ポリクセナは健気で律儀な小球根植物
Camera : Canon5D, Lens : Macro Planar 100mm F2.8 AEJ
晩秋になるたび、物置の片隅にごみのように置いてある小鉢から、紫色のつぼみがでているのを発見して、あわてて窓辺に移し、水をあげるということを繰り返しております。
小鉢の中でひそかに活動をはじめたのは、ポリクセナ・エンシフォリア(Polyxena ensifolia )。紫色の小花を、葉が伸びるのと競争するように葉の上にまたは葉の間から咲かせます。
私としては、「すっかり忘れていてすまんかった」という気分なのですが、そのおかげで、先に葉が伸びること無く、葉と花がちょうど良いバランスで咲くのかもしれません。
この小球根は、このように晩秋に花を咲かせ、葉を伸ばし春先に枯れ休眠に入ります。ぞんざいな扱いをされながら毎年花をみせてくれる、律儀で健気な植物であります。
ポリクセナにはオドラタという品種があり、同じような性質で白い花を咲かせます。最初はそのオドラタを育てておりました。香りが良いという意味の学名をもつ白い花は、少しのジャスミンの香りに、酸味の無いフルーツを加えたような香りで、ビワの花の香りとも似ているのですが、それより弱く、香りを感じる時間と感じない時間がありました。
エンシフォリアの香りは、花色から連想できるように、オドラタで混ぜてみた、酸味の無いフルーツをラズベリーに置き換えたら近くなるかも知れません。この花にふさわしい、けなげで、つつましい良い香りであります。それでもオドラタよりも印象に残る香りです。
とにかく、これらの花は小さく群植しても目立たないので、やはり小さな鉢に1球植えして、花が咲いたら小さな鉢を寄せ集めてディスプレーして楽しむのが良いかと思います。本当に、場所をとらないし、水遣りが大変な夏場は休眠してくれ、花の少ない晩秋に目覚めて花を見せてくれる健気で律儀な小球根植物であります。
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