Pan Tachar 125mm F2.3 Astro Berlin for Rolleiflex SL66
Camera : Rolleiflex SL66SE, Lens : Pan Tachar 125mm F2.3, Film : RVPF
Pan TacharはドイツにあったASTRO Berlinが作ったレンズで、4群4枚のレンズ構成で開放値はF2.3シリーズとF1.8シリーズがあり、焦点距離は255mmまであったとされます。シネマレンズまたはスティール写真のレンズとして用意されていましたが、1963年のカタログを見ると、125mmF2.3、150mmF2.3、150mmF1.8がラインアップされていて、他の焦点距離のレンズはPan Tachar以外でアップされていたと思われます。
またこの3本は6x6判カメラ用のマウントで特注することが出来たようですが、値段はPraktika等の35mm判一眼レフと同じ値段です。ちなみに最も安価な125mmF2.3のレンズで225ドル。当時としては充分に高価だったものと思われます。
私が使用しているものは、ムービーカメラ用のものをRolleiflex SL用のマウントに変換したものですが、もともと6x6用でも用意されたくらいですから、一応6x6をカバーします。
一応と書いたのは、開放ではぐるぐるボケに見舞われるからですが、これが面白くて、わざとこのボケが出るような状況で使うことが多いです。作例の写真は真ん中に山百合の花を配置して撮影し、これを右隅にくるようにトリミングしたものです。
当初、自生地の環境を表現する意図でヤマユリの紹介写真に使おうと思ってスキャンしたのですが、これではヤマユリが少し可哀想なので、ボツにしたのですが、せっかくスキャンしたので、Pan Tacharの紹介に使わせてもらいました。
このレンズも絞ればぐるぐるボケは無くなって行くし、中心部のピントは素晴らしいものがあるのですが、これだけ大きなぐるぐるボケをかましてくれるレンズは少ないので、わざとぐるぐるさせてます。
そんなこともあってか、私はこのレンズを使うとき上機嫌に♪Das gibt's nur einmal, das kommt nie wiederなんて歌ってしまいます。「会議は踊る」の主人公の女性がロシア皇太子の館に向かう時のシーンを思い出し、あのシーンはPan Tacharで撮られたのかな、という思い込みから、主題歌の「ただ一度だけ」を口ずさんでしまうのです。
しかし「会議は踊る」は1931年公開、このレンズの製作は実際には微妙に間に合っていないような気がします。
でも写真を撮る人には良い歌詞ですね「ただ一度だけ、二度と無い」なんてね。
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コメント
やっとこさ表示されるようになりました.
今まで全く見えていなかったので...なせかしら
ともあれ,まとめ読みできて嬉しいです ^^
投稿: lensmania | 2006年8月15日 (火) 12時27分
lensmania様、いつも拙Blogを見ていただきありがとうございます。
昔はRolleiflex SL66にPlanar80mmばかりを使っていました。ところがある日突然五角形の点光源ボケが気になり、どうしたものかと考え込んでいた時Pan Tacharと出会いました。
それからは坂道を転がり落ちるように、どろどろとした深い沼にはまる一方です。
他に楽しい事もないし、まぁイイかなんて思ってますが。
投稿: kk | 2006年8月16日 (水) 22時09分