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2008年11月 2日 (日)

ネオパンF

20081121_w Camera : Hasselblad 500 C/M, Lens : Planar 80mm F2.8 CT, Film : Neopan F, EI=25, Pyrocat HD 20c 15m

フジフイルムには昔、超微粒子でASA32の低感度フイルムのネオパンFというフイルムがありました。微粒子現像液のミクロファインで現像するときめ細かく、ヌメットした質感をもつ独特の描写をするフイルムでした。

先日、ひょんなことから1992年に期限が切れているブローニーフイルムを一本もらったので、このフイルムが全盛の時にはまだ一般的では無かった(今でもそうだけど)PyrocatHDで現像したらどうなるか興味が湧きました。

標準現像時間の目安など無いので、ミクロファインで現像した場合の現行品のPrestoとの比較でPyrocatHDの現像時間を計算すると、20度で12分30秒くらいが適切と思われました。そして、有効期限が切れて16年の経年劣化を加味して、撮影感度をISO25にして、20度15分の現像で行こうと決めました。

結果的には、十数年前に期限が切れたフイルムの割に、思いも寄らない感度を維持していて、結果的にはかなり押したネガになってしまいました。13分ぐらいで丁度良かったと思います。

また、PyrocatHDで通常のネガを現像した場合では考えられない、ベースへの染色もあるように思えます。さらに一部で乳面が弱くなっていて小さく剥がれているところも見受けられます。

20081123_w それでも、全体的には思ったとおり、予想通りの効果があるように感じられます。それはPyrocatHDの境界効果を和らげなめらかに仕上がること。そして明部の粘りです。PyrocatHDはネオパンFが指定するミクロファインとは随分性格を異にする現像液ですが、ネオパンFはこんな現像液でも面白い効果が期待されるフイルムだったかもしれません。

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コメント

1枚目、pyrocatの美味しさとネオパンFの持ち味が
融合していますね。飛びそうで飛んでない染色現像は
面白いですね。場面を選ぶとはいえ、実用的な現像処方
だと感じます。Fのブローニーって貴重ですね。

投稿: SCR | 2008年11月 3日 (月) 08時54分


わたしも含めて、少しお年を召したマニアのかた方には、とても懐かしいフィルムですね。
ただ、目的意識を持って使うフィルムでしたから、山岳写真など、風景やる人とかのフィルムであったような気がします。

わたしは今考えるととても残念なんですが、トライxの長尺ですべてやってましたのでフジのフィルムは、ベースの青さがイメージにあるだけです。
中判になってからは、もう新時代のフィルムでした。

PyrocatHDは強いタイプの現像液でしょうから、低感度のフィルムでも、意外と効いてくれるのですね。古いタイプの乳剤と色つきベースが良いのかしら?この天気の良いからっとしたイメージは、今のアクロスの条件の揃ったときの白に似ているような気がします。当時のネオパンfの素性の良さが解る写真ですね。

わたしは、境界効果の弱いpmkですので、いままで、テクニカルパンやイルフォードパンなどの低感度フィルムですと、まったく効果は認められませんでした。ただ、試した限りでは、古いタイプのネオパンss,イルフォfp4,アグファapx100は良かったです


投稿: ラ・ペルラ | 2008年11月 3日 (月) 11時50分

SCRさま今晩は
昔、蒸気機関車の静態写真を撮るときにネオパンFを何度か使ってみて、何か使いにくいフイルムだなぁ、なんて思ったことを記憶しております。とにかく、微粒子という言葉に滅茶苦茶弱い子供でした。

今回は保存状況もわからないネオパンFだったので、かなりオーバー目に処理してコントラストも高い被写体にしましたが、ちょっと面白い結果になりました。このフイルムがもう無いなんて残念です。

ラ・ペルラさま今晩は
Pyrocatはどちらかというと現像能力は弱いほうで、そのために通常希釈で12分なんて処理時間になってしまいます。ちょっと前に行なっていた希釈現像では30分とかバカみたいな現像時間でした。
ネオパンFって何となくアクロスと似ているようで違うようで、両方使い分けが出来れば面白かったでしょうね。

投稿: kk | 2008年11月 3日 (月) 17時29分

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