山茶花は冬の香り
camera : Canon 5D, Lens * Distagon 21mm F2.8
山茶花の学名はCamellia sasanqua、日本での呼び名がそのままであることからも解るように日本が原産地の一つです。もともと、日本の西南部に自生していたものを江戸時代に改良がすすみ園芸品種として出回ったもののようです。
椿の仲間なのですが、椿より南に分布し、秋から冬に花を咲かせます。大きな特徴は椿が花びらが根元でつながっていて、花の終わりにはボトッと花ごと落ちるのに比べ、山茶花は花びらが分離しているのでパラパラと花びらが散ります。表題の写真を見ると雪の上に花びらが散っているのが解ると思います。
江戸時代に園芸化が進んだ背景には、ひょっとして椿の花ごと落下する様子が不吉ととして嫌われ、代わりにハラハラと散る山茶花がもてはやされたのかも知れません。
私も山茶花の光景で、最も印象に残っているのが、何年か前の大河ドラマ「秀吉」でのシーン。千利休が山茶花の垣根を忍者のように身を屈めて走り去った後を、山茶花の花びらが追うように散って行くといったものです。実際にその当時、それだけ山茶花の垣根が一般的だったか、また千利休が忍者のように活躍したかは別にして、印象深いシーンでした。
今でこそ、山茶花の生垣は一般的で、「山茶花、山茶花、咲いた道」なんて歌を歌いながら、山茶花の垣根を通ることが出来ます。残念なのは落ち葉焚きにあたるのは難しくなったことです。
山茶花の生垣に咲いた山茶花の花の香りをかいで見ると、良い香りがします。ただあまり集中すると薬品っぽい、きつい香りに感じられることもあります。山茶花は良い香りをもっているのですが、冬に咲く花らしく、厳しいところもあるのです。花の香りは弱いものの、穏やかでのんびりとした感じがする椿の香りとは対照的です。
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