ミヤマシキミのつつましい香り
camera : Canon5D, Lens : EF24-105mm F4L
以前、ここのお家の方に自慢の「ヤブコウジ」を見せてもらいましたが、自分は「ミヤマシキミ」に思えたので花の時期にもう一度みたいと思っておりました。
やはりミヤマシキミで、この木は雌木だったので白っぽい花と、去年の名残りの実をつけておりました。ミヤマシキミは個体差が大きいのか、それとも亜種なのか、とにかく色々な姿のものがあります。
そもそも、この木がミヤマシキミと呼ばれる理由も、仏事で古来から使う為に栽培してきたシキミに葉が似ており、それが山に自生していることからミヤマシキミと呼ばれた訳で、日本での普遍性から、様々なバリエーションがあっても全く不思議なことではありません。この木は背丈が低く匍匐性が強いことから正式にはハイミヤマシキミと呼ばれるものかも知れません。
この仲間はシキミと似た葉を持っていたので、ミヤマシキミと呼ばれたものの、シキミとは花の形、実の形は全く違ったものです。シキミはシキミ科の植物ですが、ミヤマシキミはミカン科です。
しかし、葉の形が似ているだけで赤の他人のクセに、不思議なことにこれらは同じ成分の毒性をもっているのです。これは偶然の一致なのか、やはり何か共通するところがあるのか興味があります。
ところで、元に戻ってこの家のこの木ですが、たとえ木の名前がどうであれ、調和のとれた場所に、具合よく収まっており、素敵でした。丁度開花を迎えており、全く毒を感じさせない、まろやかで穏やかな香りを漂わせておりました。この香りはちょっと意外な気もするのですが、日本古来からの自生種だと思えば、さもあるかな、と思えるつつましい香りです。
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