orzの至芸
プラハでは、よく乞食を見かけました。最初に出会った時、何となく形になっていたので、幾らかの金を払って写真を撮らせてもらおうか、などど考えておりました。が、何度か出会っているうちに目が肥えてきて、これはダメ、さっきの方が良かった、とか品表するようになりました。最後には、まだまだ全然ダメジャン、と心の中でダメだしをするようになってしましました。
これは立派な大道芸なのです。この芸で良いパフォーマンスを得るにはいろいろな要素が必要になると思います。
1、通行人に気づかれなければならない。2、通行人に哀れさをアピールしなくてはならない。3、通行人に危険を感じさせてはならない。4、通行人に不潔感を感じさせてはならない。5、.通行人に金を恵んでも良いと思わせなくてはならない。6、以上のことを、動作を使わず、言葉も使わず、静止のポーズで行わなければならない。
これを実現する為に、考えられる対応は、1、車の往来が無く、人通りの多い通りの隅に、小さくかしこまります。2、服装は地味でありながら、破れや汚れがあまり無いものを選びます。垢がういていたりフケが酷かったり、臭そうだと通行人は避けて通るので、注意します。3、絶対服従の姿勢をとり、心を空にすること。このポーズは凶器を隠しているようにも見えますから、心を静かに落ち着けて、力を抜き攻撃性が無いことを示します。
4、決して通行人を見てはいけません、ましてやにらんだりしない。通行人は3m先から避けて通ります。5、美しさは大切です、動きが無い分、静止している姿が絵になっていなくてはなりません。
もし、乞食が街の景色として絵になっていれば、通行人はそのパフォーマンスに金を払うでしょう。この写真の乞食は少々頭が高いようですが、気品があって、この場の雰囲気にあっております。TPOを熟知した至芸であります。
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コメント
まずはKKさまの観察理論に感動しました。
まさにこの方たちの姿勢は至芸の域ですね。
3枚目の体を屈めた人の姿は品格と云うか芸術の雰囲気が漂ってきます。
夫々に己を観察し姿を作ったいらっしゃいます。
僕なら1枚目の方に憐みのコインを、3枚目の方には出会いの感動のコインを1枚。
投稿: 610 | 2008年4月10日 (木) 10時02分
参考になるなぁ。
「おっ!! 家内」が怒ったとき、この姿勢で謝ろう。
投稿: 會津 | 2008年4月10日 (木) 15時22分
いやぁ~これは驚きました。
ところ変われば様変わる..ですね。ビックリ!
コイン出してもいっぱい撮らせて頂きたいです。
ボクもカメラが家に着いたら、奥にこうやって
謝ろう..。
投稿: SCR | 2008年4月10日 (木) 22時42分
皆様、今晩は。
動物とか、包帯とかハーモニカのような道具を使う物乞いはいろいろな街にいますが、ここまで徹底して身一つで行なうところに、こだわりというか芸を感じました。
観察していると、最初の写真の人と最後の人の成績が良いようでした。真中の人は、頭は低いものの、狭く、酒屋も並ぶ通りでこのポーズでは、酔っ払ってゲロでも吐きそうに見えるので、みなさん避けて通っておりました。
この道もなかなか厳しいようで。
投稿: kk | 2008年4月10日 (木) 23時57分