« 結局、本日はラッキーでした | トップページ | プラハのスナップ »

2008年3月29日 (土)

ウィーンとプラハを結ぶ鉄道

Img_2740_w ウィーンからプラハを往復します。本当は行きと帰りを別ルートにしたかったのですが、時間と料金を考えて往復にしました。またこの間には夜行列車も走っているのですが、これにしても個室寝台にすると今の時期ではホテルより高くなります。結局ウィーンのホテルに泊まって朝早くのオストゼーバート・ビンツ Ostseebad Binz 行きECに乗ることにしました。列車は出発してしばらくするとスロバキアとの国境付近のモラヴァ川の湿地を走ります。2007年の12月からチェコもスロバキアもシェンゲン協定に加盟してパスポートコントロールが無くなっておりますが、まだ、監視施設のようなものが見られます。

プラハに行くには、ユーレイルパスのほかにプラハエクステンションパスが必要になります。このパスはユーレイルパス圏内からチェコの国境を経てプラハにいたり、またその逆について有効です。セコイことを言えば国境までの距離が長いほどお得なので、ウィーンとプラハの間は価値があると思います。

朝6時すぎにウィーン南駅で乗る列車を探します、乗った車両はチェコ国鉄のものですが、なんとなくDBかOBBに似ております。新しく快適なのですが、似た塗装ばかりになるのは面白みにかけます。
牽引する機関車は確認できませんでしたが、1116系で間違いないでしょう。
車窓は広い穀倉地帯を走るか、ちょっとした森のなかを走るかどちらかです。美しい車窓ではありますが、変化に乏しいので自然に、駅に止まっている機関車や客車、貨車ばかりに目が行きます。

Img_2748_w チェコの電化は基本的に直流3000Vの電化で南部のオーストリアとの国境付近が交流25000Vです、そのためチェコに入るとBreclav で機関車は交換になります。チェコの電気機関車はClass1xxが直流Class2xxが交流、Class3xxが交直両用です。窓の外で止まっているClass230を見ると、大丈夫かよ、という気分になります。

Img_2770_w 実は、この列車はBrnoの駅で立ち往生してしまいました。しばらくして動き出しましたが、エンジントラブルがあったと放送が入りました。窓から先頭車を見ると電気機関車の重連で運転されております。ここの線形からみると、通常はこの程度の牽引で重連を組む必要はなさそうなので、明らかに1台は救援です。

Img_2827_w プラハに着いて早速見に行きましたが、後ろについていたのがCLASS350スロバキアの機関車です。この機関車は直流3000Vと交流25000Vの両用機関車で、「ゴリラ」の異名を持つハイパワーで、最高速も160Kmまで出せます。ただ全機がスロバキア国鉄に所属し、チェコ国鉄が保有する機関車ではありません。しかし、ECは要求が厳しいので、この線区を走れて、最もパワーのある機関車を借りて運用しているのでしょう。

Img_2826_w 前についていたのがチェコのCLASS363かその改良型の362、おそらく高速走行対応している362の方でしょう。

プラハでこの重連は外され、ここからドレスデンまでCLASS372か、高速走行改良型の371が牽引します。今度はDC3000VとAC15000Vの交直両用機関車が必要なのです。

Img_3090_w 翌日プラハからの帰りはスーパーシティという新鋭の特急電車でした。列車の名前はスメタナ号といい、車内放送のチャイムがモルダウをアレンジした曲です。このスーパーシティーの電車はClass680ペンドリーノと呼ぶのですが、どこかで聞いたことがあると思ったらイタリア鉄道の振り子電車です。基本設計はスイスに乗り入れるETR470をベースに、オーストリアとスロバキアに乗り入れるためDC3000V、AC15000V,AC25000Vの3電源に対応できます。

Img_3095_w 私はプラハからウィーンまで特に線形が悪いとは思えず、振り子電車の効果はどうよ、と思っていたのですが、少なくとも機関車の交換がない分、明らかにこの電車はメリットがあります。ファーストクラスに乗ると、飲み物やスナックのサービスがあって、得した気分になります。

Img_3113_w この写真は帰りの車窓に湖らしいものが見えたので撮ったものですが、vodni nadrzでしょうか。今回、チェコはこれで最後ですが、秋の景色も見てみたいものです。

|

« 結局、本日はラッキーでした | トップページ | プラハのスナップ »

コメント

こんばんは、スゴイですね、海外の車両にもお詳しいです。
DC3000Vってスゴイですね。客車列車が160km/hとは
線形もそれなりに整備されているのでしょうね。
プラハかぁ..行ってみたいです。

投稿: SCR | 2008年3月29日 (土) 22時32分

SCRさま、今晩は。

欧州は何だかんだで鉄道大好き、なんだと思います。
各国に意地があり、各国のメーカーの都合もあるので、電化事業や機関車に気合を感じます。

今回改めて思ったのは客車と機関車の組み合わせの素晴らしさです。機関車を変えれば客車は何処にだって行けるのですから。

あ、それからプラハは良いところです。何が良いかというと、毎日が村祭りの夜みたいなところでしょうか。

投稿: kk | 2008年3月30日 (日) 00時17分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 結局、本日はラッキーでした | トップページ | プラハのスナップ »