西暦2xxx年、ニセアカシアは人類を救うか
カメラ:Canon5D レンズ:EF24-105mm F4 L
ニセアカシアは思い入れの強い木なので、5月にポツンと開花してしまう横浜の木の開花ではなく、香り百選にも選ばれている秋田県の小坂町のニセアカシアの開花を紹介したいと思っていました。小坂町には写真のように、ピンクの花を咲かせる品種も植栽されております。
何故、小坂町かと言うと、小坂町は古くから鉱山の町なのですが、鉱山の煙害、酸性雨で山は裸になり、流出土砂で、川下の町も困っていました。この状況を救ったのがニセアカシアだったのです。それ以来、町とニセアカシアは共存してきました。
今、小坂町はニセアカシアの木が500万本あると言われていますが、当初は、荒れ果てた山河を回復させるために、一本一本に悲壮な願いを込めて植林されたものです。ニセアカシアが厳しい環境に耐え、土壌を改良すると、他の木も戻って来て、緑は回復しました。
ニセアカシアは今や、侵略的外来種。在来種を脅かす存在としてネガティブキャンペーンの対象に何時なるとも知れない立場です。しかし、ニセアカシアに望みを託した町の状況にこそ、この木の本質があるというものです。
すべての雑念を取り除いて、ニセアカシアの花を見て見ると、美しい花です。ピンクの花が咲く品種も良いですが、やはり風景として収まりが良いのは白い花です。そして、香りは、良い香りです。時に甘すぎると思う時もありますが、花が大量にあることからくるもので、嫌な感じの甘さの質ではありません。
何時の時代も、事の良し悪しはその時の人間の勝手な判断です。ニセアカシアにしても、昔は禿山を緑化する優れた植物で善、今は、在来種に脅威を与える侵略者として悪。棘があるので、伐採するにも注意が必要で、また横に伸びた根から芽が出るので、伐採しても根絶したことにはならないしぶとさが、嫌われる理由に加わります。
しかし、ひょっとして西暦2xxx年、酸性雨に犯された大地に、有害物質を浄化しつつ酸素を供給し、季節には蜂蜜と、てんぷらの具になる花を提供する、人類にとって、かけがえの無い植物と評価されているかも知れません。
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コメント
人間ってかって、かつて日本狼が野生動物の天敵として存在、
自然淘汰が・・・近在狼が家畜を・・・で、狼は絶滅・・野生動物が増え続け作物を・・・・・ナンのこっちゃ(-_-;)
投稿: remidayo_10ne | 2013年10月30日 (水) 11時27分
remidayo_10ne さま今晩は
ソー言えば、日本にも狼がいたのですね。
日本の生き物、種類は随分減ってしまいました。
投稿: kk | 2013年11月 4日 (月) 22時10分