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2006年10月28日 (土)

Hektor三兄弟  200/2.5, 250/2.8, 300/2.8

Img_5784_w 私がここで言うHektor三兄弟というのは、LeitZが以前作っていた中判用のプロジェクターレンズのことなのですが、これらが実際に兄弟のように一緒に暮らしていたかというと、そんな事はなかったのではないかと思います。
 同じ工場で生産されても、現役のプロジェクターレンズとして働いていた頃はお互いが出会うことなく、引退してアルミのマウントを外されてから、極東の園芸植物ファンの自宅でたまたま再会を果たしたのだと思います。

私がこれらのレンズを買った時はマウントがついていて、そのマウントからするとこれらのレンズはLeitz Prado 66、http://www.kameramuseum.de/projektoren/leitz/leitz-prado66.html で使われていたものと思います。ただ、このプロジェクターの標準レンズはHektor150mmF2.5ですから、この3兄弟はいずれも望遠投射用の交換レンズで、そのなかでも300mmにいたっては超マイナーなレンズだったのでは無いでしょうか。

今これらのレンズは、機会さえあれば安く手に入れることが出来ます。というのは普通プロジェクター用レンズは、専用コンデンサーレンズ、フォーカシングマウント、投射レンズの3点セットではじめて実用になるので、レンズ本体だけでは「使えないコ」なのです。なので、コンデンサーが逝かれた投射用レンズが安く手に入るという訳です。ただ絶対数は少ないので機会にめぐまれることが必要です。

実は、私を含めて今日これらのレンズを買おうとする人はスライドプロジェクター用の望遠投射用レンズとしてはなく、このレンズを使って写真を撮りたい人でしょう。200mmで6x7、250mm以上で4x5を楽にカバーします。

フイルムのサイズが大きくなるにしたがって、フイルムの平面性維持の問題も発生することもあり、レンズは通常絞って使うことになりますが、たまーに大きなフイルムのほとんどのエリアをアウトフォーカスにして、一点だけ合焦した写真を撮りたいなんて時もあるので、そんな時はこれらのレンズの出番です。

ちなみにHektor300mmF2.8の4x5での作例は拙Blogの「シノゴでサンニッパー」http://hanano-kaori.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_aaa7.htmlをご覧ください。

Img_5780_w これらのレンズは重く、用途が特殊な効果を狙ったものに限られるので使う機会もあまりありませんが、200mmなら、デジカメにつけて遊んでみようかなという気になります。部品取りした残骸のペンタックス67の接写リング3番にパーマセルで留めてヘリコイド接写リングをつけ、無限遠を調整する為1番の接写リングをさらに加えます。この状態でペンタックス67でも問題なく使えますが、ペンタックス67からペンタックス645さらにEOSへとコンバートして、デジカメのEOS5Dで簡単に遊べます。

Img_5770_w 個人的な思い込みでLeitzのレンズには、郷愁をさそるような絵が似合うと信じているので、手前のアクセントに焦点を合わせ、主題をボケで表現するような写真にはぴったりだと思います。そんな写真を撮りに田舎に行きたいのですが、チャンスが無くて、、近くの公園でボケをテストした作例を貼っておきます。

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コメント

プロジェクター用のレンズが高性能であることをKKさんの、このブログで初めて知りました。
こんな場合、絞りはいつも開放ですか?

投稿: staka | 2006年10月28日 (土) 07時43分

Stakaさん、おはようございます。

絞りはいつも開放です。
Leitzにはプロジェクター用レンズから改良して絞りをつけたHektor125mmF2.5というレンズがあるらしいので、絞りをつけることは、やろうと思えば出来るのだと思います。ただ、これらのレンズは、実のところ撮影に使うには重過ぎます。特殊な用途だけで使います。

大判写真撮影用の、シャッターは無いけど絞りはちゃんとついている大口径レンズで、Som BerthiotのFlor300mmF4.5という巨大レンズを持っているのですが、Hektorの300mmはそれにくらべても2周りほど大きく、馬鹿みたいに重いレンズです。両方ともテッサータイプのレンズだと思うのですが、明るさが少し違うだけで、大きさは随分かわってしまうものなのですね。

投稿: kk | 2006年10月28日 (土) 09時36分

入院中に上野で見たバーレルレンズは、明るいレンズばかりでしたのでレンズの径が10センチ以上のものばかりでで重さもありました。
単純に考えると300mmf4.5と300mmf2.8では径が倍違うと言うことですか。
新しいレンズを付けて初めて撮影すると、結果が楽しみでワクワクしますが、これが嵌ったということですね。笑


投稿: staka | 2006年10月28日 (土) 11時41分

3本もあると壮観ですね。
250mmを買って見ましたが市販のヘリコイドで何とかなる限界かなと思いました。

投稿: ken | 2013年1月11日 (金) 16時59分

ken さま今晩は

あらためてこの記事見ると、200mmはペンタックス645Dで使えるハズですね。今度やってみます。

投稿: kk | 2013年1月11日 (金) 23時14分

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