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2009年7月29日 (水)

Kodak Imagelink HQ

R0012550_w Kodak Imagelink HQはコダックのマイクロフィルムです。日本では富士がミニコピーという名前で普通のカメラで使えるパトローネ入りのフィルムを市販しておりますが、これは日本限定で、35mmサイズのマイクロフィルムに普通はパーフォレーションはありません。そんな理由もあり、マイクロフィルムを普通のカメラで使うことはありませんが、Zeissのレンズテストでは解像度のテスト用に使われており、何とか使ってみたいフィルムの一つです。

マイクロフィルムは通常16mm、35mmの長巻きフィルムがありますが35mmは長期保存用で、ネットオークションで待っていてもなかなか出てきません。しかし、出てくれば大した競争もなく手に入ります。一般に、使い道はありませんから。

入手したフィルムも、パーフォレーションはありませんので、このフィルムで撮影しようとすると、昔のゼンマイ巻きのリコーのハーフカメラ等を使うか、120の裏紙に貼り付けて、ブローニーカメラで使うしかないのです。超微粒子、高解像度のフィルムなので、ゼンマイ巻きハーフカメラで使うのが似つかわしいと思いますが、今回はあえて、ブローニーカメラを使ってテストしてみました。というのも、マイクロフィルム撮影の世界ではフルサイズは、32mmx45mmであることから、120の裏紙にフィルムを貼り付けて645のカメラで撮ると、「フルサイズ」になるからです。このフィルムの本筋に近くなります。

120の裏紙に35mmのフィルムを貼る方法は、先日書いた116の裏紙に70mmフィルムを貼る方法を参考にしてもらえば良いのですが、35mmフィルムを一旦、パトローネに詰めて、先端を裏紙にあわせると楽です。最初の貼り付けで平行が狂うと後が大変なので、薄明かりのところで、先端の貼り付け作業をしたいのです。

120の裏紙に貼り付けてしまえば、後は通常の120フィルムと同じに扱えます。645のカメラでもこの目的で使い易いのは、645を縦が長い、縦位置で通常撮影をするようなカメラ、昔の蛇腹カメラが適当です。ファインダーの上下を均等に全体が半分になるようにテープを張ればOKです。そこまでしなくとも横はそのまま、縦は半分、と思えば十分です。

2009070194_w Camera : Pearl III, Lens : Hexar 75mm F3.5, film : Imagelink HQ, HC-110

このフィルムの本当の感度は解りませんが、階調を残すとすればISO50が限界で、出来れば25以下が良いと思われます。現像は出来る限り軟調現像をする必要があります。一説によるとコーヒー現像が良いようなのですが、コーヒー現像は奥が深そうなので、後の楽しみとして、とりあえずHC-110の最高希釈を使います。希釈濃度はG。5mlの原液を薄めて合計600mlの現像液にします。これで20c30分。

R0012546_w_2 出来上がったネガは、一見35mmに見えないのですが、紛れも無く35mm。もう少し現像時間を短縮しても良さそうです。このフィルムはパンクロマティックですが、赤に対して感度が低くそうです。

2009070193_w

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2009年7月26日 (日)

Rollei ATPをHC-110の超希薄現像で

2009070162_w Camera : Fuji GF670, Lens : EBC Fujinon 80mm F3.5, Film : Rollei ATP, HC-110 1:100

昨日Rollei ATPをM-Teaで現像して見ましたが、EI=32程度なら、なにも軟調現像液をいちいち調合しなくても、ストックしているHC-110かPC-Teaの希薄現像で出来るのではと考えました。HC-110で出来ればPC-Teaでは問題なく出来るはずなので、HC-110でテストしてみました。ストックしているとは言え、PC-Teaも200ml毎に調合しているので、何年も家にあるHC-110の手軽さには負けます。

HC-110の希釈倍率は1:100。HC-110は希釈倍率によってAから非公式のGまで名前が付けられておりますが、そのどれにも合致しない倍率です。まるい数字でないと大雑把な私には理解できません。20Cで15分。

2009070164_w (表題の写真の反対側、逆光の作例)その結果がこれ、M-teaよりコントラストは高くなりますが、まだまだ諧調は残っております。それに、テスト撮影の対象もコントラストが高い被写体だったので、自分的には見た感じで出ております。

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2009年7月25日 (土)

Rollei ATP 1.1

2009070153_w Camera : Fuji GF670, Lens : EBC Fujinon 80mm F3.5, Film : Rollei ATP, EI=32, M-Tea

コダックから超微粒子特殊フィルムのテクニカルパンが無くなって久しいのですが、今でもこのフィルムにとり付かれている人は多く、ネットオークションで当方も無い額になったりします。

しかし、RolleiからATPというフィルムが出ていて、これは現役で各種のサイズが手に入ります。ATPというフイルムの名前は正確には Advanced Technical Panで進化したテクニカルパンという意味であります。

2009070152_w 実際にこのフィルムと昔のテクニカルパンの比較サイトがあり、これを見てみると、凄いフィルムであることが解ります。

R0012538_w このフィルムもローライの他の新フィルムと同じようにアグファが作っており、パッケージにも Made in Belgiumとあります。

このフィルムは本来コピーフィルムで、超微粒子、ハイコントラストの性質を持っております。しかし、こういうフィルムを軟調現像して、いかに超微粒子の 連続トーンの写真に仕上げるか、という楽しみもあるのです。

2009060161_w 今回は、私のテクニカルパンの標準現像液のM-teaを使って、同じ時間で現像してみました。違いは、テクニカルパンはEI=50で撮影するのに対して、ATPはパッケージ通りEI=32で撮影したことです。左はテクニカルパン。Hasselblad, Planar 80mm 70mmマガジンによる撮影です。

見た感じではEI=50でも行けそうです。

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2009年7月21日 (火)

横浜港納涼船ツアー

Img_6330_w camera : canon EOS 5D, lens : EF24-105 F4L

このBlogにいらっしゃるラ・ペルラさんの口利きで、横浜港を海から見るツアーに参加しました。この日は運良く、二艇の帆船が入港しておりました。夕方なので帆は降ろしておりましたが。

Img_6309_w 小船から見上げても格好良いシルエットのカップルだなぁと思っておりましたが、女性は美人の外国人の方でした。EF24-105F4Lって本当に恐ろしいレンズです。

Img_6231_w 小船のツアーのよい所は日頃みれる景色を逆方向から見れること。横浜のベイブリッジをこの角度から見れるのも船なればこそ。

Img_6248_w そして、昨日一番面白かった橋がココ。ぎりぎり、と言うか擦っているでしょう。

Img_6381_w 最後はお決まりの夜景。お疲れ様でした。

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2009年7月20日 (月)

Kodak Folding 1A

2009070111_w Camera : Kodak Folding 1A , Lens : B&L RR, Film : Aerographic 2402, HC-110

Kodakは1910年頃から、蛇腹カメラを山のように作っておりますが、そのうち1Aという表記のあるカメラは116フィルムを使うものです。この1Aがついたカメラの中でもモデルは山ほどあるので、ここでは単に1Aと表記します。今となっては、上級モデルも大して性能は変らないし...。

まず、このカメラを使う為にはフィルムを作る必要があります。が、116フィルムは2 1/2 X 4 1/4インチ(6.5cmX10.5cm)サイズのフォーマットのネガを8枚撮影できるように作られております。

R0012524_w カメラにはたまたま古いヴェリクロームのフィルムが入っていたので、その裏紙を使います。ところで、中古カメラには古いフィルムが詰まっていることも多く、それを現像するかしないか、いつも悩むところですが、今回はヴェリクロームのハレーション防止層の色が衝撃的だったので、そのまま保存することにしました。

R0012526_w 116フィルムのサイズは70mmフィルムと同じなので、70mmフィルムを99cmの長さに切って貼り付けます。この時、このフィルムを70mmカセットに入れて端を出し、テープで裏紙に貼り付けると作業が楽です。70mmフィルムカセットは遮光性が充分では無いのですが、常識的な遮光性はあるので、作業が出来るぎりぎりの明るさのところでは問題ありません。

フィルムが出来れば、後は撮るだけ。それにしても使いにくいカメラです。まずファインダーがダメです。ファインダーを信じると水平が崩れる。もっともほとんど見えませんが。距離は目測で、それに近い溝に蛇腹の金具を止めてあわせます。もちろん正確ではありません。必然的に絞りはF11程度にあわせます。このカメラF8の次がF16だから、その間です。シャッターは1/100,1/50,1/25しかありませんので、そのどれかにあわせ、レリーズをつけて右手に持ちシャッターを切ります。

カメラは使いにくいですが、6.5cmx10.5cmのネガは巨大です。パーフォレーションのあるフィルムでは、パーフォレーションにはみ出します。70mmフィルムにはパーフォレーション無しのフィルムもあり、コレは逆に70mmマガジンでは使えませんから、116への巻きなおしに最適なフィルムになるでしょう。

ファインダーさえもう少ししっかりしていれば、面白く使えるカメラでしょう。

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2009年7月19日 (日)

総持寺の盆踊り

2009070121_w camera : Contax G1, Lens : Biogon 28mm F2.8, film : Hawkeye, HC-110

家の近くの総持寺で盆踊りがありました。去年は偉いお坊さんが亡くなったために中止になっておりますから、二年ぶりです。盆踊りといっても、総持寺の場合、多くの人で賑わいます。

2009070124_w 縁日の屋台で賑わう長い参道を抜けると、若い修行僧がこなれた身のこなしで案内してくれます。

2009070123_w 二年ぶりですから、修行僧たちも気合がはいっております。

2009070128_w これが、盆踊り会場。総持寺は女子高を持ってますので、進行は女子高生が行ないます。「次は一休さんです、お坊さんと一緒に楽しく踊りましょう」みたいな感じでアナウンスが入ります。昔は20時になるとディスコタイムになって修行僧がアフロのカツラをかぶって踊っておりましたが、今はどうでしょう。

ウチの子供ももうつきあってくれないので、私はただのカメラを持った怪しいおじさんです。子供の写真を撮る時は保護者同伴の時を選びます。

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2009年7月18日 (土)

Ilford XP2 super

2009070041_w Camera : Fuji GF670, Lens : EBC Fujinon 80mm F3.5, Film: Ilford XP2s, Home made C41(Color)

一時期各社から出ていたC41現像によるモノクロも今では、老舗のIlfordからXP2 Superが製造されるだけになりました。このタイプのフィルムはもともとIlfordが提唱したものなので、元祖だけが残った感があります。

このフィルムの良さはラティチュードの広さで暗部からハイライトまでよく出ます。欠点は未知の保存性と現像処理のつまらなさでしょう。

白黒のフィルム現像は、いろいろ試すことによって自分の好みのネガを作る方法を見つけることが出来ます。しかしカラーのC41は規定どおりに出来上がるか失敗するかのどちらかなので、現像の期待感みたいなものはありません。

2009070042_w Camera : Fuji GF670, Lens : EBC Fujinon 80mm F3.5, Film: Ilford XP2s, Home made C41(B&W)

強いてあげると、XP2sではカラーでスキャンするか白黒でスキャンするかという楽しみがあります。カラーでスキャンして色を消すか白黒でスキャンするかです。

好みはそれぞれだと思いますが、このフィルムが1600程度まで増感したら面白いかも知れませんね。

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2009年7月17日 (金)

久々に見たトムラは悲しいニュースでした。

私はもう長いこと山に登らず、体型的にも山に登るような人ではなくなったのですが、もし、どこかの山にもう一度行きたいかと言われれば、トムラウシ山はその一つです。

特に今の時期、クゥワンナイ川を遡って行くトムラウシ山は最高です。ウォータースライダーのような一枚岩の滑滝が何キロも続き、源流をたどると神々の庭があったらこんなところだろうなと思われるような美しい日本庭園のようなところにでます。あたりは小さな沼と岩と残雪と高山植物のお花畑。本当に綺麗なところです。

しかし、一旦天候が崩れれば、天国のような光景は一瞬で地獄のような光景に変ります。風雨、風雪をよけるところが無く、方向感覚もなくなります。

今回の事故では、とにかく動くべきでは無かった。予備日を使い果たしている訳でも無いのに停滞せずに動いてしまった。これはミスです。

パーティーの中で、一人でも体調を崩してふらふらになった人が出た時の恐怖は半端じゃないです。全てのペースが狂って、悪い方に加速度的に事態は変ってゆきます。今回の構成員を見れば、この天候では危ない人が出てくることは解ってもよかったハズ。

かえすがえすも残念です。合掌。

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2009年7月15日 (水)

116フィルムの現像タンク

R0012521_w 先日、70mmフィルムのベルト現像タンクはどうよ、と書きましたが、私の使い方であればもう一つ可能性があります。それは116,616フィルムの現像タンクを探す事。

70mmフィルムは、Kodakが1Aと呼んでいた2 1/2インチ幅のフィルムなので昔の116、616スプールのフィルムと同じなのです。

そうして、いろいろ探してみると、昔はアメリカで各種の可変リールの現像タンクが出ていたようです。現在のパターソン、APの可変リールの前身みたいなものです。現在のパターソン、APは135、127、120と三段階の調整ですが、古いアメリカのものはこの他に116サイズへの調整が可能なものがあったのです。

その代わり、リールにフィルムを巻きつける方法は、端から押し込んで行くだけで、ボールのフリクションを使って、リールを回すことで、フィルムを入れていくパターソン、APのような便利さはありません。

このタンクの説明書には220フィルムの記述が全く無いので、220フィルムが生まれる前、ブローニーフィルムが32インチ、116フィルムが39インチの前提で作られているのでしょう。つまり70mmフィルムだと1mくらいまでの長さなら、単純に押し込む動作でも何とか入って行くものと思います。

それ以上になると、フィルムの摩擦、押し込む力、力のかかる方向のバランスが狂って上手く入らない可能性があります。

まあ、それでも良いのですが。

パターソン、APリールとの相違が解る写真を追加します。

R0012522_w

R0012527_w 後記>このリールやはり116サイズ以上の長さのフィルムは難しいようです。左は116サイズ、ちゃんと入りますが、右の70mmは1mくらいで、どうしても進まなくなりフィルムを切るはめになりました。

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2009年7月13日 (月)

Bausch & Lomb Rapid Rectilinear lens

2009070096_w camera : Pentax67, lens : Bausch & Lomb Rapid Rectilinear, Film : TMX100, HC-110, F4,1/125

先日、いつもの中古カメラ屋さんのB級品コーナーで、Kodak jr Folding 1Aカメラで、Bausch & Lomb Rapid Rectilinearのレンズが付いたモデルが居たので、連れ帰りました。

1Aというのはフィルムサイズで、116,616ロールフィルムサイズなのですが、これは70mmフィルムと同じです。巻き取り側にちゃんとしたスプールがついていれば、後は送り出し側のスプールと巻紙を自作すれば、70mmフィルムを使って116または616フィルムが作れます。

家に帰って清掃をしましたが、まず、このレンズがどんな写りをするのか気になりました。RRタイプのレンズは各種のソフトフォーカスレンズで有名だし、このレンズも1910年代のもの。日本言えば大正時代のレンズです。何となく、大正デモクラシー的なレトロな写りをするに違いありません。

このレンズはまず、コダックのボールベアリングシャッターに組み込まれ、シャッター速度は1/25、B,1/50、T,1/100です。バルブとタイムが間に入る変な組み合わせです。そして絞りはUS4から64.。USというのは大陸絞り表示に対してUSAの表示ということだと思いますが、今ではこちらの方が普通ですね。

焦点距離は表示されておりませんが、おそらく135mm前後でしょう。つまりこのレンズは135mmF4のレンズだと考えて大きな誤りは無いはずです。そこで思うのが、その明るさ。

R0012505_w このカメラのピントの合わせかたとかフィルムの平面性を考えれば、推奨される絞りはF11程度、それにくらべればムダに明るいレンズです。通常は絞って使うことを前提にされているけれど、開放で使えば面白いソフトフォーカスレンズになるに違いない。そう考え、Pentax67につけて見ました。

2009070094_w ところが、いざ撮影して現像してみると、少しガッカリの結果でした。全く普通の、優秀なレンズです。このレンズ、もっと優秀なレンジファインダーがあれば開放から、まったく遜色なく使えます。

開放でのソフトフォーカス効果を期待した私には、ガッカリだっただけです。それにしても........「もう飽きてしまったんじゃないの?.このレンズを本当に元のカメラに戻して、116フィルムを自作して写真撮るの?」と言う呟きが、私を良く知る、もう一人の自分から聞こえて来るのは気のせいでしょうか。

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2009年7月12日 (日)

ムーンライト九州の廃車のニュース

Img_9166_w Camera : Canon Eos 5D, Lens : EF100-400, f5.6-6.3L

先ほど、Yahooを開けたらムーンライト九州の廃車のニュースが出ていて、やっぱり、と思いました。夜行バスに押されていたようだし、終点まで2つの会社、三台の機関車を交代して走る快速列車は、生き残りが難しかったものと思われます。

これで、機関車が牽く列車は、観光列車を除いて、関東より西では絶滅してしまったことになるかも知れません。寂しいですが仕方がありません。ムーライト九州の車両はご苦労様でした。

Img_9165_w 門司にはEF81で到着しました。

Img_9175_w 門司から博多まではED76が牽引します。

Img_9181_w 車両はこんな感じ。

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2009年7月10日 (金)

ほうずき市をNATURA 1600で

2009070085_w Camera : Contax G1, Lens : Biogon 28mm F2.r, Film :NATURA 1600, home made C41

今年のほうずき市は浅草寺の補修工事のため、出店が少なかったようですが、それでも賑やかです。景気の悪い時こそ、このような下町の賑やかさが嬉しいですね。

カメラを手にした人も多かったのですが、みなさま、デジタル一眼でダダダダと凄まじい勢いで売り子の写真を撮ってます。ほおずき市の売り子さんは、祭り慣れしているせいか、カメラに怒突いたりしないのはさすがです。

2009070084_w 私は、ピントが合っているか外したか現像してみないとわからないContax G1でしょぼくスナップ写真を撮っておりましたが、私としてはこれで十分。これが性にあってます。

今回はフジのナチュラというフィルムを使ってみました。と言うか、このフィルムを使いたかったのでほうずき市にでかけました。

2009070083_w このフィルムはいかにも良く写りそうなフィルムで、前から気になっていたのですが、ブローニーサイズが無い為、使う機会がなかったのです。ContaxG1を手に入れるまで、35mmならデジタル一眼、フィルムなら中判カメラと使い分けをしていたので、35mmサイズだけで出ているフィルムには縁がなかったのです。

思った通り、このフィルムは良いです。高感度撮影に強い最新のデジタル一眼は、このような状況では圧倒的に有利で、せっかくのISO1600フィルムも使われる機会は少ないと思われます。

2009070081_w それでもあえて使う価値があるフィルムでは無いかと思います。

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2009年7月 8日 (水)

ベルト式70mmフィルム現像タンクってどうよ

2009070072_w camera : Hasselblad 201F, Lens : Distagon 50mm f2.8, film : PANATOMIC-X AERECON II , Micrdol

70mmの空撮用パナトミックは良いフィルムなのですが、薄すぎてパターソンを改造したリールに上手く入って行きません。空回りをしてしまうのです。それでなくとも、パターソンリールのタイプは幅が広いフィルムが苦手です。
まず、フィルムがたわんでフィルムの両端が溝から脱線しやすくなること。フィルムが長くなると、フィルムを押し込む力点にかかる負担が、幅広のフィルムほど大きいことがその理由です。そのためこのリールではブローニーの220でもやっとです。

220のフィルムもカラーネガのようなベースが厚くしっかりしていれば良いのですが、TXPのベースになると、巻き終わりの頃はだましだまし入れて、やっとという感じです。良識的な厚さのフィルムでさえ、これなのだから、ごく薄の70mmフィルムは無理と悩んでいたら、ベルト式ならどうだろうと思いつきました。

35mmのベルトをニ個一して70mmのベルトを作り、中枠も二個一すれば70mmのベルト式タンクが出来るはずです。でもそんな、タンクもう無いだろうなぁと思って、ヤフオクを見ると、3Bという35mmが3本入るタンクがリール付きで出ておりました。

これは神様がくれたチャンス、こんなもの誰もビットしないだろうと思って、スタート値を入れて放っておきました。ところが、後でメールをチェックすると。負けてる。誰か他の人が上値をつけたようです。世の中狭いです。自分のほかに70mmフィルム用現像タンクを作ろうとする人がいるなんて....。

その後、調べてみたら、このタンクもベルトも現役です。Kingの浅沼商会からでております。新品があるなら、メーカーを応援する意味でも新品を買ったほうが良いですね。でもタンクは良いとして、改造ネタのベルトと中軸は安い中古が無いかなぁ。

ちょっと真剣に考えてます。

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2009年7月 5日 (日)

抜海から南稚内までの丘

Img_8621_w camera : canon EOS 5D, Lens : EF24-105 F4l

私は、好きなものを記録するために写真を撮っております。私自身の個人的な感覚の記録なのですが、何となくまとめてみようと思い立ちました。

はじめに、抜海から南稚内までの丘。

昔、日本がまだ牧歌的だった頃、蒸気機関車の写真を撮る人たちは普通に線路を歩いておりました。

ここは蒸気機関車の撮影の名所で、早朝、札幌からの夜行急行利尻号が南稚内に着き改札を抜けると、みんな必死で抜海方向に向けて線路を小走りに歩いたものです。

数十分後に稚内方面から旭川行きの普通列車がC55に牽かれて、通過するので、それを撮影する為です。

みんな、線路を歩いて、好みの丘を見つけては登ってゆきます。南稚内から抜海までは長い駅間を、線路が丘を避けながら右に左に蛇行しながら走るので、どこで撮っても良い写真になるのです。

今は、蒸気機関車も無く、線路を歩く事も出来ません。ただ、車窓から見るこの丘の光景は昔のままです。一部、南稚内よりの丘に建物が建ちましたが、それ以外は、昔のまんまです。

空があり、丘があり、線路がそれを回りこむように走る。ただ、それだけの景色です。そしての景色が、私は大好きなのです。

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2009年7月 4日 (土)

Rollei レトロ400Sのインフラレッド効果

2009060203_w Camera : Fuji GF670, Lens : EBC Fujinon 80mm F3.5, Film : Rollei Retro 400s, R72, EI=25, PC-TEA

販売元のメーカーは一言も言っておりませんが、Rollei Retro400Sはインフラレッド撮影が出来ます。

これは、私の邪推ですが......。

ローライのレトロ400というフィルムはAgfaのAPX400のOEMでした。その乳剤は切れてしまったけれど、ラインアップを維持する為に、Agfaの空撮用Aviphot400をOEM元として使い、レトロ400Sというフイルム名で更新しました。

ところで、Aviphot400は近赤外レンジまで分光感度を持つフィルムで、特殊フィルムのローライIR820とあまり能力は変りません。しかし、IR820を特殊フィルムとして高い価格で販売している以上、ISO400の汎用フィルムとして価格設定したフィルムが特殊フィルムとあまり能力は変らないとアピールすると、IR820が売れなくなってしまうので、あえて公表していないのだと思われます。

もちろん、ローライのIR820は優れたフィルムです。信頼できるインフラレッドフィルムとしていつまでも残って欲しいと思います。単にレトロ400sの潜在能力が凄いのです。

通常、空撮用のフィルムは分光感度を赤の方に伸ばすのですが、コダックでは700nmを越えたくらいまでで、Agfaのように750umを越えるまで伸ばすのは珍しいのではないでしょうか。

2009070023_w 私は何となくこのフィルムが気に入っているので、これから先、使用する機会が増えてゆくと思われます。

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2009年7月 2日 (木)

Ilford SFX

2009060212_w Camera : Fuji GF670, Lens : EBC Fujinon 80mm f3.5, Film : Ilford SFX, R72, EI=25 +1, PC-TEA

現在、日本の量販店でとりあえず手にいれることが出来る赤外フィルム(インフラレッドフィルム)はIlford のSFXくらいのものだと思います。このフィルムは正式にはインフラレッドフィルムとは言っておりませんが、少なくとも類似する目的のための用途のフィルムです。

私は、ミスリードしない為に、インフラレッドフィルムと言った方が良いと思います。分光感度分布が740nmまでしかないのでインフラレッドを名乗らないのだと思いますが、そのことで、とりあえず普通のフィルムとして使おう、なんてもったいないことを考えてしまうからです。そして、現像してみて、なんだ、20年前に期限が切れたTri-X Panそっくりじゃないか、なんてバチあたりなことを思ってしまうからです。

ちなみに、表題の写真の反対方向をフィルター無しで撮った写真がこれ、こういう使い方をしても悪くは無いです。

2009060213_w

このフィルムは、HP5プラスを元に分光感度を伸ばした乳剤を、ハレーション防止の為の濃いグレーのフィルムベースにコーティングしたフィルムです。ISO200としているのは、露出補正が必要なフィルターを使用することを前提に、保守的な表示をしているものと思います。

実際、このフィルムはR72のような可視光をほぼカットするようなフィルターではなく、オレンジから赤のフィルターをつけて使われることが多いでしょう。そのような使い方には最適なフィルムです。しかし、R72で赤外写真を撮る場合でも、もっとも手軽に入手出来、そして使い易いフィルムに間違いありません。

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2009年7月 1日 (水)

EFKE IR820

2009060191_w Camera : Fuji GF670, Lens : EBC Fujinon 80mm F3.5, Film : Efke IR820, R72,EI=12, PC-TEA

赤外フイルムとは、フィルムの感光する波長を可視光以上にまで広げたフィルムのことで、コダックのHIEとコニカのIR750が有名でした。

現在はこの二つともディスコンになってしまいましたが、コダックのHIEは感光する波長が長く900nm以上まで感光するのに比べ、コニカは保障する波長は750nmくらいまででした。

これで、何が違うかというとHIEは夢の世界のようなハレーションがかかった写真になり、IR750は逆にコントラストの強い写真になる傾向があります。もちろん、これは使うフィルターでどれくらいまでの波長の光をカットするかによりますが、HIEの場合、可視光を全部カットして赤外レンジの光だけで撮影する機会が多く、反対にコニカのフィルムは赤のフィルターでコントラストが利いた擬似赤外撮影をする機会が多かったのかも知れません。

コニカのIR750はディスコンになりましたが、RolleiのIR820はこれに近いフィルムで、フィルターを外せば高性能な高感度フィルムとして使えます。またRolleiのRetro400SやIlfordのSFX等は赤外フィルムとは言っておりませんが、感光は750nmくらいまであり、R72のフィルターを使っても、撮影が可能で、高コントラスト、高解像度の画像で撮影できます。その意味で後継者は豊富で力もあります。

一方、夢の世界のようなハレーションたっぷりの画像の赤外フィルムの後継者はEfke820とEfke820Auraと言われております。この二つのフィルムの違いはハレーション防止層の有無で、Efke820Auraはハレーションを強調するためにあえて防止層を設けてないのです。このことからもこれらのフィルムの路線は、夢見る赤外写真の世界、であるはずナノです。

ところが、Efke820を実際に使ってみると、赤外レンジでグンと感光能力が落ちるフィルムであることが解ります。作例でもGF670のISOの設定を最低の25にあわせ、さらにプラス1の露出補正をかけております。それでも、現像するとほとんど巣抜け、露出不足。かろうじて、このコマがごく薄の状況でスキャンすることが出来たくらいです。

このフィルムにR72をつけて撮影する場合、実効感度はISO6かそれ以下と思われます。晴天の屋外でも手持ち撮影は難しいかも知れません。HIEの後継者としては、もう少し頑張ってもらいたいものです。

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