Kodak Anastigmat Special 50mm f3.5 on Graflock Back Camera
このカメラを見たとき、いったい、誰が、何の為に作ったカメラなのだろうと思いました。そして、潜在的な可能性と、パーツとして値段の安さで思わず衝動買いしてしまいました。もちろん、どうやって使うかなど考えずに。
手元にあるカメラを改めて調べてみると、レンズは1946年製のkodak anastigmat special 50mm F3.5。おそらく、コダック製目測35mmフイルムカメラのKodak 35から抽出したものでしょう。
これを、アルミのプレートに止めて、上下にライズ、ダウンできるように木製のプレートにつけております。
その木製プレートはGraflexがグラフロックバックに装着して、6x9のカットを二枚撮れるように販売していたもの。レンズはこのプレートの溝が付いている側(装着する際カメラ側になる)面に付けられております。
このプレートは6x9のフイルムバックを装着する方がスライドできるようになって居りますが、そちらの面に新たにグラフロック バックをつけており、また三脚座をそこに固定しています。
つまり、このカメラは上下左右にあおりを入れることが出来るようになっているのです。
ただ、付いていた50mmでは無限遠が来ません。回転ヘリコイドを縮めても被写体から1mも離れることが出来ません。もちろんイメージサークルも6x6をカバーしません。左の作例は6x7のロールホルダーをグラフロックにつけて撮ったものです。フイルムはRDP3。F11まで絞っております。
単純に考えると、このカメラは4x5のフイルムに6x4.5程度のイメージサークルを使い、接写専用の被写体を、いちいちピングラでピントを合わせて撮影する為に作られたカメラなのです。その時、分不相応なあおりができますが。
もしかして、このカメラは、75mmかそれ以上の長さの焦点距離のレンズが別のアルミプレートにつけて用意されていて、通常はそちらを使って撮影に使われていたカメラなのかも知れません。
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コメント
こりゃすごいですね.私も最初見たときからもっとイメージサークルが大きな超広角のためにつくられたのではないかと思いました.でもマルチ写真に使ったのかも知れませんが.....
この構造で遮光が完璧なら,是非焦点が合う大判レンズに換装したいところです.
投稿: lensmania | 2007年10月14日 (日) 22時58分
ピントが来ないところを見ると最初はおそらく別のもっと長焦点レンズだったのを安直に50mmに変えてみたのじゃないでしょうか?
もちろん50mmのこのレンズの味わいの良さにほれ込んで。
大変面白い構想のカメラが人の手を渡るうちにさらに妙な面白さを醸し出してきているような気がします。
元々まぁるいレンズでまぁるい写真が撮れるのは当たり前ですものね。
昔の肖像写真は楕円形なのが多いのは関係ないか・・・
投稿: 610 | 2007年10月15日 (月) 20時45分
たぶん、オリジナルの焦点距離は75mmだったのでは。
レンズが付いているアルミプレートは簡単に外せるので、同じプレートにホールディングカメラから摘出した75mmあるいは105mmなんてレンズをつけていたのでしょう。50mmレンズはプレートから浮かせて取り付けられています。
このカメラはもともと中判で上下左右にあおりが出来る6x7のカメラを目指したのではないかと思います。
ただ良いパーツで組まれているので、いろいろな可能性があるような気もします。例えばSA38mmXL用の4x5カメラとか...。
投稿: kk | 2007年10月15日 (月) 22時23分