Kodak Imagelink HQ
Kodak Imagelink HQはコダックのマイクロフィルムです。日本では富士がミニコピーという名前で普通のカメラで使えるパトローネ入りのフィルムを市販しておりますが、これは日本限定で、35mmサイズのマイクロフィルムに普通はパーフォレーションはありません。そんな理由もあり、マイクロフィルムを普通のカメラで使うことはありませんが、Zeissのレンズテストでは解像度のテスト用に使われており、何とか使ってみたいフィルムの一つです。
マイクロフィルムは通常16mm、35mmの長巻きフィルムがありますが35mmは長期保存用で、ネットオークションで待っていてもなかなか出てきません。しかし、出てくれば大した競争もなく手に入ります。一般に、使い道はありませんから。
入手したフィルムも、パーフォレーションはありませんので、このフィルムで撮影しようとすると、昔のゼンマイ巻きのリコーのハーフカメラ等を使うか、120の裏紙に貼り付けて、ブローニーカメラで使うしかないのです。超微粒子、高解像度のフィルムなので、ゼンマイ巻きハーフカメラで使うのが似つかわしいと思いますが、今回はあえて、ブローニーカメラを使ってテストしてみました。というのも、マイクロフィルム撮影の世界ではフルサイズは、32mmx45mmであることから、120の裏紙にフィルムを貼り付けて645のカメラで撮ると、「フルサイズ」になるからです。このフィルムの本筋に近くなります。
120の裏紙に35mmのフィルムを貼る方法は、先日書いた116の裏紙に70mmフィルムを貼る方法を参考にしてもらえば良いのですが、35mmフィルムを一旦、パトローネに詰めて、先端を裏紙にあわせると楽です。最初の貼り付けで平行が狂うと後が大変なので、薄明かりのところで、先端の貼り付け作業をしたいのです。
120の裏紙に貼り付けてしまえば、後は通常の120フィルムと同じに扱えます。645のカメラでもこの目的で使い易いのは、645を縦が長い、縦位置で通常撮影をするようなカメラ、昔の蛇腹カメラが適当です。ファインダーの上下を均等に全体が半分になるようにテープを張ればOKです。そこまでしなくとも横はそのまま、縦は半分、と思えば十分です。
Camera : Pearl III, Lens : Hexar 75mm F3.5, film : Imagelink HQ, HC-110
このフィルムの本当の感度は解りませんが、階調を残すとすればISO50が限界で、出来れば25以下が良いと思われます。現像は出来る限り軟調現像をする必要があります。一説によるとコーヒー現像が良いようなのですが、コーヒー現像は奥が深そうなので、後の楽しみとして、とりあえずHC-110の最高希釈を使います。希釈濃度はG。5mlの原液を薄めて合計600mlの現像液にします。これで20c30分。
出来上がったネガは、一見35mmに見えないのですが、紛れも無く35mm。もう少し現像時間を短縮しても良さそうです。このフィルムはパンクロマティックですが、赤に対して感度が低くそうです。
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