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2006年9月 7日 (木)

誰もが愛するクリムソン グローリー クライミング

Crimson1_w Camera : Hasselblad 500C/M , Lens : Distagon 60mm F3.5 CT, Film : RAPF

赤のつるバラでクリムソン グローリー(Crimson Glory )以上のバラは今後も難しいと思います。花首が弱く花がうつむいてしまうのも高い所から私を振り向いてくれる事だし、花が進むと花に青みがかかってくるのも変化があってよろしい、と一般には欠点と思える事も美徳に変えてしまいます。

このバラは、容姿がどうの香りがどうのといった事を超えて人を魅了する力があり、その為いろいろな伝説も生まれたものと思います。例えば、先の世界大戦中、他のドイツ生まれのバラは切られてもこのバラだけは例外だったとか、赤いバラは香りが強いという言い伝えとか。

私にしても、今の株に万一のことがあれば、やはり同じバラを植え直すでしょう。このバラに魅了されているのです。

クライミングが名前の後についているのは、もともとこのバラはブッシュタイプのバラとして作出され、その中からつるに伸びる性質のものが枝変わりとして出てきた為です。ブッシュからクライミングの枝変わりはよくある事なのですが、このバラの場合は神様がくれた奇跡に思えます。このバラの一番の欠点だった花首の弱さが美徳に変わった瞬間です。

つるバラとしては良く返り咲くほうでしょう、その為秋の花の香りも、少しだけど楽しめるのは嬉しいですね。その花の香りはダマスクのタイプといって、バラの香りの中で最も重く後を引くようなものです。例えば、それは、エレベーターか廊下で、「ここにバラの香水を付けた人が居たはずだ」と感じる時のバラの香りで、同じバラの香りでも、出会った瞬間に脳内にバラが咲くティーローズの発散する香りとは違います。

特に、ビロード赤の花びらを持ついくつかのバラには特有の深いダマスクの香りを持つものがあり、バラによって多少香りの違いはあるものの、花の容姿と香りの相性は最高で、真紅のバラには良い香りがあるという伝説が生まれるのも無理からぬことと思います。

ダマスクというバラの香りのタイプはダマスクローズという、ピンクか白の花が咲く種類のバラが本来持つ香りなのですが、真紅の芳香種が似た香りを持つと、より深い香りに感じられます。

そんな真紅のバラの中でも、クリムソン グローリーは一段と香りがよく、バラの香りに関する最も権威のある賞である、The James Alexander Gamble Fragrance Awardを最初に受賞したバラであります。

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コメント

いつもこつそり拝見させて頂いております、タカハタと申します。
クリムゾングローリー。孤高の幻想作家"中井英夫"さんが
戦後すぐの、何もない灰色の時代に、ひっそりと咲く深紅のバラに魅了されたと聞いています。誰もがバラと聞いて思い浮かべるその形を体現している品種ですよね。

投稿: タカハタ | 2006年9月 7日 (木) 19時17分

タカハタ様
コメントありがとうございます。

ひっそりと咲いていた深紅のバラは、戦争の前、あるいは戦中にも誰かの愛情を受けていたのかも知れません。

戦争によってその愛情はどうなったのでしょうか、それでもバラは咲き、見る人を魅了したのでしょうか。

コメントを拝見して、そんな空想を膨らませると、いかにもそこにクリムソングローリーが咲いているようで、ちょっとイイ感じです。

投稿: kk | 2006年9月 7日 (木) 23時19分

レス、ありがとうございます。
彼がクリムゾングローリーに見せられたのは、
戦前本郷にあった「バラ新」という園芸屋の庭先だそうです。
彼の作品には「薔薇幻視」「流薔園変幻」などバラに関する者も多いです。名作「虚無への供物」ではバラがキーになっています。
そんなバラを偏愛した作家・中井英夫の父親は植物学者であり東大教授の中井猛之進でした。
すいません、つい熱が入ってしまいました。

投稿: タカハタ | 2006年9月 8日 (金) 12時57分

確かに美しいバラ、香りもいいですが、花の芯が、キャベツのように巻いてしまう事があるのが唯一このバラの欠点ですかね

投稿: こう | 2006年9月 9日 (土) 00時00分

整い過ぎないものが、当世の流行だということで.....。

投稿: kk | 2006年9月 9日 (土) 00時39分

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