« Tom Brenemanの厚い花弁は良い香りで満たされ | トップページ | 木枯らしが吹けばブロニカの季節 »

2006年12月 2日 (土)

ビワの花の香りには思いやりがいっぱい

Biwa_w Camera : Pentax 67, Lens : SMC Takumar 55mm F3.5, Film : RDP3

ビワは東洋風の果物で、いかにも昔から日本にあった果物に思えますが、この果物が日本に定着したのは明治の中頃からです。つまり平家物語を語る琵琶法師は琵琶を弾いてもビワを食べることは無かったはずです。

この果物がビワと呼ばれるのは、楽器の琵琶に形が似ているからでしょうし、楽器の琵琶はもともとビーワとかいう発音で呼ばれる外来のものです。しかし、琵琶もビワも日本の風土になじみ、あたかも、最初からそこにあったかのような風情です。そしてビワの花も、花の香りも日本の風情にあっています。

ビワの花は11月からぽつぽつと冬の間長期にわたって咲き、白い地味な花を咲かせます。しかし、この白い地味な花は、冬の空気に良く馴染み、良い香りをあたりに漂わせます。その香りは、梅餡で作った桜餅があったなら、こんな香りだろうと思われるものです。桜の葉の塩漬けが持つような乾いた感じの甘さと梅の実が持つような酸味が混じったような香りです。

この香りは冬の空気に乗って、越冬する蜂に届きます。食料の少ない冬をすごさなければならない蜂にとって、この香りは天から流れる香りに思えるかも知れません。ビワの花が冬の間ぽつぽつと咲くのは、気温が低くつぼみの生長が遅いせいだけでなく、こうした越冬中の蜂を受粉の媒介に頼み、蜂へ蜜や花粉を切らさないで供給するためかも知れません。美しい共存の姿です。

最近、犬なみの優れた嗅覚を持つミツバチを訓練して、火薬の匂いを覚えさせ、テロ対策に使える見通しがたったと言うニュースを見ました。ミツバチにとっては迷惑な話ですが、ミツバチを狙って火薬は爆発しないので、テロから人命を守るためには非常に有効な手段だと思います。

ただ、訓練によって火薬の匂いを美味しい匂いと感じるようになってしまったミツバチにも、引退して余生を送る時が来たならば、せめてビワの花の香りでも嗅がせてあげたいものです。

Img_6017_w1 中判の広角レンズでは蜂が小さすぎるので、デジカメで撮ったものを追加します。なかなかダイナミックに蜜を吸ってます。(5D,AME100mm、トリミング)

|

« Tom Brenemanの厚い花弁は良い香りで満たされ | トップページ | 木枯らしが吹けばブロニカの季節 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« Tom Brenemanの厚い花弁は良い香りで満たされ | トップページ | 木枯らしが吹けばブロニカの季節 »