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2009年11月29日 (日)

kodak recording film 2475

R0012916_w 写真の箱は、コダックのレコーディングフィルム2475ものです。5インチ350フィート。Military Expiration Dateと有効期限が表現されているのは、軍用の空撮用のフィルムであったということでしょうか。

そもそもKodak recording Film 2475というのは元祖、オービス用のフィルムであり、ISOは1000から4000。標準感度が1600であったとされております。35mmのパトローネで市販もされておりましたが、1999年に製造が中止され、コダックの高感度フィルムはT-max3200となりました。

このフィルムは高感度フィルムなので、高感度を必要とする被写体に使われるほか、粒子がでかいので、素粒子フィルムとして、特殊表現用にも使われておりました。

しかし、ISO1600の高感度フィルムで、有効期限が1987年、さらに軍用だとすると、このフィルムがまともに写る確率はほぼゼロです。

それでも珍しいし、ただの素粒子フィルムとして使えるかも知れないと思い、手に入れました。

R0012917_w 当初、フィルムのテストのために120サイズを2本切り出して見ましたが、泣きそうな結果になりました。全暗の狭い物置でカッターを振り回し、危ない思いをしたうえ、このフィルム堅くて、カッターだと切りにくいのです。

仕方が無いので、4x5で切り出してみたら、これは結構楽でした。

人間、慣れとは恐い物で、昔、4x5のシートフィルムのノッチを確かめながらホルダーに詰めることさえ面倒くさかったのに、ロールフィルムから4x5に切り出す分には楽勝、なんて言うようになるのですから。

ところで、本来のこのフィルムの指定現像液はHc-110のA希釈で20c、4分半、B希釈で20c、9分でした。コントラストの低い被写体には8分、15分まで延長します。

20年経過したフィルムであることを考えると、かぶりは酷いでしょうから、現像時間を半分にして、撮影感度を下げて行きます。

下の写真は、B希釈21c、5分、ISO100での実験です。これでも酷いベースフォッグが出て、見た目は真っ黒です。曇っていることもありますが、コントラストが低いのはやはり経年劣化のせいでしょうか。面白いことに現像時間を延ばしても、ベースフォッグは変らないので、思い切って押して見ても良いかもしれません。

200911003_w

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2009年11月28日 (土)

嬉しい恒温槽

Img_7435_w 本日、610さまより恒温槽をいただきました。現像液の温度を一定に保つ装置です。これがあればE-6でも確実に現像できるハズ....であります。......使いこなす腕があれば....ネ。

と言うわけで、本日は、この装置の置き場所を確定するために、日頃現像で使っている予備の流しを大掃除しました。

これまで、現像は二階に作った予備の流しで、網を渡して現像タンクなどを置いて行なっておりましたが、恒温槽が手に入ったので、流し台を掃除して定位置を決め設置します。

流し台にぞんざいに置いていた薬品等は棚を作って整理しました。

あと、この一画を暗幕で覆う事ができれば完全に暗室になります。が、さすがにそれは家族が許さないでしょうね。

ところで、この恒温槽、水を入れて電気を入れると、ランプが点燈して、お湯が巡回する様子が、愉快です。癒しになります。

このまま、癒し道具にしてしまったりして....。

別にE-6から逃げているわけでは無いのですが、なんとなく難しそうだなぁ。

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2009年11月23日 (月)

思い切ってしまえば良いのだけど

Img_4984_w Camera : EOS 5D, Lens : EF24-105 F4L

思い切って旅に出てしまえば、何とかなるし、出れないことは無いのだけれど。何となくズルズルしております。

去年は0系が引退するという格好の外圧があったので、思いきることができましたが、今年はとりたてて思い切る材料もありません。

本心は、ただ京都の紅葉を見に行きたいだけなのですが、一人で好き勝手に行くことになり、その口実が見つからないのです。

何となく、一人で行くことはズルイような気がするので、もっともらしい口実が必要なのです。

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2009年11月21日 (土)

新橋駅前広場、古本市で買った本

R0012911_w 新橋駅の駅前広場では定期的に古本市が開催されますが、鉄道とか写真に興味がある私にとって、いつ行っても、手ぶらで帰れるところではありません。

今回の収穫は写真工業に掲載されたリバーサル現像の記事の古本。

驚いたことに71年からリバーサルフィルムの自家現像ってあったのです。その頃はまだE-6は無くて、E-4です。

E-4と言うのは、アマチェア用にE-3の反転露光を薬品で行なうように変えたプロセスで、コダックが自家処理キットを出しており、現在で言えば、近代で輸入しているドイツのテテナールに近いキットだったと思います。

その後、78年の紹介からはE-6になりますが、78年の記事ではE-6代用の第一現像がMQ方式でした。

現在E-6の代用として一般的に使われているPQ処方は79年からです。

これらの変遷を見ていくと、興味深いのは、E-3からE-6に進化した過程は主に、処理時間の短縮が目的でした。より高温で処理を行い、時間の短縮を図ったのです。

そういえば、私が子供の頃エクタクロームXはE-6でしたが、エクタクロームPはE-3であったような記憶があります。

私にとって高温処理が障害になっておりますが、ひょっとしてE-3ならリバーサル現像が出来るかも......なんてバカなこともちょっと考えながら、楽しめた今回の古本市でした。

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2009年11月19日 (木)

秋田にあった海底油田

R0012881_w 子供の頃見慣れていたハズの風景が、いつのまにか無くなってしまい、記憶の片隅に押しやられていたのに、何かのきっかけで鮮やかに蘇ることがあります。

私にとって、この模型がそうでした。ああ、あの風景は海底油田だったのです。

これは、まったく一般的ではありませんが、ある時期秋田で育った子供は、海水浴に行くと、なにやら怪しい塔が海上に建っているのを姿を見ております。特に、秋田市から最も近く、最も汚いと言われた浜田の浜からはよく見えました。

私が子供の頃、臨海学校みたいなものは、その浜田の浜でしたので、朝、昼、晩とその異様な姿をよく見たものです。一見ヘリポートのようにも見えますから、軍事基地か何かでやばい物かも知れないと思ったものです。

その後、こんな物は、見ることがありませんでしたのですっかり忘れておりましたが、秋田大学鉱山博物館でこの模型を見たとき、あの頃の景色が鮮やかに蘇ったのでありました。

ちなみに、左端にあるものは白竜号、この船みたいなもので、海底までやぐらを下ろして行き、ジャケットと呼ばれる採油櫓を作るのです。

少し調べていたら面白い記事を見つけたので見てみてください。無断リンクだけど良いかなぁ。これは、ヘリコプターの観点からの記事ですが、当時、怪しげに景色を見る小学生の影で、こんな大変な作業をしていたのですね。

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2009年11月16日 (月)

今年最後の姫月下美人

R0012898_w_2 週末、今年最後と思われる姫月下美人の開花がありました。気温が低くなっているので、思うように花が開きませんでした。その代わり、なかなか萎みません。

良かったような、残念なような。

ただ、それだけなんですが。

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2009年11月10日 (火)

追憶の黄鉄鉱

R0012859_w 私が子供の頃、世の中は高度経済成長期であり、次々と砂利道は舗装され、新たな広い道路も出来ておりました。その中で、子供たちの楽しみは道路に敷く砕石の中から黄鉄鉱を探すこと。

毎日、足元の砕石を見つめながら、ほじり返して、黄鉄鉱の結晶が付いた石を探して歩きました。なにせ、子供たちは、それを金だと信じていたので、夢中で集めて、宝物にしていたのです。

おそらく、これは、全国的には普通の子供の楽しみではなかったかもしれません。しかし、私が育った秋田は鉱山がいたるところにあり、その鉱山からでたズリが道路の砕石に使われていた為、各種の鉱石が混じっていたものと思われます。

これが、北海道や九州であれば、炭坑からでたズリが使われ、石炭を拾うことも出来たでしょう。

今思うと、黄鉄鉱を金だと信じ込み、その日に拾った黄鉄鉱の大きさや輝きで一喜一憂していた子供達というのも滑稽ですが、現代の大人だって似たようなことをしております。

思うに、光る石を探して手に入れることは人間の本能であります。しかし、その本能のおかげで人類は金属を手に入れて、ここまで進歩してきたのです。そして、本能のままに、光る石を探して拾って遊んだことは、何にもまして楽しかった子供の頃の記憶なのです。

黄鉄鉱は石屋に行けば簡単に手に入るのですが、それらは輸入物です。品質的にはこちらが上でしょうが、子供の頃拾った黄鉄鉱はまさに、写真の黄鉄鉱を小さくしたようなものでした。

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2009年11月 5日 (木)

間に合った夜香木の花

Img_7282_w camera : canon EOS 5D, Lens : AME 100mm F2.8

ホームセンターの隅っこに夜香木にお鉢植えが100円で置いてありましたので、一鉢救出して来ました。もう一度花が咲きそうだったので...。

この木は耐寒性が無く、ちょっと寒くなると見るも無残になるので、こんな扱いになります。しかし、園芸農家によって育てられた鉢植えは栄養がまわっているので、もう一度開花することもあります。

花芽は大きくなってきたのですが、私もこの週末は帰省するので、開花が見れるか微妙でしたが、間に合いました。

この花は、昔の白粉のような香りを夜に発散するのですが、なんとなく庶民的なイメージの香りだと思っておりました。しかし、気温が低い時にはどんな印象になるのか、興味が湧きます。

果たして、庶民的なイメージは薄れ、凛としたものが感じられます。この香りは、グラジオラスのトリステスに似ておりますが、もっと強く、主張があります。

香りの質としては今の時期の方が良いのでしょうが、私は、この花の香りには、庶民的な安物白粉の匂が一番似合っているように感じます。子供の頃、悪戯していた母の鏡台の匂です。

ちょうど、帰省するので確かめることも出来ますが、やはり遠い記憶はイメージのままにしておいた方が良いかも知れませんね。

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2009年11月 3日 (火)

OFUNA SIX 再び

Img_7271_w AK様より、貴重なOFUNA-R Sixの情報を頂いたので、新たにOFUNA SIXの画像を掲載します。OFUNA-R Sixと大船光学の話はこちらの、コメントも参照してください。

まず、表題の上面。このシリアルはおそらく輸出用かも、単独距離計がついておりますが、標記はインチです。ファインダーは一個。ここを覗いて構図を決め、右側のダイヤルを回して、二重画像をあわせ、距離を求めます。

Img_7276_w 右側の上部に表示される数字を、ヘリコイドを回してマークにあわせます。これで、距離が合います。

Img_7272_w シャッターはコパル製。OFUNA SIXの後期モデルであることが解ります。

Img_7274_w 645は片側にあり、フィルム室から遮光板を回してあてがいます。645で6x6から切れる分はファインダーに赤いセルロイドで区切られておりますが、それが左右対称で無いのは、こんな理由です。

実は、AK様よりOFUNAーR Sixの画像を頂いたのですが、レンジファインダー機なので、右側の距離計がなく、シャッターボタンとフィルム表示になっておりました。

また、レンジファインダーにしても645は必須だったようで、赤窓は維持しておりました。

資料の少ないカメラの情報がこんな形で世に出るのは、なんとも嬉しいことです。タイトルにこだわらずにBlogの更新を続けていけば、検索システムでヒットするし、そうすれば、訪ねてもらうことが出来るし、このような形で新たな情報も得る事が出来るのです。

AKさまより許可をいただきましたので、OFUNAR-R SIXの画像も載せます。

Img_8938_w ロゴが印象的ですが、シャッターもすっきり。ヘリコイドも格好良いですね。

Img_8958_w 右側に、レンジファインダーの連結棒が見えます。蛇腹カメラは、この処理が難しく、レンジファインダーは一般的ではありませんでした。大船光学が単独距離計にしたのは、ある意味で懸命だったかも。なぜなら、私が手に入れたカメラも距離計は正確に作動していたからです。赤窓式のフィルム送り、単独距離計、ヘリコイドによるピント調節。これはある意味で、堅実で良心的な設計だったと思います。

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柿は大好きですが

Img_7269_w_2 柿は大好きな果物ですが、このことを話すと、たいていの場合、近所の人から柿の差し入れを受け取ることになります。

ありがたいことなのですが、痛し痒しのところもあって.....これで、しばらく柿を買うことが出来ません。それにこれだけあると、食べきれない恐れも....。

いろんな柿を少しづつ買って食べることも、楽しみのうちの一つなのですが。今年は、柿が豊作なようで.....。

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2009年11月 1日 (日)

巨大な現像タンク

R0012831_w アッジェの密着プリントのようなものをやってみたくて、細々と試作をしたり探し物をしたりしております。

アッジェはパリの風景を捉えた写真家でありますが、18x24の乾板カメラを使い、おそらく300mm弱くらいのレンズで、精密なパリの街角写真を残しております。

18x24cmは8x10インチより一回り小さいものの、3:4の縦横比でテレビと同じ比率なので、何となく親しみやすさがありますが、高価な8x10のフィルムを切ってまでして、使うフォーマットではありません。

その為18x24のカメラは高価な8x10のカメラに比べて格安です。しかし、別の見方をすれば、フィルムさえ工面すれば、とても魅力のあるフォーマットなのです。

幸い、9.5インチのフィルムがあるので、これをシートに切るか、ロールフィルムにすれば、使えそうです。しかし、その際問題になるのが現像方法。シートなら現像ドラムに入れれば何とかなりそうです、そしてロールフィルムも短くして通常の半分にすれば、余裕で2枚撮れます、欲をだして3枚撮り、55cmにしても塩ビパイプで何とかなるかも知れません。

そんな感じで妄想していると、JOBOの巨大タンクがオークションに格安で出ておりました。一般にJOBOのタンクは高いのですが、あまりにも巨大なことと、旧式のモデルであることから棚ズレ品の処分を行ないたいのだそうです。

早速、入手してみましたが、有効な長さは40cmしかないし、元々リールを10本くらい同時に現像するタンクなので、内部に妙な突起があり、フィルムを周辺に貼り付ける用途には、あまり向いてないようですね。

結局、塩ビパイプが一番かも。不恰好ですが、塩ビパイプを組んでみました。これなら55cmまで大丈夫です。

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