桐の花は雅な香り
カメラ:Canon5D レンズ:Mirotar 500mm F8
女の子が生まれたら桐の木を植え、嫁ぐときに桐箪笥を作って花嫁道具にする。美しく、情緒あふれる話です。そんなことから、桐の木が植栽されている家をみると、女の子がいるんだ、とそう思っていました。あの、もちろん深い意味はありません。
桐は中国が原産の高木で、その材質の特性から楽器の材料に使われていた木ですが、楽器を作る為の材料としてでしょうか、それとも、高貴な木であるという中国での扱いに対するあこがれの為か、平安時代には日本にも植えられるようになりました。
この木にとっては、これが運命の転機で、江戸時代の大火事を契機に、箪笥や、保管用の木箱として次々と用途が拡大され、その需要をまかなう為、日本国内だけでなく、他国まで日本への輸出という商業上の興味で大規模に植えられる木となりました。
米国などでは、商業用の管理下から逃げ出した木が、その生長の速さから、あぶない外来種として見られることもあるようです。残念ながら、そこには情緒あふれる美しい世界はなさそうですね。
どんなに素晴らしい植物でも、度が過ぎれば危ないものになる訳で、桐の木にとっては、女の子が生まれて、植えられ、一緒に成長を見守られるのが最も幸せな姿かも知れません。
この木は、藤の咲く時期か少し後に薄紫色の花を咲かせるのですが、藤が長い花穂をもって人に擦り寄ってくるのに比べて、孤高の高みに花をつけます。その為、花の香りを確かめるには落花した花を拾って確かめるのですが、とても良い香りを持っています。
もし、高貴で、雅な香りという言葉があったなら、この花の香りがぴったりです。
この花は、落下して、落ちた花びらを乾かしても、なお、かなりの香りを保留するので、ちゃんとした手順でドライフラワーを作れば、和室などには優れた装飾になるような気がするのですが、どうでしょう。
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コメント
はじめまして、写真キレイなので,twitterで紹介させて下さい。
昨日が大暑で「桐始結花」という日らしく、霧ってどんな花だろう?と思い検索致しましたらすてきな写真と文章で、ご紹介したいと思いました。
宜しく願い致します。 しばはら
投稿: しばはら | 2010年7月24日 (土) 09時02分
しばはら さま今日は
どうぞどうぞ、よろしくお願いします。
個人的な感想の部分はいい加減ですが、事実の部分は割りと(汗)正確に書いております。
投稿: kk | 2010年7月24日 (土) 11時52分
Googleで調べても、桐の花の香りについては一言も触れられていません。やはり、桐の花には日本的な香りがあったのですね。今日、仕事帰りに近所の庭からあの懐かしい香りが漂ってきて、一瞬子供時代を思い出しました。KKさん、ありがとうございます。
投稿: h.m | 2012年5月23日 (水) 01時40分
h.m さま今晩は
この季節に桐の花の香りということは、関東から北のあたりでしょうか。
横浜ではゴールデンウィークの後半頃、程よい木が植栽されている場所を見つけて楽しんできました。
本当に雅な香りですよね、大好きです。
投稿: kk | 2012年5月23日 (水) 22時16分
今の現場で紫の花を付けてい~い香りがしてた木があって、何だろうなぁと思ってて先輩に聞いたら桐の木だって。元々キンモクセイの香りが大好きだったんですが桐の花の香りもたまらなく癒されますねぇ( ^o^)ノ
投稿: 虎二 | 2014年6月 3日 (火) 20時39分
虎二 さま今晩は
金木犀も桐もどちらかというと、東洋的な落ち着いた香りだと思います。
やっぱり、こういう香りには癒されますね。
投稿: kk | 2014年6月 3日 (火) 21時24分