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2006年6月 6日 (火)

シンデレラのようなハタケニラ

Img_6705_w カメラ:Canon5D レンズ:Zuiko Macro50mmF2(2枚とも、トリミング)

写真家の鬼海さんの撮る肖像写真のように壁際にたたずむ花はハタケニラと言います。ハタケニラは、もともとNothoscordum fragransと言う美しい名前を持つ、南アメリカが原産の植物です。

ところが英語でもfalse garlic(贋ニンニク)と呼ばれるように、いろいろなところでニラだとかニンニクだとかのまがい物としての扱いを受けております。もちろんニラやニンニクの臭気はありません。

これは、この花にとっては不本意で、まったく違った植物なのに、ニラとかニンニクだとか言うな、と言いたいのでしょう。

何故、こんな事になったのか。それはこの花は、切花等の商業的な園芸植物の対象とされてなく、球根さえ売られない雑草扱いだからです。ハナニラでさえ球根が売られているのに。

Img_6692_w 南アメリカ原産のこの花が世界に広まったそもそもの発端は、植物が好きな好事家が移植したからでしょう。花は綺麗だし昔の化粧品がよく持っていたような、どことなく郷愁をさそう良い香りもあります。しかし、健常で、種でも球根でも簡単に増殖する花は、種が飛散して徐々に雑草化していったものと思います。

どちらかと言うと、好ましい植物なので、よほど邪魔なところに生えなければ抜かれることは無いでしょう。次第に、場所によってはありふれた植物となったと思われます。

また、この花が商業的に園芸植物とならないのは、その開花サイクルと関係があるかも知れません。この花の開花時間は夕方から20時くらいまでです。シンデレラ姫より着飾ることが出来る時間は短いのです。

一日中開花さえすれば、この花の容姿と香りは十分切花として認められるハズなのですが、惜しいですね。

私の家のすぐ近くの道路の裂け目や塀の隙間にも、この花はやってきました。やがて、私の家にやってくる日も近いでしょう。

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