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2006年12月 5日 (火)

姫月下美人は月下美人の仲間、でも誇り高い原種です

Img_7831_w Camera : Canon5D, Lens : Apo Macro Elmarit 100mm F2.8,

最近ちまたでは美人がいっぱいです。私の知るところでも月下美人、姫月下美人、満月美人、食用月下美人、歌麿美人、十三夜美人、恵比寿美人などなど。つまり月下美人の仲間はXX美人になるのです。
このうち原種は月下美人と姫月下美人なのですが、これを交配したのが満月美人。また近縁種と交配して歌麿美人や十三夜美人などが生まれました。

おもしろいのは食用月下美人で、これはいわゆる月下美人です。しかし、日本で出回っていた在来月下美人と別の遺伝子をもった種で、この種類が在来種から受粉することによって結実します。それで、この系統を食用月下美人と呼びます。

ちょっと複雑ですが、通常このようなサボテンは栄養増殖されたクローンなので、この食用月下美人以外のすべての月下美人は昭和天皇がご覧になった花も、今日ホームセンターで売られる月下美人も、遺伝子的に全く同一のものだったのです。

食用月下美人が持ち込まれて初めて、自分以外の月下美人が現れたことになります。その自分以外の月下美人を食用と言われては、月下美人の心境も複雑なものがあると推察します。

私の知る限りの美人を集めて、その素性をまとめてみました。

月下美人 Epiphyllum Oxypetalum
食用月下美人 Epiphyllum Oxypetalum
姫月下美人 Epiphyllum Pumilum
満月美人 Epiphyllum Oxypetalum X Epiohyllum Pumilum
歌麿美人 Epiphyllum Oxypetalum X Epiohyllum Pittieri
十三夜美人 Epiphyllum hybrid?

もちろん、これからもどんどん美人は生まれて行くと思います。近縁種や交配種の名前にことごとく自分の名前を影響させてしまう、月下美人という名前はそれほどインパクトの強いネーミングだったのです。

個人的にいうと、このうち姫月下美人だけは、この影響から逃してあげたかったのです。こちらも原種だし、月下美人と少し違った性質もあります。なによりも多花性で花期が長く条件さえ合えば周年開花するのではないでしょうか。花は月下美人より小さいのですが、香りは月下美人よりも強く漂います。

表題の写真は朝に撮ったものですが、姫月下美人の花は月下美人の花と違い朝日を見ることが出来るのです。

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コメント

御予告がありましたので楽しみにしていました。
原種だけに小ぶりながら可憐で、力強さがある花ですね。
大輪の栽培種より好みで、アクアテラリウムを再開できればぜひ導入したい品種です。大変透明感を感じる撮影ですね。私は園芸の素養に乏しいのですが、kkさんのご紹介はそんな朴念仁にもインパクトが大きいです。

投稿: rensmania | 2006年12月10日 (日) 05時14分

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