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2007年12月 6日 (木)

PC-TEAにふらふら

2007123_2_w Camera : Rolleiflex 2.8C, Lens: Planar 80mm f2.8, Film : TX  f2.8, 1/10, PC-TEA 500mlの水に5ml + 0.1% ヨウ化カリウム 0.1ml、18C 20分 攪拌5回

PC-TEAは現像主薬のフェニドンと現像補助薬のビタミンC、それに溶媒兼現像促進薬のTEAだけというシンプルな現像液なのですが、TEAの扱いにくさと処方のしきたりの難しさがあり、結構敷居の高い現像液です。今回、縁があってこの現像液を処方して実際にお使いになっているSCRさんから、分けて頂いたので、これを使っていろいろ試しております。

この現像液の特徴はなんと言っても、抜群の保存性だと思いますが、現像の性格も興味深いものがあります。ビタミンCが主薬のフェニドンにすごい活力を与えているように思えるのです。ビタミンパワーを感じさせるに十分な働きです。

また、亜硫酸ナトリウムが入ってないので、本来のフイルムの粒状性ががストレートに出てくるようです。亜硫酸ナトリウムは通常どんな現像液にも形を変えて入っていて、現像液の酸化防止の役割をするのですが、銀粒子を溶解させる働きもあり、結果として銀粒子を小さくし、微粒子現像の効果があるのです。

2007124_1_w Camera : Rolleiflex 2.8C, Lens: Planar 80mm f2.8, Film : TX  f2.8, 1/10, HC-110  500mlの水に5ml + 0.1% ヨウ化カリウム 0.1ml、18C 20分 攪拌5回

同じ希釈比率で同じ現像時間をかけたHC-110と比較してみると、HC-110のほうがずいぶん柔らかな感じがします。この違いはPQ現像主薬とPC現像主薬の差、また薄いながらも亜硫酸ナトリウムの働きの差だと思います。

ビタミンCは素早くフェニドンを回復させているのに対し、ハイドロキノンはフェニドンを回復させる速度が遅く、結果として、疲弊した明部の近くのフェニドンの現像能力が落ち、その間に暗部の現像が進んでいるのかも知れません。あるいはこれは、HC-110のフェニドンが実際はDimezone という派生製品である事もその効果を引き出していることも考えられます。また、HC-110は水分は少なく、亜硫酸ナトリウムはそのままの形では入っていないもののジエタノールアミン・二酸化硫黄錯体という形で入っております。その濃度は100倍希釈で薄められているものの、全く無いPC-TEAに比べて、銀粒子の溶解効果が出ているのかも知れません。

20071128_4_w Camera : Rolleiflex 2.8C, Lens: Planar 80mm f2.8, Film : TX  f2.8, 1/10, PyrocatHD A:3ml B: 3ml  500ml + 0.1% ヨウ化カリウム 0.5ml、18C 30分 攪拌4回

参考までにPyrocatHDでの現像結果を加えて見ます。しかしPyrocatHDは全く別の発想の現像液で、ネガがまず茶色に染色されてしまいます。明部に染色を加えてコントラストを上げ見た目の粒状性を向上させております。特に半静止現像をすると、現像液の部分的な疲弊が顕著で不自然なくらい境界が強調されます。

20071130_1_w 実は、今回はPC-TEAで通常の50倍希釈も同じようにテストして見ました。結果は100倍希釈より暗部が綺麗に落ちて行きます。ビタミンCの活力理論で行けば予想通りなのです。しかし、この件に関してはフイルムを変えてもっと色々テストをしてみたいと思っております。今回は以前のTriXに比べて濃度が薄くなったTXをベースに行っているので、TMYやアクロスでもやってみない事には、まだ、なんとも言えません。

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コメント

おはようございます。明解で理路整然としたコメントを何度も読み返して学習させて頂きました。
1:100の現像は興味がありますので私も次回現像の時に
やってみようと思います。
前はD76から始まりいろんな現像液を作っては試して参りましたが、
この現像液で只今のところ落ち着いています。
私見ですが、T-maxあたりと相性が良いように感じています。

投稿: SCR | 2007年12月 6日 (木) 10時21分

こんにちわ。初めまして。染色現像液を使っているraotaと申します。
自分はカテコールとビタミンCを主体としたHypercatという処方を実践
していますが、この記事を読んで非常に参考になりました。感謝します。


投稿: raota | 2007年12月 6日 (木) 18時15分

SCRさま、今晩は

おかげさまで、いろいろ楽しませてもらっております。私もPC-TEAはTMYやアクロスのようなTグレインのフイルムにあっているように思います。
実は、SCRさんにお願いしてPC-TEAを試用させてもらう時、TMY=T-max400に対するHC-110の相性の悪さが主な動機でした。染色現像したくない時HC-110では甘く、押しが弱すぎる感じがしていたのです。

raotaさま、始めまして。
Hypercatとはすごいですね。でも面白そうです。カテコールのゆっくりした現像を、ビタミンCで活性化する訳で、ある意味理にかなっていますね。実は、PyrocatHDのフェニドンとカテコールの役割分担はどうなっているのだろうと考えておりました。もちろんカテコールは染色効果があるにしても、現像の過程で染色している訳で立派な現像主薬です。これにあえてフェニドンを加えている理由は、カテコールの現像能力が小さいからだと思います。通常の現像液が主薬と回復薬で出来ているとしたら、二種類の主薬で補完している訳です。だから、もし染色現像を極めるとすれば、染色現像主薬と回復薬の組み合わせになるはずです。
ぜひ、作例を見てみたいものです。

投稿: kk | 2007年12月 6日 (木) 21時17分

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