖かなところで育てれば、3月頃また開花するのです。3月に出回るものは秋の売れ残りをまた開花させたものかもしれません。

商業園芸の世界は、先んじて開花株を市場に送り出すように仕向けられているので、アッサムニオイザクラも店頭に出回る株は、薬品で矮化処理され、早い時期から短日環境で育てられているので、秋の開花は作られたものなのです。だから秋の開花の枝を剪定すると、冷涼で日当たりの良い環境で新芽を伸ばし、充実した新芽に日照時間が12時間以内なら花芽が分化されるという普通のリズムでもう一度開花するという訳なのです。

ところで、2年目からはどうかというと、矮化処理が外れるので徒長しやすくなるのを抑え、初夏に剪定、水遣りに注意して、秋口にはダンボール箱をかぶせ短日処理をすると何とか開花すると思います。ただ、夏が蒸し暑く残暑も厳しいところでは、かなり困難な作業になるでしょう。

人によっては、人工的な矮化と開花に反感を持つ人がいるかも知れません、しかし、この花は日本で普通に観賞される為にこれだけの手間が必要なのです。ただ、この花はその手間を正当化する魅力を持っています。

私は特にこの花の蕾が好きで、花が開いてしまう度、少し残念な気持ちになるほどです。また、ルクリアという名前の響きはこの丸く愛らしい蕾に似合う名前と信じております。だから、丸い蕾を沢山つけた鉢花が手ごろな値段で売られていると、「か、カワイイ」と理性を奪われ、買って帰らずには居られないのです。

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2006年11月 1日 (水)

オシロイバナは身近だけれど素晴らしい花

Img_0145_w Camera : Canon5D, Lens : EF24-105 F4L

あまり馴染みの無い花が続いたので、身近な花について記事を書いてみようと思います。身近の花はオシロイバナ。盛夏から晩秋まで花を咲かせております。

本来この花が評価される時期は盛夏ではないかと思います。というのは花が少ない時期に毎日花を咲かせるし、蒸し暑い夜を良い香りで慰めてくれます。私はオシロイバナの香りについて感心するのは、盛夏の蒸し暑い夜に、まったく嫌味のない香りであることです。蒸し暑い真夏の夜には、例え良い香りでも、強かったり、バランスが悪かったりすると嫌味を感じたりうっとうしさを感じたりします。それが、オシロイバナの香りはすんなり受け入れることができるのです。

この花が日本にやってきたのは、江戸時代の初期の頃でしょうか、何かの本で江戸の庶民は縁台の側にこの花を植えて暑気払いをしたと書いてあったと思います。この花のはんなりとした柔らかい香りが夏の夜の不快さを和らげるのだと思います。

もしかしたら、子供の頃種をつぶしておしろいのような粉を出して遊んだ情景が、この花の香りとともに浮かんで、気分を静めるのかもしれません。この花は子供の遊びで種をとられても、十分なくらい沢山の花を咲かせ、種を作ります。

ところで、種苗店でオシロイバナの種を買えばおそらく混合と書かれていることでしょう。この花は種で増殖されるために、花色を固定して販売できないのです。最近は絞りが入った花の種もありますが、どのような絞り模様の花がどの花色をベースにして咲くか、種が保証するものではありません。

もし、この場所にこの色のオシロイバナが欲しいと思えば、種を買ってプランターに撒き、育てて花を咲かせ、好みの色の花の茎をマークし、冬になり地上部が枯れたら掘りあげれば、球根のような芋のような根塊ができていますから、それを所定の場所に植えれば、その根塊から昨年よりも丈夫な芽がでてきます。根塊が庭では越冬できない地域に住んでいる人は、鉢にいれて室内で保護して、春に庭に戻せばよいのです。

実は、私のうちにオシロイバナはありません、近所の道路端に沢山咲いているので、それを楽しんでいるのです。道端のオシロイバナで楽しませてもらうからには花色の好みは申しません。

しかし、ご近所にピンクの絞りのオシロイバナが群生していた家があって、通るたびに羨ましいと思っておりました。その家が建替えのために取り壊され、整地されて行く様子を眺めて、根塊がー、根塊がぁー、コンカイがあああぁ、と寂しく、心の中で叫んだことを思い出します。

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2006年10月30日 (月)

スピノスム、Fiddlewood、Citharexylum spinosumがやって来た

Img_9671_w Camera : Canon5D, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEG

最近、スピノスムという名前の木が家にやってきました。英語ではFiddlewood学名ではCitharexylum spinosumと言います。

私は残念ながらハワイには行ったことが無いのですが、そこでは20年前くらいから植栽されて、大木に育っている木が何本もあるそうです。ハワイに行ったことがある人なら、Fiddlewood(バイオリンの木)と言えば思い当たる木があるかも知れません。

Fiddlewoodという名前は、この木の原産地であるカリブ海の島々に住む人がこの木で楽器を作ることからきており、また学名も同じような意味のギリシャ語に由来するようです。

面白いのは、私の家に来たスピノスムを見るかぎりそんな大木になるようには思えません、小さな木の割に盛んに花を咲かせるからです。その姿だけを見るとブッシュに枝分かれし、少し枝が成長すると花を付ける木に見えるのです。

実際、この木の紹介にも大木とブッシュの両方の姿を紹介しております。私が思うに、熱帯の条件のもとではじめて大木になる木なのではないかと思います。

もっとも、これは私の勝手な解釈かも知れません、私としてはこの木を鉢植えで育てるしかなく、なるべく冬越を簡単に済ませ、小さな木で花を楽しみたいのです。だから温度が足りない地方では大木にならずに、代わりに多くの開花を促す方向に適応してくれると嬉しいのです。

今のところ、望み通りの生育をしています、現在も花を咲かせており、ゲッキツと似たような青っぽく強い香りを漂わせております。この花は昼も香りが強く、また花穂の根元から先に向かって開花が進むので花期も長く、お得感があります。

これから先長くお付き合いをして行きたいので、最初に無理に開花してくれなくとも良いのですが、とにかく資料が少ないので花穂を切ったりしないで、この木が咲かせたいようにに花を咲かせて、私も楽しんでおります。

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2006年10月26日 (木)

アグライア、樹蘭、Chinese perfume tree、Agraia Odorataの情報を少し

Img_9968_w Camera : canon 5D, Lens : Zuiko 21mmF2,

写真の花は、アグライア、ジュラン(樹蘭)、Chinese perfume tree, Chinese rice flowerとか呼ばれますが、学名ではAglaia odorataといい中国南部からインドシナ方面に自生する樹木です。成長は遅いものの原産地では4,5mに達する木だそうです。

この木はあまりポピュラーな木ではないのですが、私は観葉植物の売り場で、Odorataという名前に反応して買いました。Odorataという名前は香りが良いことを表す学名で、この名前がついている以上、何か良い香りの部分があるはずです。

それは、数ヵ月後に現れました。観葉植物は無数の蕾をつけ、黄色に色づき、ネーブルオレンジに似た香りを発散し始めたのです。小さな小花は開かないで閉じたまま落花してゆくのですが、花全体から香りが発散されるようです。
また、一つ一つの花は小さいものの、大量の花が開花するので、部屋中、少し甘く、何となく爽やかで落ち着いた香りが漂ってくるのです。

この花は、不定期に年に数回開花します。おそらく新しい葉が何枚か展開したら花芽が作られるという周期を繰り返しているのではないかと思います。そのサイクルが木の全体でおこりますので、年に数回、木が花で覆われるように開花します。

黄色い花は数日で落花しますが、香りは維持します。一つ一つの花が小さいので、苦労しますが集めてみると良い香りが持続しているのが解ります。中国や、台湾ではこの花をジャスミンのようにお茶に入れて飲み、「六安茶」といいます。ジャスミン茶やキンモクセイの桂花茶とはまた違って、花の香りがトップに来ないで、下地になっているようなコシの強いお茶です。もっとも、私が飲んだ物は、横浜の中華街で特別六安茶というものでしたから、プアール茶に香りを移した「六安茶」とは少し違うのかもしれません。

また、東南アジアでは薬用にも用いているようですが、もちろん私は試していません。エッセンシャルオイルも作られているそうなのですが、これも私は試していません。

育て方はいたって簡単、冬を暖かくしてあげれば良いだけです。夏の間外にほうっておいても、虫もつかず病気にもなりません。これも私の宝物のうちの一つで、冬、室内で保護している時に開花した時など、花の香りが漂ってくると、幸せな気分になります。

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2006年10月22日 (日)

キンモクセイにまつわる後悔とささやかな思い出

Osmanthus_w Camera : Pentax 645, Lens : Tele Tessar 350mm F4, Film : RAPF

キンモクセイに対してはお詫びしなければならないことがあります。それはかつてトイレの芳香剤に「キンモクセイの香り」というものを使ってしまった事です。もちろん、「キンモクセイの香り」を選んだのは他のものと比べて香りが良いと思ったからなのですが、これは私にとって生涯悔やまれる過ちだったと思います。

芳香剤の「キンモクセイの香り」と本物のキンモクセイの花の香りは全然違います、しかし、全然違うくせに似ているのです。

トイレの芳香剤にキンモクセイの花と似た香りを選んだ罰は、自分の感覚を狂わせるという形で私に与えられました。キンモクセイの花の香りを素直に堪能出来なくなってしまっていたのです。キンモクセイの花の香りは、お茶にもお酒にも移される、食に関する嗜好品のフレーバーとして素晴らしいものであるにも関わらず、芳香剤の香りを連想してしまうのです。

考えてみれば、至極当たり前の事で、キンモクセイの生花の香りを楽しめるのは一年のうち秋の数日間だけ、それに反して芳香剤の香りには四六時中、季節感も無しに接する訳で、感覚が麻痺し、置き換わるのは当たり前の事なのです。

ただ、私の場合は少し事情が別なのかもしれません。北国から東京に出てきて一人暮らしをはじめ、そこで初めて出会った秋の香りに感動して、それに似た香りをトイレに置いた。狭いアパートの事で、その香りが部屋中に充満し、自分に染み付いた。私が連想するのは、トイレの匂いでもなんでもなく、その頃の寂しい自分の姿なのでしょう。

今は、横浜に住みつき、秋にはこの花の香りが漂うことに慣れました。太陽の光を浴びて輝くこの花が好きで、雨に打たれてアスファルトにオレンジの模様を描く姿も新鮮でしたが慣れました。それでも、たまにこの花の香りが漂うと、何ともいえない望郷と焦燥感を感じるのは、花の香りが芳香剤の香りを連想させ、それがトリガーとなって昔の事を思い出す為でしょうか。

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2006年10月21日 (土)

チョウセンアサガオに誤解も多いが、毒があるのは同じ事

Img_0082_w Camera : Canon 5D, Lens : Zuiko 21mm F2

まず、表題の写真の花はDatura meteloides、アメリカチョウセンアサガオと言います。日本名のチョウセンアサガオは外来のアサガオに似た花くらいの意味で、これを使った植物名にはチョウセンアサガオ、ヨウシュチョウセンアサガオ、ヤエチョウセンアサガオ、コダチチョウセンアサガオ等があります。

このうち、チョウセンアサガオDatura metelは華岡青洲が麻酔に使用したことで有名で、この植物群の代表のように使われますが、実際のには栽培が難しく、園芸的に見つけることは困難で、確実に花をみる為には、薬用植物がある植物園に行く必要があります。

ヨウシュチョウセンアサガオDatura tatulaはチョウセンアサガオによく似ていて、園芸的にまた雑草としてよく見かけますので、この花をチョウセンアサガオと思われる方もいると思いますが、違う植物です。しかし、花は何か清楚な感じがして、私は好きな花です。

ヤエチョウセンアサガオDatura fastuosaは園芸店でよく「ダチュラ何とか」例えば紫色の花ならば「ダチュラ パープルクイーン」と言う名前で売られる植物で、少し甘く、くどい感じの香りがあります。

コダチチョウセンアサガオ Brugmansiaはいわゆるエンゼルトランペットのことですが、この植物は、そもそもが別物でダチュラ属では無いので、後日また別表題で記事を書きます。

そして、アメリカチョウセンアサガオです。実はこの花が日本におけるダチュラの中心勢力ではないでしょうか、表題の写真も雑草化したものです。花は夕方から咲き始め、甘く、爽やかな感じもする、しかしザラザラとした香りがします。エンゼルトランペットと似た感じの香りです。開花シーズンも似ていて夏から咲き、盛夏は休みまた初秋から晩秋まで咲きます。香りは良いのですが、一種の胸苦しさがあり、夏よりは秋に合う香りだと思います。

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2006年10月17日 (火)

ジンジャーリリーの花は純白に美しく香る

Ginger Camera : Rolleiflex SL66, Lens : Kinoptik Paris 100mm F2, Film : RVP

旅先でジンジャーリリー(ジンジャー)の切花を楽しんでいたのに乗じて、ジンジャーリリーの話を少し。一般的にはジンジャーと呼ばれる花ですが、食物の生姜とは違う植物なので、ショウガ科ヘディキウム属のこの花を、別名の一つであるジンジャーリリーとここで呼びます。

前に住んでいた古い家の片隅にはミョウガが生えていて、シーズンには親戚の人がそれを採りに来ていました。私は出来ればその場所に花を植えたかったのですが、親戚がミョウガを楽しみにしているので、ミョウガを切る訳にはゆかず、仕方が無いとあきらめておりました。

ところが、ジンジャーリリーの球根が売られているのを見つけ、大喜びで、ミョウガの群の中に埋めました。

こうして、ジンジャーリリーは弱小の時にはミョウガに隠れ、やがてめきめきと成長しミョウガを押しのけ立派な花を咲かせて見せたのでした。

花が咲いてしまえば、美しい花だし、爽やかで素晴らしい香りもあるので、この「風変わりなミョウガ」は誰からも大切にされ、市民権を得たのでした。

もちろん、この花とミョウガの花は間違えようが無いのですが、ジンジャーリリーの花も食べることが出来ます。少し辛みがあるのですが、あの爽やかな香りがつーんと鼻を通ります。砂糖漬けか梅酒のようにジンジャー酒ができるかも知れません。

花は短日性なので横浜では9月がピークですが、ベトナムでは今がシーズンでした。またこちらの花は切花にすると水揚げが今ひとつなような気がしていたのですが、ベトナムでは充分水を吸い上げ立派な花を見せてくれました。ダイナミックに根元から切花にすることがコツなのかも知れません。

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2006年10月15日 (日)

ベトナムの香りの良い花、ほんの一部ですが

先週、ココログのタイマー機能を使って、記事を一つアップデートしたものの、私自身は仕事でベトナムに行っておりました。

記事を書く気力が無いので、現地で仕事の合間に見つけた香りの良い花の写真と、こんな名前かなーという程度の精度で名前をあげてみます。どーしても解らないものもあるので、どなたか解る方がおれば、教えていただければ幸いです。

現地は、オートバイの排気ガスで空気が悪く、また、ホテルの近くの湖も水質が悪く悪臭もまじっていたので、花の香りの印象も影響受けています。

すべての写真で、カメラはCanon20D、レンズはEF24-105mmF4Lです。

Img_5636_w 1.ホテルの客室でジンジャーの花。ホテルの周りに花売りが沢山いたので、散歩の途中で買い求め、部屋に連れ込んでは、プラスティックのゴミ箱に活けていた、悪質な客。

Img_5750_w 2.ホテルの近くは高級住宅地の様相で、BMW750が留まる門の外には、キバナキョウチクトウが植えられておりました。キャラメルのような甘さがちょっと混じる良い香りです。

Img_5676_w 3.おなじみのプリメイラ。やはりこの花はお寺によく合います。非常に大きな木に成長していて、良い香りを漂わせます。この香りがすると、不思議に、頭がスッキリします。

Img_5652_w 4.おそらく、Fragrant ixoraというサンダンカの仲間の花だと思います。こちらもお寺にありましたが、スタージャスミンのような香りでした。

Img_5621_w 5.この植物の名前は解りません、民家の庭に植えられていたのですが、いずれマメ科の植物で白い花はスイートピーを少し酸っぱくしたような香りでした。花後に大きな鞘ができますが用途は不明です。

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2006年10月12日 (木)

アマゾンリリーは花嫁の花

Img_0003_w Camera : Canon 5D, Lens :Macro Planar 100mm F2.8 AEG

花嫁が手に持つブーケにはいろいろな花が考えられますが、アマゾンリリーは外せない、と私は思います。

それは、純白の花びらと中央に入る緑のアクセントがとても新鮮で初々しい、この花の姿からなのですが、花言葉も「清らかな心」だそうで、まさしく花嫁の花にふさわしいのではないでしょうか。

アマゾンリリーという名前は英語での呼び名からきているのですが、正式にはユーチャリスといいます。

私は長い間この花のこの名前には違和感を覚えていました、花嫁が持つ初々しい花に、アマゾンは少し強すぎる名前に覚えたためです。

それは、おそらく、「アマゾン」に「アマゾネス」を連想したためでしょう。

子孫を残す為に一時的に男を必要とし、用が済めば邪魔者として始末してしまうという、伝説のアマゾネス。一度、連想してしまうとイメージが先行して、アマゾンリリーを持った花嫁が不気味に笑っているようにも思えてきます。

しかし、それはある意味で当たっているかも知れません、花嫁はどうしたって、強く、たくましく、厳しく、辛らつに育ってゆくのですから。

そういえば、この花もとても良い香りがあるのですが、その香りはミルキーで少しバニラが入っているような甘い香りに、ブラックペッパーの香りを入れる事を忘れていません。

耐寒性が無いので、冬は保護してあげる必要がありますが、花が無い時も観葉植物として楽しめます。ただ、葉は大きく場所をとるのでそれなりの覚悟は必要です。

私も一度育てましたが、鉢が小さかったせいか、年に一度の開花にこぎつけるのが精一杯で、地植えに挑戦してみたものの、やはり枯れてしまいました。

切花では、ブライダルブーケ用に周年市場に出ており、また周期的に手ごろな価格で切花を手に入れることが出来ます。切花でも日持ちが良い方なので、私はもっぱらこの花は切花で楽しんでおります。

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2006年10月 7日 (土)

ベラドンナリリーはセレブなご令嬢

Img_0008_w Camera : Canon5D, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEG (2枚目も)

秋風が吹き始めると、それまで休眠させていたベラドンナリリーの鉢に水をやり、来る日も来る日もじーっと見つめる、そんな日が続きます。

花芽が出てくるか、葉が出てくるか緊張が走ります。でも花芽が出る時は、そんなに待たずに出てくるので、ずーっと音沙汰が無い時は、悪い知らせであるのでしょう。やがて、葉が展開してきて、今年もやはり開花は拝めなかったことを確認させます。

ベラドンナリリーはホンアマリリスとも呼ばれる球根植物なのですが、秋口に茎を伸ばして開花し、開花が終了した後に葉が展開し、翌年の初夏まで成長し休眠に入るサイクルを持っております。

ホンアマリリスというのは本当のアマリリスの意味で、春に咲くヒペアストラムが一般にアマリリスと呼ばれて久しい為、それと区別する呼び名です。本来のアマリリスなのだから、正々堂々とアマリリスを名乗ってもよさそうなのですが、この植物はベラドンナリリーという美しい別名をもっているので、この呼び名が一般的になっております。

Img_0023_w 花はピンクのものが一般的ですが、白花の選抜種もあります。とくに白花は蕾の薄緑と開花中の白、咲き終わりにピンクに変色してゆく姿が同時に展開して何とも美しく開花がすすみます。

花の香りは高級石鹸のような調合された感じの香りで、きりっとして上品です。この香りは結構強く、確実にベラドンナリリーの花が咲いていることを香りで告げます。

花の容姿も香りも高級感が漂います。こうしてみると、気安く咲かない性質も、花の価値を高めるものに思えてきます。

この花は、他の属との交配を行ったり、開花しやすい性質の個体を選抜して来たりして、開花しにくい欠点を克服する努力が進められてきました。個人的には、気難しく気高い花のままでも良い、と思うのですが。

Img_0020_w Camera : Canon 5D, Lens : SMC pentax 67 soft 120mm F3.5 (おきて破りのベラドンナリリーの花束)

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2006年10月 5日 (木)

マダガスカルジャスミンへの憧れの思い出

Img_9680_w Camera : Canon5D , Lens : Pentax 67 softfocus 120mm F3.5

何とかジャスミンという名前の植物は沢山ありますが、その中で最も本当のジャスミンだと思われている偽者ナンバーワンはマダガスカルジャスミンでしょう。

偽者と書きましたが、マダガスカルジャスミンはジャスミンの偽者になるつもりは全く無く、マダガスカル原産のステファノティスを人間が勝手にそう呼んでいるだけです。

そのような植物がたくさんある中で、このマダガスカルジャスミンがジャスミンだと思われるナンバーワンとなるには、何らかの理由があることでしょう。

実は、私もジャスミンという植物はマダガスカルジャスミンだと思っていました。北国に住む園芸植物趣味の少年にとっては、行灯仕立てで洋風のリビングに飾られるマダガスカルジャスミンは、高級、ハイソサイティ、上流、偉そうなものの象徴で、雑誌にそのような写真をみつける度に、いいなぁーなんて思っていたのでした。

何も先入観が無い状況で、普通に見れば、マダガスカルジャスミンはとても優雅な植物で、行灯仕立ての鉢植えは美しいものなのです。そして、室内に飾られるその行灯仕立ての白い花はかぐわしい甘い香りをあたりに漂わせているのです。

その香りは、ジャスミンと比べると強すぎない分上品であります。ロウ質の白い花に相応しく、香りにしっとり感があり、インテリアの一部として捉えれば、リビングにとって最適のパートナーになるでしょう。

こんな高級感とジャスミンの名前を一部に持つことで、本家を凌ぐほどよりジャスミンらしい植物になっていったのではないでしょうか。

ところで、表題の写真はつい最近撮ったものです。マダガスカルジャスミンは長日植物なので、電照栽培された鉢花が春先に出回り、夏には自然開花のものが出回ります。それが売れ残り、枯れかかって捨て値で置かれているものを購入して手当てしてあげると、また蔓を伸ばし、日に当たり、花芽が分化して9月でも開花するのです。手当てといっても水をあげて、自由気ままに蔓を伸ばしているだけ、つまり放置しているだけなのですが。

そして、越冬させずに、また花を見たければ来年の夏にホームセンターの処分品を物色するのでしょう。かつてあれほど憧れた植物に対して失礼なのですが、春よりも夏の終わりに、私はこの花を見たいのです。冬の置き場を苦労して探すより、新しく処分品を買うほうが、効率が良いのです。本当に失礼な話なのですが。

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2006年10月 1日 (日)

秋の夜長には、月の光と虫の音、そしてゲッキツの香り

Gekkitsu_w Camera : Pentax 645, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEJ, Film : RVP (MP100は645を楽勝でカバーします)

別に開花期は決まってないけれど、この季節にはこの花が欲しいといった、理想の組み合わせに、秋に咲くゲッキツの花があります。

この花の開花期は6月から9月と幅広いので、何時咲いてもおかしくないのですが、出来れば秋のお彼岸過ぎに咲いて欲しい花です。

残念ながら、私の鉢花は今年は開花が早く、夏には咲き終わってしまいました。暑いところに置いていた為かも知れません。

何故、この花は秋が良いかというと、この花の香りが秋の夜にとても良く似合うからです。青っぽい柑橘系の香りです。ゲッキツという名前も漢字で書くと月橘で、月夜の晩に柑橘系の香りを発することにちなんでつけられています。またの名を九里香と言うのは、その香りが強く、遠くまで届くことからです。

実際、月夜の晩に虫の音を聞きながら、月光に輝く照葉とそのなかから星のように浮き出る白い花を愛で、ひんやりとした夜露に青い柑橘の香りが漂う様は優雅で、贅沢な気分にさせてくれます。

沖縄では生垣に出来るということですから、ゲッキツが咲く月夜は素敵なことでしょう。生垣は無理でも鉢植えにすれば、美しい照葉を鑑賞する観葉植物として楽しめます、シルクジャスミンという名前の観葉植物はホームセンターで簡単に見つけることが出来ますが、このシルクジャスミンがゲッキツなのです。

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2006年9月28日 (木)

一番大好きなマツリカの香り

Img_8053_w Camera : Canon 5D, Lens : Apo Macro Elmaret 100mm F2.8

マツリカは私が持つ香りの良い花リストの切り札で、これが出ると後は寂しくなるような気がして出し渋っていたものです。しかし、いつまでも出し渋る訳には行きません。さりげなく登場です。

この花は温度さえあれば、通年開花するので、横浜地方だと5月から開花が始まり7月にピークを迎え8月は休んで9月からポツポツと咲くといった感じです。

よく出回っているものは、半八重の白い花が咲く品種で、この花の香りでジャスミン茶を作ります。正確に言うと、開花直前の蕾を採り、茶葉の中に入れて開花させ、香りを茶葉に移しているのです。

このジャスミン茶のお陰で、マツリカの香りは説明するまでもないのですが、白い花はあらゆるジャスミン属の中で最も香りが強く、また質の良い香りであります。もちろんジャスミン茶の香りなのですが、生花はもっと青っぽく新鮮で、もっと爽やかな香りです。

この花はどうせ花持ちが悪いので、私は、咲いた花の一部は観賞することなく、開花したらすぐハンカチに包んで香りを移したり、またはジャスミン茶に入れたりして消費してしまいます。ハンカチに来るんで香りを移すと、朝から昼はマツリカの花そのものの香りが、
夜には甘い香りが汗をぬぐうたびに楽しめます。この場合ハンカチはなんといってもブルーのものが良く合いますね。

また、ジャスミン茶の香りは「新鮮な青さ」が命であり原産地で飲むものが日本で飲むものより美味しいような気がします。しかし、摘みたてのマツリカを入れると日本で買った安いジャスミン茶でも香りが引き立つのです。

Img_9653_w Camera : Canon 5D, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEG

マツリカには半八重のほか、左の写真のような完全八重の品種もあります。完全八重の品種は花も大きく何かマツリカらしくない豪華な花です。ただ、花持ちが悪いのは一緒で、基本的に一日か二日です、半八重の花は落花するのに対して八重の品種は茶色に変色して枝にとどまります。香りは半八重と同じなのですが、やや弱いように思います。

表題の写真にある半八重種は私の宝物で、通常の半八重種の倍くらいの大きさの花をつける選抜種です。香りも素晴らしく強いのですが、成長が遅いような気がします。花にエネルギーを費やしすぎるせいでしょうか。もっとも私も、本来の花の香りを楽しむ為、あまり肥料をあげないで育てるので、成長が悪いのはそのせいかもしれません。

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2006年9月26日 (火)

夜香木の香りは郷愁を誘うおばさんの香り

Img_0037_w Camera : Canon 5D Lens : Zuiko 100mm F2

夜香るという意味の花で紛らわしいのは、月下香(チュベローズ)、夜来香(イエライシャン)、そして夜香木(ヤコウボク)でしょう。このうち、前の2つは既に紹介しているので、最後は夜香木です。

これらは、横浜地方で普通に越冬して、普通に育てていると、大体、月下香、夜来香、夜香木の順で咲きます。とくに夜香木は夏から晩秋まで繰り返して咲きます。

また、月下香や夜来香は、昼も開花して、わずかではありますが昼も香ります、これに対して夜香木は昼の間は花を閉じて、香りもしません。

花は、何か座薬というかペンシル型の蕾で先端に切れ目があって、夜はこの先端部分がパカッと開いて、開花になります。夜に開いて朝に閉じます。これを数日繰り返します。

その様子は、まるでバルカン砲かなにかの兵器をスタンバイさせているようにも思えます、実際花が開くとその花の内部はバルカン砲によく似ております。

こうして、夜香木は花を四方にむけながら夜の間、香りの弾幕を分厚く張っている訳です。その香りは、かなり強く、攻撃的で、ある意味でおばさんの安物化粧品のようでもあります。

ところが、同時になにか郷愁を誘う香りでもあるのです。例えば、私はこの香りで、子供の頃、母の鏡台を開けていたずらしていた時の事を思い出したりします。

その時の香りは、実際のこの花の香りとは違っていたと考えるのが自然なのでしょうが、この花の香りは不思議と、郷愁を誘い古い思い出に結び付けてしまうような気がします。

少し香りが強すぎて下品な感じもするのですが、時に恋しく思う香りであります。

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2006年9月19日 (火)

夜顔は美しさゆえに夕顔にされそう

Img_9642_w Camera : Canon 5D, Lens : EF100-400mmF4.5-5.6L

日本では、ラッパ型の花が咲く花をとりあえず顔に例えてみる事が好きなようで、このような花が、朝咲けば朝顔、昼咲けば昼顔、夕方から咲けば夕顔と呼んで来ました。

ヨルガオが明治の初めに日本に入って来た時は、どんな感じだったのでしょうか。夕方から咲くのですが、もう夕顔は埋まってます、じゃあ夜顔でどうだ、みたいな議論があったのでしょうか。とりあえず、和名は夜顔に決まりました。

ところが、この花は夕顔と呼ばれることが実際には多いのです。思うに、既存の夕顔よりも、より夕顔らしかったからではないでしょうか。

私が思い浮かべる夕顔は、まず源氏物語の夕顔。この名前は夕方から、蔓の合間から白く美しい花が咲き、朝にはしぼむ一夜花を創作の動機にしています。源氏物語の夕顔は、奥ゆかしく謙虚な性格にもかかわらず、嫉妬から呪い殺されるというはかなさも加わります。夜顔の花がまさしくイメージです。

これに対して実際の夕顔は、ヘチマやらカンピョウの実を成らせる農作物の花のイメージが先行します。確かに夜顔を知らない昔は、夕方から咲き始める顔型の一夜花として、はかない美しさの象徴に夕顔をあてるしかなかったでしょう。清少納言は「夕顔の花は綺麗だけど実はちょっと不細工ねー」みたいな事を書き残していて、このはかない一夜花は、花こそ一夜でしぼむものの、大きいヘチマやらカンピョウの実を育て上げる丈夫で健勝な植物であることを認めております。源氏物語の夕顔のはかなさは本来似合わないかも知れません。

だから、夜顔を鑑賞できる現代では、昔々、夕顔のイメージで作られた創作を、よりイメージの実現に近い夜顔に置き換えてしまうのは無理も無い事だと思います。

Img_9463_w 夜顔は晩春から初夏にかけてポット苗で売られます。それを育てて、初秋から晩秋にかけて、花を楽しむのですが、この花はドリルのような蕾も魅力的です。

夜に咲く一夜花といっても、まだ日のある夕方には咲くので、明るい時に花を観賞できます。花の香りも開花してからしばらくは、ほのかに上品で甘い香りが漂いますが、やがて弱まって行きます。夕方が最も鑑賞に適しているように思えます、その意味でも夕顔的な花なのです。

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2006年9月14日 (木)

プルメリアの伝説

Img_8031_w Camera : Canon5D, Lens : Apo Macro Elmarit 100mm F2.8

日本で、初めてプルメリアの販売を見たのは、浅草の植木市でお兄さんが、鉛筆のような枝を砂にさして売っているものでした。結構高い値段で売られていたのですが、珍しさと縁日気分でそれなりに売れていました。

今日、ネットでさまざまなものが売買させるようになったのですが、植物関係で以外に多いのがプルメリアです。種から苗から多種多様なプルメリアがネットで手に入れようと思えば可能です。

その理由を自分なりに考えて見ると、ネームバリューがある割に実物が日本では少ない、挿し木で簡単に増やせる、南国風の花と葉が魅力的である、温度さえあれば花期が長い。といったところでしょうか。

自分は、マニアックな市場がある植物にはなるべく手をださないようにしているのですが、今年は近くの園芸店でも手ごろな価格で出回ってきたので買ってみました。

花芽付きと花芽無しを一鉢づつ。何故かと言うと、花が咲いているものは根が充分に発達していないように思えたし、葉が展開しているものは数年花が咲かないかも知れず、花を見る前に越冬に失敗して枯らす恐れがある為です。

思った通り、花は枝の力だけで咲いており、この写真の枝は結局根が一本も発根していませんでした。

花自体は美しく、南国風のけだるく甘い香りも魅力的なのに、何か胡散臭さがつきまといます、この花木が気軽に楽しめるようになるには、まだ時間が必要なのかも知れません。

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2006年9月12日 (火)

荒廃のイメージの中で輝くマツヨイグサの花

Img_8607_w Camera : EOS5D, Lens : EF24-105F4L

本当は、横浜は、みなとみらいの工事現場で、月夜のマツヨイグサを撮るか、富士山をバックに「月見草」として写真を撮るか、どちらかにしたかったのですが、機会がありませんでした。似たようなもので、かすかに利尻富士が頭を出す抜海の海岸に咲くマツヨイグサの朝のひと時をどうぞ。というか、この草はこんなところにまで生活圏を延ばしているのです。

それぐらい何処にでも生えていて、また場所によっては景観を壊しています。それは、この草が生えていること自体が荒廃を感じさせる為ではないでしょうか。太宰治が富士には月見草が似合うと思ったのはこの荒廃感と富士山の対比を愛でたのかと思っていましたが、富士に負けない位気丈に立っていてその力強さに感動した、みたいなことが書かれてますから、思ったよりストレートな理由でした。ただ、そこまで特徴を明らかにした以上、やっぱり月見草でなくマツヨイグサだろうと思います。

もっと恣意的に間違えたと思われるのは、竹久夢二の宵待草です、「待てど暮らせど  来ぬひとを  宵待草の  やるせなさ  今宵は月も  出ぬそうな」。この場合は何といっても宵待草でなければならないでしょう。

この宵待草は囲われ美人愛妾を連想させます。受動的なやるせなさが漂います。これが待宵草だとよーし夜だ、稼ぐぞぉーみたいな、ヨタカのイメージになってしまいます。

ところで、肝心のマツヨイグサは何?と言われるとちょっと困ります。マツヨイクサ(萎んだ花が赤かったらマツヨイグサかも)、オオマツヨイグサ(大きく美しい品種、それもそのはず元は園芸品種、太宰の月見草も、竹久の宵待草もこれではないかと)、メマツヨイグサ(月見草オイルはこの花の種子から)、アレチマツヨイグサ(メマツヨイグサと同じと考えても良いかも)、コマツヨイクサ(小さな花が萎むとかなり赤い感じになる)、ツキミソウ(どうも日本と合わないらしく、だんだん衰退した白い花を咲かせる品種、しかしいつの間にか仲間の代表名になってしまった)、があります。

さらにこれらは変異を起こしやすく、交配も起こります。訳が解らないですね。だから、深く考えず、月見草でもマツヨイグサでも良く、出来れば虫にやられていない綺麗な花を見つけて鑑賞してみましょう。

夜に咲く黄色い花は、良い香りを持っています。荒廃のイメージがある花のわりには、上品でちょっと意外な気がします。

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2006年9月 5日 (火)

本家、本元、元祖のジャスミンは何処

Img_9567_w Camera : Canon 5D, Lens : Zuiko 100mm F2

一般にジャスミンと言った場合、それはjasminum officinale のことを指します。英語名でもCommon Jasmineですから、普通ジャスミンとだけ言えば、この花です。

ジャスミンという言葉は、いろいろな花の名前の一部として使われ、また香りをモチーフにした様々な製品名に付けられる名前でもあるのですが、その元祖、本家、本元がこの花の名前なのです。

ところで、この花とはどんな花なのでしょう、日本では写真のような「ホワイト プリンセス」という名前で最近園芸種が出回るようになりました。英語に変換して検索しても情報は無いですから、おそらくこれは、jasminum officinaleの選抜種か、改良種で日本での流通名だと思います。

また、jasminum officinaleの花として最も有名なものは、南フランスで香料の採取用に栽培されている、”grandiflorum”だと思いますが、これもまた、選抜種であります。

もっとも普通のジャスミンは、実は一般的では無いのです。花の大きい、また香りがより強い選抜種がクローン増殖されて、世界に出回っているのです。

「ホワイト プリンセス」は丈夫で、寒さにも比較的強く、関東地方では越冬できるので、今後「羽衣ジャスミン」に変わって、一般的になって行くと思います。なぜなら、この花は初夏から晩秋までと開花期が長く、香りも良いからです。

私は”grandiflorum”をずーっと栽培していたのですが、冬は保護していました。「ホワイト プリンセス」が大丈夫だったので、今年は外で越冬させてみたのですが、これも大丈夫でした。日本はやはり温暖化しているのですね。

Img_9435_w (写真の左2枚がホワイトプリンセスの表裏、右がグランディフローラの表裏)

ちなみに、この二つの品種の花なのですが、、「ホワイト プリンセス」の花はより大きく、白く、花びらが後方に反って行くのに対し、”grandiflorum”は花びらの裏に紫が混じり花びらも反りません。香りは、「ホワイト プリンセス」に上品な青みが混じる分、フレッシュに感じ、”grandiflorum”は重く感じます。

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2006年9月 1日 (金)

クサキの花の香りは、盛夏の思い出

Img_5310_w Camera : Canon5D, Lens : EF100-400mm F4.5-5.6L

昔、草木染めを行う友人からクサキの実を捜して欲しいと頼まれ、サルノコシカケを探すように深山に入る覚悟をしていたら、近くの公園にあったから実を採ることだけを手伝えばよろしいと言われ、自分の無知を恥じたことを覚えています。

一度覚えてしまうと、クサキは本当にどこにでもある木だったのです。特に特徴のある美しい実は印象に残ります。

Kusaki_w (Pentax645,SMCpentax 67 300mmF4 ED, RVP)この実を草木染めで使うと、美しい浅葱色になるのです。浅葱色とは少し緑が入った水色で英語で言うところのターコスブルーに似た色です。

実際に見てみたければ、歌舞伎座に行くと「浅葱幕」が見れますし、テレビの時代劇で新撰組のドラマを見ればあの制服の色がそうです。

あの実の色が絹糸になるとこうなり、さらに織るとまた違った印象に変わるのだと教わり、その変化が不思議に思えたものです。

そんな不思議な変化は、実だけでなく、花の香りについても言えます。この木の名前の由来になった葉や枝の匂いは、それほど不快ではないものの臭い匂いではあります。それが花になると、甘く穏やかな良い香りになります。

7月の終わりから8月にかけ、香りで勝負する花にとっては最も厳しい環境でこの花は勝負に出ます。蒸し暑いことを考慮して、決してでしゃばらず、偏らず、それでいて風に乗った時には、何か良いなぁーと思わせる、「飾らない普段着の雰囲気で勝負する」タイプの香りであります。

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2006年8月30日 (水)

クズ、米国本土を侵攻中

Kuzu_w camera : Pentax645 lens : SMC Pentax 300mm F4 ED for 6x7, Film : RVPF

アメリカの南部では、夜は窓をしっかり閉めて寝るそうです。クズの侵入を防ぐ為にね。また、識者は嘆きます。植物の原産地にはその植物の天敵も同時に居て生態系のバランスが保たれている。天敵をつれずに植物だけ導入するからこういうことになる。と。

クズはアメリカには歴史的に有名なニューディール政策の頃、土壌保全のため導入されましたが、地域によって日本製の工業製品など足元にも及ばないくらい、大地を席巻しております。窓の戸締りを厳重にして侵入を防ぐくらいに。

そこで、原産地の日本で、いったいクズの最大の天敵は何だ?と考える訳ですが、私が思うにクズの最大の敵は人間であったのではないかと思うのです。

古来、日本ではクズをいろいろなものに利用してきました。そもそもクズという名前自体が名産地の奈良県吉野の国栖(くず)に住む人々が、食用にしたり、薬用にしたり、織物を作ったりと利用していたことからつけられた名前なのです。

そんなことなら、アメリカでもクズの繊維で民芸品を作り、くずきりや、くずもちを食べ、風邪ぎみな時は葛根湯を飲んで早く休めば良いのです。とはいえ、日本でも名産地以外では、ほとんど利用されていませんね。里山に行けばクズは立ち木を覆うように伸び放題です。

このクズは秋の七草の一つで、マメ科の花にありがちな形の赤紫色の花を、花穂の下から開花させ、甘く重い香りを放ちます。蔓性の植物なので、通常は高いところに花をつけ、花も蔓の大きさにくらべると少ないです。これでは、花が咲いても、クズの侵食に嫌気が来ている人には十分な慰めにならないでしょう。

この花がもう少し可憐で、花つきが良く、甘さも控えめで、暑苦しい夜を慰める爽やかな香りであれば人々も閉ざした窓を開け放してくれることでしょう。残念ですが、あまり鑑賞には向いていません。

ただ、この植物の名誉の為に一言つけ加えると、この植物は人類にとって最も有益な植物の一つで、人類にいろいろと貢献してくれた事を疑うことはできません。

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2006年8月26日 (土)

ブッドレアは蝶々のパラダイス

Img_9421_w Camera : Canon5D, lens : Zuiko 21mm F2

家のブットレアが咲き始めてから随分日がたち、また、その間に剪定もしています。悠長に構えていたらそろそろ花も終わりの気配が漂ってきました。

ブッドレアにはやはり蝶々がいなければ始まらないということで、強引に蝶々が入った写真を撮りましたが、これではブッドレアの紹介というよりも、ツマグロヒョウモン蝶を紹介しているようなものですね。後でもっと良い写真を探して追加します。が、たまたま私の使っている3種類の21mmの作例が並んだので、トリミングがあっても、性格の違いの片鱗は現れているので、その意味では面白いかもしれません。

で、ブッドレアですが、この花木の原産地は中国なのですが、英国で面白い光景を作っています。というのは鉄道の合間、地下鉄の切り通し、そんなところにブッドレアが生え、円錐の花穂のシルエットを揺らしています。それは、かつてプラントハンターが活躍しこの国にさまざまな植物をもたらし、あるものは土着化していった熱気と衰退を感じさせるものです。おそらく、この木がこの国で好かれる為に、土地の裂け目に芽吹いてもそのままにされるのだと思いますが、この木は手入れしてあげないと荒廃した感じに見えるのです。

私にしてもちゃんと手入れをしているとは思えないのですが、必要に迫られて剪定を行います。開花期は容姿を整えながら、花穂が伸びるように切り、冬場は思い切って切り詰めます。でないとすぐ、無法なジャングルになってしまうのです。

特に私の場合、後先考えずに、安いポット苗を物干しの近くに植えてしまったものですから伸びすぎないように必死な訳です。それに花殻は茶色く結構醜い姿をさらすのでこまめに取ってあげる必要があります。

苦労は多いのですが、夏の間、この花は私と蝶々を楽しませてくれます。蝶々は花の蜜を吸い、それに飽きたら花の周りをウロウロしてナンパをたくらんでいるようであります。私は花と蝶々を眺め、何か乾いた感じの、お線香の香りの印象も少し混じる花の香りに真夏を意識するのでありました。

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2006年8月23日 (水)

たまのかんざしと、その仲間たち

Img_8148_w Camare : canon 5D Lens : Zuiko 21mm F3.5 (こちらがSo Sweet)

橋の欄干の上にある、玉ねぎをさかさまにしたような飾りを擬宝珠と言いますが、それは、宝珠に似せているから擬宝珠と言います、そして宝珠は一部が突き出た球形の物で、仏教の世界では不思議な力があるものとされています。

ギボウシは花の蕾がその擬宝珠に似ていることから、ギボウシという植物名がついたそうですが、その意味では蕾の形は擬宝珠よりも宝珠に近いのでは、と不要な突っ込みをしたくなります。

ギボウシは最近ホスタという学名で一般的に呼ばれるようになりましたが、これは西洋でガーデニングの材料として改良された品種が一般的に出回った為でしょう。

この改良に多大な貢献をしている原種にタマノカンザシがあります。タマノカンザシとは日本的な名前ですが、中国が原産の品種で、日本には江戸時代あたりにやってきたらしいのですが、タマノカンザシという名もまた蕾の形が玉でつくったかんざしに似ているからだそうで、これもまた、蕾の形をモチーフにした名前です。

ところで、タマノカンザシがホスタの品種改良に果たした役割は、なんと言っても良い香りをもたらした事です。タマノカンザシの花には素晴らしい香りがあるのです。この花は、根元から伸びた花穂に円錐形に蕾が生長し、下のほうから蕾が膨らみ、一日一輪といった感じで毎日ぽとぽつと咲いてゆきます。タマノカンザシは夜咲きですから夕方になると一輪咲きその花が翌朝から日中にかけてしぼんで行くということを毎日繰り返すのです。

このような開花の性質は、暑い夏にできるだけ長く花を咲かせる工夫なのでしょう。虫を引き寄せるには新鮮な誘惑を持続させる必要があるのですが、暑い夏に咲く花だと花の痛みも激しく、毎日生まれ変わることによって新鮮さが維持できます。そのおかげで人間も、夏場にも関わらず、毎日香りを楽しめるのですが、その香りは、蒸し暑さに逆らわない、新鮮な青みと穏やかな優しさを持った香りです。笹ユリの香りと似たような印象なのですが、真夏に咲く分、本質的に笹ユリよりも強く、キリッとしたものがあります。

タマノカンザシはホスタのなかでも比較的大きな株になる品種で、さらに夜咲きですから、人々は、もう少し小さな株で昼咲きの品種が作れないかと欲します。いかに良い香りでも、香りを楽しむ為にはやぶ蚊との戦いを覚悟しなければならないし、出来れば昼に開花している花を見たいです。

Img_5323_w そんなことから、園芸種の中には小型で昼に咲き、香りを持つものも現れました。表題の写真の品種はSo Sweetというのですが、先の性質に加えて葉に斑入りの葉が美しいです。花もタマノカンザシに先駆けて咲きます。こうした園芸種を集めると、初夏から秋まで、花と香りが楽しめるのもうれしいことです。本当のタマノカンザシは左の写真です。どうしても昼の姿はしまりが無いですね。Camera : Canon 20D, Lens : EF100-400mm

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2006年8月19日 (土)

遅ればせながらフウランの香りをお届けします

Img_7956_w Camera: canon5D, Lens: Apo Macro Elmarit 100mm F2.8

フウランは最も好きなランのうちの一つです。ところが「富貴蘭」は最も近づきたくないランのうちの一つです。違いは何かというと、「富貴蘭」はフウランの選抜種で登録団体に銘を登録された品種です。

このような蘭は自然交配によって微妙に個体差があって、葉に変化があり、美しい縞を持つものも現れます、フウランは花の無い時でも葉を楽しめるので、このような葉の変化を葉芸と呼び、銘を持つのです。

バラの世界と似たようなものなのですが決定的な違いは、バラが人工交配して品種が選抜され、増殖されるのに対し、東洋蘭は自生地から採集したものがほとんどであることです。

もちろん、私はこれを否定しません、お江戸の昔から日本で発達した文化です。伝統文化としてしっかりと継承され、しかしブームにならないことを祈ります。

しかし、同じような植物でもフウランと呼ばれるものだと、園芸店で数百円単位で気軽に買えます。これは普通のフウランを株分けで増やしたもので、花を楽しむにはこれで充分。

昔、参勤交代の籠にフウランを持ち込み香りを楽しんだ大名もいたらしいのですが、良い趣味でしょう。

フウランの香りは心を落ち着かせるものがあると思います。昼よりも夜の方が香りは強くなりますが、別に色気がある香りではありません。どちらかと言うと色気より食い気、それも食後のデザートに相応しい香りです。空腹を満たした後にデザートもあるという幸福感。そんな幸福感をそのまま香りで表現したような香りです。

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2006年8月12日 (土)

ヤマユリはユリの女王様

Yamayuri3_w Camera : Pentax67 Lens : SMC Pentax 75mm F2.8 Film : RAPF

昔々、私がまだ子供の頃、近所のお寺ではお盆が近づくとお墓の草刈の仕事を募集して、農家のお母さん達の手ごろな仕事となっていました。私の母もよく私を連れて草刈の仕事をしていました。

もちろん草刈鎌による手作業で、エンジンカッターで草をなぎ倒して行く現在の作業とは全く別物の重労働だったと思います。

ただ、そんな重労働にもかかわらず、お母さん達はヤマユリは刈らずに丁寧に残しておりました。夕方作業が終わると、残されたヤマユリが恥ずかしそうに、細々と風に揺られていた情景を覚えております。

実は、ヤマユリは藪の中に半身を隠しているのが好きな植物なのです。暑い西日から守られ、また重い花を咲かせる為、風が強い時には寄りかかることも必要なのかも知れません。周りの草を刈られてしまうといきなり不安定になってしまうのですね。

Yamayuri4_w 野原に自立しているのが不安定であるならば、最初から倒れていれば良い訳で、ヤマユリは左の写真(写真のデータは表題のものと同じ)のように西側を山にした傾斜地に倒れこむように咲く姿も多いです。

ヤマユリの花に関しては、いまさら言う必要も無いユリの女王です。褐色の斑点が派手で苦手に思う人もいるでしょうが、私には真夏の太陽に負けない輝きを放つように見え、素晴らしい花だと思います。私に言わせれば、この花を交配親にしたどのオリエンタルハイブリッドの花も、この花を超えたものはありません。輝きは失われることはありません。

また、ヤマユリは真夏に咲く花にもかかわらず、強い香りを持っています。藪の中に咲いていても香りで存在がわかるほどです。香りは甘く強いのですが良い香りです、もちろん、カサブランカをはじめとするオリエンタルハイブリッドのユリと近い香りですが、カサブランカと比べると、「野生」を感じる凛々しさがあります。

写真の花は8月6日に箱根で撮ったものです。関東でも山地ではまだ花を咲かせ、道路の斜面から帰省や行楽の車を見守ってくれることでしょう。

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2006年8月10日 (木)

チュベローズは危険な楽しみ

Img_8217_w Camera : Canon 5D Lens : Ultron 50mm F1.8

チュベローズの花言葉は「危険な楽しみ」。何か思わせぶりな花言葉ではありますが、少なくてもこの球根を育てて花を咲かせようとする人や、切花を活けようとする人には失敗するという危険が付きまとうことは間違いありません。

私も球根栽培では、ほぼ完全に開花させることが出来るようになったものの、この前、安価だったので大量に買い入れた切花は水揚げに失敗して、ポロポロと蕾が落ちてしまいました。台風一過の美しい月を見るにつけ、水揚げに成功していれば大きな花瓶に満載のチュベローズを月明かりで撮影することができたと思うと無念でなりません。月夜に映える月下香(チュベローズ)の絵は、どうしても欲しいのでまたの機会を待つことにします。

月光を浴びて咲く花の写真を撮りたいのは、この花の日本語名が月下香ということだけでなく、この花の香りと容姿が月光のもとで輝く姿に合致しているからです。

花は純白の蝋質で艶があり、しっとりとして、きめ細かで滑らかな花びらです。また、その香りは高級で神秘的、奥深さがあり妖艶です。

この花の姿と香りは、月夜の晩に、色白で聡明な美女が、妖艶なオーラを出しながら、自らは罪が無く、孤高にたたずんでいるような、そんな印象です。

花言葉の「危険な楽しみ」も妖艶な感じのする香りから来ているものと思われますが、また一方で、決して俗に落ちることが無い高潔感もこの花の香りにはあります。

Img_8103_w <PS>この花は戸外で咲かせるとスリップスの被害が酷いので、家の中に入れてあげます。表題の写真は雨の日の室内での撮影です。室内に入れる前の屋外での写真を左に追加します。Canon5D,EF100-400mmで撮って、トリミングしてあります。また、花の名前の表記もチェベローズ、チュベローズ、チューベローズとあるようで、当初チェベローズと表記していましたがチュベローズに改めます。一番のメジャーはチューベローズのようなのですが、 チューには抵抗があります、正式にはPolianthes tuberosaです。

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2006年8月 8日 (火)

ハマユウは南国の海に真夏を招く

Img_9279_w Camera: Canon5D, Lens : EF24-105F4L

前に住んでいたマンションの向かいの家にはおじいさんが住んでおり、夏の夕方には縁側でよく涼んでいました。その傍らにはいくつかの立派なハマユウが植栽されており、私もハマユウの香りのおこぼれにあずかることが出来ました。

やがて、誰も縁側に現れなくなり、その家も解体されようとする時、ブルドーザーのショベルの先のハマユウをやるせない気持ちで見送ったことを覚えております。

何となくそんなことを思い出すうち、私の現在の家が建っているところにも、昔おじいさんがハマユウを育てていたという話を聞きました。現在の家を建てる前には旧家の植栽を充分チェックして残すものは残したはずなのに記憶が無いのは、その当時もう無かったと思われます。

私もハマユウは好きなのですが、何となく自分で育てるのは遠慮しておこうかと思っています。庭で見るハマユウも良いのですが、逗子に行けば「北限のハマユウ」に会えるし、なんと言っても海辺で見るハマユウは美しいです。

ハマユウはCrinum asiaticum var. japonicaという学名から想像できるように、日本の暖地の海辺に自生する球根植物ですが、 房総の先端とか、三浦半島が北限になります。

もっと南に行けば、海を背景にした大群落が見られるのかも知れませんが、三浦半島の自生地でも海岸にとても近い位置でハマユウが咲く姿を7月から8月まで鑑賞することが出来ます。

ただ、ここは5時以降は立ち入ることが出来ないので、浜辺に漂うハマユウの香りを楽しみたい人には残念です。ハマユウは夜の蛾を誘引する為、夕方から開花し強い香りを発するのです。その香りは甘く艶かしく、月光に青白く照らされた花びらから、少し湿った潮風に乗って漂ってきたらどんなに素晴らしいことかと思うと悔しいです。

ハマユウは夜に咲いた花が昼も残ります。そして、くたびれてきたコパトーンのような香りに変わり、浜に遊びに来た人に真夏の海を感じさせてくれます。

Img_9271_w <PS>表題の写真では渚の近さがわかりませんね。波打ち際がわかる写真を追加します。実はこのカットは、少年の帽子の赤が強く出すぎてボツにしていました。

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2006年8月 4日 (金)

ラベンダーでタイムトラベル

Img_8822_w Camera: Canon 5D, Lens: EF100-400 F4.5-5.6L

ラベンダーは群植されている姿が美しいと思います。あるいは家の玄関で大きなコンテナで育てられている姿も良いものがあります。いずれにせよ大きな株ほど美しいのは間違いありません。

かつて、英国の王立キュー植物園を見学した時、植物園そのものもさることながら、付近の住宅の美しさに驚いたことがあります。そんな美しい住宅は決まって家の周りにラベンダーを植栽しており、白い家と紫のラベンダーの花、灰緑のラベンダーの葉が見事に調和しておりました。

ラベンダーは暑さと日照不足に弱い植物なので、日本では北海道が一番適した環境になります。事実、香料の原料として営利栽培されてきた歴史があります。

ところが、香料用の栽培は外国産に押されて廃れ、現在は観光の用途に栽培されています。皮肉なことに現役で農作物をしていた頃よりも、観光資源となった今日のほうが、ラベンダーは目に付きます。今や、ラベンダーは畑にとどまらず、公園、公共施設、道路際まで植えられています。

香料用として栽培する場合は七部咲きくらいで刈り取られるのに対して、観光用では完全に咲き終わるまで花穂をつけているので、開花を見れる期間が長いことも影響しているかも知れません。しかし、最も重要なことは、農作物として栽培される場合は、原則立ち入り禁止、たとえ栽培されていたにしても近づくことなど不可能だった為でしょう。

農業の本質から言えば寂しいことですが、ラベンダーがシビアな農作物から引退して観光用の資源になったことで、私もラベンダー畑でたっぷりとラベンダーを堪能できます。

花の美しさもさることながら、ラベンダー畑の香りはとても素晴らしいのです。ラベンダー畑で、花の写真にアクセントを付けるため蝶々を追っかけていると、ラベンダーの香りに包まれていることを実感します。

その香りはエッセンシャルオイルでもおなじみの清涼感のある香りに加えて、いかにも生花の花畑らしく、郷愁をさそう日向の香りと、そよ風に乗る草の優しい香りが混じる香りです。

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2006年7月25日 (火)

クチナシにまつわる遠い思い出

Gardenia_w Camera:Zenza Bronica S2 Lens: Tele Xenar 30cm F5.5 for PRAKTICA Film: E100VS

初めて買った鉢花はくちなしの花でした。中学の頃、親に内緒で小遣いを使い、植木市で買って密かに部屋に持ち込み、夜な夜な水をあげてはくちなしの花に見入っていました。

そのうち花が終わり、どういう訳か葉も枯れてくると悲しくて仕方がありませんでした。今思うと、それは水のあげ過ぎで根腐れを起こしてしまっていたのですね。

そもそも、何故あれほどコソコソと鉢花を買って隠していたのか不思議です。大麻を衣装ケースで育てていた訳ではなく、クチナシなんです、どうしたって反社会的行為には思えません。強いて理由をあげるとすれば、男子中学生ともあろうものが、クチナシの鉢花に入れあげていてはいけない。と思い込んでいた為でしょう。

当時の私が親に隠してクチナシの鉢花を手に入れたのは、ひとえにその香りに感動したからであります。生まれてはじめて体験した、穏やかで、甘く優しく、清純な香りだったのです。同じよい香りでもジャスミンだとそこまでの感動はなかったかも知れません。おそらくジャスミンの香りを嗅いでも、何か化粧品のような香りと思っただけだったかもしれません。

クチナシの香りの魅力はこの生花の香りにあります。これだけ香りを讃えられながらエッセンシャルオイルが無いのです。ブレンドされたフレグランスオイルがあるだけです、エッセンシャルオイルを作るには採算が合わないでしょうし、採算を度外視しても生花の香りとは違ったものになるでしょう。

実際クチナシをモチベーションにした数々のフレグランスオイルがありますが、それのどれをとってもクチナシの生花にまさるものはありません。

PS.夏休みをもらえたのでしばらく更新を休みます。

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2006年7月22日 (土)

白百合には聖母の面影

M_lily_w Camera :Rolleiflex SL66SE Lens: Kinoptik Paris 100mmF2 Film: RAPF

白百合と言った場合、マドンナリリーが本来意味されるべき花です。マドンナリリーは従来は、ヨーロッパで普通にゆりと呼ばれていました。ヨーロッパに日本から鉄砲ゆりが輸出され、その美しさと香り、手軽さでヨーロッパのゆり需要を満たすようになると、従来種のゆりと区別するため、従来種をマドンナリリー、鉄砲ゆりをイースターリリーと呼ぶようになったとか。

では、何で、ユリがヨーロッパで大切な花だったかというと、キリスト教が関係しているからでしょう。キリスト教の初期に、マリア様が埋葬されたところにユリの花が咲いていたという伝説によって、マリア様のゆかりの花としてユリは昔から大切にされてきましたが、中世の宗教画に取り入れられるようになると、マリア様のシンボルとして、純潔の花言葉のもとに宗教的に重要な花となったのです。

このいきさつからすると、ユリの花はキリスト教にとって、後づけで宗教的な花になったということになります。逆を言えば、この花自体にマリア様を連想させる魅力があったということになると思います。純白な花びらがそうでしょうし、かぐわしい香りがそうでしょう。

ところで、このユリの香りに、例えばカサブランカの香りを想像するとグラマーすぎるきらいがあります。カサブランカ等のオリエンタルハイブリッドとマドンナリリーの香りは別物です。

残念なことに、日本ではマドンナリリーは夏の暑さが災いして育ちません、しかし、写真のゆりのように大手種苗業者から、マドンナリリーの交配種が出ていて、マドンナリリーの香りをよく移植しているので、これでしのぶことが出来ます。

それによると、カサブランカ等のオリエンタルハイブリッドのような重い甘さがなく、すっきりしたキレと、凛とした気品があり、清らかな感じがするものです。

ただ、残念なことにこの交配種ですら、暖地では長くは持ちません。結構気合を入れて育ててみても、年とともに花付が悪くなり、やがて土に返ってしまいます。

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2006年7月20日 (木)

気難しい妖精のクリダンサス フレグランス

Img_6628_w Camera: Canon 5D Lens: Macro Planar 100mm F2.8 AEG

クリダンサス フレグランス(Childanths Fragrance)の球根が、園芸の大手通信販売のカタログに登場してから久しいのですが、あまり広がる気配を見せません。どう解釈したら良いのでしょうか、一度は物珍しさで買ってみたけれど、後が続かなかったとすべきでしょうか。

実は、私もその一人です。香りの良い花を見たり育てたりするのが趣味ですから、カタログにこれほど美味しそうなものが載っていて見逃すことは無いのです。

球根を買った一年目、小さな鉢に植えてみる。花が咲いたような咲かなかったような、記憶に残らない状況で終わる。まあ、最初だし、球根が小さかったのかも知れない、と、来年に期待する。球根が分球して、得をした感じになる。
二年目、全然花は咲かない。鉢ではスペース不足かと、地植えに変える。三年目、跡形も無く消えて無くなる。

こんな感じでしょうか。お気楽な放任でも綺麗な花を咲かせるような植物ではなさそうです。十分な知識が必要に思います。

この植物は英語でPerfumed Fairy Lily(良い香りの妖精百合)という名前です。名前だけから想像すると、「私の好きな球根植物ベスト10」という投票があれば上位入賞を果たしそうなくらいポピュラーな植物に思えます。しかし、実際には、英語で検索しても正しい情報は少ない部類の植物です。

その中で、はっきりしているのは、春に排水の良い土壌に植え、十分な日光の下で育て、秋には球根をほりあげて越冬させる。という手間をかけてやる必要があることです。分球を防止するには、深植えしてあげると少しは効果があるかも知れません。英語でも別名Delicate lilyと呼ばれるみたいですが、本当にデリケートです。

この花は背が低いので、鉢花で鑑賞するのが良いと思います。草丈に対して大きめの、黄色の花が映えますし、新鮮なレモンの皮のような魂に響く香りも良いです。特に香りに関しては夜の方が似つかわしい感じがします。鉢花ならば、夜でも鑑賞しやすいところに持ち運ぶことが出来ることも便利です。

ただ、鉢花に仕立てた球根は翌年の開花を狙うならば、日当たりの良いところに埋めて、肥培する必要があるでしょう。

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2006年7月18日 (火)

花の命を完全燃焼させるタイサンボクの花

Taisanboku_w Camera : Contax AX, lens : Vario Sonnar80-200mm F4, Film : Trebi

前に住んでいた家の庭にタイサンボクが植栽されており、その時は邪魔だなぁと思っていました。普通タイサンボクは高木になるのですが、庭木なので横に分岐するように剪定され、その通り横に広がり、庭の一角を年中日陰にしておりました。

落ち葉を集めて、落ち葉焚きをするとパチパチと勢いよく燃えて、怖いくらいでしたが、生木の葉でも結構よく燃えました。落ち葉焚きが出来た時分は、焚き木のカンフル剤として少し役に立ちましたが、焚き木も自由に出来なくなると、いよいよもって厄介者だったのですが、5月から6月にかけて、花が咲く時だけはスターでした。

白い花は強く爽やかな感じの香りを持っていて、その香りが庭から吹いてくる風に乗ると家の中を抜けて行き、家の中をくまなく爽快な空気と入れ替えてくてるようでした。

また、雨の日もじんわりと、湿った空気に香りを漂わせ、それは晴れた時の爽快さとは少し違い、慈しみ深さが感じられる香りであります。

私は、この花は開ききった状態よりも、チューリップの形の咲き始めの方が好きです。かつて、そんな咲き始めの枝を切花にして、玄関に飾ってみたら、茶花のようになかなか風情があって、「玄関の芳香剤がわりに良いナ」とご満悦だったことがありました。ところが、外出し戻ってくると、玄関を入った瞬間、目がチカチカして開けられません。素性は良いものの強烈な匂いが充満しています。見ると先ごろ活けた白い花が開いて茶色く変色しています。

その様子は、タイサンボクの花が自分が発散する香りで自滅しているようにも思えました。もともと、短命の花なのですが、短時間の間に莫大なエネルギー花の命を完全燃焼させているようにも思われます。

茶花のように、静かにたたずんで「侘び」だの「寂び」だの言ってられないエネルギーの噴出がこの花にはあるようです。

この木は、米国のフロリダ辺りが原産地らしいのですが、耐寒性がそれなりにあるので関東地方でも冬の寒さを苦にせず大木になります。大木の木は見ていて気持ちのよいものですが、反面この花が近くに見れないのは残念です。

それでも近くに花が見れるような機会に恵まれたなら、是非この花のパワフルさを見てあげて下さい。

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2006年7月15日 (土)

月夜に映えるヒメノカリスの花と香り

Img_7902_w Camera : Canon5D lens: Apo Macro Elmarit 100mmF2.8

写真にちょこっと写っている花グモは、日光浴でもしてくつろいでいるところ、いきなりカメラをもったオヤジにドカドカと迫られ、何だ何だと狼狽して、半身を隠しているところです。この後かれは糸をたらしダイビングして逃げて行きました。

このいきなりの狼藉が、たまたま自分が止まっていた花の名前がスパイダーリリーだった、ただそれだけの理由によるものと知ったら、彼も納得イカネェーでしょうか。

ともかく、この花は英語でSpider Lily和名でササガニユリと呼ばれるヒメノカリス(Hymenocallis)で、園芸種のザウネンブルグ(Zwanenburg)と言います。英語では花びらをクモに、和名ではカニに、そして学名でははなびらでなく筒の形の膜に注目して名前をつけております。

ヒメノカリスは膜(Hymeno)が美しい(Callis)という意味で、似たような名前の花にニッコウキスゲの仲間をさすヘメロカリス(Hemerocallis)がありますが、こちらは一日の(Hemero)美しさという意味です。

ヒメノカリスはヒメロカリスとちがって一日で花がしぼむことはありませんが、短命な花です。条件にもよりますが2、3日ということもあるでしょう。この間に受粉をしなければならないので、大変な工夫が必要です。ヒメロカリスは一日花ですが毎日のように新たな花が開花するのに、ヒメノカリスは数に限りがあるのです。

では、どんな工夫をするかというと、とにかく目立つことです。私は専門家では無いので推測の粋を出ないのですが、細くて長い花びらは、花を大きく見せるため。おしべの付け根にある膜は、長いおしべを補強するだと思います。少ない資源でなるべく花を大きくみせる工夫であると思うのです。

さらに、この花はもう一つ、花の存在をアピールする工夫をしています。それは素敵な香りです。すこし青っぽく、バニラのような甘さも混じる香りは、チューベローズの香りにも似た妖艶さもちらりと感じます。この花の形と香りは、主に月夜に徘徊する蛾を誘惑するために考えられたものと思います。夜に映える香りです。

この花の原種はアメリカ大陸の温かい場所に集中しており、原種のいくつかは水の綺麗な川の側に小さな群落を作るようです、写真でしか見たことはありませんが、素晴らしい光景です。

日本でも冬に球根を保護してあげれば開花率の高い花なので、庭にちょっとした群落をつくって見ることは出来ると思います。

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2006年7月13日 (木)

胸苦しいレンゲツツジの匂い

Img_7683_w_1 Camera:Canon5D Lens : EF24-105mmF4L

ツツジを漢字で書くと「躑躅」。ドクロを漢字で書くと「髑髏」。何か似ているなぁーと長い間気になっていました。

ツツジの漢字が、解せません。身近で美しい花のわりには、オドロオドロした印象の字です。なんでも「てきちょく」と読んで、羊がツツジを食べてヨタヨタともがいている様子を表した中国の言葉からきたもののようです。

似たような意味で馬酔木と書くアセビがありますが、こちらはまだ、なんと言うか、余裕がある感じがしますが、ツツジの場合は洒落にならないものを感じます。

この言葉の意味するような典型にツツジにレンゲツツジがあります。レンゲツツジは牧場等にオレンジ色の美しい群落をつくり、観光客の目を楽しませますが、群落を作る理由は、動物が毒を恐れて食べないからです。レンゲツツジには、蜜にも毒があり、その蜜が混入した蜂蜜で中毒が出る場合もあるほどです。

私は、何となくツツジの香りを記憶していて、それは胸が締付けられるようなセツナイものでした。きっと子供の頃蜜を舐める為、ツツジの花をむしりすぎて、ツツジに対して申し訳無い事をしたという悔悟の念からかと思っていましたが。それだけではなさそうです。

レンゲツツジの匂いは本能的に警戒を呼び起こすものがあるのかも知れません。事実、レンゲツツジは匂いを嗅ぐ事さえ止めておいた方が良いらしいのです。

Img_7687_w (上のレンゲツツジと同じ場所に咲くヤマツツジ、同じ撮影条件で)私の田舎では、同じような場所にヤマツツジとレンゲツツジが生えていて、私は子供の頃レンゲツツジと似たようなヤマツツジの蜜は舐めていたと思うのですが、レンゲツツジがそれほどの毒をもっているという知識はなかったので、今思うと危ないことをしていました。

牧場の牛や羊と同じように、レンゲツツジの匂いに胸苦しさを覚えて、本能的にさけていたのかも知れません。

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2006年7月 8日 (土)

銀座のリンデンは謎だらけ

Img_7359_w Camera: Canon5D lens : EF24-105mm F4L

銀座の並木通りの街路樹のリンデンもさすがに花は終わりましたが、6月の初旬から結構長く楽しめたように思います。一本の木でもポツポツと開花するうえ、街路樹なので、木ごとに開花のずれがあるせいです。

ところで、この銀座並木通りのリンデンについて、東京都中央区はシナノキと言っております。銀座では、シナノキとは言わずリンデンと呼ぶのでしょうか。シナノキも海外ではジャパニーズリンデンと呼ばれますから。

ただ、一般的にリンデンとは、ヨーロッパの公園、街路樹でポピュラーな、ナツボダイジュ、フユボダイジュ、およびこれらの雑種のセイヨウボダイジュ(セイヨウシナノキ)を指します。

Img_5201_w Img_520520d_w 2枚とも Camera : Canon20D lens: EF35mmF2

面白いのは、街路樹のプレートで、2種類のプレートがかけられています。一つはTilia japonica simonkai、和名:西洋しなのき、でありもう一つは、tilia x vulgaris Hayneです。
最初のプレートには和名と学名に食い違いがあります。Tilia japonica simonkaiはシナノキの事です。もう一つは、セイヨウシナノキで整合性がとれています。

それでは、セイヨウシナノキの方が正しいのでしょうか。私はこれには疑問があります。それは中央区のHPでは平成18年4月1日時点で、管理する街路樹にシナノキが233本あるとしている事。また、街路樹のような安全性を求められる用途に、日本の気候に合い自生しているシナノキを使わず、あえて、海外からセイヨウシナノキを輸入して冒険を犯すでしょうか。

それまで、日本に植栽されているセイヨウシナノキは、記念樹として植栽されている程度で、とても街路樹のような過酷な環境での実績は無いと思うのです。私は、銀座のリンデンはシナノキではないかと思います。

ところで、シナノキの街路樹で言えば、日本にはもっと歴史があり、相応しいものがあります。かおり風景100選にも選ばれている、信州松本市の大名町のシナノキの並木です。

ところが、こちらのほうは、シナノキと言いながら実はオオバボダイジュではないかと言われています。私は行ったことが無いので、詳しくは解りませんが、これは両方とも日本の自生種なので、それもアリかなと思っています。

興味があったので、ついだらだらと書いてしまいましたが、どちらにしても銀座の「リンデン」の花は、開花期には通りを素晴らしい香りで覆います。通りで写真を撮っている最中にも何人もの人が、「良い香り」とつぶやいて通り過ぎました。香りはシロツメクサのような香りですが、もう少しより甘く、蜂蜜っぽく、滑らかで、ふんわりした、そんな感じの香りです。

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2006年7月 6日 (木)

なんとなくトロピカルなニオイシュロラン

Img_7276_w_1 camera: Canon5D lens: Apo macro elmarit 100mm F2.8

昔、近所のプールにニオイシュロランが植栽されていて、5月中旬に咲く白い花から良い香りを漂わせておりました。椰子を思わせる容姿から、何となく南国ムードが漂うのですが、ニュージーランド生まれです。

その為、関東地方でも十分地植えが出来る耐寒性を持っています。地植えにすると、5mくらいには伸びそうですが、故郷では20mにもなる大木のようです。成長も早く、また丈夫な性質です。

この木は、以外なところに、何気に植栽されている事が多いのですが、それはトロピカルな雰囲気を簡単に演出することが出来る為だと思います。ひょっとしたら松島の松の代わりに、この木を植えたら、充分に育ち、日本三景をトロピカルなリゾート風景に一変させることさえできるかもしれません。

この木の花は、葉の間から大きな花穂が伸びて、無数の白い花を咲かせます。この木は生長するに従い分岐をするので、花穂は大きな木だと横向きに出て垂れ下がる感じで、小さな木だと直立する感じになります。

一つ一つの花は小さいのですが、数が多いので、この花の香りは遠くまでかなり強く漂います。香りは、芝生の上で、プルメリアを一輪花瓶に飾り、コパトーンを身につけてバニラアイスをスプーンでほじったらこんな香りになるでしょうか。香りも木の容姿にぴったりで、トロピカルムードがあります。

最近、この木について、北国に偽者熱帯を演出するという役割の他、新たな期待がもたれています。低カロリーの甘味料がとれるらしいのです。それを聞いてから、この木を見る目が変わりました。何か美味しそうに見えるのです。

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2006年7月 4日 (火)

スイカズラの香りで極楽浄土を空想する

Honey_w Camera: Pentax 645 Lens : SMC Pentax Macro A120mmF4 Film : RDP3

写真の花は、「じゃこうにんどう」という名前で、横浜の露店で買いました。特別に変わったところは無いのですが、香りは、そこらに生えているスイカズラより良い気がします。

「にんどう」と言う名前はスイカズラの別名で、忍冬と書き、冬でも落葉しない葉にちなみ、中国で言われる名前だとか。ちなみにスイカズラは吸蔓で、英語名のHoney Suckleと同様に、花の奥にたまる蜜を吸って子供が遊ぶことにちなんだ名前です。

この花は北半球に色々種類があり、XXハニーサックルとか、ハニーサックルxxとか、結構にぎやかです。このうち日本のスイカズラは重要な原種で、素晴らしい花の芳香と、時には疎まれる丈夫さで、数々の園芸種を生んでいます。

スイカズラの香りは、甘さの中に、何か郷愁をさそるような香りが混じります。この郷愁を誘う部分に私は「極楽浄土」を連想します。

忍冬唐草文様が西方への想いを伝え、その花の香りも、魂に安らぎを与え、西方極楽浄土を空想させるとするのは、思い込みが強すぎ、でありましょうか。

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2006年7月 1日 (土)

ヒノマルウツギは美しい星(Belle Etoile)

Img_7473_w Camera: Canon5D, Lens: Apo Macro Elmarit 100mm F2.8

日本で「ヒノマルウツギ」という、いかにもと思われる名で呼ばれる写真の花木は、一般には美しい星という意味のベル エトワール (Belle Etoile)というバイカウツギの園芸種で、北米原産のMock Orangeを元にヨーロッパで改良されたものです。

横浜では5月頃に開花し、日本名の通り、花びらの付け根に赤いぼかしが入り日の丸のように見える花を咲かせます。

バイカウツギ(梅花うつぎ)が直接さす木は、日本の自生種で、白い清楚な花を5月から6月にかけて咲かせます。また、八重咲きの選抜種も園芸店でみることができます。

香りに関して言えば、日本の梅花うつぎも良い香りをもっているものの、ベル エトワールの香りの強さには及びません。と言うより、ベル エトワールは異常に強く良い香りをもって世に現れた不世出の花木なのだと思います。

この花の元になった原種は北米で、みかんに似た花という意味のモックオレンジと呼ばれる木ですから、オレンジフラワーの香りを基本として持っています。が、ベル エトワールはオレンジだけでなく、各種のフルーツを混ぜ合わせた感じの美味そうな香りです。

この木は落葉樹で、耐寒性もあり地植えで問題無いのですが、困るのはアブラムシによる被害です。この木を植えていると、アブラムシはバラさえ猫またぎして、この木に集ります。オルトランでも撒けばよいのでしょうが、散布をためらうとあっという間にオレンジ色のアブラムシにたかられます。

他の家で、綺麗に咲いている状況をみると、思わず足元の地面を見てしまいます。初夏の風にこの花の香りを乗せて家に導くようにこの木を植栽したのに、アブラムシにやられっぱなしで、満足に花も咲かない状態が続いています。農薬を片手に、思い切ろうとすると、決まってテントウムシを見つけてしまい、思いとどまってしまうのですね。

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2006年6月30日 (金)

グラースを黄色に染めるジュネは周りを彩る

Spanishbloom1_w Camera: Pentax 645,  lens : Planar 110mm F2, Film: RDP3

写真の花はスパニッシュ ブルーム、「エニシダ」の仲間です。フランス語ではジュネと呼び、南仏の香水の町グラースを黄色に染めるそうです。比較的寒さに強く、横浜にある私の自宅でも、5月から6月にかけて玄関前を黄色に染めます。

この木は私のお気に入りで、ほとんど葉が無い緑の枝は、花の無い季節でも、美しい姿を見せてくれ、花期には惜しげもなく大量の花が長期に渡って咲きます。

花ガラをとって手入れしてあげると一月ちかく咲き続けます、病害虫の心配も要りません。この開花の間、玄関前にはいい香りが漂います。

この花からはブルーム アブソリュートといわれるエッセンシャルオイルが採れますが、その香りは干草と蜂蜜とメイプルシロップを混ぜた感じの甘い香りです。

また、この花は実際に蜂蜜の蜜元になっていて、エッセンシャルオイルの香りそのままの印象で、砂糖を焦がしたような甘い蜂蜜も作られています。

ところが、生花の香りはコシのある青っぽさがあり、この香りの混じり方によって、オレンジフラワーのように感じるときも、藤の花を艶やかにした感じに思える時もあります。花期が長く、昼も夜も香りは持続するので、いろいろな印象の香りが楽しめるのです。

この花のエッセンシャルオイルは、そのままの香りを目指した香水として使われることは無く、ブレンド用として使われるとの事です。その理由はこのオイルを加えることで、全体の香りが引き立つからだそうです。

周りの環境によって色々な印象になる生花の香りも、色々なブレンドのパートナーの香りを引き立たせるエッセンシャルオイルの香りも、この花の奥深い本質を表しているのかも知れません。

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2006年6月29日 (木)

ミステリアスなチャランの花

Charan_w Camera: Pentax67 Lens : SMC Pentax Macro 100mm F4 Film : RDP3

チャランは原産地の中国では金栗蘭と呼ばれ、通常は、吊鉢で照葉を鑑賞する観葉植物として扱われることが多いです。これは、耐陰性が強く、室内または日陰でも育てられ、枝が徒長して垂れ下がる性質からでしょう。

また、名前の金栗は、黄色い栗の花のような花を意味しているとして、蘭の意味するものは花の香りでは無いかと私は想像しています。観葉植物として育てられる割に、花をモチーフにした名前を持っているのです。

この木の花は、花といっても、スギナのような花穂に黄色の粒がついているだけのようなものです。初めてこの花を見た人は、花穂に緑の小さな蕾がついて、その蕾が黄色く色づいてくると、どんな花がさくのかなーと心待ちに花穂を観察します。

しかし、その黄色い蕾は、開くことが無く、ぱらぱらと落ち始めます。花はいったいどうなったのよ、と思いますが、あの黄色の粒が花なのです。閉鎖花といって、花は開かないのです。

山野草が好きな人なら、二人静を思い浮かべると思うのですが、チャランも同じ仲間の植物です。ここで、不思議なのは、チャランの花の香りです。花が開かないのに香りを持っているのです、通常花の香りは、昆虫が好きそうな香りを出して昆虫を引き寄せ、受粉を手伝ってもらう為にあります。この花も、香りを出して虫をひきつけているのでしょうか、しかし、寄ってきた虫はどうしたらよいのでしょう。疑問が残ります。

ひょっとして、水芭蕉のように、自家受粉をする前に昆虫による受粉の可能性を狙うつもりが、以前はあったのかも知れません。

そう考えてみると、香りもどことなく水芭蕉と似ているところがあるような気がしてきます。水芭蕉は鋭い香りとドロンとした香りをミックスしたような香りですが、チャランは、本質的に鋭い、化学物質的な香りを持っています。花が小さいので、空気に拡散されて、清らかな良い感じの香りに感じますが、花を集めて集中すると、キィーンと脳天に来る香りです。

ベトナムではこの花からエッセンシャルオイルを作っているらしいのですが、花が小さいので、大変な労力が必要なものと思います。どんな香りのオイルかは知りませんが、もともと香りの素性は良いので、そんな労力をかけてエッセンシャルオイルをつくっていたとしても、驚きではありません。

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2006年6月27日 (火)

バナナの香りのカラタネオガタマ

Img_6794_w Camera: canon 5D lens: EF24-105F4L

東京、赤坂の山王パークビルには大きなカラタネオガタマの木が植栽されていて、五月下旬の天気が良い日には、首相官邸まで、バナナのような香りを届けているかも知れません。勤務先の近所にあった、大好きな木なのですが、このビルの近くで写真を撮っては良くないようなので、写真は掲載出来なく残念です。

この花は地味なので、この花からあのバナナのような香りを出していることは、考えにくいですね。それに香りが強いのは、一日のうちでも午前から正午、午後になると、香りは弱まります。また、曇天の時も香りは弱いような気がします。

その為、大きなカラタネオガタマが植栽されている近辺の人には、初夏の午前中に漂うバナナのような香りは、謎のままという場合もあるかも知れません。

表題の写真は、鎌倉のお寺で撮ったものですが、私の家の木に比べて、濃いクリーム色の花びらに赤のぼかしが多く入る花を付けていました。私の家の木は、赤は花びらを縁取る程度です。

おそらく、カラタネオガタマはこの赤の入り方に変化があるのでしょう。最も強く赤が入る品種はポートワインという名前が付けられています。

写真に写っているバッタは何がしたくてこの木にいたのでしょうか、危害を加えるつもりは全く無かったのですが、そわそわと落ち着かない様子で、こちらをずっと伺っておりましたので、記念に一枚撮ってみました。

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2006年6月24日 (土)

実からは簡単、花からは難しい柑橘系の区別

Orangetree_w カメラ:Pentax645 レンズ:Color Printing Ektar 72mmF4.5 フイルム:RDP3

私の家の周りでは、夏みかんと思われる木を植栽している家が多く、5月には白い花が素晴らしい香りを振りまきます。

ところが、この花が実を結んでも、あまり、実は期待されている様子もなく、風の強い日には道に落ちたりして、無残な姿をさらしております。その様子をみるたびに「酸っぱ過ぎたのかなぁ」と興味深深でつぶれた実の味を想像します。

そもそも、これだけ夏みかんが植栽された背景は何なのでしょうか、横浜で温州みかんは寒すぎたので夏みかんにしたのでしょうか。

当初は実を収穫したものの、横浜の気候では甘味が足りず、だんだん収穫されなくなったのでしょうか。横浜における、夏みかんの普及と風化に関してどんな情報でもあれば知りたいものです。

それは今後の課題として、柑橘の木は実になると、一つの実からあれほど明瞭な区別が付くのに、花のうちは一つの花から、品種を当てるのは困難です。花の香りに関してもほとんど区別が出来ません。

それでも、ビターオレンジの花は香りが強いとされ、ネロリというエッセンシャルオイルが作られます。私は近所に、多くの柑橘が植栽されていて、季節には生花の香りが楽しめるので、なにもエッセンシャルオイルを持つ必要は無いのですが、ネロリのエッセンシャルオイルを安く手に入れることが出来たので、持っています。

エッセンシャルオイルとしては、私が最も好きな香りのうちの一つで、初夏から夏にかけて、このオイルをブレンドして、自分用の香りを作り密かに楽しんでおります。

ネロリという名前はこの香りを身につけていた貴婦人の名前に由来する名前らしいのですが、ちょっとアレンジするだけで、男でも全然OKの香りになると、私は思うのですが、どうでしょう。

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2006年6月23日 (金)

遥か昔の夏を思い出させる水芭蕉

Uryunuma_w カメラ:Pentax SP レンズ:Super Takumar 55mmF1.8 フイルム:kodachrome 25

写真の水芭蕉は北海道の雨竜沼のものですが、25年くらい前のものです。今は無きKodachrome、ISO25のフイルムです。このフイルムで撮った写真は全く当時と同じ状況を保持しており、保存性のよさに驚きます。

当時はこのポジフイルムを現像すると、赤色でKodachromeと印刷されたペーパーマウントに一枚ずつマウントされ、引き出し式の箱に入れられて返却されていました。マウントには現像した年月が刻印されており、手間をかけていたものだと、改めて思います。

発色は渋めなのですが、このフイルムで撮った植物の緑と、蒼い空の色が好きで、低感度を我慢して、よく使ったフィルムです。

くどくどと、フイルムの話を持ち出してまで、昔の写真を掲示したのは、本当のところは、最近の写真で良い物が撮れなかったからです。

この花の写真にはお作法があって、1.手前には綺麗な形の花のアップ 2.適度に群落をバックにして広がりを見せる 3.水を画面のどこかに入れ、出来れば光と戯れさせる。が条件です。ところが、現実はこれが、なかなか難しいのです。全盛期の花期が短い上に、この花が咲くような場所と時候は、天候に恵まれない事が多いからです。

その為か、この花は受粉に面白い工夫を怠りません。水芭蕉の本当の花は真中の芯にある小さなボツボツがそうなのですが、雌しべとおしべの成長に時間差をつけ、なるべく自家受粉しないようにする。昆虫によって他の花から花粉をもらえなければ、潔くあきらめて、さっさと自家受粉してしまう。この2段構えです。最近これに、風による受粉も狙って、3段構えではないかという説も何かで読みました。

この場合の昆虫ですが、水芭蕉が想定しているのはハエか何か、蜜が無くても来てくれそうな虫です。その為水芭蕉は、香りを発散するのですが、ちょっと変わった香りです。

私の印象では、焚きたてご飯に香水をぶっ掛けたような香りです。考え込むと気持ち悪いのですが、水芭蕉が咲く水面を渡ってくる風の香りは清らかです。この清らかな香りにつられて花穂に近づくと、ご飯が炊けたよーみたいな香りになります。

強引に解釈すると、清らかな香りは発散して遠くにいる昆虫に存在を知らせ、食べ物っぽい香りで、近くにきた昆虫に実際に花に止まってもらう。この2段構えの香りをこの知恵深い花は狙っているのではないでしょうか。

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2006年6月22日 (木)

西暦2xxx年、ニセアカシアは人類を救うか

Img_7540_w カメラ:Canon5D レンズ:EF24-105mm F4 L

ニセアカシアは思い入れの強い木なので、5月にポツンと開花してしまう横浜の木の開花ではなく、香り百選にも選ばれている秋田県の小坂町のニセアカシアの開花を紹介したいと思っていました。小坂町には写真のように、ピンクの花を咲かせる品種も植栽されております。

何故、小坂町かと言うと、小坂町は古くから鉱山の町なのですが、鉱山の煙害、酸性雨で山は裸になり、流出土砂で、川下の町も困っていました。この状況を救ったのがニセアカシアだったのです。それ以来、町とニセアカシアは共存してきました。

今、小坂町はニセアカシアの木が500万本あると言われていますが、当初は、荒れ果てた山河を回復させるために、一本一本に悲壮な願いを込めて植林されたものです。ニセアカシアが厳しい環境に耐え、土壌を改良すると、他の木も戻って来て、緑は回復しました。

ニセアカシアは今や、侵略的外来種。在来種を脅かす存在としてネガティブキャンペーンの対象に何時なるとも知れない立場です。しかし、ニセアカシアに望みを託した町の状況にこそ、この木の本質があるというものです。

すべての雑念を取り除いて、ニセアカシアの花を見て見ると、美しい花です。ピンクの花が咲く品種も良いですが、やはり風景として収まりが良いのは白い花です。そして、香りは、良い香りです。時に甘すぎると思う時もありますが、花が大量にあることからくるもので、嫌な感じの甘さの質ではありません。

Img_7548_w 何時の時代も、事の良し悪しはその時の人間の勝手な判断です。ニセアカシアにしても、昔は禿山を緑化する優れた植物で善、今は、在来種に脅威を与える侵略者として悪。棘があるので、伐採するにも注意が必要で、また横に伸びた根から芽が出るので、伐採しても根絶したことにはならないしぶとさが、嫌われる理由に加わります。

しかし、ひょっとして西暦2xxx年、酸性雨に犯された大地に、有害物質を浄化しつつ酸素を供給し、季節には蜂蜜と、てんぷらの具になる花を提供する、人類にとって、かけがえの無い植物と評価されているかも知れません。

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2006年6月20日 (火)

夜の淑女は言いすぎなアメリカバンマツリ

Ladyofthenight_w カメラ:Rolleiflex  SL35E レンズ:Makro Planar 60mm F2.8 HFT フイルム:RVP

ニオイバンマツリを紹介したので、アメリカバンマツリも日を置かずに紹介しなくては、と気に病んでおりました。単純に言うと、花が紫から白に変わるのが、ニオイバンマツリ、黄色から白に変わるのがアメリカバンマツリです。

ところが性質は随分違います。まず、耐寒性ですが、ニオイバンマツリは関東あたりでも地植えで越冬できるのに比べ、アメリカバンマツリは不可能です。鉢植えでもかなり保護してあげないと越冬しないので、耐寒性は随分劣ります。

花も、単純に紫、黄色の違いだけでは無く、アメリカバンマツリは長い漏斗形の花で、花の大きさもニオイバンマツリよりも大型です。

花の香りもまた違います。ニオイバンマツリは潤いのある、美味しそうな感じのジャスミン香ですが、アメリカバンマツリのそれはドライで、野性味があるジャスミン香です。また、ニオイバンマツリは日中も香るのに対してアメリカバンマツリは日中も少しは香るものの基本は夜中に強く香ります。

アメリカバンマツリは英語名では、Lady of the nightなのですが、この名前は夜に強く香るところから来ているそうです。淑女は夜になると強い香水を身にまとう為でしょうか。これに比べるとニオイバンマツリのyesterday today tomorrowという名は面白いものの、ウィットに欠ける名前に思えてきます。

私の近辺では、数年前にホームセンターで大量に売られました。この花を見てみたいと思っていた私は大喜びで買ってみたのですが、耐寒性の弱さを検証する結果に終わりました。

花については、黄色から白に変化する花は、咲き終わりにまた茶色に変色して、メリハリが無いような気がしましたし、香りも、ありがちな物に感じました。

冬に、枯らしてしまったのは、珍しさ以外に執着する理由が無いと思ってしまったからかも知れません。

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2006年6月17日 (土)

タムシバは寂静の香り

Img_7558_w カメラ: Canon5D  レンズ: Mirotar 500mmF8  トリミング有り

コブシ(Magnolia kobus)とタムシバ(Magnolia salicifolia)の見分け方を知ってから、これまでの人生で出会った「コブシ」について振り返るようになりました。今までコブシだと思っていた、あの木は本当にコブシだったのか、と。

おそらく、私が出会ったもので、里山や公園の植栽として早春、他の木に先駆けて白い花を咲かせていたのがコブシです。山の奥深くで見た、初夏に咲いていた「コブシ」は実はタムシバです。

一般的にコブシとタムシバの花は花の付け根に葉を一枚二枚つけるかつけないかで区別されますが、初夏に山奥で開花するタムシバは、葉の展開も同時に始まっているので、小さな葉が花の根本に見える場合があります。白い花の合間に薄緑の葉らしきものが見えても、コブシとは限りません。

実は、山の奥深く、尾根筋の木はほとんどがタムシバです。コブシは里山か、谷筋に生える木です。コブシの木は背が高く、花数が多いのに比べて、タムシバの木は背が低く、花数も少なめです。

これは推測の域を出ないのですが、私の田舎ではタムシバとコブシを区別しつつ、タムシバをコブシという方言で呼んでいたのではないかと思われる節があります。

ともあれ、タムシバは葉や枝を噛むと甘いので、噛柴(カムシバ)からついた名前と言われます。実際に枝を噛んでみると、なんとも言えない爽快な風味があります。湿布薬と山椒とレモンを重ねてみたら、こんな香りがするかも知れません。美味しくはありませんが、口中すっきりといった感じはあります。

宮沢賢治の童話にマグノリアの木という、童話というより禅問答のような短編があります。以下はその一部の引用ですが、ここで、私は宮沢賢治は具体的にタムシバをイメージしてマグノリアの木を表現したのではないかと思っています。

「ごらんなさい、そのけわしい山谷にいまいちめんにマグノリアが咲いています。」
「ええ、ありがとう、ですからマグノリアの木は寂静です。あの花びらは天の山羊の乳よりしめやかです。あのかおりは覚者たちの尊い偈を人に送ります。」

この花の容姿と香りをこれ以上に美しく適格に文字にするのは、不可能、とさえ思われる表現ですね。

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2006年6月15日 (木)

テイカカズラは幽玄の香り

Img_6818_w カメラ:Canon5D レンズ:EF24-105F4L

本来は、スタージャスミンより先にテイカカズラを紹介すべきだったと思います。開花時期は、テイカカズラのほうが少し前ですから。
テイカカズラという名前は変わった名前ですが、定家葛と漢字で書けば、なにやら雅な名前に思えてきます。

この定家とは、新古今和歌集の編纂で有名な藤原定家のことでありますが、何故、定家卿が植物の名前になったかというと、定家卿の没後200ほど経ってから、能楽の「定家」が作られ、その話の中で、この植物が定家葛と呼ばれた為です。

曰く、旅の途中の僧の前に美しい女性が現れ、「以前付き合っていた人がいたのだが、私の死後も墓に定家葛となって絡んでくるので困っている、何とかしてくれ」と頼みます。僧は読経することで、葛を墓から解放し、女性が消えると、そこにはまた葛に絡まれた墓があった。

いろいろな感慨がわくストーリーであります。お能で観ると幽玄な感じかも知れませんが、色っぽい話であります。

ここで登場する定家が恋したとされる女性は、定家より10歳以上年上で、歌人であり、高貴な身分の式子内親王。藤原定家は、歌人として有名ですが、当時第一線の政治家で、あの手この手のポリティックスを駆使していた様子が、彼の残した日記から伺うことができるそうです。
その日記には式子内親王もしばしば、登場するものの、関係を明らかにする記載はなさそうです。もちろん、当時においては、天皇の娘と、エリート政治家のスーパースキャンダルですから、たとえ関係があっても、表には出せる訳はないのですが。歌のやり取りで、後世の人が恋の存在を、推察したのですね。

この花の名前の由来を知るとなおさら、この花の香りに魅力が増します。もともと青みと、柔らかさが微妙に織り交ざった、香りで、どちらかというと雅な感じのする香りです。

これに、色恋が混じり、妄執に発展したら完璧です。特に夜半に漂う、あの妙に穏やかで、青っぽい香りは、実に奥が深い香であるように思えてきました。

PS 和風ぽい絵柄のポジがあったはずですが見つかりません、またしてもデジで失礼。

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2006年6月13日 (火)

スタージャスミンというニュースター

Starjasmine_w カメラ:Pentax645 レンズ:Summicron 90mmF2(M型ライカ用) フイルム:RDP3

昔、浅草の植木市で、テイカカズラの黄色と白のセットと言うのを買って一緒に育てていました。その後ピンク色も加わって、一時期にぎやかだったのですが、そのうちなんか変だと思うようになりました。

白花のものが明らかに性質が違うのです。調べて見るとTrachelospermum jasminoidesという名前の花で、テイカカズラのTrachelospemum asiaticum とは別種でした。中国、台湾の暖かいところが原産で、英語ではStar Jasmineと言うことがわかりました。

その後、この植物はがんばってテイカカズラとは別に、スタージャスミンという名前で、園芸店でもポピュラーな花になりつつあります。まだ、一部でスタージャスミンは、ソケイと混同されているところもありますが、ソケイより育てやすい花なので、スタージャスミンの名前はいずれ、こちらに定着するものと思います。

ところで、テイカカズラとの違いですが、花色のほかに、スタージャスミンの方が葉が長く大きく、先がシャープです。葉の色も黒っぽい感じです。

この黒っぽい葉と純白な花のコントラストは見事で、晴天の日は輝きがまぶしいくらいです、また夜は地上の星と言った感じで素敵です。

香りも、ジャスミンとくちなしの中間のような香りで、青っぽいテイカカズラの香りとは異なった印象です。花色や、香りから、洋風の庭や、家の植栽には、スッキリした印象のスタージャスミンの方が似合うと思います。

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2006年6月10日 (土)

ニオイバンマツリは美味しいそうなジャスミン香

Banmatsuri_w カメラ:Pentax645 レンズ:Summicron90mmF2 フイルム:RDP3

最近、近所でニオイバンマツリの庭木を見かけることが多くなりました。鉢花で買った木を地植えして、大きくなってきたという感じです。

ニオイバンマツリはBrunfelsia australisといってブラジルを中心とした南アメリカ原産の花木です。暖かいところで、生まれたわりにそこそこ耐寒性があって、横浜あたりでは、地植えで問題なく育ちます。常緑樹ですが、寒い日が続いて葉が落ちても、春になれば新芽が吹き出てきます。

この花のが面白いところは、紫で咲き出した花が退色して白くなるので、木全体でみれば、紫と白の花を咲き分けているように見えます。

こんなところから、英語ではYesterday-Today-and-Tomorrow という嘘のような呼び名がついています。充分、その気持ちは理解できるのですが「昨日、今日、明日」という植物名は面白いですね。

例えば、「今日、庭にでたら昨日、今日、明日が紫色の花を付けているのを見つけました。昨日見た時はまだ、昨日、今日、明日は咲いていなかったのですが。もう初夏ですね。折角咲いたきれいな昨日、今日、明日の紫色の花も明日になれば白に退色するのですね。」という会話になってしまうのです。面白いでしょ。英語で書いてしまうと、結構普通の会話になってしまうのかも知れませんが。

それはともかく、このニオイバンマツリは、ジャスミンのような香りがすると総称される植物の中で、最も良い香りをもっていると思います。

ジャスミンの香りにある意味似ているのですが、ジャスミンより罪が無く無邪気で、甘くしっとりしており、何かのお菓子のフレーバーが混入しているかのような香りです。

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2006年6月 9日 (金)

エゴノキは、白い清楚な花に合う名前

Img_3826_w カメラ:Canon20D レンズ:EF70-200mF4

エゴノキはハクウンボクよりわずかに遅れて開花します。前に、花はエゴノキよりハクウンボクの方が見ごたえがあると書きましたが、エゴノキの花も、枝からシャンデリアのようにぶら下がって咲く姿は、素晴らしく綺麗だと思い直しました。

個人的な思い入れでは、この花が開花している様子は、清楚で、エゴノキという名前の響きにぴったり来るように思います。

ところが、本来エゴノキという名前は関東での呼び名で、全国的には「チシャの木」をベースにして、お国なまりが加わった呼び方をされるのが一般的だったのではないでしょうか。

歌舞伎の「伽羅先代萩」の御殿の場で、籠の中の雀の子に親鳥が外から餌ばみさせる場面で、雀の唄が「こちの裏のちさの木に、雀が三疋止まつて止まつて、一羽の雀が云ふことにや」と歌われますが、このちさの木がエゴノキです。

ちさの木は唄に出てくるだけなので、もちろん雀が止まった枝に花が咲いているということは無いにしても、歌を歌う子の運命がわかっている以上、ここで純白のエゴノキの花が咲き、散っていく様子を想像する....のは考えすぎですね、多分。ここは、ヤマ場でもなんでもない場面なのですが、私はこの芝居の中で最も好きな場面です。

とにかく、清楚であること、これがこの花の身上ではないかと思うのです。花の香りもまた、ハクウンボクと似た、キリッ、クラッとした感じですが、ハクウンボクほど強く無いように思います。

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2006年6月 8日 (木)

白ワインの中には芍薬の香り

Peony2_w カメラ:Pentax645 レンズ:Planar110mmF2 フイルム:RDP3 (珍しく香りをモチーフにした名前を持つ芍薬、花香殿)

芍薬を紹介する時のお決まりは、「立てば芍薬」ですが、最近この花をみるたび、自分で自立できないのじゃないかなぁーと思います。支柱をはずせば、バタッと花枝が倒れそうです。

芍薬の花枝は丈夫ですが、それ以上に最近の改良された花は重そうです。いずれ、立てば芍薬の意味が美しいもののたとえから別なものに変わる日も近いかも知れません。

Peony1_w カメラ:Pentax645  レンズ:Planar110mmF2 フイルム:RDP3

現代の芍薬は、品種の名前を覚えるのも追いつかないくらい、いろいろな品種があり、花の色、形、香りも千差万別です。私もかつて、園芸の通信販売で、香りが良いと言う触れ込みの株を求めて、育てたことがあります。が狭い庭で、何の脈略も無く育てる花では無いですね。

この花を育てるには、この場所に芍薬を置くという確固たる、美意識が必要で、私のようにどんな香りの花なのか、とりあえず育てて花を見ようという人には、スペース効率上、不向きです。

何故なら、シーズンにはいろいろな植物園、公園、お寺で、様々な芍薬が美しい状態で見れるし。また、切花も、手ごろな価格で手に入ります。しかも芍薬の切花には、香りを持っているものが多いので、私は芍薬は切花で楽しむものと決めております。

その芍薬の香りですが、何でも白ワインの香りを表す、例えにも使われているようです。確かに、ドライな白ワインの香りにはキリッとした野性味を感じる部分があり、Peonyのような香りと表現するのは美しい感じがします。

もちろん、芍薬の香りにも様々な変化があり、バニラミルクのように滑らかな感じのものから山菜のようにイガイガと苦そうな感じの香りまであります。それでも、白ワインの香りの一部分として、「このワインはPeonyの香りがする」と言われれば、どの種類の芍薬か突っ込まず、「はあ、そうですね」と、野性味があるドライな風味を感じたら納得してしまいましょう。

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2006年6月 6日 (火)

シンデレラのようなハタケニラ

Img_6705_w カメラ:Canon5D レンズ:Zuiko Macro50mmF2(2枚とも、トリミング)

写真家の鬼海さんの撮る肖像写真のように壁際にたたずむ花はハタケニラと言います。ハタケニラは、もともとNothoscordum fragransと言う美しい名前を持つ、南アメリカが原産の植物です。

ところが英語でもfalse garlic(贋ニンニク)と呼ばれるように、いろいろなところでニラだとかニンニクだとかのまがい物としての扱いを受けております。もちろんニラやニンニクの臭気はありません。

これは、この花にとっては不本意で、まったく違った植物なのに、ニラとかニンニクだとか言うな、と言いたいのでしょう。

何故、こんな事になったのか。それはこの花は、切花等の商業的な園芸植物の対象とされてなく、球根さえ売られない雑草扱いだからです。ハナニラでさえ球根が売られているのに。

Img_6692_w 南アメリカ原産のこの花が世界に広まったそもそもの発端は、植物が好きな好事家が移植したからでしょう。花は綺麗だし昔の化粧品がよく持っていたような、どことなく郷愁をさそう良い香りもあります。しかし、健常で、種でも球根でも簡単に増殖する花は、種が飛散して徐々に雑草化していったものと思います。

どちらかと言うと、好ましい植物なので、よほど邪魔なところに生えなければ抜かれることは無いでしょう。次第に、場所によってはありふれた植物となったと思われます。

また、この花が商業的に園芸植物とならないのは、その開花サイクルと関係があるかも知れません。この花の開花時間は夕方から20時くらいまでです。シンデレラ姫より着飾ることが出来る時間は短いのです。

一日中開花さえすれば、この花の容姿と香りは十分切花として認められるハズなのですが、惜しいですね。

私の家のすぐ近くの道路の裂け目や塀の隙間にも、この花はやってきました。やがて、私の家にやってくる日も近いでしょう。

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2006年6月 3日 (土)

ハニーベルの香りは蜂蜜よりもスズランに近いと思う

Honeybells_w カメラ:Pentax645 レンズ:Makro Kilar 90mmF2.8 フイルム:RAPF

写真の花はハニーベル(Hermannia verticillata)と言う名の花ですが、恥ずかしいことに、この花の名前をすっかり忘れておりました。かろうじて、何とかベルという感じの、ありがちな名前だったなー、と記憶していて、随分図鑑や、ネットで検索しました。

結局この花の名前を検索できたのは、ネットから、何とかベルの何とかをつぎつぎに変えて、探すことが出来ました。今回はネットで検索出来たのですが、これは名前の一部を記憶していたからです。特徴からだと図鑑からの検索の方が便利です。

この過程で面白かったのは、何とかベルの何とかをそれぞれ変えても、それなりにヒットすることで、本来の検索を忘れて、ほーとかへーとか感嘆しながら結構楽しむことが出来ました。それにしてもハニーベルとは思いつかなかったぜ。

この花の特徴は、黄色いベルのような花を下向きにつけること、その花の香りがすずらんのような、マダガスカルジャスミンのような香りであることです。確かに甘い香りですが、ウェットな感じの酸味も含まれていて、蜂蜜とはちょっと違うような気がします。

通常この花が店頭に並ぶのは3月か4月、ポット苗の草花風に売られます。ところが、この植物は実際は、ほふく性の小さな木なのです。耐寒性が強くないので通常は春咲きの草花みたいに扱われますが、場所を選べば、緑の葉をつけたまま越冬します。

Img_3467_w  カメラ:Canon20D レンズ:Zuiko Macro50mmF2

私が育てている木は、屋外で無造作に地植えしているだけですが、去年の5月から6月にかけては、グランドカバーのように淡い緑を伸張させ、黄色のベル状の花を惜しげなく咲かせ、良い香りは庭を覆いました。ところが、今年の冬は寒かったらしく、息も絶え絶えで、かろうじて越冬したという感じで、枯れた赤い枝が無残でした。

もともと、南アフリカが原産地ですから、耐寒性も耐暑性もたいして強くない植物なのです。地植えは魅力的ですが、ちょっと難しいかも知れません。

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2006年6月 1日 (木)

シャクナゲの香りはシャーベットに合うハズ

Vannessensation_w カメラ:Pentax 645 レンズ:Planar 110mmF2 フィルム:RDP3

写真のシャクナゲは、バン ネス センセーション。香料を採るシャクナゲとして栽培されているという触れ込みで、以前、通信販売で売られていました。

本当に香料を採る為に商業的に栽培されているのかどうか確認はできませんが、芳香を持つシャクナゲとしては、耐暑性に優れたものであることは間違いありません。横浜でもゴールデンウイークの頃に開花します。

シャクナゲはどちらかというと、寒さには平気で暑さに弱い暑がり屋さんなのです。

日本に自生するシャクナゲの香りは、記憶に在るような無いような。いくつかの品種は、とても良い香りを持っているものの、大半のシャクナゲは、香りが無いか微弱であるというのが現実です。

ところが、シャクナゲにはエッセンシャルオイルを採るような、強い香りを持つものがあります。ネパールの国花になっている、アルボレウム種もその一つで、実際エッセンシャルオイルが、花と葉から作られております。

私はアルボレウムの生花の香りは確認できて無いのですが、エッセンシャルオイルでの香りは、甘酸っぱく、ふんわりと良い香りで、シャーベットのフレーバーにありそうな香りです。

そう思っていたら、日本にシャクナゲのソフトクリームはあるようで、宮崎のシャクナゲの森で、デェコラムという世界で唯一食用に出来るシャクナゲの花をリキュールにして、ソフトクリームに混ぜてシャクナゲソフトを作っているらしいのです。

食べたことはありませんが、きっと美味しいことでしょう。でも、まだ、少しこだわりは残っていて「シャーベットの方が絶対に美味しいハズ!」と思うのですが。

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2006年5月30日 (火)

ウケザキオオヤマレンゲに萌えてみる

Img_3679_w カメラ:Canon20D レンズ:Tamron 28-75mm Di トリミングしてます

ウケザキオオヤマレンゲ(受咲大山蓮華)は、ホウノキとオオヤマレンゲの自然交配種とされます。確かに、ホウノキとオオヤマレンゲの両方の特性をもっているのですが、どちらかというとホウノキの血のほうが濃いような気がします。

Img_3615_w ホウノキ

Img_3659_w ウケザキオオヤマレンゲ

Img_6772_w オオヤマレンゲ

花も名前の通り上を向き、開花時期もホウノキと同じような時期です。オオヤマレンゲから受け継いだと思われるところはめしべの色が緑色であるところと、ホウノキの花の香りが、ホウノキに比べて清涼感が強いことです。

ホウノキの花は、まったりと美味そうな香りであるのに、ウケザキオオヤマレンゲの花はクスノキの花から発せられるような、鼻孔を軽く刺激するような香りが混じります。とは言っても、ほんの少しの違いですけど。

ところで、もともと交配種なのであれば、交配比率を変えて行けば、理論上、ほとんどオオヤマレンゲに近いウケザキオオヤマレンゲも、あり、です。このタイプの園芸種は、庭にウケザキオオヤマレンゲが欲しい人に歓迎されると思います。

ホウノキは良い木ですが、木が大きくなり、高い所に花を咲かせるので、花が鑑賞し辛いことがあります。どちらかと言うと里山向けの木です。

ウケザキオオヤマレンゲは、通常それよりも小さく、公園の植栽にぴったりで、さらに小さな園芸種は、庭木になります。人間に近く優しく、朴葉何とかといったような生活感も無く、純粋に鑑賞向けで、萌えさせてくれるそんな木なのです。

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2006年5月27日 (土)

奥ゆかしいオオヤマレンゲの香り

Img_6760_w カメラ:Canon5D レンズ:EF24-105 F4L

オオヤマレンゲ(大山蓮華)は、深山で6月から7月にかけて咲く花を報告されるべきかも知れません。残念なことに、私には経験が無いのですが、山でこの花の開花に出会ったら一生モノの記憶になることと思います。

それでも、あえてこの時期に紹介するのは、この後ホウノキとオオヤマレンゲの混血種のウケザキオオヤマレンゲを紹介したいこと。そして、私がこの花を観察している鎌倉の円覚寺や東京の神代植物園では、今、開花中である為です。

実は、私の家でも植栽してあるのですが、なかなか開花してくれません。同じような気候で開花している木を観察すると、もう少し大きくならないと花はつかないと思います。成長も遅そうです。

かといって肥料をどんどんあげるのは、この木に相応しくないし、枯れる恐れさえあるような気がします。特別なことはしないで自然に任せて、気長に待ちます。とりあえず、自然放任で枯れていないのですから。

この花の風情は、清楚、質素、素朴、控えめ等等、いかにも日本人が好きそうな表現で語られます。この花のどんなところがそうなのでしょう。深山に自生地がある、花付が良くない、開花がゆっくり、うつむき加減に咲く、純白の花びら、清らかな香りがあるというところでしょうか。

このうち清らかな香りについて、どのような香りかというと、コブシとクスノキの花を混ぜたような感じの香りです。コブシの持つ、少しの甘さと清涼感に、クスノキの花が持つ、爽やかな刺激を合わせて、全体を少し薄めたような印象です。

こんな香りがうっすらと、うつむき加減の純白の花から漂ってきたら、私のような古い日本人はイチコロです。季節には、大山蓮華を見なければ気がすみません。

写真は、鎌倉の円覚寺の松嶺院に植栽されている大山蓮華です。ここの大山蓮華は、お墓に向かう階段の途中にあり、坂道に植栽されているので、顔が届くすぐ近くに花を見ることも、運がよければあります。

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2006年5月26日 (金)

五月の風はクスノキの花で薫る

Img_6840_w カメラ:Canon5D レンズ:EF24-105F4L

日本を代表する巨木のほとんどがクスノキで、トトロの住処もクスノキでも、クスノキが無い北国で生まれ育った者には、クスノキは不思議な木に見えました。

楠木正成で有名な木。樟脳の原料となっている木。セルロイドを作った木。

そうか、これがあの有名なクスノキかと。ふーむ、自分も南国に住むようになったのだと。なにせ木へんに南と書く木が身近になったのですから。(本当は樟と書くのが正解らしいです)
今は横浜に住んでいるので、「そんな事は、やしの木の下で言え」と言われそうですが、北国で生まれ育った人にとてはクスノキで十分南国気分です。

この木は、学名でもCinnamomum camphoraと香気物質の名前を二つ連ねるくらいで、植物全体に香気成分を持っていて、実際、主幹、えだ、葉から樟脳が採れます。しかし、最も身近に香りを感じるのは5月頃咲く、半透明で黄緑色の小花から発する香りです。

この香りは、樟脳とは違い、鼻孔の奥で魂を優しくくすぐるような爽やかさがあります。風薫る5月とは、いろいろな花の香りが空気に混じり漂う様子なのでしょうが、街全体を広く覆うという意味では、クスノキの花の香りが一番でしょう。個々の花が目立たなく、しかし、大量にあり、乾いた空気に惜しげも無く、爽やかな香りを放出して行くイメージは気持ちの良いものがあります。

Img_7183_w カメラ:Canon5D レンズ:EF24-105mmF4L

もっとも、このイメージとは裏腹に、クスノキの香りを最も強く感じるのは、無風の夜です。この時の印象は、ウエットで、少し青っぽいもので、木の下を歩いていると、花の香りに染まって行きそうな感じにさえなります。

どちらのシーンにしても、香りのシーズンは一年でせいぜい2週間くらいで、この時にはせっせとクスノキ浴に出かけております。

昼と夜の2つのイメージを写真にしてみたのですが、さすがに、クスノキの花を写真に撮るのは難しいですね。

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2006年5月25日 (木)

何か美味しそうな、ホウノキの花の香り