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2007年11月17日 (土)

パフェに想う

20071111_2_w Camera : Hasselblad 500 C/M, Lens : Planar 80mm F2.8 CT, Film : Tmax 400, EI=400, Home Made Pyrocat

子供の頃、チョコレートパフェという、高級そうな食べ物の名前が意識に刻まれ、あこがれとして残りました。
子供心に、食堂のメニューサンプルに鎮座するその姿は、豊かで、立派で神々しくさえありました。もちろん実際に注文するなんてことは夢にも思いませんでした。

ところでパフェはフランス語のparfait 、英語ではパーフェクト、完全という意味で、究極のデザートをあらわしているのでしょうか。この神々しい姿は究極のデザートは、かくあるべきと示しているようでもあります。

ところが、フランスのparfait はもっとシンプルなデザートです。いろいろなparfait がありますが共通するのは深いガラスカップかボウルにデザートが入っていることくらいで、アイスクリームは不要です。また、アメリカのparfait にいたっても、ゼラチンが入ったムース系のクリームをメインにフルーツ等が深いカップかボウルに添えられるもので日本のパフェとは違います。日本のパフェはアメリカのSundaeに近いもので、独特の進化を遂げたものだと思います。

つまり、Sundaeをもっと豪勢に飾りつけたものが日本のパフェで、専用容器とも思える広い襟のついた深いカップに各種のアイスクリームのほか果物等デザートの材料として考えられるあらゆるものを組み合わせて飾り付けられたものです。また日本のサンデーはパフェより浅い容器にあくまでもアイスクリームをメインにした飾り付けのデザートで、独立して存在します。

こうしてみると、パフェは、私のように子供の頃意識に刻まれた大人が、その憧れを具体化させながら進化させた日本独特のデザートになるのではないかと思います。

写真のパフェは和栗のパフェという名前ですが、仕事帰りに一人でこっそり食べに行くこともあるくらい、気に入っております。栗のアイスクリームにバニラのアイスクリームを重ね、間を生クリームで埋め、盛り付けたバニラアイスの上を栗のクリームでモンブラン風に覆い、栗の渋皮煮を飾っています。飾りに派手さはありませんが、それぞれのクリームが上品で、素材感を生かして作られているので、しみじみと美味いパフェです。

このシンプルな和栗のパフェも、パフェに魅せられた日本人が追求するパフェの一つの形であると思います。

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