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2008年10月 7日 (火)

ウスギモクセイに関する暴論

R0011667_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

街には金木犀の香りが満ちてきましたが、これに先立って浜離宮では薄黄木犀が咲き、一足早く香りを振りまいておりました。

花の香りは金木犀の方が強いものの、金木犀の花が蕾か咲きだしの頃発する一種の野生味が、薄黄木犀の香りにあり、私は、真っ先にこの花の香りで秋の訪れを感じます。

ところで、金木犀を含めた木犀の仲間は、広く植栽されている割に謎の多い木です。例えば、金木犀は中国原産で日本には雄花しか無いので結実しません。と、よく紹介されておりますが、それでは中国にある自生地で結実している金木犀の雌花って本当にあるのかどうか......私は残念ながら見たことがないのです。

金木犀、薄黄木犀は原種である銀木犀から派生した種だとされております。原種の白花がちょこっと黄変したものが薄黄木犀で、そこからオレンジ色まで変化したものが金木犀である、と。

しかし、不思議なことに薄黄木犀は日本でも自生地があり、雌雄の花があり、結実するのです。銀木犀と金木犀は雄花の木のクローンが出回っているだけです。

普通に考えれば、中国から日本の南部にかけて自生する薄黄木犀が原種でその純白変化が銀木犀、濃黄変化が金木犀になり、それは園芸種のバラのようにクローン増殖されて普及した......。明白な自生地と自然状態での結実が、薄黄木犀に原種の姿を感じる。

もちろん暴論です。銀木犀が原種で、他のものが派生種であることは植物学者の定説です。でも秋の夜長に、こんな推理も面白いでしょう。

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コメント

我が家は引っ越してきたとき垣根に2,30本の金木犀を植えましたが、
後にその外側の遊休地を買い足したので数本を残して引き抜いてしまいました。
それから30数年、いまだに残っている1本は家内の陶芸のプレハブの屋根を大きく通り超えて
大木となって花咲かせています。
雀がその中に生息していますが香りで咽ないかと心配です。
あまりに近いとかえって感じないのですが外出して帰ってくるときに
数十メートル離れていてそこはかとなく香るのがうれしいですね。

投稿: 610 | 2008年10月 7日 (火) 23時15分

いつも感じますが、植物への造詣は凄いですね。
金木犀でこれだけ語れる貴殿はスゴイ!尊敬します。
ボクなど、通勤の道すがらキンモクセイの香りに
秋やなぁ~なんてお気楽なものですから...汗

投稿: SCR | 2008年10月 7日 (火) 23時22分

610さま今晩は
ウチの金木犀も大きく育ってます。でも隣家に向かって伸びてしまったので深く剪定して、花は少なく、もっぱら人様のうちの花の香りを楽しんでおります。

SCRさま
実際、今の金木犀には中国伝来説と国産進化説があるようです。DNA鑑定かなにかで正しく調べることが出来ないものかと思っております。
オスしかいない世界なんて異常ですから。

投稿: kk | 2008年10月 8日 (水) 01時02分

派生っても人為的な改良ではないのですね.
交雑が出来ないのなら,よほど遠い昔に分岐したということでしょうか.素人の浅はかさ,想像しかできません.

投稿: lensmania | 2008年10月10日 (金) 17時51分

lensmaniaさま今晩は
木犀三兄弟は謎が多いです。薄黄木犀は学名がOsmanthus fragrans var. thunbergiiですから、中国で言うところの金桂にあたります。金木犀が丹桂、銀木犀が銀桂。しかし、桂花茶の金桂をみると、金木犀のようにも思えます。

結局、よく解らないのです。

投稿: kk | 2008年10月11日 (土) 00時18分

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