グラジオラス、トリステス
Camera : Canon EOS 5D, Lens : Apo Macro Elmaret 100mm F2.8
実は、このBlogで紹介すべき香りの良い花にかなりの取りこぼしがあります。その理由は、それらの花の写真が撮れていないか、撮った写真を発掘できていないか、そのどちらかです。
さらに、世の中には、私の知らない香りの良い花がいっぱいあります。香りの良い花を全部紹介するのは無理にしても、年に数種類ずつでも追加して行くと、まとまった資料になるかも知れません。地道に更新して行きます。
今回追加する花はグラジオラスのトリステス(Gladiolus tristis)という花です。この花は前に育てておりましたが、写真は撮らずじまい、去年あらたに球根を買い求めて、最近開花し、とりあえず一枚写真が撮れました。
一般的なグラジオラスは夏咲きであるのに比べて、この種類は春に咲きます。最近は春咲きグラジオラスとして品種改良されたものが出回るようになり、にわかに脚光を浴びてきました。グラジオラストリステスはその原種のうちの一つで、南アフリカが原産地と言われております。私の個人的な意見では、品種改良されたどの春咲きグラジオラスより、この原種のトリステスは魅力的です。
その理由の一つが清楚な薄緑の花のすがたであり、もう一つが夕方から漂う香りです。特別に強い香りではありませんが、どことなく懐かしさを感じる青っぽく甘い香りです。この香りを強くして、刺激を加えると夜香木の香りと似てくると思われますが、咲く時期の夜温が低く、湿気も少ないためか、もっと穏やかで軽い香りに仕上がっております。私は、この花を育てていた頃は鉢植えに植えて、夜には寝室に入れておりましたが、安眠を妨害するようなことはありませんでした。
この花の球根は、フリージアに準じるとありますが、実際にはフリージアより困難です。フリージアは私の庭でも、放置され何の加護もなく、下手をすれば他の植物の物陰になりながらも毎年花を咲かせます。
しかし、グラジオラストリステスは庭に地植えをすると二、三年で消えて行きます。かなりデリケートな球根です。おそらく、糸のような細い葉が暑さに弱いことと、厭地を起こすのかもしれません。鉢に植えて、初夏になって葉がかれたら球根を掘りあげて消毒し、また秋に新しい土に植えてゆけば良いと思います。
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