ジゴペタルム マッケィの爽やかな香り
Camera : Pentax645, Lens : SMC Pentax-A 645Macro 120mm F4 , Film : RDP3
少し前は、ジゴペタルムと言えば、マッケィ(Zygopetalum mackayi)という原種を、冬場のちょっとめずらしい蘭という感じで、よく見かけました。茶色の線紋の入った花弁と、紫色の筋が入ったリップが特徴的な、地味なのか派手なのかよくわからない花です。
低温にも比較的強いためか、ホームセンター等で無造作置かれて売られていたりしました。あるいは、シンビジウムや胡蝶蘭のように満開の花を束ねて引き立たせることはできないので、逆に山野草風なアプローチをしているのかも知れません。
しかし、もっと地味な東洋蘭から、おびただしい名花を選抜してきた風土は、ジゴペタルムを改良して行くモチベーションに、十分であったかも知れません。最近はいろいろな種類のジゴペタルムの交配種をみることが出来ます。
それは、もったいぶった鉢とかディスプレーに飾られていることが多いようで、そんな交配種を見ると、あの紫色のリップはアクセントとして、良い効果があることがよくわかります。
ただ、交配が進むと、花の色、形に主眼がおかれますので、香りは軽視されがちになります。園芸店で美しく飾られて売り場に並ぶジゴペタルムに、香りが薄くなったとガッカリすることもあります。
ポピュラーな原種のジゴペタルム、マッケィには文句無く素晴らしい香りがあるのです。それは、蘭の花の香りにありがちな妙な色気とか、甘ったるさが無く、すっきりとして清らかな感じです。
ジゴペタルムの花言葉は「官能」ということらしいのですが、少なくとも私はこの香りに「官能」は感じたことは無いです。どちらかというと落ち着いた空間を辺りに作ってくれる、そんな香りなのです。
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