好きなシクラメンを探す楽しみ
Camera : Hasselblad 201F, Lens : Tele Tessar 350mm F4, Film : RHP3
もう、懐メロの範疇に入ってしまうのですが、シクラメンのかほりという歌が流行って、シクラメンには香りがあるのかということが話題になりました。結論はかすかに有るということだったかと思います。
シクラメンの原種には香りがあるものが幾つかあるのですが、現在出回っているシクラメンは交配が進んだ園芸種で、より大きな花を咲かせるように工夫されてきたので、香りが消えてしまっていたのです。
この歌の影響でシクラメンに香りを戻す交配もすすみ、香りシクラメンという名前でホームセンターでも見られるようになりました。シクラメンは花期が長く、花の少ない冬の間、窓辺を飾ってくれるので良い香りがあればより価値が増すものと思います。
シクラメンに香りを復活させた交配は、原種を掛け戻したものでしょう。原種には良い香りを持っているものがいくつかあるからです。
中でもシクラメン・プルプラスケンス(Cyclamenpurpurascens)強い香りを持っていて、香りの質もスミレとすずらんを混ぜたような感じです。ただこの花はシクラメンのくせに夏に開花するので、横浜で5月の末頃開花されると「お前大丈夫か?」と心配になるし、あたりには香りの良い花がふんだんに咲いているし、ありがたさも半減です。キクラメン・プルプラスケンスは割と丈夫で涼しいところにおいておけば、横浜でも葉をつけたまま夏越し出来ます。ただ、水遣り等に注意が必要で、彼らには辛い季節であることにかわりありません。
また、シクラメン シリシウムCyclamen ciliciumには蜂蜜のような香りシクラメン シプリウムCyclamen cypriumは粉っぽい香りがあって、園芸種のシクラメンに粉っぽい香りが感じられる時はこの花の血かなぁと考えてしまいます。
原種のシクラメンについては、横山園芸という専門店がありここを検索すれば、かなりの情報が得られます。原種のシクラメンの魅力が満載のお勧めサイトです。
ところで、現在の私は育てていた原種も枯らし、園芸種の夏越しにもあまり神経質にしておりません。ホームセンターで毎年、普通のシクラメンから好みのシクラメンを探すことを楽しみにしております。シクラメンの原種も良いのですが、花が小さく花数も少ないのは否めません。シクラメンは基本的に種から育てられるので、ホームセンターで普通に売られている品種には、全ての花に別々の個性があります。同じものはありません。花の色、形、香り、それに葉の色、形、模様すべてに個性があります。花の香りについても、良い香りを強く漂わすものもあります。
初冬になるとホームセンターの店頭にならぶシクラメンの海に分け入って、両手に鉢花を抱えて、こっちよりこっちと、バーゲン品を買い漁るように選んで行くのは、下品な気もするのですが、楽しいですよ。
写真の品種は良い香りを持った八重咲きのシクラメンです。変わっていて面白い花ですが、やはりシクラメンはシンプルなものが一番好きです。良いお年を。
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