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2008年5月30日 (金)

ジュネが満開

20085273_w Camera : Contax 137MD, Lens : Tessar 45mm F2.8, Film : Kodak GC400, 30c, 6m30s

この春、南フランスのグラースを訪ねた期待の一つは、ジュネの畑をみることでした。もちろん、その時期にジュネは咲いているはずは無いのですが、木を見て、脳内で満開に咲かせるつもりだったのです。

ところが残念なことにジュネの木を見つけることが出来ませんでした。グラースの初夏を黄色に染める様子は想像できません。まあ、レンタカーでも借りてくまなく探せばあるでしょうが、電車の車窓から確認できることは、無いようです。このあたりは高級住宅地っぽくなってきたので、ジュネの畑も無くなってきたのでしょうか。

その代わり、KK宅では今、満開です。隣の家に迷惑がかかるので、かなり切っているのですが、そんなことは全く気にせず元気に花を咲かせております。雨の日には重さで、地べたに着くほどしなうのですが、木が柔らかい為、折れる事もなく花を咲かせ続けます。

花期は一ヶ月弱、飽きるほど咲き続けます。天気の良い日はこの花を見て、香りをかいで、目を閉じれば、もうそこはグラースです。あっワインもいるかな。

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2008年5月28日 (水)

今からでも遅くない

20085272_w Camera : Contax 137MD, Lens : Tessar 45mm F2.8, Film : Kodak GC400, 30c, 6m30s

人間は、同じ店に飯を食いに行くか、違う店を探し歩くか、どちらかだと思います。私は比較的、同じ店にお昼を食べに行くほうで、お昼に行く店は5,6軒です。ということは月曜日はここで何を食べ、火曜日にはあそこで等々、行動にあまり変化がありません。

先日、築地本願寺でNETで知り合った先輩達が待ち合わることを知り、ご挨拶だけでもと思い、地図を見たところ、「近い、歩いていける」ことが解りました。

さっそく仕事を抜けて、ご挨拶に向かったのですが、築地本願寺に着く前に、場外市場があり、美味しそうな食堂がたくさん目に付きました。私としたことが、迂闊な、何年間もここで働いていたのに、こっちに歩いてきたことが無かった。いつも、浜離宮に吸い込まれていたこともありますが、場外市場に昼食を食べに行くことは想定しておりませんでした。

この日は、時間の許す限り巨匠達とお話をしていたかったので、お弁当を買って帰りましたが、必ず戻ってくると心に誓い、場外市場を通過しました。

20085271_w 本日、気合を入れて、お昼を食べにやってくると、さっそく美味しそうなお鍋がかかっている店があり、ホルモン煮込みをいただきました。ここで、ホルモン丼に逝けないところが悲しいところでありますが、私、どちらかというとお肉が苦手なので、白いご飯が別にあった方が良いのです。

煮込みは思ったとおり美味しゅうございました。何故もっと早く来なかった。いや今からでも遅くない。どんどん来よう。

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2008年5月25日 (日)

ラベンダーラッシーの花束

Img_3785_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : Apo Macro Elmarit 100mm F2.8

今日は午後から雨になると言う事だったので、ラベンダーラッシーの下のほうに咲いた花を切って切花にすることにしました。この花は房咲きになるし、一つ一つの花の花びらが多く、また大きさもそれなりに大きいので、雨を吸い込むと枝が垂れ下がって、土に埋もれてしまうのです。

それではせっかく咲いた花がかわいそうだし、またこれから咲く蕾のこともあるので、ある程度咲いた房はバッサリ切って花瓶に突っ込みます。ラベンダーラッシーはもともと多花性なので、咲いた房を全部切花にするのは無理にしても、このまま雨にあたれば悲惨な事になるのは解りきっているので、花瓶の許す限り入れてしまいます。

これが、バラでなく、開花直前の別の花の蕾であれば、人様に差し上げることも出来ますが、トゲがあり、また、花が開いたバラはかえって失礼になるので、それも出来ません。下手すると翌日には花瓶が散った花びらで埋まっている可能性もあるし、蟻さんが10匹ほど花びらの間を見え隠れしているものね。

でも、それを気にしなければ、この花瓶の周りは幸せに美しい世界です。このバラは、このように同じ種類のバラを花束にするほどに美しさが増します。一つ一つの花は「ゆるい」のですが、そのゆるさがたくさん集まることによって、幸福感がでてきます。

それに、この花の香りは、何にも変えがたい魅力があります。ダマスクローズのような典型的なバラを思わせる香りに、「ゆるさ」を感じさせる甘さが加わります。それを「ダマスクをもっと上品にしたような香り」とあらわした方もおられます。

上品にするという事は、よりきつくすることではなく、少しマイルドに優しくすることです。このバラの香りの場合、ムスクの柔らかい甘さ「ゆるさ」が加わったことで、上品な感じになったのではないでしょうか。

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2008年5月24日 (土)

日テレ大時計の側に住むネコ

R0011188_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

汐留、SIOSITEの日テレ大時計の前、資生堂ビルとの間の緑地に何匹かのネコが住み着いております。こいつらは、いつから此処に住み着いているのか定かなことは解りませんが、子猫がここにいた記憶があるので、おそらくその子猫が大きくなったものでしょう。

でも確かあの時は親ネコもいたハズだけど、どうしたのかな。と、この写真を撮りながら考えました。この場所にネコが住み着いているのは知っていても、いったい何時から、何匹で、どんなネコが暮らしているのか確かめたことは無いのです。

それに、持っているカメラが広角レンズが主体なので、遠くにいるネコをちゃんと写したことも無かったのです。こんな風に、地域ネコについて、そこに暮らしていることは知っていても、詳しいことはあまり知られておりません。

ひょっとして、変に詳しく知っていると、そこの地域ネコの問題に関する責任を押し付けられる恐れもあるので、人は詳しく知りたがらないのかも知れません。

例えば、この三匹のネコをタマ、ジジ、トラとか呼んで、餌をあげようものなら、いきなり、「あんただね、ここで野良猫を飼っているのは」みたいな目でみられてしまいます。だからネコ好き人間はさりげなく、餌を置いて遠巻きに眺めたりします。

「こっちにおいで、チッチッチ」とか手招きをするのは、大抵の場合一見さんで、彼らはこの場所では、所詮「よそ者」だから、自由にネコに話しかけたりするのです。

真剣に考えれば、彼らの立場は非常に微妙ですが、彼らはその事にまだ気が付いておりません。会社が引ける時間になれば、何となく集まり、何となく食べ物をもらい、満腹になると、のんびりと昼寝をするだけです。ここの植栽が人間との距離を上手く調節しているので、これから先も平和に共存していくことでしょう。

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2008年5月22日 (木)

ネオン展

20085212_w Camera : Contax 137MD, Lens : Tessar 45mm F4.5, Film : DNP 400, 30c 6.5m

今、汐留でネオン展をやっています。入場無料、アンケートで好きな作品を記入すると、そのボールペンを記念にもらえます。それに、嬉しいのは撮影自由、好きなように撮影してよいとのこと。

ネオンアートは、ネオン管の制約、つまり電極がある、一筆書きになるという制約がありますが、その制約の中でアイディアがあり芸術があります。

何より、暗いところで、極彩色に輝くネオンは無条件に美しいです。

20085213_w (ちょっと調子悪かったみたいです。)どうぞ、見に来てください。24日まで。

20085201_w Camera : Mine six , Lens : Zunow 75mm F3.5, Film: Fuji PN 800, 30C,6.5m(私のお気に入りの蝶々、本当はこんな感じで飛んでます)

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2008年5月18日 (日)

色の道への第一歩

20085173_w Camera : Rolleiflex SL35E, Lens : Planar 50mm F1.8, Film Kodak GC400, Home made Developer 30c 7m

先日、フイルムというフイルムは何でも現像してしまう、SCRさんの画像掲示板でキリ番をめでたく、踏むことが出来ました。何か下さると言ってもらったので、ありがたくネガカラーの現像お試しセットをいただきました。これで、私も色の道に一歩踏み込むことができます。

カラーネガの現像は発色現像、漂白・定着の2液処理か、発色現像、漂白、定着の3液処理で行ないますが、私は出来れば漂白液を再生使用、定着液を白黒と共用する方法をとろうと考えていたので、3液処理で行います。

実は、発色現像と漂白液を自家調合する予定で薬品を仕込んでいたのですが、SCRさまから実績のある薬をもらったので、比較しながら調合をテスト出来ます。それ以前に失敗した場合、何が原因か訳が解らなくなるので、実績のある処方を組み込むと、それ以外が悪いことがすぐ解るのでとても便利なのです。

今回は、発色現像液を自家調合して、漂白と定着液を送っていただいた薬品の処理方法で現像することにしました。

発色現像液の調合は簡単です、というか、CD-4という現像主薬を使う以外に無いので、処方は、1.薬品を持たせる処置、2.CD-4が働くPH調整、3.現像抑制の薬を混ぜるだけです。ネガカラーの現像キットのC41代用処理は通常、PH調整に炭酸カリウムが使われておりますが、WEBで検索すると炭酸ナトリウムで置き換える処方が見つかります。

私は現像ムラにトラウマがあるので、なるべくゆっくり現像が進む方が良いので、PHをあまり上げずに現像を行なう炭酸ナトリウムを使った処方でテストを行ないました。

20085174_w 最初の一本目が表題の写真と右のもの。カラーのネガを作るために久々に35mmのフイルムカメラを持ち出しましたが、トラブル続出で、まともに写ったコマが少ないオバカな結果になりました。現像結果は何となく、現像オーバーしている感じですね。

20085181_w Camera : Contax 137MD Lens : Tessar 45mm F2.8 Film Fuji Superia400, Home made Developer 6.5m

カメラをもっと信頼できるものに変え(本当はかなり、危ないけど)、たまたま行った中華街で試写します。もっともフイルムを忘れてしまったので、フイルムは苦労して手にいてたFujiに変っております。もう観光地でも、ネガフイルムさえ手に入らなくなってきましたね。現像時間を30C6.5分に短縮しました。それでもやや押しているきがします。

20085182_w あまり、青っぽいものを写していないことに気が付いて、水族館の看板を写しておきました。現像してみるとちょっとマゼンタに偏った傾向が見られます。でもこれは調整できる範囲でしょう。あと30秒、短くするかこのままにするか、悩ましいところです。

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2008年5月17日 (土)

通勤路に野いばらの香りが降ってきた

R0011145_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

昔、小学校への通学路に名前の知らないバラが咲いているところがあって、その香りが私の原風景の一部として残ったために、そのバラを探すことを続けていたという記事を書いたことがあります。

何のことは無く、そのバラはどこにでもある野いばらであったのです。ところが最近通勤路でデジャブーのように香りの記憶がよみがえる瞬間があって、周りを見渡すと、上から野いばらが垂れ下がって咲いておりました。朝の野いばらの香りは、バラの香りであっても、何か全く特別な、安らかさと懐かしさを感じさせるものです。私がこの香りで、瞬間的に香りの記憶がよみがえったのは、子供の頃の体験だけでなく、子供ながら感じた思いが、継がれていたからだと思います。日本が原産の野ばらの香りは、たぶん、共に生きてきた人たちに潜在的に刷り込まれているのかも知れません。

R0011137_w ところで、上から香りが来るというのも変ですが、通勤路に片方を崖にした坂道があるので、その崖の上から野いばらとスイカズラが垂れ下がっている所があるのです。

この場所に野いばらとスイカズラが垂れ下がっていることは前から知っておりましたが、以前は崖の上部に確認できる程度だったので、成長してどんどん垂れ下がって、道を歩くひとに香りを伝えるほどになったのでしょう。

写真は、野いばらが終わりかけスイカズラが咲きだした頃に撮ったものなので、この頃は少し感じが変っておりました。でも、野いばらとスイカズラが混じった香りというのも、形容しがたいくらい良いものです。

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2008年5月14日 (水)

大庭商会の今

R0011149_w 新橋の大庭カメラが閉店してから日がたちました。おかげで、お昼を食べ終わった後、行くところもなくなりました。天気が良ければ浜離宮でも散歩するのですが、この天気じゃねーと、これまでの習慣で大庭カメラに行くと、なんと、開いている。入り口には自由に持ち帰って下さいとジャンク品が、ご丁寧に紙袋つきで。

R0011154_w これは、夢か幻かと思いつつ、店の人に声をかけました。「久しぶりですね」「ああ、どうも」「残ったものの整理ですか」「あのセールで9割がた売れて、残りを業者に渡して、片付けをしているんだよ」「カメラのケース1000円で買わない」「要らないけど買う」。

R0011177_w みたいな話をしてライカのカメラケース2個とハッセルのケース1個を買いました。ライカのカメラは持っていないのですが、もし、万一、ライカのカメラを持つことになっても、カメラケースなんて買えないので、良い機会かもしれません。何よりも、まがりなりにも店が開いているのが嬉しかったので、買い物をしたかったのです。

「やっぱり、この店が無くなるのはショックだなぁ、たとえ買い物をしなくても覗いているだけで楽しかったのに」「結構、みんな、そう言ってくれるんだよね」「ここ、これからどうなるの?」「建物も古いし、壊して、何か新しいものが建つんじゃないかな」「フードとか欲しいものがあったら裏から持って行っていいよ」「裏?」「そう、こっち」「ギャー!!!何これっ」「探すの面倒くさいから、無いことにしてたんだ」

R0011176_w 久々に、コインのつかみ取りの感覚を味あわせてもらいました。そう、手がビンから抜けなくなる事は解っているのに、思い切りつかんでしまうあの感覚です。なんか、申し訳ないので、全部合わせて5000円。結局、これが最後の買い物になりました。

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2008年5月13日 (火)

黄菖蒲は景色を明るくします

Img_3733_w Camera : Canon EOS5D, Lens : EF100-400 f4.5-5.6 L

あやめ、杜若、花菖蒲、黄菖蒲、菖蒲、さらに最近はジャーマンアイリスなどと言う花がポピュラーになってとても紛らわしいですね。このうち菖蒲だけが別物なのは名前のつけ方として、どうよ、と思うのですが、いまさらどうしようもありません。せめて、黄菖蒲を日本に入れた時、もっと別の名前をつけてあげれば良かったのに、と思います。

何故なら、黄菖蒲は日本の各地に繁殖し、まるで古来からの在来種のように自然に繁殖しているからです。菖蒲は黄菖蒲にその名前を食われてしまった感があります。

それは、さておきこの花は日本で、上手に暮らしております。湿地というあまり人の邪魔にならないところに生え、丈夫に成長し繁殖します。繁殖しても、敵意をもたれないように目立つ美しい花を咲かせ、その気になれば簡単に抜かれる潔さも見につけております。

写真の花は、家の近所のあまり綺麗とはいえない池のほとりに群落を作って咲いている黄菖蒲です。おそらくこの殺伐とした池に彩りを与えるために植栽したのが始まりでしょう。Img_3744_w  (カメも花見によって来ます.....) この花が咲いていると、実際、景色が明るくなります。これが杜若や花菖蒲であれば、景色はこれほど明るくないし、また、殺伐とした池の景色に引きずり込まれるでしょう。さらに、盗掘の心配だってしなければなりません。黄菖蒲はこんな所にぴったりの花なのです。

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2008年5月11日 (日)

水漏れと光漏れ

200859_2_w Camera : Pearl III, Lens : Hexar 75mm F3.5, Film : TX400, EI=200, HC110

また、光線漏れの話題で失礼します。どうも使うカメラに光線漏れが多発して、光漏れ対策に追われているのです。今回はPearl III、前からフイルムのエッジに感光部があったのですが、あまり影響無いだろうとたかをくくっていたら、だんだん酷くなって来ました。

そういえば、水漏れと光漏れのどっちが始末が悪いか真剣に考えたことがありました。その結果は水漏れの方が始末に悪い。何故なら、何処をどう廻ってくるか解りにくいから、でした。その点、光は直進するので楽だろうと考えたのです。

カメラの光漏れの場合、現像したフィルムを裏紙に貼り付けて、撮影を再現すると、光線漏れが、何処からどうフイルムにやってきたかわかります。今回はフイルムの巻き取り部分で右下からスプールを影にしてあたっております。一コマの撮影が終わったフイルムはスプールに巻き取られますが、そのスプールのところで感光しております。蛇腹カメラは120というブローニーの裏紙のあるタイプのフイルムを使うので、光が漏れてフイルムにあたった方向もわかるのです。

R0011135_w 後は、100円ショップで買った小型のLEDライトのスイッチを固定して、カメラの中に放り込み、暗室(私の場合は押入れ)でどこから光が漏れたか調べるだけです。

ところが、ヒンジのところからカメラの中の光を確認できるものの、肝心の光線漏れの箇所から光が漏れて来ません。当初思ったより、複雑な経路を通っているようです。その中で考えられたのが、金属の劣化で右のフイルム室から蛇腹を固定している近辺に小さな亀裂があるかも知れないといった程度のものでした。蛇腹の付け根の付近にぼんやりと、光が見えるような気がするのです。光漏れの場合も光が廻ってくるので、経路が簡単には解らない時もあるのです。

いずれ、右のフイルム室の内側をフイルムの動きが妨げにならない程度でパーマセルで覆ってしまいます。

原因は解らず、対策も幼稚ですが、これで何とかいけそうです。これが、水漏れならば、こんな処置をすると、中に水が溜まって大変なことになるでしょうが、光漏れならこれで充分、やはり、水漏れより光漏れのほうが始末に良いのです。

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2008年5月10日 (土)

Hasselbladの光漏れ

200856_0_w Camera : Hasselblad 201F, Lens : Planar 110mm F2, Film : TX400

Hasselbladはよく、フイルムバックから光線漏れを起こすのですが、通常紹介されているのは、テレンプの劣化による脇からの光線漏れです。したがって、作例のように中央にドドーンと光線が漏れると何が悪いのかよく解りにくくなります。

この写真はHasselblad201Fで撮っておりますが、このカメラの場合、ミラー室の下部にある受光素子を囲む金属片が内面反射して光線漏れのような像を画面の中央に作る時があります。しかしその場合は楕円形なので、この作例にあるような派手なものとは違います。

それに、この場合、光線漏れの起点が線でありますので、光線はフイルムに近い位置=フイルムバックから漏れたものだと想像がつきます。

それでは、何が原因か、現像したフイルムを裏紙に貼り付けて、再現テストを行ないます。すると、光線漏れの箇所はフイルムバックの上部、金属の継ぎ目であることが予想されます。あるコマの画像を撮影ワクにあわせると、巻き込まれた前のコマが中ワクの上部に来て、光線漏れの箇所と継ぎ目が一致するからであります。

R0011133_w ここから光が漏れる原因はおそらくテレンプの劣化と思われますが、とりあえずこの継ぎ目をパーマセルでテーピングしてテストして見ます。その結果は全く光線漏れが起きておりませんので、やはりこれが原因でしょう。

また、パーマセルとフイルムが干渉した形跡も無いので、これで当面使用することにします。

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2008年5月 8日 (木)

グラジオラス、トリステス

Img_3649_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : Apo Macro Elmaret 100mm F2.8

実は、このBlogで紹介すべき香りの良い花にかなりの取りこぼしがあります。その理由は、それらの花の写真が撮れていないか、撮った写真を発掘できていないか、そのどちらかです。
さらに、世の中には、私の知らない香りの良い花がいっぱいあります。香りの良い花を全部紹介するのは無理にしても、年に数種類ずつでも追加して行くと、まとまった資料になるかも知れません。地道に更新して行きます。

今回追加する花はグラジオラスのトリステス(Gladiolus tristis)という花です。この花は前に育てておりましたが、写真は撮らずじまい、去年あらたに球根を買い求めて、最近開花し、とりあえず一枚写真が撮れました。

一般的なグラジオラスは夏咲きであるのに比べて、この種類は春に咲きます。最近は春咲きグラジオラスとして品種改良されたものが出回るようになり、にわかに脚光を浴びてきました。グラジオラストリステスはその原種のうちの一つで、南アフリカが原産地と言われております。私の個人的な意見では、品種改良されたどの春咲きグラジオラスより、この原種のトリステスは魅力的です。

その理由の一つが清楚な薄緑の花のすがたであり、もう一つが夕方から漂う香りです。特別に強い香りではありませんが、どことなく懐かしさを感じる青っぽく甘い香りです。この香りを強くして、刺激を加えると夜香木の香りと似てくると思われますが、咲く時期の夜温が低く、湿気も少ないためか、もっと穏やかで軽い香りに仕上がっております。私は、この花を育てていた頃は鉢植えに植えて、夜には寝室に入れておりましたが、安眠を妨害するようなことはありませんでした。

この花の球根は、フリージアに準じるとありますが、実際にはフリージアより困難です。フリージアは私の庭でも、放置され何の加護もなく、下手をすれば他の植物の物陰になりながらも毎年花を咲かせます。
しかし、グラジオラストリステスは庭に地植えをすると二、三年で消えて行きます。かなりデリケートな球根です。おそらく、糸のような細い葉が暑さに弱いことと、厭地を起こすのかもしれません。鉢に植えて、初夏になって葉がかれたら球根を掘りあげて消毒し、また秋に新しい土に植えてゆけば良いと思います。

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2008年5月 6日 (火)

近所にショッピングセンターが出来た

R0011118_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

(モータープールの時はあることも知らなかった高圧線が、SCの真中を走ります)

連休も今日で終わりです。この連休の間、埼玉に新しくできたアウトレットショップの渋滞が懸念されておりましたが、どうだったのでしょう。あんなものが近くに出来ると生活道路が突然渋滞し、近所の住民はただ、迷惑なだけです。

私の家の近くにも、某大手自動車会社がモータプールを改造して、ショールーム兼ショッピングセンターを作ったので、埼玉のアウトレット付近の住民には遠くおよばないものの、道路が渋滞して困る気持ちはわかります。

R0011123_w (自動車会社だけあって、車輪のあるものは結構面白いものを作ります。ここのショッピングカートは子供に大人気)

だいたいあのメーカーは車を作るのは上手だけれど、大勢の人が集まる施設を作るのが下手です。どこかのサーキットもアクセスが悪くて難儀をしているという話を聞きます。今回のショッピングセンターも「渋滞の起こらない駐車場」をこの近所で宣伝していたと記憶していますが、実態は大はずれ。駐車場が渋滞の巣になっております。

R0011117_w (ここの一番人気は、ブロックで組み立てるバッテリーカー。意外にもスポンサーは大手の石油会社。)

まあ、出来たばっかりで、もの珍しさも手伝うので、混んでいるだけかも知れません。半年で閑古鳥は可愛そうなので、それは望みませんが、せめて渋滞だけは解消して欲しいものです。

R0011128_w (高圧線の真下でガーディニング。これズームの最広角で撮っています。どれくらい線が近いか想像dきるでしょう。あまり気持ち良いものではありません。こいのぼりみたいなものが引っかかってるし。)

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2008年5月 5日 (月)

村の鍛冶屋

2008425_1_w Camera : Pentax 67, Lens : SMC Pentax 75mm F2.8, Film : TX, EI=200, Pyrocat HD

昔、小学校に行く途中に鍛冶屋が一軒。中学校に行く途中にまた一軒ありました。鍛冶屋の中は黒く暗いものでしたが、たまには石炭か炭の炉に赤々と火がくべられて、ゆらゆらと周りの空気をゆらし灼熱した鉄の塊が取り出され、鍛えられ、オレンジ色の火花を散らしておりました。

騒音もかなり酷く、鍛冶屋は遠くからでも存在感がありました。幼少の頃は恐ろしい作業に思っておりましたが、だんだん年をとるにつれカッコよい作業に思えて来ました。なんでもない鉄の塊からいろいろなものを自由に作れるなんて、すごいことです。

ただ、その頃になると鍛冶屋は無くなるか、残っていても炉に火が灯ることは無くなっておりました。村の鍛冶屋は徐々に消えていったのです。

おそらく、小さな村に鍛冶屋が何軒かあった理由は農機具の作製と修理のために仕事があったからでしょう。農業が機械化され、手作業用の農機具も大量生産の製品が入ってくると、鍛冶屋は仕事が無くなり、廃業していったのでしょう。

小さな村に一軒の鍛冶屋をもつことは難しいですが、現在まだ残っている鍛冶屋は頑張って欲しいものです。

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2008年5月 3日 (土)

ミネシックス III S

Img_3653_w ミネシックスというカメラは今は無き高嶺光学というメーカーが、1955年から1957までの間の数年間、作っていたカメラです。高嶺光学はこの3年間に4回モデルチェンジしております。この回数は今のデジタルカメラのモデルチェンジにも劣らないスピードですが、ブローニーの蛇腹カメラの終焉の時であり、メーカーの社運をかけて改良を続けた結果でしょう。

Img_3660_w 結局このような努力にも関わらず、カメラはライカ版の小型カメラの時代になり、中小のメーカーは淘汰されて行きます。ミネシックスは最初の機種からヘリコイド繰り出しによるレンジファインダー式の高級蛇腹カメラでしたが、そのなかでも異色なのがこのIIISモデルです。

Img_3664_w 他の機種が赤窓式の6x6,645兼用であるのに対し、III Sは自動まき止め式6x6専用です。さらにこの機種のレンズはズノー光学のレンズが使われています。
これが次のモデルのスーパーミネシックスになると、内蔵露出計との競合の関係からか、また赤窓式に戻ってしまいます。

当時、露出計内臓の威光は今では考えられないくらい良いものだったでしょうし、645のニーズは欠かせないものだったのでしょう。今から思えば、IIISからスーパーにスペックダウンしたように見えますが、当時のマーケッティング上は必然的な進化だったものと思われます。しかし、フイルムも高感度のものが安くなり、露出計も中途半端なものは要らない時代になると、IIIS型のスペックが圧倒的に高級品に見えるのです。

このカメラの美点である自動まき止めは、現在のフイルムでもきっちりコマ割されます。この点はコマ間がちゃんと取れないイコンタのスーパーシックスと比べて優れております。また距離計と連動するピント合わせもヘリコイド式なので、この点でも前玉回転式のスーパーシックスよりすぐれております。

2008429_4_w Camera : Mine six III S, Lens : Zunow Zuminor 7.5cm F3.5, Film : TMY-2 EI=400, F=5.6 1/50Sec

また、このカメラの最大の特徴であるズノー光学のレンズですが、これはズノー光学が製作したものではないとの噂があります。その根拠は当時のズノー光学にはライカ版の50mmF1.1のレンズは作れても75mmF3.5のレンズを作るノウハウが無かったとか、マニアックで高度なレンズを製作していたズノー光学が75mmF3.5等という凡庸なレンズをつくるはずが無いといったところでしょうか。

このカメラのつくりでは、このレンズでぎりぎり、1mmの余裕もありません。どんなメーカーでもこのカメラのレンズを作るとしたらこのスペックしかありえないのです。しかし、カメラは短期間にモデルチェンジをしていることから、ズノーが自由に設計したレンズに合わせてボディーを作ったということは考えられないので、設計は巷間でうわさの通り、大船光学で設計された既存のものを使ったことは十分考えられます。

ただ、あれだけ独創的なレンズやカメラを作ったメーカーが、名前だけ貸すような商売をしたとは思えません。堂々とズノー光学の名前とシリアルナンバーをレンズの全面に出しております。したがって、製造はズノー光学が行っていたのではないかと思います。もっとも、大船光学は由緒ある光学専門メーカーだったので、製造を任せて検査だけを行ってシリアルをつけたとしても、ありえる話だと思います。

2008429_1_w Camera : Mine six III S, Lens : Zunow Zuminor 7.5cm F3.5, Film : TMY-2 EI=400, F=3.5 1/50sec

いづれにしても、ズノー光学の名前で世にだされ、宣伝に使われ、製品として残ったレンズであることは確かです。

2008427_2_w Camera : Mine six III S, Lens : Zunow Zuminor 7.5cm F3.5, Film : RVPF, F=3.5 1/50sec

レンズの印象はテッサーよりヘキサーに近い感じがします。柔らかな繊細さを持っております。リバーサルカラーで撮った場合、カラーバランスは少し黄色に傾く傾向があるようです。左の作例は最短でのパララックスを見る為に撮ったショットですが、結構ずれてます。スキャナーで補正していますが、原版は何となく黄色っぽい発色をしております。

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2008年5月 1日 (木)

今日はメーデーだったみたいです

R0011107_w Camera : Ricoh GX100, Lens : Ricoh Zoom 5.1-25.3mm F2.5-4.4

私はメーデーって縁が無いので、この日にお休みになる人たちを、いつも羨んで見ております。

いろいろな団体が通り過ぎますが、大抵は気の無い行進です。まあ、平和な証拠ですね。

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