六郷水門
camera: pentax 645D, Lens : FA45-85 F4.5
前回、羽田の赤レンガ堤防を紹介したので、その工事の一環として作られた六郷水門を今日は紹介します。
六郷水門は、大正7年から昭和8年までの多摩川改修工事の一環として作られました。優美な建築の設計はドイツ人の神智学者シュタイナーではないかとも言われていますが、残念ながら特定する証拠は残っていないそうです。
この水門は、六郷用水の排水口に位置していますが、六郷用水は、江戸初期、現在の狛江市和泉から取水し、現在の狛江市・世田谷区・大田区の一部を全長約30kmにわたり流れていました。用水の当初の目的は灌漑で、田畑をうるおしながら流域の雑排水を多摩川へ排出する役割をはたすとともに、肥料や雑貨類の舟運にも利用されていたそうです。
ところが、昭和に入ると六郷地区の人口が急速に増え、生活排水が増えました。田畑も減少し、用水路へ直接流れ込む水量が増え、大雨の時などに多摩川へ排出しきれずに浸水する地域が広がりました。また多摩川の水位が上がると、川の水が六郷用水へ逆流してしまうといった被害も多かったそうです。
そこで、排水口を広げ、必要に応じて多摩川と六郷用水を遮断することができる水門建設の必要性が強まりました。こうしてできたのが六郷水門です。
水門を隔てて、内側には水門と調和したポンプ場も見えますが、このポンプ場の建設は昭和42年、自然排水だけでは排水しきれなくなった為、ポンプ場を建設したそうです。
残存運河にあたる部分では釣り船が停泊しております。ここから水門をくぐって、多摩川を渡り東京湾に出て行くものと思います。こんな大げさな釣り船で行かなくても、この水門でもハゼやウナギ、テナガ海老が釣れるそうです。
| 固定リンク
コメント
東京の神田の生まれなんですがこのあたりのこととか羽田の鳥居の話は意外と知りませんでした、毎日が勉強になります。てめえの勉強不足をごまかそうって根性がひん曲がってやんしたねぇ(反省)。引っ込む
投稿: koji | 2011年5月 8日 (日) 03時06分
何だかオランダの景色みたいですね。北海道の水門は無機質でデザインの欠片も感じられません。古い倉庫などは札幌軟石という石で作られて居り独特なデザインを呈してます。
投稿: グライフ | 2011年5月 8日 (日) 10時11分
この反対にある川崎側の水門(戦時以前は運河構想があった)でランチを広げながらのんびりするのが好きでした。川崎側の門の丈夫には、大きな川崎で取れるブドウや梨のオブジェがあったと思います。
仰るようにハゼはたくさん、それを狙う50cm程のスズキの幼魚が意外と釣れる場所でもあります。
今は砂利運搬船も入らないんじゃないかしら?運河は中止になり、小さな砂利をおろす港があるだけです。
投稿: ら・ぺるら | 2011年5月 8日 (日) 15時42分
koji さま今晩は
私も、今回、あの鳥居の前が駅だったことを初めて知りました。京急の空港線はおかしな線形だなぁとは思っておりましたが、謎が解けすっきりしました。
グライフ さま今晩は
札幌のものは凍ることを考えなければならないから、デザインが大変ですね。ある意味、機能美はありますが。
ら・ぺるら さま今晩は
川崎河港水門ですね。六郷側から見て気になっておりました。京急の大師線を使えば行けるかなぁ。
投稿: kk | 2011年5月 8日 (日) 22時18分
釣り船と水門の大きさがギリギリでビックリです。
昔は、この水門の煉瓦と同じ土手だったのでは?と
想像させますね。
これが駅名にある「六郷土手」なんですね。
投稿: SCR | 2011年5月 8日 (日) 23時19分
SCR さま今晩は
六郷土手って大阪で言ったら何に当たるのかなぁ。
人間臭いところに意外と豊富な生態系があったり、
面白いところです。
投稿: kk | 2011年5月 9日 (月) 00時23分