お正月はヒマなので、毎年のようにカメラを作って過ごしております。カメラを作るといっても、大したことは出来ないので、レンズとフイルムホルダーの間のスペーサーを作っているだけです。それだけのことなのに、お正月の三が日を費やし、出来るものはバッチイものばかりです。
それを自覚しているので、はっきりとした目的意識を持って作るようにしております。目的がはっきりしていれば、その目的に達すればよいのですから、出来上がったものがどんなにバッチくても言い訳になるのです。
それで、今回の目的は、Super Angulon 38mm XLを使う為に、小型で携帯性が良く頑丈なカメラでありました。フイルムフォーマットは6x9または6x7。ISO400のフイルムを使う。
そこで、赤窓の蛇腹カメラの改造は意味が無いのでフイルムホルダー式にします。また、この手のカメラはどうしても縦長になりがちですが、そうすると収納に困るので横長のフイルムホルダーを使う事にします。6x9を想定すると、どうしたってある程度横幅が広くなるのは覚悟しなくてはなりませんから、いっそうのこと横幅を広げて縦を圧縮したほうが収納的には楽なのです。
この段階で「マミヤプレスのフイルムホルダーを使った最小のカメラ」が見えてくるので後は現物あわせで作ってゆくだけです。フランジバックがほとんど無いので、ピントはヘリコイド付きリンホフボードに任せます。前と後ろが決まれば、あとはスペーサーを強度を保ちながら作って行くだけです。
今回はマホガニーの部材がDIY店にあったので、パーツに切って組み合わせてスペーサーを作りました。アルミ版で補強して、フランジと関係ないところはグリップを作る等してなるべく分厚くしております。複雑な金属加工が出来ないので、底板がアルミの平板になってしまうので、なるべく強度をかせぐ必要がありました。ただ、せっかくのマホガニーと思うがゆえに、中途半端に木材を露出させているので、見た目がバッチイですね。
試写の結果は光漏れもなく、このまま使えそうです。ファインダーはそのうち、もっと視野率が高いものに変える予定です。ただ、これはカメラのせいでは無いと思うのですが、太陽を入れるような撮影をすると、内面反射がおこるようです。サンプルでは右上に太陽があり、左上の隅から1cm程度下から「の形で右下全体に内面反射が起こっております。フイルム面とレンズが近すぎる為であれば、もうどうしようも無いのですが、原因が気になります。
最後に、このカメラ、首からぶら下げるとS字型の凹部が、中年太りのお腹の凸部にあたり、なんともいえないフィット感であるのは、予想外の出来でした。
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