エゴノキは、白い清楚な花に合う名前
エゴノキはハクウンボクよりわずかに遅れて開花します。前に、花はエゴノキよりハクウンボクの方が見ごたえがあると書きましたが、エゴノキの花も、枝からシャンデリアのようにぶら下がって咲く姿は、素晴らしく綺麗だと思い直しました。
個人的な思い入れでは、この花が開花している様子は、清楚で、エゴノキという名前の響きにぴったり来るように思います。
ところが、本来エゴノキという名前は関東での呼び名で、全国的には「チシャの木」をベースにして、お国なまりが加わった呼び方をされるのが一般的だったのではないでしょうか。
歌舞伎の「伽羅先代萩」の御殿の場で、籠の中の雀の子に親鳥が外から餌ばみさせる場面で、雀の唄が「こちの裏のちさの木に、雀が三疋止まつて止まつて、一羽の雀が云ふことにや」と歌われますが、このちさの木がエゴノキです。
ちさの木は唄に出てくるだけなので、もちろん雀が止まった枝に花が咲いているということは無いにしても、歌を歌う子の運命がわかっている以上、ここで純白のエゴノキの花が咲き、散っていく様子を想像する....のは考えすぎですね、多分。ここは、ヤマ場でもなんでもない場面なのですが、私はこの芝居の中で最も好きな場面です。
とにかく、清楚であること、これがこの花の身上ではないかと思うのです。花の香りもまた、ハクウンボクと似た、キリッ、クラッとした感じですが、ハクウンボクほど強く無いように思います。
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コメント
はじめまして。
昨日 オットと散歩中に エゴノキのあまりのよい香りに顔を近づけて (ハチがブンブン飛んでいたのに気づかないくらい真剣でした・笑) 写真を撮って ネットで名前を調べていて こちらにたどり着きました。
香りのよい花は 好きですか?
はい!大好きです!
投稿: IKKO | 2009年4月30日 (木) 12時49分
IKKOさま今晩は
コメントありがとうございます。
私、エゴノキを歌舞伎にかけて紹介していたのですね。
まだ父が元気な頃、秋田弁でこの木を何と言うか知りたくて、「この木はヂサノキって言うのか」と秋田弁ぽく訛って聞いた事を思い出しました。父はそんな気がすると答えましたが、本当は知らないのだな、と思って笑ったものです。
おかげさまで、そんな事を思い出して楽しい気分になりました。
花の香りは、思い出につながるから、私も大好きです。
投稿: kk | 2009年4月30日 (木) 21時47分