トベラの花の香りは、潮騒が似合う
カメラ:Canon20D、レンズ:Zuiko Macro 50mmF2
トベラは日本での呼び名がそのまま学名(Pittosporum tobira )の一部に使われる、日本ゆかりの花木です。
何でも、トベラは扉に由来する名前で、異臭のある葉や枝を扉に刺して、魔よけに使われたからだ、ということです。何か、ドラキュラよけにニンニクを、門に掛けるのと同じような話ですね。
その異臭を持つトベラですが、花には良い香りがあります。ニワトコとかクサキとか、結構、枝葉と花で香りの使い分けしている植物は多いのです。
単純に考えて、自分自身を維持する為のエネルギーを作る葉は、臭い匂いを出して虫から守り、種の維持の為の生殖器である花は、良い香りを出して虫を引き寄せているのでしょうか。検証はしていないものの、植物は身を守る手段として匂いを使うことはよく知られていることです。
良い香りである、花の香りの方は、日本水仙を甘くしたような香りです。日本水仙の香りの特徴として酢酸エチルのような印象の香り成分がありましたが、トベラもまた同じような香り成分があります。
それは、偶然でしょうか、それとも、何か共通点があるのでしょうか。強引に共通点を探すと、これらの植物の自生地は海の近くであるということです。しかし、それはいくらなんでも、強引に過ぎる嫌いがありますね。
ただ、私はトベラの香りも、日本水仙の香りも潮風によく似合う香りだと思います。特にトベラの香りは、少し甘さがのっていて、この香りがすると、どこからかのどかな初夏の潮騒が聞こえてくるような気がします。
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