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2011年10月 2日 (日)

kodakのフィルムは永遠に不滅.....と思いたい

Dscf2913_w 先週Kodakが破産法に詳しい弁護士事務所と契約をしたとか、与信枠を引出したとかという噂で、株価が急落しました。現在の株価は1ドルにも満たないところまで来ております。

これは、Kodakの黄箱のフィルムに憧れ使用してきた者にとっては、隔世の感があります。あのKodakでさえそうなのだ....と。

デジタルカメラのおかげでフィルムの衰退は明らかで、Kodakだけでなく、フジフィルムもフィルム製品の廃止、縮小を続けておりますが、フィルムメーカーのノウハウを生かしたデジタルカメラを作ったり、他の分野を開拓したり、何とか生き延びていくものと思っております。

そして、新しく本業となった業務の傍らで、赤字にならない程度で細々とフィルムを造り続けてくれれば、それで良いと思っておりました。

実際、富士フィルムは順調に生き残りの道を探っているようだし、Kodakにしても、ペンタックス645の中判センサーなどを見ていると、Kodakならではの世界がまだあることを実感させられたものです。

実は、Kodakもフィルム部門は黒字なんだそうです。難儀しているのは、進出した印刷機械のほうで、これは映像の出力がディスプレーに変わってきた過程でいかに技術が優れていても、難儀せざるを得ない分野だったかもしれません。

あと、気になるのはKodakの株は某ファンドによって買い占められていた事。日本でもいくつかの会社でおなじような事がおこっておりますが、これは上場するメーカーにとっては不幸な事です。

彼らは、会社の持つ生産施設の不動産を値踏みし、知的財産を値踏みする。その結果で会社の価値を判断し、投資し対応するリターンを求める。

どんなに物的、知的財産があっても、それはすぐにお金になるはずは無いのですが、一度、投機の世界に引き込まれてしまうと、目に見える結果を早急に求められますから、じっくりと戦略を練る時間も無いのかも知れません。

ただ、どんな形になろうとも、Kodakのあの黄箱のフィルムが無くなることは、あってはならないでしょう。絶対に。

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コメント

先日カメラ屋さんで聞いた話ではフィルムメーカーはレントゲン用のフィルムで儲けていたそうですが、それもデジタルになっていき苦しくなってきているそうです。
なんとかコダックとフジにはがんばっていってもらいたいですよね。

投稿: ken | 2011年10月 2日 (日) 21時03分

そんなピンチになっているとは知りませんでした。
目の前のモノクロフィルムを見ていると、最後まで
作り続けるであろう黄色い箱が誇らしげだっただけに
意外であります。

投稿: SCR | 2011年10月 3日 (月) 00時11分

ken さま今晩は

そういえば、オルソタイプのレントゲンフィルムを使ってみたことがあります。しっかりした造りで高級フィルムって感じでした。あれ、新品なら高いんだろうなぁ。

原理的に充分デジタルでいけますから、フィルムはその世界でもなくなって行くのでしょうね。


SCRさま今晩は

Kodakは図体がでかすぎるのです。フィルム部門だけスピンアウトすれば、充分生き残っていけるのでしょうけど。

投稿: kk | 2011年10月 3日 (月) 20時21分

 コダックのフィルムは、わたしの写真趣味のバックボーンでした。ですから、今あるTX/Tmaxフィルムが4年分として、それだけ楽しんだら、あとは違う趣味にでも〜♪
ローライには、例の平面ガラスが有りますから、やくざな極薄ポリエステルベースのフィルムも難なく開放でつかえるのですが、気分的な事ですけど、コダックやフジ以外あまり気が乗りません。

投稿: ら・ぺるら | 2011年10月 4日 (火) 01時26分

ら・ぺるら さま今晩は

本当に、欧州のポリエステルフィルムを使った後に、コダックや富士のフィルムを使うと、ほっとしますね。

ああ、フィルムってこんなにまっすぐで、透き通っているんだと....。

投稿: kk | 2011年10月 4日 (火) 22時19分

お久しぶりです。コダックもとうとうコノ時期が来てしまいましたか・・・。今思えばココのブログもテクニカルパンで検索したら発見したので今日までのコダックの影響力を感じますね。フィルムだけでもアメリカの産業遺産として残って欲しい物ですね。

投稿: グライフ | 2011年10月 6日 (木) 10時54分

グライフ さま今晩は

やはり、Kodakは残らないとダメでしょう。アメリカの魂というか、映像の記憶と言うか。

特許だけにあぐらをかかずに、もっと謙虚に事業整理をしておけば、もうちょっとマシだったと思うのですが......。

投稿: kk | 2011年10月 6日 (木) 21時11分

世界的にはポジの需要は相当深刻でしょうね。日本ではフジクロ一本て方が相当頑張っておられるのでしばらくはもつのではないかと思っていますが...しかしネガはEktarとportra400ぐらいと本当に心細くなりました。私カラーはその2つだけしか使わないので枕を高くして眠れません。米国ではデジタルからシャシン文化に深入りして、中版/大判に進む人が増えていると聞いています。TMAX400の投入もそのような文脈で説明されておりました。私も銀塩と心中です。仮にKODAKが潰れても誰かが引き取ると踏んでます。Impossible projectのようなかたちで。

投稿: ぐるぴん | 2011年10月 7日 (金) 10時25分

ぐるぴん さま今晩は

Kodakが無くなることは絶対に無い......と思います。
ただ、人員削減とかコストカットは要求されるでしょうから、士気も落ち、品質も.......落ちて行くかも。

投稿: kk | 2011年10月 7日 (金) 21時12分

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