奥ゆかしいオオヤマレンゲの香り
オオヤマレンゲ(大山蓮華)は、深山で6月から7月にかけて咲く花を報告されるべきかも知れません。残念なことに、私には経験が無いのですが、山でこの花の開花に出会ったら一生モノの記憶になることと思います。
それでも、あえてこの時期に紹介するのは、この後ホウノキとオオヤマレンゲの混血種のウケザキオオヤマレンゲを紹介したいこと。そして、私がこの花を観察している鎌倉の円覚寺や東京の神代植物園では、今、開花中である為です。
実は、私の家でも植栽してあるのですが、なかなか開花してくれません。同じような気候で開花している木を観察すると、もう少し大きくならないと花はつかないと思います。成長も遅そうです。
かといって肥料をどんどんあげるのは、この木に相応しくないし、枯れる恐れさえあるような気がします。特別なことはしないで自然に任せて、気長に待ちます。とりあえず、自然放任で枯れていないのですから。
この花の風情は、清楚、質素、素朴、控えめ等等、いかにも日本人が好きそうな表現で語られます。この花のどんなところがそうなのでしょう。深山に自生地がある、花付が良くない、開花がゆっくり、うつむき加減に咲く、純白の花びら、清らかな香りがあるというところでしょうか。
このうち清らかな香りについて、どのような香りかというと、コブシとクスノキの花を混ぜたような感じの香りです。コブシの持つ、少しの甘さと清涼感に、クスノキの花が持つ、爽やかな刺激を合わせて、全体を少し薄めたような印象です。
こんな香りがうっすらと、うつむき加減の純白の花から漂ってきたら、私のような古い日本人はイチコロです。季節には、大山蓮華を見なければ気がすみません。
写真は、鎌倉の円覚寺の松嶺院に植栽されている大山蓮華です。ここの大山蓮華は、お墓に向かう階段の途中にあり、坂道に植栽されているので、顔が届くすぐ近くに花を見ることも、運がよければあります。
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