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2008年9月26日 (金)

セラ1

Img_9103_w Camera: Canon EOS 5D, Lens : EF24-105 F4L

私は中原中也さんの「頑是ない歌」より、武田哲也さんの「思えば遠くに来たものだ」の歌詞のほうが好きなのですが、それはなにより、出だしの歌詞が好きだからです。

「踏切りの側に咲く コスモスの花ゆらして 貨物列車が走り過ぎる そして夕陽に消えてゆく」

なんとも言得ない、素晴らしい情景ですが、この場合、貨物列車を牽く機関車は9600、貨車はセムかセラであるべきです。たとえ機関車を妥協してディーゼル機関車にしても、貨車は絶対セム、セラで無ければなりません。

なぜなら、コスモスの揺れ方と、走り過ぎ去るスピード、夕陽に消えて行くまでの時間がこの詩の情景でとても重要だからです。

コスモスの花は、ゆっくり走る石炭貨物列車の振動と引き起こす風によってリズミカルに揺ら揺らとゆれる必要があります。絶対に疾走する高速コンテナ貨物列車の風圧で、倒れるようにあおられてはいけません。

走り過ぎる貨物列車はトン.......トンとリズミカルな2軸台車の音で、余韻を残してフードアウトしなくてななりません。決してコキのボギー台車のガシャンガシャンと言った感じの、けたたましい音で走り抜けてはなりません。

できれば、やはり、空には、蒸気機関車の白煙が夕陽に輝きながら、一本の筋になり、貨物列車が遠ざかるにつれ、秋の空気に溶けていってほしい。

実は、私も実際に9600の牽くセム、セラの姿を見たことはありません。写真で見て、レコードを聴いて、自分の中でイメージが出来上がっていて、それがこの歌を聴いたことで、動画として頭の中で動いただけかも知れません。

しかし、セムやセラも保存されているのはごくわずかです。この写真のセム1は九州鉄道記念館のものですが、写真が撮りにくい位置に展示されております。もうちょっと良く見せてくれれば嬉しいのですが。

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コメント

ピンク色の柵がイジワルですね(笑
これじゃ置いてる意味がない様な気がします。
これは珍しい逸品ですね(笑

投稿: SCR | 2008年9月27日 (土) 22時22分

SCRさま、

勝手な想像ですが、JRが鉄道記念館を作ろうとしたら、
「やっぱ、九州は石炭貨車だべ」
「ねぇ、もうねぇよ」
「嘘こけ、あんなにあったものが、ねぇ訳ねぇべ」

「ほんとにねぇんだな.....」
という感じで、やっと確保した一両なので、
必要以上にガードが固いのでは。

投稿: kk | 2008年9月27日 (土) 22時58分

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