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2008年4月12日 (土)

多摩森林科学園で保存される荒川堤の里桜

Img_3487_w Camera : Canon ES 5D, Lens EF24-105 F4L

(兼六熊谷、花には香りがあるそうです、その花びらの香りは確認できませんが、木の周りには桜の香りが漂います)

里桜とは、原種の山桜等から品種改良された、いわば園芸品種です。しかし原種の山桜に対して里桜と呼ぶところに趣があり、歴史を感じさせます。
昔、その里桜を集めて堤防に植えるという美しい作業を行なった事がありました。その堤防は今の隅田川にあたる昔の荒川で、そこに集められた里桜が今も栽培される里桜のルーツになり、新たに名前も付けられたものもありました。下の写真の荒川匂桜という名前の桜もここに植えられていたことが名前の由来になっております。

Img_3442_w 荒川堤に、同じ桜でも里桜が植えられた背景には、樹齢が長く巨木になる江戸彼岸や山桜より、巨木にならない里桜の性質が堤防向きとされたのかも知れません。
あるいは単純に、いろいろな桜を長く楽しめる為だったかも知れません。その当時荒川堤のお花見は四月の中旬から下旬だったとされております。

この荒川堤の桜はその後どうなったかというと、水害と公害の影響で徐々に減り、戦争の影響で壊滅しました。最近、また植栽をする動きがあるようですが。

この、全滅した荒川堤の里桜のうちどれくらいの種類が、クローンを避難させ、保存できたかは解りませんが、その片鱗は多摩森林科学園のサクラ保存林でみることが出来ます。
ここは日本の桜の遺伝子を保存することを目的に設置されているので、各種の桜を見ることができるのです。

ここの特徴は山に自然に桜が植えられ、桜にとっては環境が良いことでしょう。桜の遺伝子の保存としては、最適な措置だと思います。

ただ、桜を近くでじっくり見たい人にとっては、管理が厳しく少々物足りないかも知れません。各種の匂桜はあっても桜の花の匂を楽しむことは難しいからです。

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