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2007年1月31日 (水)

香りの良い花インデックス

良い香りを持つ花のインデックスです。大体Blogに記載した順番なので早春、春、初夏、盛夏、秋、冬、早春......に開花する順番です。

年間を通じて開花する花は花の少ない晩秋に持っていっております。

スイートピー
ムスカリ
ヒアシンス
ウメ

シダレウメ
ドンベヤ
ウォールフラワー
フリージア
カトレア(ミニパープル)

ボロニア
パルマスミレ

スイートバイオレット
ヒゴスミレ
ジンチョウゲ
菜の花
ヒイラギナンテン
ヒメエニシダ
ニオイウチワノキ

ミモザ
ハクモクレン
コブシ
シデコブシ
タムシバ
シモクレン、サラサモクレン、トウモクレン
チューリップ
中国春ラン

ニオイトサミズキ
ユキヤナギ
ニオイザクラ
ツバキ

ハナニラ
ニワトコ

エビネ
ナスタチウム
サンカクバアカシア
フジ
スズラン

カーネーション
ハクウンボク
ハゴロモジャスミン

カロライナジャスミン
オオシロソケイ、エンゼルウイング ジャスミン
トベラ
ユリノキ
ホウノキ
クスノキ
オオヤマレンゲ
ウケザキオオヤマレンゲ
シャクナゲ
ハニーベル
ハタケニラ
シャクヤク
エゴノキ
ニオイバンマツリ
アメリカバンマツリ
スタージャスミン
ティカカズラ

ニセアカシア
ミズバショウ
カンキツ系の花

カラタネオガタマ
チャラン
ジュネ
ヒノマルウツギ
スイカズラ
ニオイシュロラン

リンデン、西洋ボダイジュ、シナノキ
レンゲツツジ

ヒメノカリス
タイサンボク
クリダンサス フレグランス
マドンナ リリー交配種
クチナシ
ラベンダー
ハマユウ
チュベローズ
チュベローズ(夜)
ヤマユリ
フウラン
ギボウシ
ブッドレア
クズ

クサキ
ジャスミン
マツヨイグサ
プルメリア
ヨルガオ

イエライシャン
ヤコウボク
マツリカ

ゲッキツ
マダガスカルジャスミン
ベラドンナリリー
アマゾンリリー

キバナキョウチクトウ
ジンジャー

ダチュラ
キンモクセイ
アグライア、樹蘭
スピノム

オシロイバナ
ルクリア、アッサムニオイザクラ
ブバルディア
イランイラン

マッソニア
マダガスカル ブッドレア、ブッドレア パニキュレータ
エンゼルトランペット
月下美人
姫月下美人
寒蘭

ビワ
ポリクセナ
タマツバキ
パンジー
シンビジウム

シクラメン
ソシンロウバイ
寒咲日本水仙
プリムラ ジュリアン
プリムラ マラコイデス
デンドロキラム・グルマケウム
オンシジウム ケイロホルム
ストック
ジゴペタルム マッケィ
ホウサイラン
ヤマブキ
ミヤマシキミ
ジョンキルスイセン
ファレノプシス(コチョウラン)
セッコク交配デンドロビウム
ニオイツツジ

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2007年1月30日 (火)

山茶花は冬の香り

Img_4704_w camera : Canon 5D, Lens * Distagon 21mm F2.8

山茶花の学名はCamellia sasanqua、日本での呼び名がそのままであることからも解るように日本が原産地の一つです。もともと、日本の西南部に自生していたものを江戸時代に改良がすすみ園芸品種として出回ったもののようです。

椿の仲間なのですが、椿より南に分布し、秋から冬に花を咲かせます。大きな特徴は椿が花びらが根元でつながっていて、花の終わりにはボトッと花ごと落ちるのに比べ、山茶花は花びらが分離しているのでパラパラと花びらが散ります。表題の写真を見ると雪の上に花びらが散っているのが解ると思います。

江戸時代に園芸化が進んだ背景には、ひょっとして椿の花ごと落下する様子が不吉ととして嫌われ、代わりにハラハラと散る山茶花がもてはやされたのかも知れません。

私も山茶花の光景で、最も印象に残っているのが、何年か前の大河ドラマ「秀吉」でのシーン。千利休が山茶花の垣根を忍者のように身を屈めて走り去った後を、山茶花の花びらが追うように散って行くといったものです。実際にその当時、それだけ山茶花の垣根が一般的だったか、また千利休が忍者のように活躍したかは別にして、印象深いシーンでした。

今でこそ、山茶花の生垣は一般的で、「山茶花、山茶花、咲いた道」なんて歌を歌いながら、山茶花の垣根を通ることが出来ます。残念なのは落ち葉焚きにあたるのは難しくなったことです。

山茶花の生垣に咲いた山茶花の花の香りをかいで見ると、良い香りがします。ただあまり集中すると薬品っぽい、きつい香りに感じられることもあります。山茶花は良い香りをもっているのですが、冬に咲く花らしく、厳しいところもあるのです。花の香りは弱いものの、穏やかでのんびりとした感じがする椿の香りとは対照的です。

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2007年1月28日 (日)

Kinoptik 500mm F6.3, Kern Apo repro 210mm F6.6,

このBlogで撮影機材の記事を書くのはこれが最後になると思います。もともと香りの良い花の記事だけではBlogを維持できなかったので、これを補完して更新を稼ぐ意味がありました。カメラやレンズの紹介はもっと専門的なBlogがあるので、私の記事にはあまり大した価値はありません。あるとしたら、通常写真の撮影に使われない特殊なレンズで実際に撮影した作例が見られることかも知れません。

最後にちょっと変わったレンズを2つほど紹介して終わりにします。

Img_0066_w まずはKinoptik Tele 500mm F6.3。Kinoptikにはムービー用に Aplanat 500mmF5.6というレンズがありました。今でもたまに海外オークションで見ることが出来ます。ところが私が手に入れたものは500mmF6.3、絞りも無い特殊レンズです。何の為のレンズだったのか興味深深なのですが、未だに不明です。このレンズは絞りも無いレンズヘッドだけの代物ですが、F5.6のレンズより小型軽量です。

イメージサークルは4x5を楽勝でカバーしそうなのですが、とりあえずPentax67につけて見ました。Teleという割にこれだけ長い鏡筒が必要です。実際に試写して見ましたがPentax67ではこの鏡筒だと周辺が蹴られ暗くなります。

Img_0052_w デジタルカメラ(EOS 5D)につけて解像度を調べてみた作例が左のものです。完全では無いにしても色収差もよく補正されており、写真を撮る為に使ってもよさそうです。シャッターはともかく絞りは欲しいので、現在ユニバーサル5番シャッターに組み込む作業をしております。

Img_6538_w 次は、KernのReproレンズ210mmF6.6。この手のレプロレンズはアポ ニッコールが有名ですが、Kernも作っていたようです。Kernという名前はスイスの光学メーカーで、Alpaの標準レンズであるMacro Switar 50mmを作っていた会社として有名です。

Kernのレンズは随分小さくまた明るさもF6.6とこのタイプのレンズとしては明るいので、中判の接写用レンズとしてどうかと思い買ってみました。

Img_6529_w このレンズは見るからにガラスの材質が柔らかそうで、届いたレンズは傷だらけでがっかりだったのですが、これもデジタルにつけて解像度を見てみることにしました。その作例が左のものですが、これはF25に絞っています。もともと絞っても回折を起こさないようなレンズとして期待していたのでこれだけ絞ったのですが、開放で撮ったものよりコントラストは低下しているようです。

絞って、容赦なくカリカリに写すなら、このレンズより同じような焦点距離のニッコールAMED210mmF5.6のほうが優れているようです。

実は、まだまだ怪しいレンズはあるのですが、この手のレンズで実際に撮影することは大変な労力がいるのです。場合によっては専用のカメラを作ることも必要です。こうなってくると私の力では手に負えないものも出てきます。

私が持っていた航空ステレオ写真撮影用のBiogon38mmF4.5もそんなレンズのうちの一つでした。このレンズはネットで知った610様のところで見事によみがえり、またフイルムに像を結ぶことになりました。このカメラと作例は610様のHPhttp://mutohide.ddo.jp/で見ることが出来ます。

最後に最も面白いカメラを見せてくれるHPのリンクを貼って、「香りの良い花は好きですか」の撮影機材と作例の記事は終了です。ありがとうございました。

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2007年1月27日 (土)

プリムラ マラコイデスにまつわる話

Marakoidesu1_w Camera : Pentax645, Lens : SMC Pentax Macro 100mm F4 for 67, Film : RDP3

中国から来た人と一緒に働いて居た時の事、雲南桜草の別名「愛香水」の、本場の発音を聞こうと思って話しをしていると、「報春花」という花があることを教わることになりました。ちょっとした雑談で、発音を聞いてみたいと思っただけなので、その時はそこまででした。

その後いろいろ考えてみると、「愛香水」はあやしい、私たちが想定した花の認識は同じで、私はラベルの愛香水をそのまま信じただけ、その人は自分が慣れ親しんだ名前を言っただけ、なのではないかと思うようになりました。

報春花は何かということになりますが、プリムラマラコイデスはもともと中国原産のプリムラをヨーロッパで改良したもので、中国名は報春花。ここで考えられることは、報春花という言葉は、中国が原産のいくつかの原種プリムラをさす一般的な言葉ではないかと思ったのです。そして、それらの原種は明確な分類がされない状況でプリムラマラコイデスの交配親となっていたのではないかということです。おもしろいことに、プリムラマラコイデスPrimula malacoidesは、明らかに交配されて出来上がった品種なのに、学名にハイブリット等がつきません。不確実の親から出来た、特定された子孫ということなのでしょうか。

一方、日本で一般的に報春花という名前で検索される花は雲南桜草、Primula filchnerae です。しかし、この花が流通する過程で「雲南桜草」自体が日本名であるのに加え、愛称名の「愛香水」がつけられたのが真相のようです。Primula filchnerae自体は中国の西南部に自生する原種の一つです。

プリムラ、マラコイデスや、雲南桜草の容姿や香りを紹介する前にどうでもよいことを長々と書いてしまいました。

Scsonnar300 Mcsonnar300_w 「愛香水」Camera : Pentax645, Lens : SC sonnar 300mm F4, Film : RDP3上

Camera : Pentax645, Lens : MC sonnar 300mm F4, Film : RDP3下

あらためて、プリムラマラコイデスの容姿は、化粧桜の別名があるように、おしろいを付けてお化粧をしているようで、やさしく上品なものがあります。
また、香りも、上品です。「遠い日、初めて化粧の真似事をしてみた少女」を印象にした香りというものがあったとしたら、こんな感じでしょう。

また、雲南桜草は、はっきり認識できる程度の強さで、清楚で、いやみの無い香りをもっています。もちろん部屋に広がるというような感じの強さでは無いのですが、鉢の周りに暖かい空気が流れるといった雰囲気を持っています。

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2007年1月25日 (木)

New Zealand、国の名前をつけられた銘花

Newzealand_w Camera : Contax S2b, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEJ, Film : TREBI

バラに香りを求めるならばオールドローズかイングリッシュローズと言うのが一般的に間違いの無い選択だと思います。しかし、モダンなハイブリッドティにも香りが強いものがあります。その中で、私が好きな香りを強く持っているバラがニュージーランドです。

名前のニュージーランドはもちろん国の名前です。国の名前はおいそれと付けるものではありませんから、このバラはよほどの自信作だったものと思います。

ニュージーランドのMcGredy氏が1989年に作出し、1991年からニュージーランドを最初に商品化されました。別名はAotearoaと言いますが、これはマオリ族の言葉でニュージーランドを表す言葉のようです。このバラはニュージーランドの建国150年を記念して、国名を与えられたバラなのです。

ちょっと見た感じでは、大して花も大きくないし、とりたてて多花性でもない花なのですが、ハニーサックルを加えたような強いオールドルーズ香があります。この香りは心地よく、南国のリゾートでくつろいでいるような安らぎを与えてくれます。

そのせいか、このバラは何処と無く南国的で、比較的寒さに弱く、長雨にあたると黒点病も多発します。そのかわりうどん粉病には強いので、まさしく暖かく乾いた土地向きのバラなのだと思います。

私のバラもここ数年で樹勢が衰えてきました。お気に入りのバラなので何とか良い場所を見つけてあげたいのですが、なかなか良い場所はありません。

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2007年1月23日 (火)

ジゴペタルム マッケィの爽やかな香り

Zygo_w Camera : Pentax645, Lens : SMC Pentax-A 645Macro 120mm F4 , Film : RDP3

少し前は、ジゴペタルムと言えば、マッケィ(Zygopetalum mackayi)という原種を、冬場のちょっとめずらしい蘭という感じで、よく見かけました。茶色の線紋の入った花弁と、紫色の筋が入ったリップが特徴的な、地味なのか派手なのかよくわからない花です。

低温にも比較的強いためか、ホームセンター等で無造作置かれて売られていたりしました。あるいは、シンビジウムや胡蝶蘭のように満開の花を束ねて引き立たせることはできないので、逆に山野草風なアプローチをしているのかも知れません。

しかし、もっと地味な東洋蘭から、おびただしい名花を選抜してきた風土は、ジゴペタルムを改良して行くモチベーションに、十分であったかも知れません。最近はいろいろな種類のジゴペタルムの交配種をみることが出来ます。

それは、もったいぶった鉢とかディスプレーに飾られていることが多いようで、そんな交配種を見ると、あの紫色のリップはアクセントとして、良い効果があることがよくわかります。

ただ、交配が進むと、花の色、形に主眼がおかれますので、香りは軽視されがちになります。園芸店で美しく飾られて売り場に並ぶジゴペタルムに、香りが薄くなったとガッカリすることもあります。

ポピュラーな原種のジゴペタルム、マッケィには文句無く素晴らしい香りがあるのです。それは、蘭の花の香りにありがちな妙な色気とか、甘ったるさが無く、すっきりとして清らかな感じです。

ジゴペタルムの花言葉は「官能」ということらしいのですが、少なくとも私はこの香りに「官能」は感じたことは無いです。どちらかというと落ち着いた空間を辺りに作ってくれる、そんな香りなのです。

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2007年1月21日 (日)

MAMIYA PRESS

Img_6522_w 中古カメラを扱う店で激安の値札をぶら下げてたたずんでいるマミヤプレスを見つけると、思わず保護したくなるのは、本能的な反応だと思います。私は、本能にはあまり逆らわずに生きて行くことを身上としておりますので、本能にしたがってこれを保護して帰ります。

これは、なにも本体に限ったことでは無く、このカメラはアクセサリーが豊富でまた、パーツとしても出回っているのです。かくして、部屋にはマミヤプレスの部品がたまって行くことになりますが、マミヤプレスの部品に囲まれて寝泊りするのも、また、風情があるものです。

このようなパーツを組み合わせて、この年末には「マニアプレス アマシフト」と命名したカメラを自作しました。ほんの少しライズだけ出来る目測式の6x9カメラですがレンズはAPO Grandagon 45mmを使っているので、それなりの写真は撮れます。ファインダーは50mmのものを使い、6x9の枠の外側に合わせて大体合います。また、マミヤプレスのパーツを使うことによって、645,6x6,6x7,6x9のフォーマットが選べ、近距離ではスクリーンでピントを合わせることも可能です。

もちろん、自作用のパーツとしてだけでなく、カメラ本体として使っても使い易いカメラです。私は3台のプレスを持っているのですが表題の写真で左から、Mamiya Press 23 Standard、Mamiya Press Universal、Mamiya Press Super 23といいます。

このうち、23Standardは他のカメラに比べて軽く、またファインダーも90mmとマスクをかけた150mmに限定されたものですが、明るく見やすいというメリットがあります。

Universalはマミヤプレスの中で最もメジャーなボディだと思うのですが、これはこのカメラがカメラのバックを変えることによってポラロイドに対応出来るからであります。このカメラのバックの大きな開口部を利用して何か面白いことが出来るかも知れません。

Super23は、カメラのバックにベローズを持っていてあおりが出来ます。このあおりに対応するように100mmF3.5のレンズは沈胴するようになっております。この機能は同時に接写リングをボディに持っているようなものですから、望遠レンズの最短距離を縮めたい時、接写したい時に有効です。私個人は、どちらかというと、蛇腹を戻し忘れて、失敗した思い出ばかりなのですが...。

マミヤプレスのレンズはいろいろあるのですが、なんといっても白眉は50mmです。あとは、100mmF2.8、250mmF5あたりが秀逸です。

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2007年1月20日 (土)

ストックの香りと風景

Stock_w Camera : ContaxS2b Lens :Macro Planar100mmF2.8 AEJ、 Film : Trebi

今頃から、暖かい房総半島のあたりの観光農園で、ポピーやストックの花を摘むことが出来ます。イチゴ狩りとは違って、その場で食べる訳ではないので、花屋で買った切花と大差無い気はするのですが。。

イチゴの場合はイチゴ狩りで食べるイチゴとスーパーで買うイチゴでは大きな違いがあります。ギリギリまで根から大地の養分を吸収しているイチゴはコクがあります。

お花摘みの場合は、イチゴ狩りとは違って開花しそうな蕾を選んで切りますので、切花と同じと言えば同じなのですが、それでも摘んで来た花を生けて開花を見た時はいい気分です。

ポピーもストックも香りがある花ですが、ストックは香りが強く目立ちます。お花摘みで摘んで来たストックは翌日には開花し、室内をマスカットの香りを乾かしてエグくしたような香りで満たしていることでしょう。リビングにさす午前の陽光に似合いそうな香りです。この花をリビングに飾るだけで、そこが西洋風の春めかしい風景に変わるような気がします。

ただ、夜や湿度の高い日には、鼻孔の奥をむずむず刺激するような香りの成分が鼻につくかも知れません。私は特別悪い印象を持っていないのですが、ストックの香りが嫌いな人は、この香りが苦手なのでしょう、私は赤ちゃんの汗の匂いと同じようなものと感じるので、悪い印象は無いのです。

外に地植えをしているストックは、夜に、特に雨上がりの時は強く、この甘く少し酸味とエグ味がまじる香りを発散します。外灯に照らされたストックの花の姿とその香りは良く調和しており、これはこれで、良い風景です。

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2007年1月18日 (木)

マダム・ピエール・オジュ (Mme. Pierre Oger)は枯れない

Mmpireoje_w Camera :RolleiflexSL66 Lens :Planar80mmF2.8 Film :RDP2

最近オールドローズが流行っていたせいか、人気のある品種は専門の園芸店だけでなく、ホームセンターでも安く手に入るようになりました。

このようなポピュラーな品種のうちの一つがマダム・ピエール・オジュ (Mme. Pierre Oger)です。文句のつけようがないほど、美しく、優雅で可憐なバラです。このバラの花に関しては説明されるより数枚の写真をみれば、十分だと思います。表題の写真はあまり良く写っていないのですが、美しい花を念じてみてください。

おまけにティローズの香りが少し混じったダマスクを基調とした素晴らしい香りがあり、返り咲き性さえもっております。バラの分類ではブルボンローズというカテゴリーに入りますが、このカテゴリーはティーローズとダマスクローズの自然交配種か、初期の人工交配種と考えられております。百年以上、生き残り、大切にされてきた選抜種です。

私は以前、オールドローズというのは、世間に忘れ去られたかわいそうなバラなのだろうかと思って興味を持ちました。ところが実際は、昨今のようなブームを何度も引き起こしてきたスーパーエリートのバラ達という認識に変わりました。これから先も決して枯れ果てることの無い、将来を約束されたバラ達なのです。

これに比べれば、近年のハイブリッド ティーは、あっという間に消えて行く危険性を、生まれた時から持ち合わせる、絶滅危惧種です。

このように、スーパーエリートのバラですが、こんな完璧なバラにも、美徳と思えないところもあります。それは散らないこと。梅雨時だと終わった花がそのまま腐ってゆく状況になることさえあります。

私は個人的に、散り様もバラの美しさの一つと思っているので、全盛を過ぎたら潔くハラハラと花びらを散らせて行くバラの方が好きなのです。

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2007年1月16日 (火)

オンシジウム ケイロホルムの不思議な香り

Onc_w Camera : Pentax645, Lens : Makro Kilar 90mmF2.8, Flim : RVP

昔、花の持ついろいろな香りに興味を持ち始めた頃、オンシジウム ケイロホルム(Oncidium cheirophorum )には、強い芳香があると知って、蘭の専門店を探して恐る恐る電話をしたことがありました。蘭という植物はたいそうなもので、私のような一般人が近寄ってはならないものと思っていたのです。

その翌年、ホームセンターで小鉢で安く売られているケイロホルムを見つけ、堂々と買って持ち帰ることができました。今は、もっと当たり前に売られていて、時期がすぎると処分品の棚にも大量にならんでいたりします。

それは、その前のシーズンにそこそこ売れたからで、その理由として想像されるのは、黄色の蝋質の小花がかわいい、良い香りがする、小さく場所をとらない、土ではなくバークかミズゴケに植えられているので室内に置きやすい、低温に強くて育てや安い、花がクリアーで濃い黄色なので、金運UPが期待できるかも知れない。といったところでしょうか。

この花の香りは、強い芳香といっても気に入らない人もいるかもしれません。こっちを向けと主張します。この花の蜜の味はしりませんが、この香りはそれと関係しているかもしてません。妙に甘く、艶かしく、命の息吹を感じさせる香りです。

私個人は、この花の香りが結構好きです。この花の香りにつられて、花に振り向き寄って行きます。この花の香りが誘う、何かの昆虫と同じ嗜好を持っているのかもしれません。

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2007年1月15日 (月)

Bessa II、デジタル時代の新兵器

Img_6485_w 最近はデジタルカメラを使うことが多く、カメラの選択にもデジタルカメラを中心に考えた方がよくなりました。でも写真を撮ることは記録の目的に加えて、趣味的な要素も多分に入り、またスライドをライトボックスに乗せて、ルーペで暗く鑑賞する喜びも捨てられません。

今まで、デジタルカメラとフイルムカメラの共存をいろいろな方法で考えましたが、最新の結論が ;

  1. 蛇腹カメラ。
  2. それも6x9のフルサイズ。
  3. さらにレンズの焦点合わせが前玉回転式のもので無い物。
  4. 三脚、レリーズが使えるもの。

で、その結果、使わなくなっていたいくつかのカメラを下取りに出してBessa II一台に変えることにしました。数台が一台になるのだからお店の利益を考慮に入れても、このカメラは、なかなか高価なカメラでした。私が持っていったカメラがボロなことも理由の一つでしたが。

このカメラはいろいろなバージョンがあるのですが、やはりシューがついた最終モデルが良いです。これはアクセサリーシューだけの問題でなく、このバージョンからフイルムの送り側にスプール受け軸を持つようになった為、フイルム送りに関するトラブルのリスクが改善されたからです。

この最終バージョンには、レンズのバリエーションがあって、カラースコパー付き、カラーヘリアー付き、アポランター付きがあります。ただアポランターが装着されているカメラは異常に高価なので、私にとっては存在しないも同然なのですが。

前の2つのレンズではカラーヘリアー付きの方が少しランクが上のように扱われていますが、大差なくどちらも優秀なレンズです。

私が求めたものは、たまたまカラーヘリアーがついていました。レンズはどちらでも良かったのですが、カラーヘリアー付きでラッキーと、何となく思ったことは告白しておきます。

デジタル時代のフイルムカメラとして、携帯性、描写とも満足しております。一つだけ残念な所は見にくいファインダーなのですが、折りたたみカメラなのだから、仕方が無いですね。

Bessa2_w 京都の島原にて、(データ F8,1/125、RDP3)。ポジでは暗部もすばらしい描写をしているのがわかるのですが...。

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2007年1月13日 (土)

デンドロキラム・グルマケウムの香りでリラクゼーション

Den_w Camera : Pentax645 lens : S-Planar135mmF5.6 Film : RDP3

蘭の香りの中で何が一番好きかと聞かれると、東洋蘭と、デンドロキラム・グルマケウムを迷うものの、デンドロキラム・グルマケウムと答えることになると思います。その理由は親しみやすく、庶民的で幸せそうだからです。

東洋蘭の香りは素晴らしく高貴で哲学的ですが、その香りの前では姿勢を正さなければならないような感じがします。その点、デンドロキラム・グルマケウムの香りは、怠惰な格好で昼寝をしていても全く問題なさそう、というか、そんな姿にこそ似合いそうな香りです。原産地が南国であるせいか、香りにリラクゼーションがあります。

英語の名前はHay-scented Orchid (干草の香りの蘭)、まさしくお昼寝にぴったりの香りです。

花は、写真のように白い小さな花が花穂につながり稲穂のように垂れ下がって咲きます。開花は花穂の根本から順番に先端にむかいますので、それなりに開花の期間が長く、また落花した小さな花をあつめても、ほんわか良い香りが残っています。

南国の蘭ですが、故郷が高地なので、低温にも強いほうです、育てていると古いバルブに新しいバルブが毎年ついて、そこに花を咲かせるので、育てるのは楽です。ただ花が下垂性なので、鉢の大きさは小さくして、5,6本の花穂が垂れ下がっている状態になるように株分けして言った方が育てやすいと思います。

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2007年1月11日 (木)

ダブル デライトは二重の喜び

Doubledelight_w Camera : Rolleiflex SL66, Lens : Primotar 180mm F3.5, Film : RDP2

ダブル デライト(Double Delight)は二重の喜びという意味で、このバラの場合、紅白の美しい花の容姿とフルーツシャーベットのような素晴らしく強い香りに恵まれた才色兼備の様子を祝福されてつけられた名前だと思います。

ああ、それは良かったね、で話は終わってしまうのですが、ほんの少し付け足すと。このバラが真価を発揮しているのは、このバラが生まれたアメリカの、それもカリフォルニアのあたりではないでしょうか。

実際日本で育ててみると、このバラは日照不足と湿気に弱く、低音に対する耐性もあまり強くない気がします。とくに日当たりに関しては、このバラの容姿に重大な影響があります。このバラの特徴である白の花弁を縁取る赤は花が日光にあたることによって作られる色なのです。このバラの咲き始めはクリーム色で日光に当たらなければそのままクリーム色の花のまま散ります。

日光にあたることによって赤い縁取りが生まれるのです。ですから日光が一方向からしか当たらなければ、赤い縁取りはそちらの方向に偏ります。私の家も日当たりが良くなく、せっかく咲いた花が偏芯して赤く縁取られると、なにか気の毒になってきます。才色兼備に生まれながら、育つ環境には恵まれなかったのです。

日本の家の庭は多かれ少なかれ日当たりに恵まれているとは言えず、このバラに関しては、公園で見れるような美しい容姿の花は一般家庭では見ることが難しいということになるでしょう。

ただ、バラの株自体はコンパクトにまとまり、鉢植えにも適しておりますから、このバラは鉢植えにして育て、花が咲いたら鉢を回して、日光を均等に当ててあげれば美しい縁取りになるものと思います。

湿度に対する弱さも、鉢植えにすれば雨の日には雨よけをしてあげることができるので、克服できるでしょう。手間をかけてあげればそれに応えてくれるので、ある意味、ダブル デライトは盆栽の文化を持つ日本に適したバラなのかも知れませんね。

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2007年1月 9日 (火)

幸福の黄色いジュリアン

Jyurian_w Camera :Pentax645, Lens : Pentax67 MacroPentax 100mmF4, Film :RVP

プリムラのジュリアンという小型の品種で黄色の花には香りを持つものがあります。ジュリアンは冬から春にかけてホームセンターなどで、大量に売られていますが黄色の花のものを一つ一つ香りをチェックして行くとフリージアと菜の花を混ぜたような香りをもつものを探すことができます。

この花は実生で繁殖されているのでしょうが、黄色の花の原種の一つに香りがあったのか、不思議に黄色の花に香りが現れるようです。

ところで、同じような花にプリムラ ポリアンサというものがあって、紛らわしいのですが、おそらくこちらにも香りを持つものがあるでしょう。

何故なら、プリムラ ジュリアンはポリアンサに原種のジュリアナを交配させて日本で生まれた品種。その交配親であるポリアンサも数々の原種を掛け合せて小型化を目指して欧州を中心に選抜されてきた品種です。それが、実生で繁殖されるわけですから、香りの血はどこにどう出ても不思議は無い。と思うのですが、どうでしょう。

ジュリアンは花の少ない季節に可愛らしい花を長く咲かせるので、小鉢で窓辺に置くと長く香りも楽しめます。もっとも、爽やかなフリージアのような香りに混じる菜の花のような香りをどう評価するか、によりますが。菜の花の香りには「生き物の生活臭」を感じてしまう場合があり、室内では邪魔になることもあるからです。

外に地植えしてあげると、暖かい日にはほんわりと香りが辺りに漂います。この時に感じる香りは、待ちわびた春の到来を喜ぶ香りに思われます。この香りが生命力溢れる幸せな春を運んできてくれるのです。

本来は宿根草ですが、この花は夏の暑さに弱く、夏になると融けるように枯れ、根ごと抜かれて夏の草花に場所を空けることとなります。暖地では1年草と思って、毎年新しい苗を求めた方が、楽しみも増えるのではないでしょうか。

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2007年1月 8日 (月)

Pentacon Six system

Img_6467_w 一眼レフのカメラが登場してから、何十年も経ち、これがカメラの定番になっている感があります。一眼レフのカメラは広角レンズから望遠レンズまでレンズ交換が出来ることが最大のメリットなので、各社とも、カメラの他に交換レンズもアクセサリーとしてラインアップしています。

しかし、交換レンズというのはカメラ本体より高い場合が多いですから、ある一眼レフシステムの交換レンズを全て揃えるなんてことは夢のまた夢です。

まして、中判のカメラになると、例えばハッセルブラッドというカメラを考えてみると、交換レンズを全部そろえるなど、メーカー以外に在り得ないことにさえ思われます。

この夢を何とかかなえてくれるのがPentacon Sixというカメラで、旧東ドイツで作製された6x6版のフォーカルプレンシャッターの一眼レフカメラです。このシステムだと、メーカーが用意した交換レンズを一式そろえるのも夢ではありません。しかもZeissで。これはE-bay等で安く売られているからです。

私も、一度はやってみたかった夢ですので、努力しました。とりあえず、Zeiss Jenaの交換レンズはコンプリートしました.....。(1000mmF5.6のミラーレンズのことは触れないのがご作法です(-。-; )、あと、Sonnar300mmとBiometar80mmは新旧2本ずつ写っています。

この他、Pentacon Sixにはシュナイダーをはじめ各種のレンズが装着できるのですが、これを集め始めると終わりが無くなるし、そこまでして使い込むにはリスクが大きいボディです。だからこそ、交換レンズが安く手に入るので、良い面もあるのですが。いずれ深入りしない方が良いのは確かです。

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2007年1月 6日 (土)

寒咲日本水仙の姿に青い海を思い浮かべる

Suisen Camera :Pentax67, Lens : P-planar 150mmF3.5,  Film : RAPF

私的には、お正月の切花と言えば、日本水仙です。この花は洋風の家にも、和風の家にもよく似合い、どこに飾られても、一輪挿しでも、その場に絵を作ってくれます。

日本人に、日本水仙が生けられている光景の記憶とかイメージを聞いてみたら、聞いた人の数だけ違った答えが返ってきそうです。私の場合、ストーブにかけられたやかんからチンチンと湯気が立ち上がり、結露した窓ガラスの外は雪、モノトーンの風景なかで、窓辺の細い花瓶に生けられた2、3本の日本水仙。そんな光景です。

日本水仙は昔から日本の生活に密着しているのですが、その有名な自生地は、ほとんどが海のそばです。一般的に水仙の原産地は地中海沿岸であることから、日本水仙も、昔々水仙の球根が流れつき、日本に適応した進化をとげていった、と考えたほうが良いかも知れません。

そのせいか、私的なじめーとした水仙にまつわる心象風景とは正反対に、本来の彼らの原風景は、潮風に爽やかな香りを漂わせ、青い空、青い海を背景に咲き誇る姿で、どことなく地中海的です。

水仙の種類として、日本水仙は房咲水仙というカテゴリーに分類されるのですが、この仲間には香りを持つものが多く存在します。ただ注意が必要なのは、香りが強すぎたり、不快な印象を与える質のものであったりすることがあります。特に晩春に咲く品種には、生暖かな空気との相乗効果で鶏糞のような匂いを感じることさえあります。

その中で、日本水仙の香りは、咲く時期も良く、とても清清しく感じられます。香りの印象から、たまに、子供の頃遊んだビニール風船を思い出したりすることもあります。あの、ビニール風船の匂いはおそらく、溶媒として少量含まれている酢酸エチルのものだったと思われますが。高校の頃昆虫採集に使った時の酢酸エチルの臭い匂いの印象とはずいぶん異なり、どことなく懐かしさがする香りです。

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2007年1月 3日 (水)

ソシンロウバイは縁起の良いお正月の香り

Img_4658_w Camera : Canon 5D, Lens : Apo Macro Elarit 100mm F2.8

あけましておめでとうございます。今年はいろいろな花の当たり年になりそうなので、お花見が楽しみですね。去年もそんなに天候が悪かったとは思えないのですが、裏作だった花や果実も多かったようです。

ソシンロウバイにしても、近所を散歩して見る限り、去年より花つきがよさそうです。鎌倉の東慶寺や光則寺のようなソシンロウバイの名所では、綺麗に開花しているかも知れません。

お正月には、梅の盆栽仕立ても新春らしいふくよかな花と香りを振りまいてくれるものの、私のような無精者には管理が難しく、地植えでお正月に花が咲く満月ロウバイはうってつけの花です。

Robai_w Camera : Pentax645, Lens : SMC Pentax 645 A35mm F3.5, Film : RVP

満月ロウバイとは、ソシンロウバイの選抜種で、通常のソシンロウバイよりも早く開花し、また花の姿も丸っこい形をしています。実際に庭木用に販売されているソシンロウバイは、満月ロウバイであることが多く、この品種がこれから主流になってゆくものと思います。

お正月でなくとも、この木が枝いっぱいに純黄のロウ細工のように透ける花を咲かせている姿はリッチです。何でも黄色は金運を上昇させる色だと言われますが、この木の開花を見ていると美しく、豊かな気分になりますので、本当に金運が上がりそうであります。

また、花の姿だけでなく、花の香りも静謐で落ちつきがあり、穏やかです。この香りは東洋蘭に似ており、東洋蘭のありがたく貴重な香りを、惜しげもなく振舞ってくれているようにも思われます。そんな意味で、春から縁起の良い気分にしてくれる木です。

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