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2006年7月 8日 (土)

銀座のリンデンは謎だらけ

Img_7359_w Camera: Canon5D lens : EF24-105mm F4L

銀座の並木通りの街路樹のリンデンもさすがに花は終わりましたが、6月の初旬から結構長く楽しめたように思います。一本の木でもポツポツと開花するうえ、街路樹なので、木ごとに開花のずれがあるせいです。

ところで、この銀座並木通りのリンデンについて、東京都中央区はシナノキと言っております。銀座では、シナノキとは言わずリンデンと呼ぶのでしょうか。シナノキも海外ではジャパニーズリンデンと呼ばれますから。

ただ、一般的にリンデンとは、ヨーロッパの公園、街路樹でポピュラーな、ナツボダイジュ、フユボダイジュ、およびこれらの雑種のセイヨウボダイジュ(セイヨウシナノキ)を指します。

Img_5201_w Img_520520d_w 2枚とも Camera : Canon20D lens: EF35mmF2

面白いのは、街路樹のプレートで、2種類のプレートがかけられています。一つはTilia japonica simonkai、和名:西洋しなのき、でありもう一つは、tilia x vulgaris Hayneです。
最初のプレートには和名と学名に食い違いがあります。Tilia japonica simonkaiはシナノキの事です。もう一つは、セイヨウシナノキで整合性がとれています。

それでは、セイヨウシナノキの方が正しいのでしょうか。私はこれには疑問があります。それは中央区のHPでは平成18年4月1日時点で、管理する街路樹にシナノキが233本あるとしている事。また、街路樹のような安全性を求められる用途に、日本の気候に合い自生しているシナノキを使わず、あえて、海外からセイヨウシナノキを輸入して冒険を犯すでしょうか。

それまで、日本に植栽されているセイヨウシナノキは、記念樹として植栽されている程度で、とても街路樹のような過酷な環境での実績は無いと思うのです。私は、銀座のリンデンはシナノキではないかと思います。

ところで、シナノキの街路樹で言えば、日本にはもっと歴史があり、相応しいものがあります。かおり風景100選にも選ばれている、信州松本市の大名町のシナノキの並木です。

ところが、こちらのほうは、シナノキと言いながら実はオオバボダイジュではないかと言われています。私は行ったことが無いので、詳しくは解りませんが、これは両方とも日本の自生種なので、それもアリかなと思っています。

興味があったので、ついだらだらと書いてしまいましたが、どちらにしても銀座の「リンデン」の花は、開花期には通りを素晴らしい香りで覆います。通りで写真を撮っている最中にも何人もの人が、「良い香り」とつぶやいて通り過ぎました。香りはシロツメクサのような香りですが、もう少しより甘く、蜂蜜っぽく、滑らかで、ふんわりした、そんな感じの香りです。

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コメント

毎回非常に楽しみに拝見拝読しています。
余りにも素晴らしいので、もしご出版なされば2~30部まとめ買いして知人に配り職場の待合に並べておきたいと常々思っています。

投稿: lensmania | 2006年7月 8日 (土) 22時56分

おそれ多いお言葉、恐縮です。

ところで、銀座の並木通りといえば、少し前まで煩悩を抱えて右往左往したものでした。

Lensmaniaさんもご多分にもれず、東京にお越しの時には彷徨ったくちではないでしょうか。


投稿: kk | 2006年7月10日 (月) 20時12分

本気でございますよ  ^^ 
ご出版の際は是非一声,んでサインを.

最近東京出張が激減しましたので,少ないチャンスは今後とも生かすべく彷徨うでありませう (^^;)

投稿: lensmania | 2006年7月10日 (月) 23時03分

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