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2009年3月24日 (火)

遺影について

Img_3572_w 私の父は、写真を撮られるのが嫌いなのだ、と私は思いこんでいて、正面から彼の写真を撮る事はありませんでした。

しかし、父母が一緒に居る時の姿は好きだったので、よく望遠レンズで盗み撮りをしていました。ちょっと考えて見れば、息子が実の父母の写真を撮るのに、望遠レンズで盗み撮りをする必要など無いのですから、ちゃんと声をかけて撮れば良かったのです。

ただ、老夫婦の写真を撮ると、コイツ、遺影のつもりで撮っているな、と思われるのも嫌だったし、また、コトダマのようになるのも異やだったので、あえて、ちゃんと撮らないようにしていた観はあります。

とはいえ、遺影にも使えるような写真も撮っておかなければと言う思いがつのり、一年ほど前、この写真を撮った後か前に、ハッセルブラッドにプレストを入れて、家の中で正面から写真を撮らせてもらいました。

先日、その父が亡くなり、遺影にする写真を探したところ、案の定ちゃんとした写真が無く、結局この時撮った写真を使う事になりました。

ウチの場合、亡くなった年齢にかかわらず、ジイサンの遺影は彼が10代の時の写真、バアチャンの遺影は彼女が40代か50代のものを使っておりますので、父の遺影は誰よりも年寄りくさい事になり、母ははじめ不満そうでしたが、もう少し良いものを見つけたらそれに変えることにして、とりあえず納得してもらいました。

しかし、葬儀を終えて、参列者に写真をほめてもらうと、だんだん納得してきたようです。

写真的には、写真屋さんが白黒フィルムをスキャンして、顔だけを切り抜いてスーツ姿の台紙に合成してプリントアウトした物なので、私としても不満があります。よくもこんなに不自然に仕上げたものだと思うデキなのです。

それでもご近所さんからお褒めの言葉を頂戴した理由は、目線の柔らかさと顔の自然さ。彼の目は、室内で椅子に座ってリラックスしながら、カメラを構えた息子を見ている訳ですから、集合写真の切りヌキの写真とはまるで別物で自然なのです。

今では、ほとんどの人がデジカメを使って簡単に写真が撮れるし、写真屋さんの方でも、出来ればデジタルデータで写真が欲しいようなので、身近な人が、デジカメで遺影を撮る時代が来るかもしれませんね。

私としては、銀塩で手焼きしたオリジナルの写真を、今回使った写真と摩り替えたい気持ちでいっぱいなのですが.......スーツ姿じゃ無いから、怒られるかなぁ。

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コメント

遺影について思い出すことがあります。私の父親の従兄の方が無くなった当時のことですが、いざ葬儀の写真を探したが良いものが見つからなくて困ったそうです。
葬儀の後で本人は毎年のように葬儀用と思われる写真を撮って密かにしまってあったそうですが、家族は知らなかったそうです。ひと事言っておけばとは家族の話でしたが、まさかいくら準備のいい人でも死ぬ時期迄は判らなかったのでしょうね。
私の母親はまだ元気にしていますが、カメラを向けると私の葬儀用かと云って、澄ましたポーズをします。

私もそろそろそんな年に近づきつつありますが、準備不足です。当然自分ではまだ死ぬつもりはありませんから・・
しかしどうなるか判りませんね。

投稿: tetsu | 2009年3月24日 (火) 11時41分

大変な事でしたね。さぞ、お疲れのことでしょう。

写真好きは、身内の写真が苦手です。知りすぎてるから、ちゃんと撮れない。とるがわがの照れ?か解りませんが、少し違います。

自分の写真は、京都に行ったときに、京大の食堂の中でcolbwtさんに、撮影して貰ったのがお気に入りです。
家人のは、わたしは上手く撮れないから、誰かに撮ってもらわないと・・・

千葉に一人で住んでいた祖母が亡くなったときに、やはり写真がなくて、面目丸つぶれでした。どうも、わたしには身内は撮れないみたいです。

投稿: ラ・ペルラ | 2009年3月24日 (火) 14時10分

tetsu さま今晩は

例えば、毎年、遺影の撮影をするのが長寿の秘訣、とか、言い伝えがあれば良いですね。そうすれば、大手を振って撮影が出来る。長生きの為のおまじないだよ、って。
何か、遺言では、長生きのために毎年遺言を書くみたいなことを聞いたことがあります。

ラ・ペルラさま今晩は
家族の中では、娘だけがいつでも写真を撮らせてくれます。さすがに、遺影は必要ありそうもありませんが。

家族のポートレートは、なかなか難しいですね。

投稿: kk | 2009年3月24日 (火) 19時48分

謹んでお父様のご逝去、お悔やみ申し上げます。
ハッセルで撮った遺影、良いことをされましたね。
ウチの亡き父も、写真機好きなくせに、自分は撮られるのが
キライで、遺影に苦労しました。
やはり、しっかり撮っておくべきだったと悔やんだものです。

投稿: SCR | 2009年3月24日 (火) 22時11分

SCRさま今晩は

遺影は家族を見守るので、実際、その目線の先に家族がいる写真が良いなぁ、と思っていました。

でも情けない事に、ほとんどブレていたし、現像もいまいちでした。もっと精進していれば...。

投稿: kk | 2009年3月24日 (火) 23時22分

急な里帰りなどでなにかあっているなとは思っていましたが一番大変な事でしたね。
お悔やみ申し上げます。
自分の遺影は毎年家内と撮り合っておりますが昨年は暖さまに撮ってもらった傑作などがあります。
あまり歳をとってしまったものより今ぐらいのもので残しておいた方が良いのかなとも思います。
いい歳になってしまったので、まぁいつお迎えが来ても良いように心がけております。

投稿: 610 | 2009年3月25日 (水) 17時26分

610さまは、まだまだです。
これからも楽しみにしております。


遺影みたいなものは、何か縁起物のように、撮りあう文化が欲しいですね。
自分のベストのものはまだ無いから、絶対死ねないとか。

そうすれば、私ももっと良いものが撮れたかも。

投稿: kk | 2009年3月25日 (水) 21時33分

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