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2011年6月 8日 (水)

Planar 50mm F1.4 QBM mount

Dscf2076_w 最近は、Planar 50mm F1.4とレンズを検索すると、コシナ製のZレンズがヒットします。そういう意味で、もう何十年もこの設計のレンズは誰かしらに製造され、ツアイスの高級な標準レンズとして君臨しているわけです。

このレンズの前身は、間接的に5群7枚のツアイスイコンのContarexのPlanar55mmF1.4にあるのでしょう。ツアイスイコンはカメラの製造中止を1970年に決め、Contarexの製造終了とともに、このレンズも1973年に終焉を迎えております。

Contarexは、素晴らしいカメラでありましたが、今の日本のガラパゴス携帯のように、世界的に売れたカメラではありませんでした。もう少し、量産型のカメラに更新して再起をはかることも考えられていたようです。紆余曲折のうえ、Yashicaと手を組む事で、そのカメラは1975年にContax RTSとして実現するのですが、当初の計画にあったカメラの標準レンズが、1972年6月にPlanar 50mm F1.4としてパテント登録されております。

ところで、その1972年時点では、新型カメラの計画はあったものの、実機はまだで、Zeissは同じZeissのレンズを使うRolleiflex SL35にこの新型レンズを納品しました。このレンズは後のContax RTSのレンズより、後玉が2mmほど小さいものでした。

その歴史から、Planar50mmF1.4 はRolleiflex SL35用をもってオリジナルとし、Contax RTS用を改良型とする考えもあります。また、Rolleiflex SL35のマウントの制約に合わせて、RTS用の当初の設計から派生版を作ったと考えることも出来ます。ただ、このレンズの最初の動機がContarexの後継機用だったとすると、後者の考え方が自然なように思われます。

このRolleiflex SL用のPlanar 50mm f1.4には次の3っつのバージョンがあります。

1.Zeissオーバーコッヘンで作られたもの。Zeiss HFTの刻印。HFTとありますが実際はT*のようです。

2.シンガポールのRollei工場で作られたもの、裏側にMade in singapore 表にMade by Rollei, Rollei-HFTの刻印があります。

3.ドイツのRolleiの工場で作られたもの、裏側にMade in west Germany,表に Made by Rollei, Rollei-HFTの刻印があります。

オーバーコッヘンのZeissでは、Rolleiflex SLの為に、ハイスペックのレンズは作り続けますが、標準レンズでは初期の1.のものだけです。

いづれにせよ、現在まで繋がる名レンズで、設計時に、設計会社自身の手により製作されたレンズは、Rolleiflex SL35用の1ピンQBMマウントのものだったことは事実です。

このレンズもNEX-5だとアダプターを使って楽に使うことが出来ます。特に下のゆりかもめの作例を撮影した時など、MFアシストモードで、50mmのレンズでも、20m以上の先のピントをピンポイントで合わせることが出来る事に感動さえ覚えました。

Camera : NEX-5, Lens : Planar 50mm F1.4 Iso=400, @F1.4

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コメント

 プロが言うには、当時の日本では、印刷した場合にその雰囲気が残るのは、ヤシカコンタックスのレンズだけだったようですね。

ただし、アマチュアの間にはそう言う話が一人歩きするので、難しいと思ったときもあります。

投稿: ら・ぺるら | 2011年6月 8日 (水) 00時27分

このレンズ、ウチにも2コほど転がっていますので
ご解説に従い、素性を調べたいと思います。
SLシリーズはボディが脆弱でレンズは良いのに・・・と
いう欲求をNEXが満たせてくれますね。

投稿: SCR | 2011年6月 8日 (水) 09時14分

うわーその手のネタ大好物です!40mmゾナーの比較も面白いですよ。rollei35se、contax Tシリーズそれからコシナバレル。撮っていて楽しいのは35seです。ネガ党なのでプラナーの方が好みなのですが...NEX欲しくなりました。目の毒です。ALPAアダプターもあるようですし。いつ買えるか?そもそも買う必要など全然無いのですが...

投稿: ぐるぴん | 2011年6月 8日 (水) 10時06分

ら・ぺるら さま今晩は

このレンズをNEXのMFエイドで拡大して見て見ると、薄薄のピント面が微妙に動いて行く様子がはっきりわかります。

センサーに直接当たった光を見ているので、確実です。これだけピントが微妙なレンズだったことに改めて気がつきます。

SCRさま今晩は。

是非シリアルと製造地を教えてください。私、シンガポール製は3ピンのシリアルが3と5から始まるもの、ドイツのローライ製は3ピンのシリアルが4からはじまるものではないかと思って統計をとっております。


ぐるぴん さま今晩は

今回使った玉は、シリアルが5586020。ハッセルブラッドのZeissレンズと同じ工場の体系なので、製造年次が判別できます。それによると1972年。まさに特許がおりた年の製造です。

投稿: kk | 2011年6月 8日 (水) 21時08分

QB-mountの1,4/50は気に入った描写の個体(私が,ですからシャープなということですが)に巡り会うまで何本試したか、今となっては思い出せませんが....

1pin metal CZ HFT 567**** G
3pin rubber Rollei HFT 510**** G
3pin rubber Rollei HFT 400**** Sing
3pin rubber Rollei HFT 510**** G

とりあえずわかる範囲で...f1.8とは全く異なる系のようです.

投稿: lensmania | 2011年6月 9日 (木) 00時17分

lensmania さま今晩は

5xxxxxxxはドイツ玉でしたか。ありがとうございます。
このレンズは当たり外れがあるヤシコン以上に当たり外れがあるようです。
それでも使ってみたいのは、製作工場に変化がある事と、発表当初のZeiss玉がある為でしょうか。魅力のあるレンズです。

投稿: kk | 2011年6月 9日 (木) 20時54分

報告が遅くなりました。
私のを掘り出して見ると以下のです。
1pin metal CZ HFT 5583089

もう一個は残念ながら50mm1.8でした。
表にMade by Rollei, Rollei-HFTの刻印でした。

投稿: SCR | 2011年6月11日 (土) 13時20分

SCR さま今日は

5583089。キターッ。
実は、アダプターだと最初の1ピンのものが一番使い易い。どんどん使ってみましょう。

投稿: kk | 2011年6月11日 (土) 14時57分

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