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2006年8月12日 (土)

ヤマユリはユリの女王様

Yamayuri3_w Camera : Pentax67 Lens : SMC Pentax 75mm F2.8 Film : RAPF

昔々、私がまだ子供の頃、近所のお寺ではお盆が近づくとお墓の草刈の仕事を募集して、農家のお母さん達の手ごろな仕事となっていました。私の母もよく私を連れて草刈の仕事をしていました。

もちろん草刈鎌による手作業で、エンジンカッターで草をなぎ倒して行く現在の作業とは全く別物の重労働だったと思います。

ただ、そんな重労働にもかかわらず、お母さん達はヤマユリは刈らずに丁寧に残しておりました。夕方作業が終わると、残されたヤマユリが恥ずかしそうに、細々と風に揺られていた情景を覚えております。

実は、ヤマユリは藪の中に半身を隠しているのが好きな植物なのです。暑い西日から守られ、また重い花を咲かせる為、風が強い時には寄りかかることも必要なのかも知れません。周りの草を刈られてしまうといきなり不安定になってしまうのですね。

Yamayuri4_w 野原に自立しているのが不安定であるならば、最初から倒れていれば良い訳で、ヤマユリは左の写真(写真のデータは表題のものと同じ)のように西側を山にした傾斜地に倒れこむように咲く姿も多いです。

ヤマユリの花に関しては、いまさら言う必要も無いユリの女王です。褐色の斑点が派手で苦手に思う人もいるでしょうが、私には真夏の太陽に負けない輝きを放つように見え、素晴らしい花だと思います。私に言わせれば、この花を交配親にしたどのオリエンタルハイブリッドの花も、この花を超えたものはありません。輝きは失われることはありません。

また、ヤマユリは真夏に咲く花にもかかわらず、強い香りを持っています。藪の中に咲いていても香りで存在がわかるほどです。香りは甘く強いのですが良い香りです、もちろん、カサブランカをはじめとするオリエンタルハイブリッドのユリと近い香りですが、カサブランカと比べると、「野生」を感じる凛々しさがあります。

写真の花は8月6日に箱根で撮ったものです。関東でも山地ではまだ花を咲かせ、道路の斜面から帰省や行楽の車を見守ってくれることでしょう。

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