Tele Tessar 250mm F4 for Hasselblad の作例
FシリーズHasselbladの250mmのレンズはSonnarではなく、Tele Tessarです。私はこの事に以前から興味を持っておりました。
FシリーズのHasselbladのレンズはレンズシャッターの制約から解放されるので、Vシリーズのレンズよりも開放値が明るかったり、最短距離が短かったり何かしらのメリットを、同じ焦点距離のレンズに対して持っています。
250mmではVシリーズが開放値がF5.6なのにF4と一段明るく、さらに気持ち小型化されています。だから本当は十分なのですが、それなら過去の1600/1000FシリーズにあったSonnar250mmF4を使っても良かったはずです。
過去のレンズをいまさら作るのは芸が無い、というのであれば、その時はまだSonnar250mmF4のレンズはプロジェクター用の望遠レンズとして、P-Sonnar250mmF4として作っていたので、その理由では無いと思います。
Zeissはあえて、Tele Tessarで設計したと思います。その理由はテレタイプで小型化するという動機もあったと思いますが、NASAのスペースカメラへのレンズ供給ということが最大の理由でなかったのかと思うのです。
学術用にはレンズシャッターを持ったSonnar-Superachromat 250mmF5.6が1972年には世に出ており、解像度では最良のレンズが既にあったものの、F4の開放でNASAが満足する画像をもたらすレンズが必要であったのだと思います。
TeleTessar250mmF4がリリースされたのは1979年で、1977年の紹介から時間が経っています。このことからも、Zeissもそれなりに気合を入れて作ったレンズだと思われます。
今日、TeleTessar250mmF4はすでに製造中止になり、中古市場でも不人気なレンズで、残されたMTFからたいした魅力の無いレンズ(多分Saとか、Sonnar180と比較して)と言う評判も聞きますが、実際使ってみるととても使いやすく好ましいレンズです。あと、絞り羽の枚数が8枚なのは私にとって大きなメリットです。
カメラ:Hasselblad201F レンズ:TeleTessar250mmF4 +Mutarx2 フィルム:RVP
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