ダブル デライトは二重の喜び
Camera : Rolleiflex SL66, Lens : Primotar 180mm F3.5, Film : RDP2
ダブル デライト(Double Delight)は二重の喜びという意味で、このバラの場合、紅白の美しい花の容姿とフルーツシャーベットのような素晴らしく強い香りに恵まれた才色兼備の様子を祝福されてつけられた名前だと思います。
ああ、それは良かったね、で話は終わってしまうのですが、ほんの少し付け足すと。このバラが真価を発揮しているのは、このバラが生まれたアメリカの、それもカリフォルニアのあたりではないでしょうか。
実際日本で育ててみると、このバラは日照不足と湿気に弱く、低音に対する耐性もあまり強くない気がします。とくに日当たりに関しては、このバラの容姿に重大な影響があります。このバラの特徴である白の花弁を縁取る赤は花が日光にあたることによって作られる色なのです。このバラの咲き始めはクリーム色で日光に当たらなければそのままクリーム色の花のまま散ります。
日光にあたることによって赤い縁取りが生まれるのです。ですから日光が一方向からしか当たらなければ、赤い縁取りはそちらの方向に偏ります。私の家も日当たりが良くなく、せっかく咲いた花が偏芯して赤く縁取られると、なにか気の毒になってきます。才色兼備に生まれながら、育つ環境には恵まれなかったのです。
日本の家の庭は多かれ少なかれ日当たりに恵まれているとは言えず、このバラに関しては、公園で見れるような美しい容姿の花は一般家庭では見ることが難しいということになるでしょう。
ただ、バラの株自体はコンパクトにまとまり、鉢植えにも適しておりますから、このバラは鉢植えにして育て、花が咲いたら鉢を回して、日光を均等に当ててあげれば美しい縁取りになるものと思います。
湿度に対する弱さも、鉢植えにすれば雨の日には雨よけをしてあげることができるので、克服できるでしょう。手間をかけてあげればそれに応えてくれるので、ある意味、ダブル デライトは盆栽の文化を持つ日本に適したバラなのかも知れませんね。
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