<房アカシア> カメラ:Canon5D レンズ:Macro Planar 100mmF2.8 AEG
まずはミモザ(Mimosa)から。そもそもミモザは何かというと、オジギソウのような葉っぱの植物を表す名称です。ちなみにMimosa Treeと一般的に言うと、ねむの木になります。
ところが一般に私たちがイメージするミモザは何かというと、春に黄色いボール状のふさふさの花が固まって咲く花木です。ミモザサラダはゆで卵の黄身が命、合歓の花のピンクでは困るのです。という訳で、オジギソウのような葉を持ち、黄色の花を咲かせる花木。最近では銀葉アカシア(Acacia baileyana)が「ミモザ」として売られるケースが多いようです。
<銀葉アカシア>カメラ:Pentax645 レンズ:67用SMC pentax75mm F2.8 フィルム:RDP3
ところで、ミモザには香りがあるとされております、ところが街にあふれる銀葉アカシアに香りはありません。いったいミモザは何なのでしょう。
実は、暖地の公園に植えられていたりするねむの木のような巨大な木が本家のミモザです。正式な和名を房アカシア(Acacia decurrense)と呼びます、フランスでこの木がミモザと呼ばれることから、似たような銀葉アカシアがミモザとして日本に定着したのではないでしょうか。
何故、本家の房アカシアでなく銀葉アカシアが普及したかというと、木の大きさの違いを見れば納得できると思います。銀葉アカシアは小さな木でも開花し、葉が小さくじゃまにならないので家庭の庭にも収まるのですが、房アカシアは公園みたいな広いところでなくては無理です。
「ミモザ」は、数百種のアカシアのうち、ミモザの葉を持つものをミモザアカシアと呼んでいるうち、肝心のアカシアがとれて一人歩きをしたものだと言えるでしょうか。ただ、アカシアが本来の名前なので、同じような黄色の花が咲いても、葉が三角形で面白い三角葉アカシア(Acacia cultriformis )になると、さすがにミモザという文字はつきません。
ミモザの香りとは、房アカシアに代表されるアカシアの香りなのですが、他の品種のアカシアにも、この香りがあるものもたくさんあります。いっそうのことアカシアの香りとすれば正しいのでしょうが、今度は通常私たちが思っているアカシアとこんがらがってしまいます。
私たちが通常、アカシアの香りとしてイメージしているものはニセアカシアの香りです。名前は混乱をまねくものの、名前と顔は一致しているのです。
このニセアカシアについては、日本だけで贋と呼んでいるわけでなく、英語でもFalse Acacia、学名でさえ、Robinia pseudo(贋の) acaciaなのはかわいそうな気がするのですが、詳細についてはまた今度。
<房アカシアの近接写真です>葉が大きく濃いグリーンですね。
カメラ:Graflex XL レンズ:Heligon 95mm F2.8 フイルム:E100VS 6x8フォーマット。我ながら、マクロレンズをつけたデジ一眼と、中判レンジファインダーカメラの使い分けの基準は何なのだろうと突っ込みたくなりますね。
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