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2006年9月 1日 (金)

クサキの花の香りは、盛夏の思い出

Img_5310_w Camera : Canon5D, Lens : EF100-400mm F4.5-5.6L

昔、草木染めを行う友人からクサキの実を捜して欲しいと頼まれ、サルノコシカケを探すように深山に入る覚悟をしていたら、近くの公園にあったから実を採ることだけを手伝えばよろしいと言われ、自分の無知を恥じたことを覚えています。

一度覚えてしまうと、クサキは本当にどこにでもある木だったのです。特に特徴のある美しい実は印象に残ります。

Kusaki_w (Pentax645,SMCpentax 67 300mmF4 ED, RVP)この実を草木染めで使うと、美しい浅葱色になるのです。浅葱色とは少し緑が入った水色で英語で言うところのターコスブルーに似た色です。

実際に見てみたければ、歌舞伎座に行くと「浅葱幕」が見れますし、テレビの時代劇で新撰組のドラマを見ればあの制服の色がそうです。

あの実の色が絹糸になるとこうなり、さらに織るとまた違った印象に変わるのだと教わり、その変化が不思議に思えたものです。

そんな不思議な変化は、実だけでなく、花の香りについても言えます。この木の名前の由来になった葉や枝の匂いは、それほど不快ではないものの臭い匂いではあります。それが花になると、甘く穏やかな良い香りになります。

7月の終わりから8月にかけ、香りで勝負する花にとっては最も厳しい環境でこの花は勝負に出ます。蒸し暑いことを考慮して、決してでしゃばらず、偏らず、それでいて風に乗った時には、何か良いなぁーと思わせる、「飾らない普段着の雰囲気で勝負する」タイプの香りであります。

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