Bausch & Lomb Rapid Rectilinear lens
camera : Pentax67, lens : Bausch & Lomb Rapid Rectilinear, Film : TMX100, HC-110, F4,1/125
先日、いつもの中古カメラ屋さんのB級品コーナーで、Kodak jr Folding 1Aカメラで、Bausch & Lomb Rapid Rectilinearのレンズが付いたモデルが居たので、連れ帰りました。
1Aというのはフィルムサイズで、116,616ロールフィルムサイズなのですが、これは70mmフィルムと同じです。巻き取り側にちゃんとしたスプールがついていれば、後は送り出し側のスプールと巻紙を自作すれば、70mmフィルムを使って116または616フィルムが作れます。
家に帰って清掃をしましたが、まず、このレンズがどんな写りをするのか気になりました。RRタイプのレンズは各種のソフトフォーカスレンズで有名だし、このレンズも1910年代のもの。日本言えば大正時代のレンズです。何となく、大正デモクラシー的なレトロな写りをするに違いありません。
このレンズはまず、コダックのボールベアリングシャッターに組み込まれ、シャッター速度は1/25、B,1/50、T,1/100です。バルブとタイムが間に入る変な組み合わせです。そして絞りはUS4から64.。USというのは大陸絞り表示に対してUSAの表示ということだと思いますが、今ではこちらの方が普通ですね。
焦点距離は表示されておりませんが、おそらく135mm前後でしょう。つまりこのレンズは135mmF4のレンズだと考えて大きな誤りは無いはずです。そこで思うのが、その明るさ。
このカメラのピントの合わせかたとかフィルムの平面性を考えれば、推奨される絞りはF11程度、それにくらべればムダに明るいレンズです。通常は絞って使うことを前提にされているけれど、開放で使えば面白いソフトフォーカスレンズになるに違いない。そう考え、Pentax67につけて見ました。
ところが、いざ撮影して現像してみると、少しガッカリの結果でした。全く普通の、優秀なレンズです。このレンズ、もっと優秀なレンジファインダーがあれば開放から、まったく遜色なく使えます。
開放でのソフトフォーカス効果を期待した私には、ガッカリだっただけです。それにしても........「もう飽きてしまったんじゃないの?.このレンズを本当に元のカメラに戻して、116フィルムを自作して写真撮るの?」と言う呟きが、私を良く知る、もう一人の自分から聞こえて来るのは気のせいでしょうか。
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コメント
とてもまともな、いい設計の優れたレンズなんですね。
まあ、tmax100の高性能さも一役買ってるとはいえ、アメリカの当時の工業技術水準を見ることが出来て嬉しい!
私たちのイメージするコダックは、ベークライトやメラミンでできた、127、612フィルムのすこぶるデザインの粋な、単速か2速ボックスカメラについてるプラレンズ?みたいなイメージと、エクターみたいな高性能レンズの2局が大半だとおもうんですが、蛇腹のカメラも素晴らしい描写が得られて、やはり、写真芸術では、現代でも2歩も3歩も先を行くアメリカ写真界の歴史の深さを感じさせてくれるすばらしいお話でした。
投稿: ラ・ペルラ | 2009年7月13日 (月) 10時09分
ラ・ペルラさま今晩は
そうなんです。残念ながらとても優秀なレンズだったのです。ボールベアリングシャッターも全く問題なく動いているし。当時のアメリカの工業水準は凄かったことが解ります。
やっぱりオリジナルの116で撮って見るかなぁ。
投稿: kk | 2009年7月13日 (月) 20時44分
技術的な事はわかりませんが、ちょい望遠気味の
画角で1枚目のネコちゃん、バッチリですね。
この解像を拝見すると、このレンズの優秀さが
よく解ります。
投稿: SCR | 2009年7月13日 (月) 22時25分
SCR さま今晩は
このレンズRRですから、私がケンコーのクローズアップレンズで組んだ、なんちゃってソフトフォーカスレンズと同じ構造なのです。
性能は全然違いますけど....。
投稿: kk | 2009年7月13日 (月) 22時41分