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2006年11月28日 (火)

寒蘭は日本の貴重な香り

Kanran_w Camera : Pentax645, Lens : Kinoptik Paris 100mm F2, Film : RDP2

表題の写真は決してよく写っていないのですが、面白いのでこれを使うことにしました。何が面白いかというと、ピントのある花の後ろで萎んでいる花は、枯れてきたのではなく、受粉した為に萎んできたのです。最初は解らなかったのですが、この後この株を育てているうちに懐妊していたことを確認しました。

改めて見てみると、通常花が終わって萎んで行く姿と違ってなんとなく色気があるように思います。今思うと、萎んだ花に1枚くらいピントを持ってきてもよかったのに、当時はレンズの絞りを開けて花を撮ってみることを楽しんでいたので、この写真が確認できる精一杯なのは残念です。

その後、受粉しているのかも知れないと思い実ができるまでそのまま育てたのですが、純粋に花を楽しむのであれば、すぐ花枝を切った方が良いです。

寒蘭はこの後、春までかかって細長い実をつくり、極小の種子を作ります。ところが、この極小の種子を得たところで、通常は発芽しません。寒蘭の発芽は、風に飛ばされた種子が発芽を助ける土壌菌と出会って初めて可能とされています。

その為、寒蘭は出現する場所が決まっており、生育地が限られるのです。また、この性質が悪循環をも引き起こしております。寒蘭が実生によって増えるということは、わずかな変化が固体ごとにあることを意味していて、その変化によって名品が生まれ、高値で取引されますから、限りある自生地からさらに人によって掘り起こされることになります。

最近、土壌菌のある場所に寒蘭の種をばら撒いて自生地を取り戻そうとする人もおります、それを、自生種の汚染と考える人もおります。そもそも、自生地から誰も掘らなければ問題は無いのですが、この辺りの事情は難しくデリケートです。

私は、寒蘭の個体差による銘のことは何も知りません、わずかに気にする事といえば、日本産の寒蘭は中国産の寒蘭に比べて香りが高いので、日本産の香りの強く安い個体を探します。香りに関する事では、春蘭は中国のものが香りが強く、寒蘭は日本のものが香りが強いことは面白い現象で、何が原因なのか興味が尽きません。

いずれにせよ、日本の寒蘭が晩秋に馥郁と気高い感じの香りを放ちながら咲くということは、素晴らしいことで、願わくばこの事実だけは永遠に消えないでいて欲しいものです。

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コメント

写真の寒蘭は、土佐の金鵄系の神曲のようですね。
私も寒蘭は好きです。家に10鉢ほど育ててますが、今年は
全く花が咲きませんでした。
植物の全体が美しく、なんとも文人の世界の域ですね、
柔らかな陽射しの中で、凛と咲く蘭ほんとうにいいですね。
香りは柑橘系のようなすっきりとした香りで好きな香りの一つです

投稿: こう | 2006年11月29日 (水) 00時41分

実は、この写真は古いものなのですが、ラベルに確かに金鵄と書かれてあったような。さらにその先に続く名前があるのは知りませんでした。
前に東洋蘭ハンドブックみたいな本を立ち読みしましたが、この世界は私には無理、はっきり言って区別がつきません。

ウチは今年は花は咲いたものの香りがさっぱり、こんなことってあるのかなぁとボーゼンと見送っております。

投稿: kk | 2006年11月29日 (水) 22時10分

金鵄という土佐西谷産の寒蘭で出芽の時の芽が白く出るのと、
花の葉緑素が抜けて黄色味をおびており花の軸が赤く染まっているのが美しい品種で根強い人気です。
さて、香りのほうですが、午前中、朝日が射すころが一番強く
香ります、気温15度くらいの時がいいでしょう、今年は暖かく、きっと緑が強く花の色が冴えなかったのではないでしょうか?

投稿: | 2006年11月30日 (木) 00時02分

やはり、寒蘭は難しいです。とくに香りに関しては。置き場所にもよっても左右されるみたいですし。
だからマニアが生まれるのだと思いますが。専門店で店主と常連客との会話ときたら、禅問答のようで、こちらは全く訳が解りません。

投稿: kk | 2006年11月30日 (木) 21時04分

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