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2007年9月29日 (土)

OM-system G.Zuiko 55mm F1.2

Img_0113_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : G.Zuiko  Auto-s 55mm F1.2, F=1.2

昨日、私がよく行く中古カメラ屋さんでZuiko 55mm F1.2というレンズが安く出ているのを見つけ、悩んでいるうちさらに値引きしてくれるというので、思わず買ってしまいました。

このレンズが安く売られている理由は、レンズ焼けといって茶色に着色しているからです。これだけ見事に着色しているところを見ると、このレンズは特殊ガラスを使っている可能性が高いです。何でもこれより後期のバージョンになると同じ55mmF1.2のレンズでもこれほど変色しないそうですので、硝材に関して仕様変更があったと思われるのです。おそらくその理由は前期のレンズに環境やら人体やらによろしくないものが混ぜられていた為でしょう。それはおそらく放射線を出す物質で、現在の価格が超安値な理由は、危ないレンズと思われている事も一因かもしれません。

いずれにしても、私は最近、35mm版のレンズはデジタルで使うか、白黒で使うことになるので、茶色の着色は気にしておりません。かえって白黒では良い結果になるのではないかと期待しているくらいです。放射線に関しては、すでに多数の放射能レンズを所有しており、いまさら、という感覚であります。

Img_0104_w 本日は、横浜地方も雨でしたので、アンバー系に変色した大口径レンズを散歩にお供させるにはもってこいでしたのでEOS5Dにつけて持ち出しました。

このレンズをデジタルに付けてみると、開放でも想像以上にしっかり写ります。もちろん甘く柔らかい描写ですが破綻はしません。色収差もありません。オリンパスには珍しい大甘レンズと聞いていたので正直びっくりしました。

Img_0120_w この55mmF1.2という大口径レンズが他社の標準レンズとほぼ同じ大きさであるというのも魅力があります。左の写真は何でも小さく作るオリンパスと、なんでも大きく作るツアイスの同じ55mmF1.2というスペックのレンズを並べて比較した写真です。同じスペックとは思えないくらい大きさが違います。もちろんツアイスのこのレンズはずば抜けた性能を持ったレンズなのですが、デジタルと白黒で使う前提で、G.Zuikoレンズの大きさと価格はとても魅力です。

へんな使い方さえしなければ、被爆する心配も無いです.....多分。

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2007年9月25日 (火)

中秋の名月

Img_0083_w camera : Canon EOS 5D, Lens : Distagon 21mm F2.8, Iso=1600

本日は中秋の名月でありまして、また中秋の名月の日に綺麗に月が見えることもめずらしく思われて、さきほど部屋から記念撮影をして見ました。

今の時間は結構高くまで昇っているので21mmのレンズで撮影、デジタルカメラでISOを1600まであげて、窓からカメラを出して手持ちでの撮影です。

私の自宅は既製品の輸入住宅なので窓の開口部が狭く、窓を開けてカメラで外を撮るのは辛いのです。当然三脚など使えません。

もう製造が中止されたDistagon21mmのレンズを使ってみたのですが、超広角のレンズでありながら、月をこの位置にいれて、これだけ満月の形が残ります。改めてすごいレンズだったと思います。もりろん絞りは開放です。

このレンズは構成枚数が多く、逆光だとゴーストが出やすいことが欠点だと言われておりましたが、そんなことはまったく些細なことです。コシナの手で製造が再開される日を楽しみにしております。

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2007年9月24日 (月)

ちょっとした休息

2007724_4_w Camera : Hasselblad 500 C/M, Lens : Planar 80mm F2.8 C T*, Film : Tmax 400

社会人に成り立ての頃、夜中遅くまでダークソックスと革靴で仕事をしているのが辛かった記憶があります。なにせ社会人になるまで冬以外は素足にサンダルが基本的な足まわりでした。

その為、サンダルのような靴で居られる女の人が羨ましかった。ある時までは。

そのある時というのは、私の目の前を歩いていた女の人がドアのロックの為に空いていた床の穴にハイヒールを引っ掛けて、ワープしたのかと思われるほど見事にこけた時です。まったく無警戒だった為か、見ている方が恐くなるような転び方でした。それでも彼女はすばやく立ち上がりバツの悪そうにその場からいそいそと立ち去りました。

私なら、呪いの言葉を10篇ぐらい吐き捨てて、穴を蹴飛ばしているはず。それをしなかったのは、おそらく彼女はそのような危険に常にあっているからなのでしょう。ハイヒールを履く女の人は、足を美しくみせるかわりに危険を冒しているのです。

それからというもの、ハイヒールを履く女の人が苦労人に思えてなりません、私のダークソックスに革靴なんて甘っちょろいのです。足が蒸れるなんて不平は言うべきではありません。

そんなことを思っているせいか、ベンチでハイヒールをつま先に引っ掛けてプラプラさせて、休んでいる足を見ると、「緊張から開放されつかの間の休息を取っているものの姿」を表す絵を感じてしまうのです。

もっとも絵的にはもっと足が外に向けられ、サンダルがだらりとしていた方がイメージに近いのですが...。

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2007年9月21日 (金)

SEMFLEX standard T950

Img_5979_w SEMFLEXはフランスで作られた二眼レフのカメラで多くのバリエーションがあります。写真のカメラはタイプ2またはスタンダード T950という名前で呼ばれてのものです。T950とは1950年型を意味するものと思われますが、初期型のタイプ1が短期間でタイプ2に置き換わっているところを見ると、プロトタイプが量産型に置き換わったかのようにも見えます。レンズはトリプレットのSom Berthiot 75mmF4.5が付いております。

ところでSEMFLEXのSEMは会社の名前でSociete des Establissements Modernesの頭文字なのですが、この名前は「近代的な工場の会社」みたいな意味で、当時ドイツの二眼レフの老舗のRolleiに真っ向から対抗するべく製作された量産型大衆機という位置づけがこのカメラの本来の姿だと思います。

SEMFLEXはこの後、赤窓式からセミオートへと進化し、レンズもテッサー型のSom Berthiot Flor 75mm F3.5またはAngenieux75mm F3.5のものへと進化しました。正確に言うと最初から高級バージョンで用意されていたテッサータイプのSom Berthiot 75mm F3.5が標準になり、新たにAngenieuxが加わりF4.5のトリプレットが消えた事になります。

もともとの位置づけがフランスの大衆機だったせいか、日本ではRolleiほど見かけません、廉価版二眼レフならば国産で良いものが山ほど出ていたので、輸入するならネームバリューのある高級機のRolleiだったのかも知れませんね。

20079161_w_2 私はSemflexの中ではトリプレットのSom Berthiot 75mm F4.5付きのものしか使ったことがありませんが、なかなか良く写ります。シャープな描写をするくせに何か柔らかさがあります。また、カラーのポジフイルムを使うとフランスのレンズらしく、少し寒色の発色傾向があるので、カラーのポジを使う時はコダックのフイルムと相性が良いような気がします。(作例のフイルムはAcros)

描写もさることながら、小さく、シンプルなデザインのこのカメラはとても小粋な感じがして、使っていても楽しめる事が最大の美点ではないでしょうか。

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2007年9月17日 (月)

ミニにクラクラ

2007916_w1 Camera : Semflex,  Lens : Som Berthiot Anastigmat 75mm F4.5,  Film : Across

小さな二眼レフをぶら下げて家の近くを散歩していると、オースチン ミニが物陰からこちらを覗いておりました。夕日がグリルとライトを照らした時、コイツは明らかにこちらを見てニマッと笑ったのです。

あっ、猫タクシーだ。何となくそんな気がしました。となりのトトロに出てくる猫バスを小型にしてタクシーのようにしたらこんな形かも知れません。うーん可愛い。

現在BMWが品質管理して作製している新型のミニは、似たようなコンセプトの車の中では圧倒的によく出来ていると思います。デザインは可愛いし、居住性もそれほど悪くない、動力性能はスポーティータイプだと恐くなるくらい強力です。

それでも、旧タイプのミニのように悪戯っぽく笑ったりすましたりしません。旧タイプのミニが時折見せる表情に比べれば、面白みにかけます。

一時期、新型のミニを買おうかどうか迷った時は、このことを言い訳にして止めました。「ミニがどうしても欲しいのなら昔のミニの方が魅力的だ、でもメンテナンス出来る?今の車のメンテナンスが大変だからセカンドカーが欲しいのでしょ?ならメンテナンスが要らない車が良い、中途半端は良くない」と。

結局セカンドカーはホンダの小型車を買い、その後半年でファーストカーは修理不能なくらいに壊れて廃車になり、ホンダがファーストカーになりました。たぶん、こうなるのではないかと予感はありました。廃車になっていく車を見るのは辛かったのですが、憑物が取れたような気にもなりました。車は堅実さが一番。

で、現在の私は、確実に車が動くことのありがたさが身に滲みているのですが、ミニやVWバスのタイプ2をチラッと見るとグラッと来るのも事実です。

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2007年9月15日 (土)

小京都より人吉駅

Img_9666_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : EF 24-105 F4L

人吉は、小京都でもあり美味しいと評判のうなぎ屋さんもあることから行って見たいところでした。

うなぎは評判通り美味しく、それだけでも人吉に来た価値があるのですが、肝心の小京都の風情はというと、あまり感じられませんでした。温泉からお城、神社仏閣の観光スポットを点在させた地方都市の様相なのですね。

それで、何よりも感動したのは人吉の駅でした、なんてことを言うと可笑しいことでしょうか。ただ、私に言わせると、電化の施設が無く、したがって空が広く、地上の設備もおおらかに残っている希少な駅です。レッドデーターブックで言うと絶滅危惧種にあたります。

かつて鉄道交通の要所には、蒸気機関車を運用するために数々の施設を作り、それを操作、維持する為の職員が配置され、鉄道町のようなものがありました。それが動力の近代化、合理化、鉄道輸送の減少で淘汰され、人は移り施設は取り壊されていきました。もちろん大都市で鉄道輸送が活発なところには車両基地等の鉄道施設が残っておりますが、ほぼ全て電化され、架線の下です。

Img_9665_w (上の写真はこの踏切の途中から)

人吉駅は旧鹿児島本線の駅として、矢岳峠を越えるため充分な鉄道施設を併設する必要があったので町からちょっと外れた所に作られたのかも知れません。その為か、現在でも当時の面影のとおり広い空のしたにいろいろな鉄道施設が残ったままなのです。

何でも、2009年にはここに蒸気機関車が帰ってくるとか、その光景を想像するとわくわくしてきます。(この施設を駅の反対側からみるとこんな感じです。機関庫が良い感じで残っています。)

Img_9680_w 

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2007年9月10日 (月)

Imagon 300mm H=5.8 Rodenstock-Tiefenbildner

Img_0025_w 写真のレンズはImagonと言ってRodenstockのソフトフォーカスレンズです。ただ、このレンズは古いCompound #5に組み込まれたもので、現在のCopal #3に組み込まれた300mmとは異なります。現在のものはH=7.7ですが、このレンズはH=5.8です。

ちなみに、このHはドイツ語のHelligkeitで「相対的な明るさ」みたいな意味でしょうか。また、レンズの明るさで良く使われるF値はFocal ratioのFで、焦点距離に対するレンズの口径比率みたいなものでしょうか。またまた、シネマのレンズで使われるT値はTransmissionのTで実際に計測された透過率みたいなものでしょうか。

それはさておき、このレンズはこのレンコンの穴のようなフィルターをつけて、H=F、5.8ということになり、レンコンの穴を閉じるとH=F、7.7の明るさです。それではこのレンコンフィルターを取るとどうなるかというとF=4.5-5くらいの明るさです。

このレンコンフィルターはソフトの量を調節する為につかいますが、同時にシャッターには絞りリングも付いており、ソフトの量はレンコン度数プラス絞り値で決定されます。

ただ、このレンズは絞りの位置によって焦点移動があるので、ピントは絞ってから合わせることになるのですが、ソフトフォーカスのレンズですから像が甘くピント合わせは至難の業です。

現代のImagon 300mmは5x7用とのことですが実際に使われるポートレートでは8x10で使われることになると思います。この旧タイプの300mmでもそうです。compound #5はシャッターが1/50までで、せっかく現代の300mmより大口径レンズでありながら野外で開放での撮影は難しいかもしれません。

200799_w Img_9952_w 4x5までなら、スピグラのフォーカルプレンシャッターが使えます。幸いなことにこのレンズのフランジはWESTAの望遠・接写リングのフランジと同じなので、リンホフボードに変換できます。作例はPentax67につけて撮ったもの。左の蹴られはドアですが、周辺に接写リングの継ぎ足しによる鏡筒蹴られが出ています。(白黒:Pentax67,Film TPX320、カラー:CanonEOS5D いずれもレンコンフィルターを外し開放で撮影)

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2007年9月 8日 (土)

豊肥線、立野駅

Img_9856_w Camera : canon EOS 5D, Lens : EF 24-105 F4L

単線の路線で、上りと下りの列車が同時に、同方向から駅に進入してくる。通常ではありえない光景が豊肥線の立野駅では見られます。

何故、こんなことがおこるかというと、この駅はスイッチバックの行き止まりに駅があるからで、おなじスイッチバックの肥薩線の大畑駅でも同じ事は、おこりますが最近の列車本数ではそんな必要は無くなりました。

この珍しい光景が見られる事だけでなく、立野駅のスイッチバックはスケールが大きく、是非見てみたいと30年ほど前から思っており、このほどやっと実現した次第であります。

この間、この路線を8620という蒸気機関車が復活しSLあそBOYという名前で運行し立野のスイッチバックを登る写真はあちこちで見て、是非この蒸気機関車が走っているうちに来たいものだと思っていたものの果たせませんでした。もっともあの列車が妙にウエスタン風に飾られたものでなければ、万難を排して何が何でも来ていたでしょうけど。

何でも、8620は設計図が見つかって壊れた台座を新調し、また数年後に復活するかも知れないとの事、その時は人吉方面が主な活躍の場になるかも知れませんが、立野に来ることもあるでしょう。その時は、たとえウエスタン風に改造されていたとしても是非スイッチバックを登る姿を見に来たいものです。

しかし、せっかくの鉄道遺産、出来れば原型で復活してくれないかなぁ。

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2007年9月 4日 (火)

狛犬に驚きました

2007pearl3_1_w Camera : Pearl 3 lens : Hexar 75mm F3.5, Film : Tmax 400

もともと撮影機材の紹介をするつもりで、メンテナンスから帰ってきたパール3の試写の画像をスキャンしていたら、変な事が気になってしまいました。

なんでこの狛犬は子犬を踏んづけているの?と。それで調べてみることに。結果、これは踏んづけて虐待している訳ではなく、愛情豊かに遊んでいるのであり、これを「子取り」タイプと言うそうです。

そして、「子取り」タイプが一方に居れば、他方は「玉取り」と言って鞠を踏んで遊んでいるタイプが来るのだそうです。

2007pearl3_2_w さらに、この子取りタイプは神社に向かって一般的には左に配置され、口を閉じた吽形という形で作られ、向かって右側には「玉取り」タイプが口を開けた阿形という形で作られるそうです。二つあわせて「あうんの呼吸」の「阿吽」ですね。

さらにさらに、狛犬には色々なバリエーションや類型があるようです、写真のものは岡崎型といって昭和期に大量生産されたもののようです。

岡崎型や、狛犬一般のことについてはさすがに由緒あるものだけに、色々なサイトがあってそこで詳しく調べることが出来ます。

なにせ、今まで気にも留めていなかったので、興味深い色々な事柄に出くわして興奮が覚めやらないのですが、あえて機材の話に戻すとパール3は使いやすく、レンズのヘキサーも優秀なレンズです、ただ、これらの話はまた改めて。

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2007年9月 1日 (土)

ホワイトプリンセス、始めは処女の如く後は..

Img_9976_w Camera : Canon EOS 5D, Lens : EF24-105 F4L

家の玄関を飲み込みそうな勢いで繁殖しているツルは、コモンジャスミンの園芸種と思われるホワイトプリンセスです。

コモンジャスミンはその名の如く最も一般的なジャスミンなのですが、少々寒さに弱く、日本では寒さに強いハゴロモジャスミンが普及しておりました。

コモンジャスミンは春咲きのハゴロモジャスミンと違い初夏から初冬まで咲きつづけます。香りもハゴロモジャスミンより上品で、この選抜種が南仏のプロバンスでエッセンシャルオイル用に商業栽培されいるほどです、ただ夏の蒸し暑い夜は少々うっとうしく感じるかも知れません。

この花は昼の間も開花しているものの、花の盛りは夜です。夕方からどんどん開花がすすみ、あたり一面にジャスミンの香りを容赦なく振り撒くのです。気温と湿度の下がった秋の夜などは、何かの物語が生まれそうないい感じの雰囲気になります。

私はこのホワイトプリンスが出回る前は、プロバンスで使われている選抜種のグランディフローラを大切に育てて冬場は室内で保護しておりました。ところがホームセンターでホワイトプリンセスを見つけて、そのポット苗を一株玄関前に地植えしてみました。

始めは、弱弱しく、越冬できないかも知れないと思っていたものの、結果的に楽勝で越冬し、近所に植えていたバラを全て飲み込んでは枯らし、さらに郵便受けを包囲し、玄関から室内へ進入を伺っております。写真の状態でも大幅な剪定を受けた後です。

この植物は、バラと違って手間がかからないし、初夏から初冬まで咲き続けるし、夜に帰宅するたびに地上の星のように開花して良い香りで迎えてくれるし憎めないなぁ、といった家主の心の隙に付け込んで、本日もまた着々とツルを延ばしているのです。

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