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2008年9月 7日 (日)

Mamiya-Sekor P.C.S. 105mm F3.5

Img_4522_w 先日、ホースマンの歴代標準レンズを紹介したところ、ご縁があってVHのボディーをいただくことになり、ホクホクしていたら、またご縁があってもう一つホースマンの標準レンズを見つけました。Mamiya-Sekor P.C.S. 105mm F3.5といいますが、私はコレが何か、当初は知りませんでした。

いつものように、コーヒー豆を焙煎してもらっている間に巡回した店で、中古のレンズボードと変らない値段でソレは置かれておりました。ジャンクの二個一レンズのように扱われていていたのです。良く見るとレンズのヘリにカビ痕があり、シャッターも上手く作動しないので、無いものとして扱われたのかも知れません。私も、ホースマンのボディーでマミヤプレスのレンズを使うのも楽しいかもぐらいの気持ちで連れ帰りました。

ところが、家に帰ってみてみると、これは二個一ではなく明らかにホースマン用に作られたものであることに気が付きました。ホースマンボードにあるTokoは、「陸のトーコー」を意味し、すなわち東京光学の純正のものです。ボードにはシャッターを押すユニットがあり、ニコンFと同じ形のレリーズが取り付けられます。このボタンでTをコントロール出来るのですが、ここが原因でシャッターが作動しなくなったものと思われます。しかしレンズボードにシャッターが付いているのはあおりを考えなければとても便利な機能だったでしょう。

Img_4520_w このレンズは高級レンズとして、かなり気合を入れて作られたものです。ちょっと調べてみると、はたして、このレンズは警察用に作られたホースマンプレス104のレンズだったようです。ホースマンプレス104は警察の特注で製作された官用で、この後、東京光学の設計によるトプコンホースマン960が民生用に発売されレンズもトプコール105mmF3.5になりました。

Img_4523_w その当時、マミヤと東京光学は協力関係にあったので、このレンズは東京光学が設計したものではないかと言われますが、少なくともこのすぐ後に出てくるPro Topcor 105mmF3.5とは微妙に違います。表題の写真のようにTopcorの方が全体的に少し大きめです。

Sekor105f35_1_w Camera : Horseman VH, Lens : Mamiya-Sekor P.C.S. 105mm F3.5, Film: Tmax100 Mamiya68holder F3.5 1/50 せっかくのVHなのでわずかにあおりを加えております。あおりを入れて、合焦点を操作して開放での描写を見てみたいのです。このレンズはTopcorより気持ち焦点距離が短いようですね。コントラスト、解像度とも素晴らしい。優秀なレンズです。正直驚きました。

Topcor105f35_1_w Camera : Horseman VH, Lens : Professional Topcor 105mm F3.5, Film : Tmax100 Mamiya68holder F3.5 1/30 東京光学はこのレンズの後、二代にわたって改良判を出しますが、それはイメージサークルを広げる目的で、中判で使う分にはあまり変りません。少なくともピントあわせではこのレンズが最高です。

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コメント

イメージサークルはどのくらいあるのかな?
シノゴでちょっと蹴られるくらいでしょうか?

二眼レフを造りましょう。

投稿: 會津 | 2008年9月 7日 (日) 11時17分

會津 さま今日は。

このレンズイメージサークルは小さそうですよ。
仰せの通り4x5で蹴られる程度でしょう。

105mmのフランジバックで二眼が作れるとしたら、610師匠
くらいのものでしょう。師匠なら、どう作るかなぁ。

ヘコミボードを二つ作るくらいしか、無いような気がしますが、あの方なら、あっと言う機転で打開するかもしれませんね。

投稿: kk | 2008年9月 7日 (日) 12時49分

こんばんは、セコールの解像は僕のようなド素人にも
はっきり解ります。素晴らしいレンズを入手されましたね
これだから、巡回は止めれませんね。
610師匠に送ってスペシャル二眼になる日をお待ち
しています(笑)

投稿: SCR | 2008年9月 7日 (日) 22時29分

SCRさま今晩は。

実は、ホースマンの4本の105mmを交換して、ビューレンズ、テイクレンズとして使えたら良いなあ、と考えていました。でも実際使ってみるとフランジバックが微妙に違うので、さっきのアイディアは困難であることに気がつきました。

105mmのレンズで45の二眼なんてあり得るのかなぁ。
610師匠なら、なんとかしそうではありますが。

投稿: kk | 2008年9月 7日 (日) 23時40分

ホフマンプレスの時代にはマミヤが標準だったんでしたっけ.
東京光学との提携関係が有ったとは知りませんでした.うむうむです.テッサーなんでしょうか.マミヤプレス・スタンダード用の105/3.5はC3流用のヘリアタイプと思いますがこれはどうなんでしょう.実焦点距離が短いとなるとマミヤプレス23用の100/3.5と共通しているのか.アサカメによればセコールはテッサーの2群目後面を凹にすることで非点収差が劇的に改善云々ということなので,色々楽しめるかもしれませんね.
セコールというだけで市場評価は芳しくなく爾来無視していましたが,次回見掛けたらゲットすることにします  ^^ こちらの影響力は絶大...

投稿: lensmania | 2008年9月10日 (水) 11時38分

ちょっと目を離していると恐ろしい話が持ち上がっていますね。
124mmで考えたことがありますがすでにその焦点でも
無理が出始めます。

ところで先日の単玉レンズのテスト。
マミヤ45mmf:1.8だったかの前玉をひっくり返しにすると
12cmぐらいになりますので試しましたが中心部でのフレアーは出ないし
周辺部のひずみは出るし、やはり単玉で収差補正をしようと
真剣に取り組んでいた時代のものとはまったく味が違いました。

投稿: 610 | 2008年9月10日 (水) 20時35分

lensmania さま、今晩は
マミヤプレスSというカメラに固定でカラーセコール105mmF3.5というレンズが付いていて、それは3群4枚だったはずですが、このレンズも3群4枚なのです。同じレンズじゃないでしょうか。
それに、P.C.Sの由来が気になっているのですが、Pはトプコンシリーズと同じProfessionalのP、CはColorのC、SはSekorのSではないかと愚考しております。つまりプロ、カラーセコールの意味では無いかと....。ダメ?

610さま今晩は
>すでにその焦点でも無理が....
610さまなら、あっというアイディアで何とかしそうなのですが....。

やはり、単タマは奥が深そうですね。実は私もその辺にあるレンズをEOSに付けて遊んでおりました。本当に一枚のレンズで、違いが出てくるのでびっくりしております。

投稿: kk | 2008年9月10日 (水) 21時24分

撮影室の方は何とかなってもファインダー部のミラーが収まりません。
つまり上下のどこかが蹴られてしまいます。
僕の2眼レフはパラックス補正も付けていますがそれどころか
視野80%とか70%になります。
こればかりは物理的に無理です。
レフミラーにせずにビューも真後ろから見れば不可能ではありませんが
真後のスリガラスに映ったものを後ろにはみ出したミラーで折り曲げますか?

投稿: 610 | 2008年9月10日 (水) 21時51分

610さま、
面白い、随分変った二眼レフですね。
105mmを想定すると面白いものが出来ると思います。
4x5では広角ですし、そういうカメラがあれば使いたい人も多いと思います。
そんなカメラ見てみたいなぁ。いつでもレンズは提供いたします。

投稿: kk | 2008年9月10日 (水) 22時29分

大変申し訳ない,完全に勘違いでプレスSの話をしようとしてて,しかもレンズの枚数も間違えています.
4枚玉でしたね (^^;)

投稿: lensmania | 2008年9月11日 (木) 01時22分

lensmania さま、今晩は

カラーセコール105mmで検索したら、マミヤプレスファンクラブのれんずまにあさんの投稿が出てきました。

あれですよ、あれ。

投稿: kk | 2008年9月11日 (木) 19時53分

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