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2006年6月23日 (金)

遥か昔の夏を思い出させる水芭蕉

Uryunuma_w カメラ:Pentax SP レンズ:Super Takumar 55mmF1.8 フイルム:kodachrome 25

写真の水芭蕉は北海道の雨竜沼のものですが、25年くらい前のものです。今は無きKodachrome、ISO25のフイルムです。このフイルムで撮った写真は全く当時と同じ状況を保持しており、保存性のよさに驚きます。

当時はこのポジフイルムを現像すると、赤色でKodachromeと印刷されたペーパーマウントに一枚ずつマウントされ、引き出し式の箱に入れられて返却されていました。マウントには現像した年月が刻印されており、手間をかけていたものだと、改めて思います。

発色は渋めなのですが、このフイルムで撮った植物の緑と、蒼い空の色が好きで、低感度を我慢して、よく使ったフィルムです。

くどくどと、フイルムの話を持ち出してまで、昔の写真を掲示したのは、本当のところは、最近の写真で良い物が撮れなかったからです。

この花の写真にはお作法があって、1.手前には綺麗な形の花のアップ 2.適度に群落をバックにして広がりを見せる 3.水を画面のどこかに入れ、出来れば光と戯れさせる。が条件です。ところが、現実はこれが、なかなか難しいのです。全盛期の花期が短い上に、この花が咲くような場所と時候は、天候に恵まれない事が多いからです。

その為か、この花は受粉に面白い工夫を怠りません。水芭蕉の本当の花は真中の芯にある小さなボツボツがそうなのですが、雌しべとおしべの成長に時間差をつけ、なるべく自家受粉しないようにする。昆虫によって他の花から花粉をもらえなければ、潔くあきらめて、さっさと自家受粉してしまう。この2段構えです。最近これに、風による受粉も狙って、3段構えではないかという説も何かで読みました。

この場合の昆虫ですが、水芭蕉が想定しているのはハエか何か、蜜が無くても来てくれそうな虫です。その為水芭蕉は、香りを発散するのですが、ちょっと変わった香りです。

私の印象では、焚きたてご飯に香水をぶっ掛けたような香りです。考え込むと気持ち悪いのですが、水芭蕉が咲く水面を渡ってくる風の香りは清らかです。この清らかな香りにつられて花穂に近づくと、ご飯が炊けたよーみたいな香りになります。

強引に解釈すると、清らかな香りは発散して遠くにいる昆虫に存在を知らせ、食べ物っぽい香りで、近くにきた昆虫に実際に花に止まってもらう。この2段構えの香りをこの知恵深い花は狙っているのではないでしょうか。

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