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2009年11月10日 (火)

追憶の黄鉄鉱

R0012859_w 私が子供の頃、世の中は高度経済成長期であり、次々と砂利道は舗装され、新たな広い道路も出来ておりました。その中で、子供たちの楽しみは道路に敷く砕石の中から黄鉄鉱を探すこと。

毎日、足元の砕石を見つめながら、ほじり返して、黄鉄鉱の結晶が付いた石を探して歩きました。なにせ、子供たちは、それを金だと信じていたので、夢中で集めて、宝物にしていたのです。

おそらく、これは、全国的には普通の子供の楽しみではなかったかもしれません。しかし、私が育った秋田は鉱山がいたるところにあり、その鉱山からでたズリが道路の砕石に使われていた為、各種の鉱石が混じっていたものと思われます。

これが、北海道や九州であれば、炭坑からでたズリが使われ、石炭を拾うことも出来たでしょう。

今思うと、黄鉄鉱を金だと信じ込み、その日に拾った黄鉄鉱の大きさや輝きで一喜一憂していた子供達というのも滑稽ですが、現代の大人だって似たようなことをしております。

思うに、光る石を探して手に入れることは人間の本能であります。しかし、その本能のおかげで人類は金属を手に入れて、ここまで進歩してきたのです。そして、本能のままに、光る石を探して拾って遊んだことは、何にもまして楽しかった子供の頃の記憶なのです。

黄鉄鉱は石屋に行けば簡単に手に入るのですが、それらは輸入物です。品質的にはこちらが上でしょうが、子供の頃拾った黄鉄鉱はまさに、写真の黄鉄鉱を小さくしたようなものでした。

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コメント

素晴らしい想い出ですね。子供の頃にこんなキラキラ光る石を見つけたら
だれでも嬉しいものです。今ではどこも舗装され、炭坑もなくなり
子どもたちの楽しみも変わりましたね。

投稿: SCR | 2009年11月10日 (火) 21時46分

SCRさま今晩は

この写真は鉱山博物館で撮ったものですが、こんな鉱山があったのか、と思うようなところの石も多いです。
ただの石ですが、今となっては貴重な古い日本の資料です。

投稿: kk | 2009年11月10日 (火) 22時53分

私も探しました。絶対に金だと思っていましたが、図鑑で調べてそうでは無い事を知って少しがっかりしました。が、今でもその魅力は衰えません(^^)

投稿: arata | 2009年11月11日 (水) 00時08分

方鉛鉱は何処かのお金持ちの友達の家で鉱石標本を見せて貰って涎を垂らしたものです。
中学生にあがる頃には鉱石ラジオに現を抜かし方鉛鉱が入手できないか日夜夢見ておりました。
そして中学3年の頃ついにトランジスタが発明されて
学校の壁新聞で見たのを未だに覚えています。
まだ米粒にひげが3本生えただけの原始的なものでした。
高校生時代についにトランジスタ、東通光(SONY)からアマチュアにもサービスの2T54というトランジスタが発売されてすぐに買ったものです。
のちにハーメチックシールのキャンを開けてみたらゲルまニュー無の単結晶が数ミリの長さで成長していました。
今のシリコン半導体はミクロンの厚さですよね、
真空管から半導体へと変遷の時代をどちらも見ることが出来たのは大収穫な人生でした。

投稿: 610 | 2009年11月11日 (水) 19時19分

arata さま今晩は

arata さまも金だと思ってましたか。みんな同じですね。
そして、今でも黄鉄鉱の輝きが魅力的なのも同じです。

610さま今晩は

私は、真空管を壊して遊んだ子供でして....その頃から生産的な事は出来なかった...。

ラジオといえば、箱にいろいろな電子部品が仕込んであって、配線を繋ぐといろいろな物になるキット持ってました。楽しかったなぁ。

投稿: kk | 2009年11月11日 (水) 20時25分

接続次第でいろんな回路が出来る奴ですね。
以前から一度でいいからあれを手にしてみたかった。
10年ぐらい前まであれを欲しいと思いつつついに買えませんでした。
もう回路設計能力も駄目だろうなぁ。

投稿: 610 | 2009年11月11日 (水) 22時13分

610さま、あのキットには何種類かの回路が載った本が入っていたのですが、610さまならあんな本無くても、いろいろな回路が出来るでしょう。


実際、凄いもの作っているし。

投稿: kk | 2009年11月11日 (水) 22時52分

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