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2006年10月 9日 (月)

キヤノンが作った中判カメラ

Img_0036_w 写真のカメラは、X-Ray Canon CX-60、レンズはR-Serenar 100mm F1.5と言います。キヤノンが作った6x6のブローニーカメラです。

このカメラについて、現在情報は無いのですが、X線のCRTを撮影する目的で、キヤノンが作ったカメラとレンズだと思われます。もともとキヤノンは、X線の間接撮影用のカメラを精機光学工業の時代から作っていたのですが、カメラの名前がCanon Camera Co. Ltd、レンズの名前がR-Serenarであることを考えると、キヤノンに会社名を変えた1947年からレンズ名をキャノンに統一した1953年の間に製作されたものでしょうか。

使い方は、120のフイルムを入れてスタートマークを合わせ、巻き上げダイヤルを回すと一枚目で止まります。一枚目を撮影して、ロックを解除し、またダイヤルを回すと2枚目で止まります。カメラ側はちょうど、フイルムホルダーと同じ構造です。

違いは、真中に遮光板があり、これを引き下げて撮影します。遮光版は抜き去ることが出来ない構造になっていて、撮影時には下げ、それ以外は上げておきます。私のカメラはこの遮光版がさびていて、下げることが出来なくなっていました。

Img_0030_w カメラのほかに見える装置は、ピントを調節する装置です。カメラと同じレンズマウントがついていて、同じフランジ位置にスクリーンを差し込むようになっています。

思うに、このカメラは巨大で重いレンズを使うため、レンズ側を固定して、スクリーンを取り付け、レンズの90mmまで繰り出せるヘリコイドを使ってピントを合わせ、スクリーンをカメラに取替え、遮光版を移動させ、撮影すると言った手順で撮影が行われていたのではないでしょうか。

このピント確認装置にトレーシングペーパーを差し込んで、ピントを確認してみましたが、思ったとおり、ヘリコイドを最短にしても無限遠は来ません、トレーシングペーパーをもっとレンズに近づけると、まばゆいばかりの遠景が結像するのですが、残念ながらその時にイメージサークルは6x6をカバーしていません。

R-Serenarレンズは、とにかく巨大で重く、EOSマウントを貼り付けても、EOS5Dのペンタプリズムにぶつかって装着出来ないくらいです。

このカメラはシャッターが無いので、通常の撮影は出来ないのですが、何とかしてこのレンズを6x6で撮影してあげたくていろいろ考えた挙句、結局Pentacon Sixが最適という結論になりました。

以下がその理由。

1/1000までのフォーカルプレンシャッターを持っている。一眼レフなのでピントの確認が容易。レンズマウントの周りに余計な出っ張りがなく、レンズをマウントし易い。フランジバックが比較的短い。

Serenar_w こうして考えると、Pentacon Sixってすごいカメラなんですね。そして、左の写真がPentacon Sixを使って撮った写真です。シャッター速度は1/500、フイルムはRDP3.。このレンズが生まれて初めて目にした生の花だったのかも知れません。

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コメント

これもまた一味どころじゃないものすごいカメラです。
普通の人は店頭で見てもどうやって使うか思い浮かばず猫またぎしてしまうのではないでしょうか。
なるほどP6ですか、見事な画像です。キャノンも古い大口径は味わい深い描写ですね。鮮やかな発色はさすがですね。

CRTというよりは、本来X線フィルムが入る位置に蛍光剤を塗布した板を入れて、それに透過してきたX線があたって発光した蛍光を写真撮影するわけです。蛍光は淡く発光時間は短いし、できるだけX線は弱く当てたいので明るいレンズが必要ですが、それでもX線フィルムを使う直接撮影よりもX線が強いので問題になっていたそうです。
蛍光用なので補正する波長が1種類だけで済み、大口径を設計するのが容易になったようです。
ですから色収差補正に不安があるわけですが、ある種のベリートのようにソフト効果、しかも絞ってもソフトが期待できるかもしれませんね。まあキャノンともなれば色収差補正も高レベルかもしれませんが。

基本的に間接撮影は集団検診専用なので、ひとしきり撮影後に、ネガをビュワーで連続して観察します。フォーマットは大きいほうが精細に検討でき見逃しが少なくなります。35mmよりはブローニー(もしかして70mmもあるかも)の方が有利です。

投稿: lensmania | 2006年10月14日 (土) 20時44分

おおお。ありがとうございます。

実は、X線の間接撮影はどんな風にするのか興味があったのですが、詳しい情報を得られなくって心残りの状態でした。

見事に解決。幸せです。

前に、angenieuxの120mmCRTレンズを見かけて、本当に迷ったのですが見送ったことがあります。似たようなレンズはもう充分にあるし.....。こんなことばかりしていては..と、その当時は思ったものですから。

このカメラは、お値段も安かったこともあり、全く迷わず、前進あるのみ、後ろは振り向くな、何も聞く耳持たずの状況で即決しました。

今回は撮影装置が付いていたし、何よりCanonの製品でしたので。

昨今は、わずか一年前に販売したデジカメを、無かった事にしそうなメーカーになってしまった感がありますが、こんな物をきっちりと作っていた時代もあったのですね。

投稿: kk | 2006年10月15日 (日) 15時54分

はじめまして。kk様

 レントゲンレンズの作例がこんなに美しいとは存じませんでした。
 レントゲンレンズとはいえある程度の幅で色収差は抑えますので、ちゃんと写るのですね。

 ありがとうございました。

投稿: efunon | 2014年2月 3日 (月) 17時56分

efunon さま今晩は

このレンズ、中判でレントゲン撮影をする為に作られているので、通常のものよりイメージサークルが大きいのです。
Canonも面白いものを作っていたのですね。

投稿: kk | 2014年2月 8日 (土) 20時03分

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